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暗号資産(仮想通貨)の税金|税率・申告要否と制度改正

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編集:金融ナンバーワンサイト編集部|対象:日本居住の個人

2026年分の暗号資産の所得は、原則として雑所得・総合課税です。売却等で得た所得を給与などに加え、控除後の金額から税額を計算します。まず「売却額→所得→追加税額」を分け、次に本人の条件で申告要否を確認します。

税金と申告を確認する順番

  • 所得を出す:売却・交換・決済・報酬を年間で集計し、取得価額と必要経費を反映します。
  • 税負担を見る:現行の所得税は5〜45%の累進税率。復興特別所得税と住民税も加味します。
  • 申告を判断する:20万円基準は、一定の給与所得者の「給与・退職以外の所得合計」で確認します。
  • 所得年を確認する:2026年分は原則2027年に申告。将来の分離課税は、成立状況と適用開始の条件を分けて確認します。

売却額から暗号資産の所得を計算する

基本式 所得金額 = 譲渡価額 − 譲渡原価 − 売却等に直接要した必要経費 商品決済や暗号資産交換では、受け取った商品・暗号資産の取引時の円価を譲渡価額として使います。

再計算できる例:0.1 BTCを売却

前年からの保有とほかの売買はなく、0.4 BTCを購入手数料込みの取得価額160万円で購入し、その後0.1 BTCを52万円で売却したとします。売却手数料は5,000円です。

1 BTC当たりの取得価額:160万円 ÷ 0.4 BTC = 400万円

0.1 BTCの所得:52万円 − 40万円 − 5,000円 = 11万5,000円

売却額52万円に対して、この取引の所得は11万5,000円です。ここでは年内の取引がこの購入・売却だけとし、以下の税額例と申告判断にも同じ所得を使います。ほかの暗号資産取引や報酬があれば、まず年内の所得を集計します。

同じ銘柄を複数回売買する場合、銘柄ごとに総平均法または移動平均法で譲渡原価を計算します。初めて取得した年分の申告期限までに評価方法を届け出ず、個人の法定評価方法を使う場合は総平均法です。

必要経費は取引に直接必要な部分を計上する

譲渡原価や売却手数料は代表例です。通信費やパソコン代等は、暗号資産の売却等に直接必要な部分を明確に区分できる範囲に限られ、資産は減価償却が必要な場合があります。用途と負担額を説明できる資料を保存します。

複数取引所、取得価額、平均法、取引履歴のまとめ方は計算・申告の詳細で扱っています。

2026年分の税率と追加税額の見方

個人の暗号資産取引による所得は、現行では原則として「その他雑所得」です。給与などの総合課税所得に加え、所得控除を差し引いた課税所得に、所得税5〜45%の累進税率を適用します。2026年分は所得税額に復興特別所得税2.1%が加わり、個人住民税の所得割は標準で10%です。

暗号資産による追加税額は、所得を加えた後の税額と、加える前の税額の差として考えます。所得税率が変わる境目や、所得に応じて基礎控除などが変わる場合も、この前後を計算します。2026年分の控除額は国税庁「所得税のしくみ」で確認できます。

所得11万5,000円を申告に含めると、税額はいくら増えるか

2026年分で、暗号資産所得を加える前の所得控除後の課税所得が300万円の例です。給与収入300万円という意味ではありません。暗号資産所得11万5,000円を加えても所得控除は変わらず、税額控除はない前提にします。

所得税:300万円 × 10% − 97,500円 = 202,500円
追加後:311万5,000円 × 10% − 97,500円 = 214,000円

所得税の増加:214,000円 − 202,500円 = 11,500円
復興特別所得税の増加:11,500円 × 2.1% = 241.5円
住民税所得割の増加:11万5,000円 × 10% = 11,500円

合計の増加は約2.3万円です。端数処理前では23,241.5円となります。住民税も課税所得が同額増える仮定で、非課税基準・調整控除・自治体独自の加算・均等割等は計算に含めていません。

これは申告に含める場合の税負担の例です。所得税の申告を省略できる条件は、次の20万円基準で確認します。

所得税率は課税所得に応じて段階的に変わります。たとえば課税所得300万円は10%、400万円は20%の帯ですが、それぞれ速算表の控除額を引いて税額を求めます。最高45%は最上位の税率帯に適用する税率です。全7段階と控除額は国税庁の所得税の速算表で確認できます。

自分の所得・控除を変えて比較する場合は暗号資産の追加税額シミュレーターへ進みます。入力する暗号資産所得は、取得価額・必要経費を反映した年間合計です。取引履歴からこの金額を作る手順は暗号資産の計算・申告ガイドで扱います。

所得区分は取引規模・帳簿・事業との関係で確認する

国税庁の2025年12月更新FAQでは、年間の暗号資産取引に係る収入金額が300万円を超える場合、帳簿書類の保存があれば原則事業所得、保存がなければ原則「業務に係る雑所得」とする分岐があります。帳簿があっても営利性が認められない場合などは個別判断です。本業に付随する取引も区分が変わることがあります。

300万円は経費控除後の利益ではなく収入金額です。以下の損失の説明は原則の雑所得を前提とします。個人事業としての所得区分・記帳に該当する場合は、税務署または税理士へ確認してください。

20万円基準は給与以外の所得合計で判断する

20万円は、一定の給与所得者が所得税の確定申告を省略できるかを判断する基準です。暗号資産を含む、給与・退職以外の所得を合計します。売却額や入金額ではなく、取得価額・必要経費を引いた所得で確認します。

所得税の確定申告を判断する代表例
状況所得税の考え方確認すること
給与を1か所から受け、その全部が源泉徴収対象で、給与収入2,000万円以下・年末調整済み等の条件を満たし、給与・退職以外の所得合計が20万円以下他の申告理由がなければ、所得税の確定申告を省略できる場合があります。源泉徴収・年末調整などの条件と住民税申告
上記条件の給与所得者で、暗号資産など給与・退職以外の所得合計が20万円超原則として確定申告が必要です。給与以外の所得を合計し、収入ではなく所得で判定
医療費控除等で還付申告をする20万円以下の所得も含めて申告します。暗号資産を含むすべての申告対象所得
給与がない、複数給与、給与収入2,000万円超など本人の所得・控除・給与の受け方から判定します。本人の所得・控除・ほかの申告要件

同じ暗号資産所得11万5,000円でも、他の所得と申告理由で変わる

給与は1か所・全額が源泉徴収対象、給与収入2,000万円以下で年末調整済み、ほかの申告理由はない給与所得者の例です。「他の所得」は、給与・退職以外で20万円基準に合算する所得とします。

  • 他の所得8万5,000円:合計20万円。上記条件では、所得税の申告を省略できる場合があります。
  • 他の所得8万6,000円:合計20万1,000円。原則として確定申告が必要です。申告には20万1,000円を含めます。20万円を差し引く控除ではありません。
  • 医療費控除などで還付申告:合計20万円以下でも、暗号資産を含む申告対象所得をすべて記載します。

所得税の確定申告を省略できても、住民税の申告が必要になる場合があります。住所地の市区町村が案内する手続きを確認してください。扶養・配偶者控除や社会保険の判定も20万円基準とは別です。

申告基準と還付申告時の扱い:国税庁 No.1900・同Q&A。

配偶者や扶養への影響は、家族の所得や加入制度で異なります。該当する場合は扶養・配偶者の論点を分けて確認してください。

仮想通貨で税金が発生するタイミング

所得計算の対象には、日本円での売却、商品決済、暗号資産同士の交換、報酬の取得があります。取引ごとに円換算し、年間の所得へ集計します。

原則、所得計算が必要

  • 日本円等で売却
  • 商品・サービスの代金に使用
  • 別の暗号資産へ交換
  • マイニング・ステーキング・レンディング等の報酬を取得

保有・移動として区別する

  • 値上がりしたままの保有(通常、含み益だけでは所得計算をしない)
  • 同じ暗号資産を自分の管理先へ移動(手数料や前後の交換は別に確認)
  • 相場がなく価値がない前提でのハードフォーク取得

個別確認が必要

  • 送付手数料を暗号資産で支払う部分
  • エアドロップ・NFT・DeFi
  • ブリッジ・ラップ・流動性提供
  • 海外取引所・P2Pの複合取引

暗号資産同士の交換は円換算して損益を計算する

たとえばBTCでETHを買うと、BTCを円で売って、その円でETHを買った場合と同様に、交換時のETHの円価をBTCの譲渡価額としてBTC側の損益を計算します。現金を受け取らなくても所得が生じる可能性があるため、納税資金と円換算根拠を残します。

報酬は「受取時」と「後日の売却時」を分ける

マイニング、ステーキング、レンディング等の報酬は、取得時の時価を収入にし、直接要した費用を必要経費にできる場合があります。その取得時価が新たな取得価額となり、後日売却したときにもう一度、売却価額との差額を計算します。

自己ウォレット間の移動も記録は残す

同じ暗号資産を自分名義の管理先へ移すことと、売却・交換は分けて記録します。送付元、受取先、日時、数量、トランザクションID、手数料を残すと、後で取得価額をつなげやすくなります。手数料の支払いや前後の交換を含む扱いは取引実態で確認します。

年間の損益を集計し、雑所得の損失を確認する

同じ年の暗号資産取引は、銘柄・取引所をまたいで所得を集計します。複数の口座を使う場合も、口座ごとに20万円基準を使う仕組みではありません。

現行制度で暗号資産の損益が雑所得に当たる場合、同じ年の総合課税の雑所得に区分される暗号資産の利益と損失を合算します。合計が赤字になっても、その赤字を給与所得など他の所得区分から差し引く損益通算や、翌年への繰越は原則できません。国内FXなどの申告分離課税の所得は別枠です。

将来の分離課税に設けられた3年繰越は、制度開始後の対象取引に関する条件付きの制度です。損失が発生した年と、その年に適用される制度に沿って扱います。

所得が生じた年の記録をそろえ、翌年の申告へ進む

2026年1〜12月の所得は、申告が必要な場合、原則として2027年の確定申告で扱います。取引所で取得できる報告書・CSVに、ウォレット、海外取引所、DEX、商品決済、報酬、送付手数料の記録を合わせます。

  1. すべての取引履歴を集める
    国内取引所で提供されるCSV・年間取引報告書に加え、ウォレット、国外取引所、DEX、P2P、報酬、商品決済、手数料の記録を保存します。
  2. 移動と譲渡を区別する
    日時、数量、相手資産、取引ID、円換算に使った価格と出典をそろえます。
  3. 銘柄ごとに取得価額と所得を計算する
    届け出た評価方法(総平均法または移動平均法)を使い、未届の場合は法定評価方法である総平均法で、収入、譲渡原価、必要経費を集計します。
  4. 申告要否と所得区分を確認する
    20万円基準だけでなく、給与、ほかの所得、還付申告、収入金額300万円超の分岐、住民税を確認します。
  5. 国税庁の計算書とe-Taxへ反映する
    暗号資産の計算書と確定申告書等作成コーナーを使い、納付資金も準備します。

国税庁の暗号資産計算書は総平均法用・移動平均法用があります。申告入力は確定申告書等作成コーナーで確認できます。

取得価額が分からない場合、売却価額の5%相当を取得価額とする扱いはあります。売却手数料等を考慮しなければ、売却価額の95%が所得計算上の差額になります。まず取引履歴、銀行入出金、取引相場を確認して取得価額を復元します。

法人名義の保有・取引は暗号資産の法人税務、相続・贈与は暗号資産の相続税・評価を分けて確認してください。

分離課税の開始時期と対象取引の条件

成立済み・主施行日を確認

適用開始は改正金商法の主施行年の翌年1月1日

税制改正法と、その前提となる改正金融商品取引法は成立・公布済みです。2026年10月8日に確認した公式資料では、暗号資産規制を移す主な施行日の確定まで確認できていません。主施行が2027年中なら、新税制は2028年1月1日以後の対象取引に適用され、通常は2029年2〜3月に申告します。

適用開始と対象取引の根拠:財務省「令和8年度税制改正の解説」329〜337ページ。

所得の年と申告の年を分けて確認します。たとえば2028年1月1日に適用が始まる場合、2028年中の対象所得を原則2029年に申告します。2028年に行う通常の確定申告は2027年分が対象です。

  1. 所得税法等の改正法が成立・公布。一定の暗号資産取引に対する申告分離課税と損失繰越が法制化されました。
  2. 税制の前提となる改正金融商品取引法等が成立しました。
  3. 改正法を公布。暗号資産規制移管などの主な部分は、公布から1年以内の政令で定める日に施行されます。
  4. 無登録業への罰則引上げなど一部を施行。暗号資産規制移管の主施行日は別に定める仕組みです。
  5. 主施行が2027年中の場合新税制は2028年1月1日以後の対象取引から適用される見込みです。
現行制度と新税制の比較
項目2026年の現行制度制度開始後の対象取引
状態現在適用中法律は成立済み。主施行日の確認が必要
課税方式原則、雑所得として総合課税。事業性や収入金額・帳簿等で例外あり税制上の「特定暗号資産」の一定の譲渡所得等を申告分離課税
税率所得税5〜45%の累進税率に、復興特別所得税と個人住民税等法定20%(所得税15%+個人住民税5%)。付加税込みは通常20.315%
損失雑所得の損失は給与等と通算できず、翌年繰越も原則不可対象取引内で通算し、連続申告・明細添付等を条件に3年繰越
対象売却・交換・決済・報酬など、取引実態ごとに判断対象資産と対象業者への売委託・譲渡という経路要件あり

20.315%は、所得税15%に対して防衛特別所得税1%と復興特別所得税1.1%を付加し、個人住民税5%を合計する通常の計算です(15% × 1.021 + 5%)。施行時の国税庁案内で再確認してください。

対象資産と対象業者を通じた取引が適用条件

将来の20%課税は、対象資産と取引経路の両方が条件です。税制上の対象資産は、名称が金融商品取引業者登録簿に登録された暗号資産等を軸にし、税制の対象となる暗号資産取引業者への売委託または同業者への譲渡が対象になります。業者には経過措置の対象となるみなし業者も含まれます。

決まっていること

  • 法定税率20%
  • 対象損失の3年繰越
  • 資産・経路の対象要件
  • 申告分離課税でも原則申告

適用前に確認すること

  • 主施行日を定める政令
  • 最終的な対象資産の運用
  • 申告書・e-Taxの実装
  • 複合取引の詳細Q&A

取引ごとの要件確認が必要

  • 海外取引所・DEX・P2P
  • 対象業者を介さない第三者への譲渡
  • ステーキング等の報酬受取
  • DeFi・NFTの複合取引

海外取引所・DEX・P2P・報酬等は、資産、相手方、取引経路、所得の種類ごとに対象要件を確認します。適用時の公式案内と取引内容を照らし合わせてください。

売買を考える際は、適用条件と価格変動、現在の税負担を合わせて確認します。税率の比較結果は本人の所得により変わり、待機中に価格が変わるリスクもあります。

制度確認に使った公式情報

制度の根拠は2026年10月8日に確認しました。主施行日を定める政令、対象資産の運用、国税庁の改正後FAQ・申告様式が公開された場合は内容を更新します。

税務と取引リスクの注意

本ページは日本居住の個人を中心に一般的な制度を整理したもので、個別の税務判断を代行するものではありません。取引の規模、帳簿、事業との関係、居住地、扶養、海外取引、DeFi等で結論が変わる場合は、所轄税務署または税理士へ確認してください。

暗号資産は法定通貨ではなく、価格が大きく変動し、元本を失う可能性があります。税制改正の見通しだけで売買時期や保有量を決めず、納税資金を含めて管理可能な範囲で判断してください。

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本ページは国税庁、財務省、金融庁等の一次情報を優先し、現行制度、成立済みの改正、適用開始の条件を区別して掲載しています。計算例は前提を固定した説明用です。

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法令、政省令、国税庁の取扱い、申告書式は変更されることがあります。申告時点の公式情報をご確認ください。
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