株チャート分析【中級編】MACD・RSI・一目均衡表・三尊天井を組み合わせて使う
初級編で学んだローソク足・移動平均線・出来高は基礎の3点セットだ。中級編ではそれを土台にしつつ、トレンドライン、反転パターン4種、MACD・RSIなどのオシレーター系指標、一目均衡表、ダイバージェンス、グランビル8法則、酒田五法までを10章+10枚の図解で展開する。中級者の最大の武器は「単独指標で判断しない」こと。本ページは指標を増やすことよりも、複数指標を組み合わせて精度を上げる実戦運用に重点を置いた。
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初級編からの「次の一段」へ。チャート上の単一シグナルを追う段階を卒業し、複数指標を組み合わせた「根拠を重ねる」判断ができるようになる。
ゴールデンクロスやMACDのクロスを見ても、ダマシに引っかかって損切り続き。指標を1つずつ単独で見て売買している。
MACDとRSIの組み合わせ、一目均衡表の雲突破、ダイバージェンス検出など、複数指標で根拠を重ねた判断ができる。三尊天井や酒田五法も読める。
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ヒナコ
初級編は分かったけど…MACDとかRSIとか、カタカナだらけで脳が拒否反応起こしてるんだけど…
トシ
名前にビビるな。MACDもRSIも、やっていることは単純だ。MACDは「流れが変わった瞬間」を察知するレーダー、RSIは「熱くなりすぎた群衆の体温計」。結局チャート分析とは、大衆の心理を数字で可視化する技術にすぎない。中級編で重要なのは、1つの指標を覚えることじゃない。複数の指標を組み合わせて、判断の根拠を重ねる思考法を身につけることだ。
1. トレンドライン・水平線・三角保ち合い|相場の床と天井を引く
移動平均線が「動的な川の流れ」を示すのに対し、トレンドラインと水平線は「静的な床と天井」を示す。チャート上の安値同士、または高値同士を直線で結ぶことで、相場が反転しやすい価格帯を視覚化できる。世界中の投資家が同じラインを引いているため、多くの参加者が意識する価格=心理的な節目として機能する。
上昇トレンド中は、株価が押し目をつけながら上がっていく。その「安値同士を結んだ右肩上がりの直線」が上昇トレンドラインだ。このラインは下値支持線として機能し、価格が触れるたびに反発しやすい。逆に下降トレンドでは「高値同士を結んだ右肩下がりの直線」が下降トレンドラインとなり、上値抵抗線として機能する。
水平線(サポートライン・レジスタンスライン)は、過去に何度も価格が反発した特定の価格帯に水平に引く線だ。例えば3,000円で何度も跳ね返されている銘柄なら、3,000円が強いレジスタンスになる。この水準を出来高を伴って明確に上抜ければ、サポートに転換し、上昇加速のサインになる。「三角保ち合い」は上昇トレンドラインと下降トレンドラインが収束していく形で、ブレイクアウト直前の溜め込み期間を示す。
2. 反転パターン4種|三尊・逆三尊・ダブルトップ・ダブルボトム
トレンドの転換点で何度も観測される代表的なチャートパターンが4つある。覚えるべきは「三尊天井(ヘッドアンドショルダーズ)」「逆三尊」「ダブルトップ」「ダブルボトム」だ。これらは100年以上前から世界中の相場で繰り返し観測されており、現代のアルゴリズム時代でも依然として機能している。
三尊天井は3つの山が並び、中央の山が最も高い形だ。上昇トレンドの天井圏に出現し、下落転換の強い示唆になる。3つの山の谷を結んだ「ネックライン」を価格が下抜けた瞬間がパターン完成。それまでは「天井圏でうろついているだけ」の状態であり、確定前にエントリーしてはいけない。逆三尊は底値圏での同様のパターンで、上昇転換のサインになる。
ダブルトップは2つの山がほぼ同じ高さで並ぶ形で、上昇トレンドの天井示唆。M字型に見える。1つ目の山の後、戻り高値で反発できずに同水準で止まったということは、買い圧力が枯渇している証拠だ。中央の谷を下抜けると下落転換が確定する。ダブルボトムは底値圏でのW字型で、上昇転換のサインになる。
3. MACD(マックディー)|トレンド転換の最速レーダー
MACD(Moving Average Convergence Divergence)は移動平均線を進化させた指標で、「指数平滑移動平均(EMA)」を使うことで、通常の移動平均線より早くトレンド転換を察知できるのが最大の特徴だ。米国の金融アナリスト、ジェラルド・アペルが1970年代に開発した。
MACDは3つの要素で構成される。1つ目はMACDライン(短期EMA12 − 長期EMA26)、2つ目はシグナルライン(MACDラインの9日EMA)、3つ目はヒストグラム(MACDラインとシグナルラインの差)だ。基本の売買サインは、MACDラインがシグナルラインを下から上に抜けたら買い、上から下に抜けたら売り。0ラインを上抜けば本格的な上昇トレンド入り、0ラインを下抜ければ下降トレンド入りを示唆する。
4. RSI|買われすぎ・売られすぎを測る体温計
RSI(Relative Strength Index)は「相対力指数」と訳される。過去一定期間の値上がり幅と値下がり幅の比率から、現在の相場が買われすぎか売られすぎかを0〜100の数値で表すオシレーター系の代表指標だ。1978年に米国のテクニカル分析家、J.W.ワイルダーが開発した。
基本の使い方はシンプル。RSIが70%を超えると「買われすぎ」で売り検討、30%を下回ると「売られすぎ」で買い検討となる。50%が中央線で、これより上なら買い圧力優勢、下なら売り圧力優勢の判定になる。注意すべきは、RSIは「過熱感」を測る指標であり、強いトレンド相場では70%や80%に張り付いたまま上昇し続けるケースがある。RSIが70%超えだから売り、と機械的に判断すると致命傷になる。
5. MACD+RSI 組み合わせ実戦|単独より精度が上がる根拠の重ね方
中級編で最も重要なのが、「複数指標を組み合わせて根拠を重ねる」思考法だ。MACD単独だと横ばい相場でダマシに引っかかる。RSI単独だと強いトレンドで機能不全になる。だが両者を組み合わせると、互いの弱点を補完できる。これが当サイトが最重視する中級編の差別化軸だ。
基本のロジックは単純だ。MACDは「トレンド転換のレーダー」、RSIは「過熱感のメーター」。両者が同方向のサインを出した時のみエントリーを検討する。これだけで単独使用より格段に勝率が上がる。
📊 MACD+RSI 買いエントリーの判定フロー
- STEP 1:トレンド確認 ── 移動平均線が上昇傾向か、長期線の傾きが下向きでないか
- STEP 2:MACDシグナル ── MACDラインがシグナルラインを下から上に抜けたか(ゴールデンクロス)
- STEP 3:RSI過熱度確認 ── RSIが30%付近から上昇に転じているか(売られすぎから反発)
- STEP 4:出来高確認 ── ゴールデンクロス時に出来高が増加しているか
- STEP 5:エントリー ── 4つすべてYESなら買いエントリー、損切りは直近安値の少し下に逆指値
売りエントリー(または利確)の場合は逆の手順だ。MACDがデッドクロス、RSIが70%付近から下落に転じている、出来高が減少傾向、これらが揃った時に売り検討する。重要なのは、1つでも条件が欠けたらエントリーしない判断の規律だ。「2つは揃っているから入る」では中級者の罠にハマる。
6. 一目均衡表|日本発祥、世界が認める雲のチャート
一目均衡表は1936年、都新聞(現・東京新聞)の商況部部長だった細田悟一(一目山人のペンネーム)が完成させた日本発祥のテクニカル分析だ。「一目で買い方と売り方の均衡が分かる」という意味で、戦後にBloomberg等を通じて世界に広まり、現在では「Ichimoku Cloud」として欧米のヘッジファンドでも使われている。
構成要素は5本の線と「雲」だ。転換線(過去9日間の高値と安値の中間値)、基準線(過去26日間の高値と安値の中間値)、先行スパン1(転換線と基準線の中間値を26日先行表示)、先行スパン2(過去52日間の中間値を26日先行表示)、遅行線(当日終値を26日後ろにずらしたもの)。先行スパン1と先行スパン2に挟まれた領域が「雲」と呼ばれる。
基本判定は分かりやすい。株価が雲の上にある=上昇トレンド、雲の中=もみ合い、雲の下=下降トレンド。雲を株価が下から上に突き抜ければ強い買いサイン、上から下に抜ければ強い売りサインになる。さらに「三役好転」(転換線が基準線を上抜く+遅行線が株価を上抜く+株価が雲を上抜く)の3条件揃いは最強の買いサインとされている。
7. ダイバージェンス|株価とオシレーターの逆行が告げる転換
ダイバージェンス(divergence)は「逆行現象」の意味だ。株価が高値を更新しているのに、RSIやMACDが高値を切り下げている状態を指す。これは「表面上は上昇しているが、内部のエネルギーは衰え始めている」という重要な警告サインで、上級者が最も重視する転換予兆の1つになる。
論理は単純だ。RSIは「過去一定期間の値上がり幅と値下がり幅の比率」を計算している。株価は新高値だが、その新高値を作る上昇幅が前回の高値を作った時より小さくなっていれば、RSIの数値は前回より下がる。これは買い圧力が衰えている証拠であり、近い将来トレンド転換が起きる可能性が高い。
8. グランビル8法則|移動平均線と株価の位置関係8パターン
移動平均線の理論的基盤を体系化したのが、米国の金融ジャーナリスト、J.E.グランビルだ。彼は1960年に発表した著書で、移動平均線と株価の位置関係から8つの売買タイミングを導いた。これが「グランビル8法則」と呼ばれ、現代でも基本とされている。買いポイントが4つ、売りポイントが4つだ。
買いの4法則は、①移動平均線が下落から横ばい〜上昇に転じている時、株価が移動平均線を下から上に抜く(最強の買い)、②上昇中の移動平均線を株価が一時下回ったが、すぐに戻った(押し目買い)、③上昇中の移動平均線の上で、株価が移動平均線に向かって下落したが、線にタッチせずに反発した(弱い押し目買い)、④下落中の移動平均線から株価が大きく下方乖離している(短期反発狙い)。
売りの4法則はその逆で、①移動平均線が上昇から横ばい〜下落に転じ、株価が線を上から下に抜く(最強の売り)、②下落中の移動平均線を株価が一時上回ったが、すぐ戻った(戻り売り)、③下落中の移動平均線の下で、株価が線に向かって上昇したが、線にタッチせず反落(弱い戻り売り)、④上昇中の移動平均線から株価が大きく上方乖離している(短期下落狙い)。
9. 酒田五法|本間宗久が体系化した古典5パターン
酒田五法は江戸時代の米相場で活躍した本間宗久(出身地の山形県酒田にちなんで命名)が体系化したとされる、ローソク足の組み合わせ分析の古典中の古典だ。「三山」「三川」「三空」「三兵」「三法」の5つから構成される。3本以上のローソク足の連続パターンとして、現代でも多くの投資家が参照している。
三山(さんざん)は3つの山を持つ天井形成パターンで、現代の三尊天井とほぼ同じ概念。三川(さんせん)は3つの底を持つ底値形成パターンで、現代の逆三尊に相当する。三空(さんくう)は3回連続で窓(ローソク足の前日との価格差)を空ける形で、上昇相場の三空は天井示唆、下落相場の三空は底示唆になる。三兵(さんぺい)は3本連続の陽線または陰線で、3本続けば本格的なトレンド入り。三法(さんぽう)は休む期間を含めた相場運営の哲学で、「売り買いだけでなく休むことも一手」を説く。
10. ダマシ・失敗例|中級指標の典型的な落とし穴
中級指標は強力だが、それぞれに固有の弱点がある。事前に典型ダマシを把握しておけば、致命的な損失を避けられる。
⚠ ダマシ①:強いトレンド相場でのRSI逆張り
RSIが70%を超えても、強い上昇トレンド中は80%や90%まで上昇し続けるケースがある。「70%超え=即売り」は機械的な逆張り思考で、強いトレンドでは致命傷だ。RSIで逆張りするのはレンジ相場や緩やかなトレンドに限定し、強いトレンド時はMACDを優先せよ。
⚠ ダマシ②:横ばい相場でのMACDクロス連発
レンジ相場ではMACDラインとシグナルラインが頻繁に交差し、ゴールデンクロスとデッドクロスが交互に出る。手数料で資金が削られる「損切り貧乏」になる。MACDのヒストグラムが0ライン付近で振動している時は、相場がレンジ入りしているサイン。エントリーを見送れ。
⚠ ダマシ③:パターン未完成での先回りエントリー
三尊天井やダブルトップを「完成途中」で先回りしてエントリーする失敗。ネックラインを明確に突破するまでは、パターン未完成。先回りはダマシに引っかかる確率が極めて高い。完成を待ってからエントリーする規律を徹底しろ。
⚠ ダマシ④:ダイバージェンスの即時反応期待
ダイバージェンスは強力な転換予兆だが、確定までに数日〜数週間かかることがある。「ダイバージェンスを見つけた→即逆張り」は早すぎるエントリーになりやすい。他の転換シグナル(パターン完成、ネックライン突破等)と組み合わせて確認するのが正しい使い方だ。
📌 中級者の鉄則:「複数指標で根拠を重ねる」
中級指標は単独使用ではダマシ率が下がらない。「MACD+RSI+出来高」「一目均衡表+移動平均線+出来高」のように、必ず3点以上の根拠を重ねてからエントリーする。1指標でも判断材料が欠けたら見送る規律が、中級者の最大の武器になる。
11. 中級編チートシート|複数指標の判定フロー1枚版
ここまでの内容を1枚に凝縮した。エントリー判定フローも組み込んだので、長押しで画像保存→トレード時にスマホで参照する運用がおすすめだ。
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| 初級 | 中級 | 上級 | |
|---|---|---|---|
| 暗号資産 |
初級
ローソク足9種・取引所スプレッド |
中級
BB・MACD・RSI・一目・半減期 |
上級
機関投資家視点・MTF・オンチェーン |
| FX |
初級
ローソク足9種・サポレジ・出来高 |
中級
人気5指標の組み合わせ方 |
上級
MTF・通貨強弱・IMM・プロ判断 |
| ネット証券 |
初級
ローソク足9種・移動平均線・出来高 |
中級
MACD・RSI・一目・三尊天井 |
上級
板読み・歩み値・フル板 |
チャート分析・中級編のよくある疑問
Q. MACDとRSIはどちらを優先すべきですか?
相場環境によります。強いトレンド相場ではMACDを主、RSIを従にしてください。RSIは強トレンドでは過熱ゾーンに張り付いて機能不全になります。一方、レンジ相場や緩やかなトレンドではRSIを主にする方が有効です。理想は両方を組み合わせて、互いの弱点を補完することです。
Q. 三尊天井が見えたら売っていいですか?
パターンが「見えた」だけではエントリー不可です。3つの山と2つの谷を結んだネックラインを株価が明確に突破した時点でパターン完成となります。完成前は単なる「天井圏のもみ合い」で、上昇継続のケースもあります。さらにネックライン突破時に出来高が増加していれば信頼度が上がります。
Q. 一目均衡表は他の指標と組み合わせて使うべきですか?
一目均衡表は5本の線と雲を持つため、それ単体である程度の判断ができます。ただし、ダマシ回避のため出来高との併用は推奨します。雲を株価が突破した時に出来高が増加していれば、本物の突破である確率が高まります。MACDとの併用も有効です。
Q. ダイバージェンスを見つけたら即エントリーすべきですか?
即エントリーは早すぎます。ダイバージェンスは確定までに数日〜数週間かかることがあり、出現後すぐ反転するとは限りません。他の転換シグナル(チャートパターン完成、ネックライン突破、MACDクロス等)と組み合わせて確認してから動くのが正しい使い方です。
Q. 酒田五法は現代でも有効ですか?
三山(三尊天井)と三川(逆三尊)は現代の欧米テクニカル分析と同じ概念で、有効性が確認されています。三空(3連続窓開け)と三兵(3連続陽線/陰線)も判断材料として機能します。最も重要なのは「三法(休むも相場)」の哲学で、レンジ相場で無理にエントリーせず待つ姿勢は現代でも資金保全の鉄則です。
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