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暗号資産(仮想通貨)の税金・確定申告|現行制度と2028年分離課税の見通し

最終更新日:

2026年中の個人の暗号資産取引は、原則として現行の総合課税で判断します。売却、暗号資産同士の交換、商品購入などで所得が生じれば課税対象になり得ます。20万円は一律の非課税枠ではありません。

先に結論:新税制は成立済みだが、開始日はまだ条件付き

  • 現在:原則は雑所得・総合課税です。利益に一律20%ではなく、給与等と合算した課税所得に所得税5〜45%の累進税率、復興特別所得税、個人住民税等を反映します。
  • 成立済み:一定の対象取引を法定20%(所得税15%+個人住民税5%)とし、対象損失を条件付きで3年繰り越す制度は法制化されています。
  • 開始見込み:改正金商法の主施行が2027年中なら、2028年1月1日以後の対象取引から。通常は2029年の確定申告に反映します。
  • 今やること:開始を予想して売買時期を決めるのではなく、取引所・ウォレット・DEX・報酬・手数料の記録を保存します。
いま適用現行の総合課税
成立・公布済み税制改正法と改正金商法
確認待ち主施行日を定める政令

2028年の申告分離課税はいつから?

成立済み・主施行日未確定

2028年1月開始は有力な見通し。ただし、法令上の固定日ではない

税制改正法と、その前提となる改正金融商品取引法は成立・公布済みです。ただし、暗号資産規制を移す主な施行日は政令待ちです。主施行が2027年中なら、新税制は2028年1月1日以後の対象取引に適用され、通常は2029年2〜3月に申告します。

「2028年の確定申告から20%」ではありません。2028年に行う確定申告は通常、2027年分の所得が対象です。開始が2028年1月1日なら、2028年中の対象取引を2029年に申告する流れです。

  1. 所得税法等の改正法が成立・公布。一定の暗号資産取引に対する申告分離課税と損失繰越が法制化されました。
  2. 税制の前提となる改正金融商品取引法等が成立しました。
  3. 改正法を公布。暗号資産規制移管などの主な部分は、公布から1年以内の政令で定める日に施行されます。
  4. 無登録業への罰則引上げなど一部だけ施行。暗号資産規制移管の主施行ではありません。
  5. 主施行が2027年中の場合新税制は2028年1月1日以後の対象取引から適用される見込みです。
現行制度と新税制の比較
項目2026年の現行制度制度開始後の対象取引
状態現在適用中法律は成立済み。主施行日を定める政令待ち
課税方式原則、雑所得として総合課税。事業性や収入金額・帳簿等で例外あり税制上の「特定暗号資産」の一定の譲渡所得等を申告分離課税
税率所得税5〜45%の累進税率に、復興特別所得税と個人住民税等法定20%(所得税15%+個人住民税5%)。付加税込みは通常20.315%
損失雑所得の損失は給与等と通算できず、翌年繰越も原則不可対象取引内で通算し、連続申告・明細添付等を条件に3年繰越
対象売却・交換・決済・報酬など、取引実態ごとに判断対象資産と登録業者への売委託・譲渡という経路要件あり

20.315%は、所得税15%に対して防衛特別所得税1%と復興特別所得税1.1%を付加し、個人住民税5%を合計する通常の計算です(15% × 1.021 + 5%)。施行時の国税庁案内で再確認してください。

すべての暗号資産・取引が20%になるわけではない

将来の20%課税は、対象資産と取引経路の両方が条件です。税制上の対象資産は、名称が金融商品取引業者登録簿に登録された暗号資産等を軸にし、登録された暗号資産取引業者への売委託または同業者への譲渡が対象になります。

決まっていること

  • 法定税率20%
  • 対象損失の3年繰越
  • 資産・経路の対象要件
  • 申告分離課税でも原則申告

まだ確定待ち

  • 主施行日を定める政令
  • 最終的な対象資産の運用
  • 申告書・e-Taxの実装
  • 複合取引の詳細Q&A

20%対象と一律に断定できない取引

  • 海外取引所・DEX・P2P
  • 登録業者を介さない第三者への譲渡
  • ステーキング等の報酬受取
  • DeFi・NFTの複合取引

上記がすべて対象外と確定したという意味ではありません。資産、相手方、取引経路、所得の種類ごとに判定します。

税率だけを理由に売却を待つ判断はできません。開始日、対象資産・経路、相場、現在の所得税率は人によって異なります。新制度が全員の減税になるとは限りません。

成立直後のCoinPostの報道は、2028年1月開始を有力視しています。ただし、法的な適用条件は「改正金商法の主施行日の属する年の翌年1月1日」です。本ページでは財務省の一次資料に基づき、主施行が2027年中の場合に2028年1月1日開始と整理します。

2026年の現行税制:税金はいくらか

個人の暗号資産取引益は、現行では原則として「その他雑所得」です。給与などほかの総合課税所得と合算し、控除後の課税所得に5〜45%の所得税率を段階的に適用します。さらに2026年は所得税額に復興特別所得税2.1%、個人住民税の所得割は概ね10%です。

「最大約55.945%」は、利益全額にかかる税率ではない

所得税の最高45%に復興特別所得税と住民税所得割10%を単純合計した最大限界税率は約55.945%です。ただし超過累進税率のため、45%は課税所得のうち最高税率帯の部分だけに適用されます。実際の税額は給与等、所得控除、必要経費、住所地などで変わります。

概算する場合は、現行制度を前提にした税額の概算を使えます。結果は確定税額ではなく、申告要否の判定や税務相談の代わりにはなりません。

「原則雑所得」には所得区分の例外がある

国税庁の2025年12月更新FAQでは、年間の暗号資産取引に係る収入金額が300万円を超える場合、帳簿書類の保存があれば原則事業所得、保存がなければ原則「業務に係る雑所得」とする分岐があります。帳簿があっても営利性が認められない場合などは個別判断です。本業に付随する取引も区分が変わることがあります。

300万円は「利益」ではなく「収入金額」です。所得区分が変わると申告・損失・記帳の扱いも変わるため、該当する可能性がある場合は税務署または税理士へ確認してください。

確定申告はいくらから必要?20万円は非課税枠ではない

20万円は税金がかからない枠ではなく、条件を満たす給与所得者が所得税の確定申告を省略できるかどうかの基準です。暗号資産だけでなく、給与・退職以外の所得を合計して判断します。

所得税の確定申告を判断する代表例
状況所得税の考え方確認すること
給与を1か所から受け、その全部が源泉徴収対象で、給与収入2,000万円以下・年末調整済み等の条件を満たし、給与・退職以外の所得合計が20万円以下他の申告理由がなければ、所得税の確定申告を省略できる場合があります。源泉徴収・年末調整などの条件と住民税申告
上記条件の給与所得者で、暗号資産など給与・退職以外の所得合計が20万円超原則として確定申告が必要です。給与以外の所得を合計し、収入ではなく所得で判定
医療費控除等で還付申告をする20万円以下の所得も含めて申告します。暗号資産所得だけを申告から外さない
給与がない、複数給与、給与収入2,000万円超など20万円だけでは判断できません。本人の所得・控除・ほかの申告要件

所得税の確定申告を省略できても、住民税の申告が必要になる場合があります。住所地の市区町村が案内する手続きを確認してください。扶養・配偶者控除や社会保険の判定も20万円基準とは別です。

配偶者や扶養への影響は、家族の所得や加入制度で異なります。該当する場合は扶養・配偶者の論点を分けて確認してください。

仮想通貨で税金が発生するタイミング

日本円に換金したときだけが課税タイミングではありません。暗号資産をほかの資産や商品へ交換した場合も、手放した暗号資産の損益を円で計算します。

原則、所得計算が必要

  • 日本円等で売却
  • 商品・サービスの代金に使用
  • 別の暗号資産へ交換
  • マイニング・ステーキング・レンディング等の報酬を取得

それだけでは通常、売却益を計算しない

  • 値上がりしたまま保有
  • 同じ暗号資産を自己管理先へ移動
  • 相場がなく価値がない前提でのハードフォーク取得

個別確認が必要

  • 送付手数料を暗号資産で支払う部分
  • エアドロップ・NFT・DeFi
  • ブリッジ・ラップ・流動性提供
  • 海外取引所・P2Pの複合取引

暗号資産同士の交換も課税イベント

たとえばBTCでETHを買うと、BTCを円で売って、その円でETHを買った場合と同様に、交換時のETHの円価をBTCの譲渡価額としてBTC側の損益を計算します。現金を受け取らなくても所得が生じる可能性があるため、納税資金と円換算根拠を残します。

報酬は「受取時」と「後日の売却時」を分ける

マイニング、ステーキング、レンディング等の報酬は、取得時の時価を収入にし、直接要した費用を必要経費にできる場合があります。その取得時価が新たな取得価額となり、後日売却したときにもう一度、売却価額との差額を計算します。

自己ウォレット間の移動も記録は残す

同じ暗号資産を自分名義の管理先へ移すことと、売却・交換は分けて記録します。送付元、受取先、日時、数量、トランザクションID、手数料を残すと、後で取得価額をつなげやすくなります。手数料の支払いや前後の交換を含む扱いは取引実態で確認します。

暗号資産の所得はどう計算する?

基本式 所得金額 = 譲渡価額 − 譲渡原価 − 売却等に直接要した必要経費 商品決済や暗号資産交換では、受け取った商品・暗号資産の取引時の円価を譲渡価額として使います。

再計算できる例:0.1 BTCを売却

前年からの保有とほかの売買はなく、0.4 BTCを購入手数料込みの取得価額160万円で購入し、その後0.1 BTCを52万円で売却したとします。売却手数料は5,000円です。

1 BTC当たりの取得価額:160万円 ÷ 0.4 BTC = 400万円

0.1 BTCの所得:52万円 − 40万円 − 5,000円 = 11万5,000円

11万5,000円は税額ではなく、この取引の所得です。ほかの所得と合わせて申告要否と税額を判断します。

同じ銘柄を複数回売買する場合、銘柄ごとに総平均法または移動平均法で譲渡原価を計算します。初めて取得した年分の申告期限までに評価方法を届け出ず、個人の法定評価方法を使う場合は総平均法です。

必要経費は「暗号資産取引に直接必要な部分」を説明できるか

譲渡原価や売却手数料は代表例です。通信費やパソコン代等は、暗号資産の売却等に直接必要な部分を明確に区分できる範囲に限られ、資産は減価償却が必要な場合があります。一律に全額を経費としません。

複数取引所、取得価額、平均法、取引履歴のまとめ方は計算・申告の詳細で扱っています。

確定申告までにやること

年末に取引所の年間取引報告書だけを集めても、ウォレット、海外取引所、DEX、商品決済、報酬、送付手数料が抜けることがあります。取引した時点から円換算根拠を残します。

  1. すべての取引履歴を集める
    国内取引所の年間取引報告書・CSVに加え、ウォレット、国外取引所、DEX、P2P、報酬、商品決済、手数料の記録を保存します。
  2. 移動と譲渡を区別する
    日時、数量、相手資産、取引ID、円換算に使った価格と出典をそろえます。
  3. 銘柄ごとに取得価額と所得を計算する
    届け出た評価方法(総平均法または移動平均法)を使い、未届の場合は法定評価方法である総平均法で、収入、譲渡原価、必要経費を集計します。
  4. 申告要否と所得区分を確認する
    20万円基準だけでなく、給与、ほかの所得、還付申告、収入金額300万円超の分岐、住民税を確認します。
  5. 国税庁の計算書とe-Taxへ反映する
    暗号資産の計算書と確定申告書等作成コーナーを使い、納付資金も準備します。

国税庁の暗号資産計算書は総平均法用・移動平均法用があります。申告入力は確定申告書等作成コーナーで確認できます。

取得価額が分からない場合、売却価額の5%相当を取得価額とする扱いはあります。売却手数料等を考慮しなければ、売却価額の95%が所得計算上の差額になります。取引履歴、銀行入出金、取引相場を先に確認し、安易な方法として使わないでください。

法人の所得計算は個人と異なります。事業として保有・取引している場合は暗号資産の法人税務、相続・贈与は暗号資産の相続税・評価を分けて確認してください。

暗号資産の税金・2028年改正に関するFAQ

仮想通貨の利益が20万円以下なら確定申告は不要ですか?

一律ではありません。20万円は、給与を1か所から受け、その全部が源泉徴収対象で、給与収入2,000万円以下・年末調整済み等の条件を満たす給与所得者が、給与・退職以外の所得合計について所得税の確定申告を省略できるかの基準です。還付申告をする場合は20万円以下も含め、住民税の申告要否は住所地の自治体で確認します。

仮想通貨を保有しているだけで税金はかかりますか?

値上がりした暗号資産を単に保有しているだけなら、通常はその含み益だけで所得を計算しません。ただし、売却、商品・サービスの購入、別の暗号資産との交換、報酬の取得などは別に判定します。

ビットコインをイーサリアムへ交換すると税金はかかりますか?

交換時にビットコインを譲渡したものとして損益を計算します。取得したイーサリアムの交換時の円価をビットコインの譲渡価額とし、ビットコインの譲渡原価と直接の手数料を差し引きます。日本円を受け取らなくても課税対象になり得ます。

2028年1月から申告分離課税になることは確定ですか?

法令上の固定日はまだ確定していません。税制改正法と改正金融商品取引法は成立・公布済みですが、主な施行日は政令待ちです。主施行が2027年中なら、2028年1月1日以後の対象取引から新税制が適用され、通常は2029年に申告します。

2028年以後は海外取引所やDEXを含むすべての取引が20%ですか?

すべてではありません。法定20%の対象には、税制上の対象資産と、登録された暗号資産取引業者への売委託または同業者への譲渡という経路要件があります。海外取引所、DEX、P2P、報酬受取や複合DeFi取引を同じ扱いと断定できません。

現行制度で出た暗号資産の損失は翌年へ繰り越せますか?

現行で雑所得となる暗号資産の損失は、給与など他の所得から差し引けず、翌年への繰越も原則できません。将来の3年繰越は、制度開始後の対象取引の損失について、損失年からの連続申告と明細添付などの条件を満たす場合の制度です。

確認した主な公式情報と最新報道

公式資料と報道は本ページの最終更新日時点で確認しています。主施行日を定める政令、対象資産の運用、国税庁の改正後FAQ・申告様式が公開された場合は内容を更新します。

税務と取引リスクの注意

本ページは日本居住の個人を中心に一般的な制度を整理したもので、個別の税務判断を代行するものではありません。取引の規模、帳簿、事業との関係、居住地、扶養、海外取引、DeFi等で結論が変わる場合は、所轄税務署または税理士へ確認してください。

暗号資産は法定通貨ではなく、価格が大きく変動し、元本を失う可能性があります。税制改正の見通しだけで売買時期や保有量を決めず、納税資金を含めて管理可能な範囲で判断してください。

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