2026年7月9日
日経平均924円高の6万7,743円85銭――「イラン追加攻撃早期終了」のデータとAI・半導体株への資金再配分
ヒナコ
トシさん、本日の日経平均株価は前日比924円80銭高の6万7,743円85銭と、4営業日ぶりに反発して取引を終えました。アメリカ軍によるイランへの追加攻撃が早期に終わったという報道や、前日のアメリカでの半導体株高を受けて、日本市場でも一時1,600円以上も値上がりする時間帯がありました。昨日の大幅な下落から一転してこれほど強い買い戻しが入ったのは、どのようなファクトがあるのでしょうか?
トシ
地政学リスクの後退を示す客観的データと、米国株高の連動による機械的な資金の再配分だ。ここでプロの機関投資家が売買の基準としているファクトを整理しよう。米軍のイラン追加攻撃が早期終了したという報道データにより、前日にシステムが過剰に織り込んだ中東情勢の悪化懸念が一旦リセットされた。これに加えて、前日の米市場で半導体株が上昇したデータを受信したことで、機関投資家のリスク許容度が回復し、前日まで売られていたAI・半導体関連株に対して機械的な見直し買いが執行された。ただし、一時1,600円を超えた上げ幅が大引けにかけて924円高まで縮小したのは、上値で利益確定を狙う売り圧力と、週末を前にしたポジション調整が機能している事実を示している。
ヒナコ
戦争のリスクがデータ上で和らいだことと、アメリカの株高という事実に基づいて、プロのシステムが冷静に半導体株を買い直した事実がよく分かりました。ただ、昨日1,400円下がって今日1,600円上がるような激しい価格変動を見ると、今すぐ買い戻さなければ反発の利益を逃してしまうのではないかと強く焦ってしまいます。
トシ
一つ聞きたい。今日の924円高、一時1,600円超という戻りを見て、君を焦らせているのは何だ。買い戻せなかった機会そのものか、それとも「この反発に乗り遅れる」という取り残される感覚の方か。相場には「相場は明日もある」という古い言葉がある。今日という一日で勝負を決めなければならない理由は、たいていの投資家にはない、という戒めだ。市場は明日も開く。冷静に判断できる機会は、今日を逃しても何度でも巡ってくる。昨日1,400円下げて今日1,600円戻すような相場は、裏を返せば、一日単位では方向が読めないほど振れているということだ。その振れの一往復に全資金で飛び乗って、次の一往復で逆を引けば、取り返そうとした焦りが傷をさらに深くする。ここで問いたいのは、今すぐ買い向かうその判断は、企業の中身を確かめた上での判断か、それとも上げ幅の数字に急かされた反射か、ということだ。もし後者なら、今日動く必要はない。私が言えるのは、こういうボラティリティの高い日ほど、乗り遅れる恐怖ではなく、自分のポジションが許容できるリスクの内側に収まっているかを基準に置く方が、明日以降も落ち着いていられるということだ。