自営業でもカードローンは借りられる?個人事業主の審査と事業資金

お借入れには返済義務があります。借入総額は貸金業法の総量規制により原則として年収の3分の1までで、事業を営む個人への貸付けは例外として扱われる場合があります。審査結果は申込者の状況により異なります。返済にお困りのときは、ページ下部の相談窓口(法テラスなど)をご利用いただけます。

最終更新日:

結論

借りられます。分かれ道は「事業に使うか、生活に使うか」です。

カードローンの申込条件は「安定した収入があること」であって、「給与収入であること」ではありません。会社員のような給与明細がなくても、確定申告書などで事業の実態と収入を示せれば申込の対象になります。自営業・個人事業主・フリーランスという呼び方の違いも、審査上の扱いは変わりません。

ただし、申し込む前に決めておきたいことが一つあります。そのお金を事業に使うのか、自分の生活に使うのかです。ここで選ぶべき商品が分かれます。

事業のお金にも使う

事業者向けのプラン(アコムのビジネスサポートカードローン、アイフルの事業サポートプラン、プロミスの自営者カードローンなど)。このうちアコムとアイフルは、貸金業法施行規則の例外貸付として年収の3分の1を超える融資も検討できると公式に案内しています。

生活費だけに使う

銀行カードローンなど一般のカードローン。上限金利は低めですが、多くは資金使途から事業性資金を除いています。事業の支払いには回せません。

資金使途に「事業性資金を除く」と定められたカードローンを仕入れや外注費に回すと、契約違反として一括返済や強制解約を求められることがあります。使い道を先に決めてから、申し込む先を選ぶことをおすすめします。

ヒナコ

ヒナコ

トシ社長、自営業の友人から「申込フォームの勤務先欄に何を書けばいいのか分からない」と相談されました。そもそも会社員じゃないと審査に通らないのでしょうか?

トシ

トシ

会社員でなくても申込はできる。ただし見られる数字が違う。会社員の年収にあたるのは、確定申告書の「事業所得」だ。売上ではない。勤務先の欄には屋号か、屋号がなければ自分の氏名を書き、電話番号は事業で使っている番号を書く。ここは自営業がいちばんつまずくところだから、後で一章まるごと使って整理する。

ヒナコ

ヒナコ

借りたお金を、そのまま仕入れの支払いに使ってもいいのでしょうか?

トシ

トシ

商品による。事業者向けのプランなら、資金使途にはじめから事業資金が入っている。一方、銀行のカードローンは商品説明書に「事業性資金を除く」と書かれていることが多い。ここを取り違えたまま仕入れに使うと、契約違反として一括返済を求められかねない。順番としては、用途を決めるのが先だ。

まず30秒。あなたはどのタイプですか?

「どこがいいか」より先に「自分の状況はどれか」を決めると、選ぶ先が絞れます。当てはまるものから読み進めてください。

仕入れ・外注費・税金など、事業のためのお金が必要

資金使途に事業資金が含まれる事業者向けプランが対象です。総量規制の例外にあたり、年収の3分の1を超える枠も審査により検討されます。

① 事業資金に使えるタイプ

事業は別。自分の生活費の穴埋めに使いたい

上限金利が低めの銀行カードローンなど、一般のカードローンが選択肢です。ただし事業の支払いへの流用はできません。

② 生活費に使うタイプ

開業して間もない/確定申告がまだ/赤字申告が続いている

業歴1年以上を条件にする事業者向け商品があるため、公的な融資制度や、現在の状況を見て審査する中小の消費者金融が受け皿になります。

③ 審査に不安があるとき

※すでに複数社から借りていて返済がまとまらない場合は「おまとめ・借り換え」を、借入上限の目安を計算したい場合は「総量規制シミュレーター」をご覧ください。

自営業・個人事業主でもカードローンは借りられるのか

結論は「借りられる」です。ただし、会社員とは見られる数字が違います。ここを取り違えたまま申し込むと、通ると思っていた金額が通らない、という結果になりがちです。

申込条件は「安定した収入」であって「給与」ではない

大手の申込条件を見ると、たとえばSMBCモビットの貸付条件は「年齢20才〜74才の安定した収入のある方」とし、アルバイト・パート・派遣とならべて自営業を明記しています。プロミスも「18歳以上74歳以下で本人に安定した収入のある方」を申込条件としており、いずれも雇用形態そのものを条件にしてはいません。自営業だから門前払い、という仕組みにはなっていません。

分母は「売上」ではなく「事業所得」。しかも安定的と認められるものに限る

カードローンの借入可能額は、貸金業法の総量規制(原則として年収の3分の1まで)に沿って判断されます。その「年収」にあたるものを定めているのが貸金業法施行規則第10条の22第1項で、第4号に「年間の事業所得の金額(過去の事業所得の状況に照らして安定的と認められるものに限る)」と書かれています。

会社員の場合

源泉徴収票の支払金額=いわゆる年収がそのまま基準になります。毎月ほぼ同額が入るため、安定性の判断もしやすい構造です。

自営業・個人事業主の場合

確定申告書の事業所得(所得税法第27条第2項=総収入金額から必要経費を差し引いた金額)が基準です。売上が1000万円でも、経費を差し引いた所得が200万円なら、判断のもとになるのは200万円のほうです。

ここから、自営業ならではの現実がひとつ出てきます。節税のために経費を積み上げるほど、事業所得は小さくなり、借入可能額も小さくなるという関係です。どちらを優先するかは事業の状況によりますが、近いうちに借入を予定しているなら、申告の内容と資金計画は切り離さずに考えておきたいところです。

もうひとつ、条文には「過去の事業所得の状況に照らして安定的と認められるものに限る」という条件が付いています。ある1年だけ所得が跳ね上がっても、その数字がそのまま基準になるとは限りません。審査の一般的な仕組みとあわせて、確定申告書を複数期分そろえておく意味はここにあります。

「自営業」「個人事業主」「フリーランス」で審査は変わるのか

呼び方が違うだけで、審査上の扱いは同じです。開業届の有無や屋号の有無にかかわらず、給与以外の収入で生計を立てている人は、確定申告書などで事業の実態と所得を示すことになります。フリーランスとして業務委託で働いている場合も同じで、報酬から経費を引いた事業所得が判断のもとになります。

TYPE 1 / 事業のお金にも使えるタイプ

① 仕入れ・外注費・納税に使うなら、事業者向けのプラン

資金使途に事業資金が含まれている商品です。アコムとアイフルは貸金業法施行規則第10条の23第1項第4号の例外貸付として、年収の3分の1を超える融資も検討できると公式に案内しています。プロミスの自営者カードローンは資金使途に事業費が入っている一方、年収の3分の1を超える融資についての公式な案内は見当たりません。一般のカードローンでも個人事業主の事業費への利用を認めている会社があり、こちらは総量規制の範囲内での借入になります。

事業資金OK 資金使途が「自由」と明記されている

アコム「ビジネスサポートカードローン」

業歴1年以上の個人事業主が対象。資金使途は自由で、事業にも生活にも使える。年収の3分の1を超える借入も可能と公式に明記されている。

資金使途
自由
実質年率
12.0%〜17.9%
契約極度額
1万円〜300万円
総量規制
年収の3分の1超も可能
対象
業歴1年以上の個人事業主・20歳から72歳まで
必要書類
直近1期分の確定申告書(第一表)の写し
返済
定率リボルビング方式・最長8年7ヵ月
担保・保証人
不要
アコム ビジネスサポートカードローンの詳細(公式サイト)

※極度額100万円を超える場合は、青色申告なら青色申告決算書、白色申告なら収支内訳書の写しが追加で必要です。

※実質年率は2026年1月6日以降に契約する場合の値です。2026年1月5日までに極度方式基本契約を締結した場合は12.0%〜18.0%が適用されます。遅延損害金は年20.0%です。審査の結果によっては、ご希望に添えない場合があります。

この商品が向く理由と、申し込む前の注意点

個人事業主向けの商品でありながら、公式の商品概要で資金使途を「自由」としているのが特徴です。事業と生活の線引きが曖昧になりやすい個人事業主にとって、使い道を細かく気にせずに済む点は実務的な利点になります。「個人事業主のお客さまは、年収の3分の1を超えるお借入も可能です」と公式に明記されており、総量規制の例外にあたる扱いであることが読み取れます。すでにアコムの通常カードローンを利用している場合は、こちらへの切り替えができるとされています。

強み:資金使途が自由/年収の3分の1を超える借入も可能/必要書類が確定申告書の第一表からと軽い/担保・連帯保証人が不要
注意点:業歴1年以上が条件のため開業直後は対象外/契約極度額は300万円までで、まとまった設備投資には向かない/下限12.0%は上限に近い水準から始まる設計
事業資金専用 限度額500万円・返済期間は最長10年

アイフル「事業サポートプラン<個人プラン>」

個人事業主向けの無担保ローン。運転資金と設備投資資金に使え、限度額は500万円まで。返済期間を最長10年まで取れる。

資金使途
事業資金(運転資金・設備投資資金)
貸付利率
3.0%〜18.0%
契約限度額
1万円〜500万円
総量規制
事業性融資は年収3分の1超も検討可
対象
個人事業主
必要書類
本人確認書類・確定申告書・事業内容確認書
返済期間
最長10年(120回)
担保・保証人
原則不要
アイフル 事業サポートプランの詳細(公式サイト)

※WEB完結の対象は個人プランのみで、法人プラン・不動産担保ローンは対象外です。

※公式サイトは「事業性融資であれば、年収1/3を超えるご融資も検討できます。(要慎重審査)」と案内しています。年収の3分の1を超える枠が無条件に認められるわけではありません。遅延損害金は実質年率20.0%です。審査の結果によっては、ご希望に添えない場合があります。

この商品が向く理由と、申し込む前の注意点

資金使途が「運転資金・設備投資資金」と明示された、事業資金のための商品です。限度額が500万円までとアコムより大きく、返済期間を最長10年まで取れるため、数か月で返すつなぎ資金だけでなく、機材の入れ替えのようにまとまった支出にも対応しやすい設計になっています。必要書類には確定申告書に加えてアイフル所定の「事業内容確認書」があり、事業の中身を書面で説明する手間はかかります。

強み:限度額が500万円までと大きい/返済期間が最長10年で毎月の負担を抑えやすい/担保・連帯保証人が原則不要/WEB完結に対応
注意点:資金使途が事業資金に限られ、生活費には使えない/所定の事業内容確認書の準備が必要/年齢・業歴の条件は公式サイトに明記がないため、申込前の確認が要る
事業費と生計費の両方 自営業者専用の商品が用意されている

プロミス「自営者カードローン」

資金使途が「生計費および事業費」と定められた自営業者専用のカードローン。事業と生活が同じ財布から出ている個人事業主に向く。公式が案内する申込方法は自動契約機と電話だ。

資金使途
生計費および事業費に限ります
借入利率
6.3%〜17.8%(実質年率)
ご融資額
300万円まで
遅延利率
20.0%(実質年率)
申込対象
年齢20歳以上65歳以下の自営者の方
申込方法
自動契約機・プロミスコール(電話)
返済期間
最終借入後 原則最長6年9か月・1〜80回
担保・保証人
不要
プロミス 自営者カードローンの詳細(公式サイト)

※必要書類は本人確認書類・収入証明書類(確定申告書、青色申告決算書または収支内訳書)に加えて、事業実態を疎明する書類が要ります。

※公式サイトが申込方法として案内しているのは自動契約機とプロミスコール(0120-24-0365/平日9:00-18:00)で、契約手続きは自動契約機で行うと記載されています。プロミスの一般商品「フリーキャッシング」とは金利・融資額・申込条件が異なります。審査の結果によっては、ご希望に添えない場合があります。

この商品が向く理由と、申し込む前の注意点

「一般のカードローンは事業資金に使えない」と広く言われますが、それは会社によります。プロミスの自営者カードローンは、資金使途を「生計費および事業費に限ります」と定めています。事業と家計が同じ財布から出ている個人事業主にとって、この一文の意味は小さくありません。仕入れの支払いにも、自分の生活費にも、使い分けを気にせず充てられます。

一方で、公式サイトが申込方法として案内しているのは自動契約機とプロミスコール(電話)で、契約手続きも自動契約機と記載されています。この点は先に知っておきたいところです。書類も、本人確認書類と確定申告書に加えて「事業実態を疎明する書類」が求められます。この疎明書類の枚数が希望額100万円を境に1点から2点へ変わる点は、後述の総量規制の例外の条文が定める境目と線が一致しています。

強み:資金使途に事業費と生計費の両方が入っている/限度額の範囲内で繰り返し使える/担保・保証人が不要/上限17.8%は消費者金融の18.0%よりわずかに低い
注意点:公式が案内する申込方法は自動契約機と電話で、契約は自動契約機/融資額は300万円まで/申込対象が20歳以上65歳以下と年齢の幅が狭い/事業実態を疎明する書類の準備が要る

プロミスにはもう一本、一般向けの「フリーキャッシング」もある

プロミスの主力商品であるフリーキャッシングは、借入利率 2.5%〜18.0%・ご融資額 800万円まで・申込条件は18歳以上74歳以下で本人に安定した収入のある方です(高校生、収入が年金のみの方は対象外)。資金使途は「生計費に限ります。(ただし、個人事業主の方は、生計費および事業費に限ります)」と定められており、こちらも個人事業主なら事業費に使えます

使い分けの目安は、融資額と申込の入口です。300万円を超える枠が要るならフリーキャッシング。自営業者専用の枠組みで、資金使途に事業費がはじめから含まれているものを選びたいなら自営者カードローン、という分かれ方になります。申込方法は商品により案内が異なるため、公式サイトで確認してください。詳しい条件はプロミスの商品内容(公式サイト)でご確認ください。

TYPE 2 / 生活費に使うタイプ

② 自分の生活費に使うなら、上限金利の低い銀行カードローン

銀行のカードローンは上限金利が低めで、限度額も大きめです。ただし多くは資金使途から事業性資金を除いています。事業の支払いには使えないことを前提に、生活費の補填として使う商品です。

銀行・低金利 上限14.6%・限度額800万円

三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」

上限金利が年14.6%と消費者金融より低く、限度額は800万円まで。ただし資金使途は「事業性資金を除く」と商品説明書に明記されている。

資金使途
事業性資金を除く
ご利用金利
年1.4%〜年14.6%(限度額により段階的)
利用限度額
10万円以上800万円以内(10万円単位)
総量規制
銀行のため直接の対象外(独自の審査)
対象
満20歳以上65歳未満で原則安定した収入がある方
収入証明
利用限度額50万円超で必要
保証会社
アコム株式会社
担保・保証人
不要
バンクイックの商品詳細(公式サイト)

※金利は限度額により段階的に決まります(例:100万円以下は年13.6%〜14.6%、710万円〜800万円は年1.4%〜3.6%)。

※資金使途から事業性資金は除かれています。仕入れ・外注費・納税など事業の支払いには使えません。審査の結果によっては、ご希望に添えない場合があります。

この商品が向く理由と、申し込む前の注意点

上限金利が年14.6%で、消費者金融の18.0%前後と比べると利息の負担を抑えやすいのが最大の利点です。自営業者が申し込めないわけではなく、条件は「原則安定した収入があるお客さま」です。ただし商品説明書は資金使途を「さまざまな用途にお使いいただけます(事業性資金を除く)」と定めており、使えるのは自分の生活費までです。事業と生活の口座を分けていない場合ほど、線引きの意識が要ります。

強み:上限金利が年14.6%と低め/限度額は800万円までと大きい/メガバンクの商品で担保・保証人が不要
注意点:事業性資金には使えない/満65歳未満という年齢条件がある/銀行のため審査に時間がかかる場合がある
銀行・低金利 上限14.5%・限度額800万円

楽天銀行スーパーローン

上限金利は年14.5%。ただし商品概要は資金使途を「原則自由(事業性資金にはご利用いただけません。)」と定め、対象者も勤務者と専業主婦を挙げている。

資金使途
原則自由(事業性資金は不可)
金利
年1.9%〜14.5%(限度額により段階的)
利用限度額
800万円(10万円単位)
総量規制
銀行のため直接の対象外(独自の審査)
対象
満20歳以上62歳以下の勤務者または専業主婦
遅延損害金
年19.9%
保証会社
楽天カード株式会社または三井住友カード株式会社
担保・保証人
不要(保証会社が保証)
楽天銀行スーパーローンの詳細(公式サイト)

※商品概要の「ご利用いただける方」は勤務者または専業主婦と記載されており、自営業者を対象に含むかどうかの明記はありません。

※事業性資金には利用できません。申込資格に自分が当てはまるかどうかは、申込前に公式サイトでご確認ください。審査の結果によっては、ご希望に添えない場合があります。

この商品が向く理由と、申し込む前の注意点

上限金利が年14.5%と低く、限度額も800万円までと大きい銀行カードローンです。ただし「銀行カードローン 個人事業主」で調べている方にとって重要な点が二つあります。ひとつは事業性資金には利用できないこと。もうひとつは、商品概要の対象者が「勤務者」または「専業主婦」と書かれており、自営業者を対象に含むと明記した文言が見当たらないことです。申込前に自分が対象に含まれるかを公式サイトで確かめておくと、無駄な申込履歴を残さずに済みます。

強み:上限金利が年14.5%と低め/限度額は800万円まで/担保・保証人が不要
注意点:事業性資金は不可/商品概要に自営業者を対象とする明記がない/満62歳以下という年齢条件がある
自営業も対象と明記 限度額800万円・年3.00%〜18.00%

SMBCモビット

利用対象にアルバイト・パート・派遣とならべて自営業が明記されている消費者金融のカードローン。限度額は800万円まで。

資金使途
公式に事業性資金の可否の明記なし
貸付利率
年3.00%〜18.00%
利用限度額
1万円〜800万円
総量規制
貸金業者のため対象(原則 年収の3分の1まで)
対象
年齢20才〜74才の安定した収入のある方(自営業も可)
遅延利率
年20.00%
返済方式
借入後残高スライド元利定額返済方式
担保・保証人
不要
SMBCモビットの貸付条件の詳細(公式サイト)

※提携ATMの利用手数料は借入額1万円以下で110円、1万円超で220円です。

※公式サイトの貸付条件では、事業性資金に使えるかどうかを明示した記載を確認できませんでした(2026年7月28日時点)。事業資金として使う予定がある場合は、申込前に直接ご確認ください。審査の結果によっては、ご希望に添えない場合があります。

この商品が向く理由と、申し込む前の注意点

SMBCモビットは、利用対象に自営業がはっきり書かれているのが特徴です。銀行カードローンの多くが「勤務者」を前提にした書き方をしているなかで、この明記は申し込む側にとって分かりやすい材料になります。ただし資金使途については、公式の貸付条件に事業性資金の可否を明示した文言が見当たりませんでした。生活費として使うぶんには問題になりにくい一方、事業の支払いに回す予定があるなら、事前に問い合わせて確認しておくのが安全です。

強み:利用対象に自営業が明記されている/限度額は800万円まで/担保・保証人が不要
注意点:事業性資金の可否が公式に明示されていない/上限18.00%は銀行より高い/貸金業者のため総量規制の対象(原則 年収の3分の1まで)

「銀行カードローンは総量規制の対象外」をどう受け止めるか

銀行は貸金業法第2条第1項第2号により同法の「貸金業者」に当たらないため、銀行カードローンは貸金業法の総量規制の直接の対象ではありません。ただし、それは「いくらでも借りられる」という意味ではありません。

2017年3月の全国銀行協会の申し合わせ以降、各行は自主的に融資上限枠を設けています。金融庁が2019年9月に公表したフォローアップ調査では、自行・他行のカードローンや貸金業者からの借入も勘案して融資上限枠を設定している102行のうち、上限を年収の2分の1とする銀行が81%(83行)、年収の3分の1とする銀行が13%(14行)でした。全銀協は「総量規制対象外」を強調する広告表現を避けるよう求めてもいます。制度としての仕組みは総量規制とはで詳しく整理しています。

TYPE 3 / 開業まもない・審査に不安があるとき

③ 業歴1年未満、赤字申告、過去に延滞——入口を変える

アコムのビジネスサポートカードローンのように、業歴1年以上を条件にしている事業者向け商品があります。開業直後や、確定申告の所得が小さい年は、カードローン以外の入口を先に検討したほうが早いことがあります。

開業前・開業直後は、条文上も別の枠が用意されている

総量規制の例外を定める貸金業法施行規則第10条の23第1項には、第5号「現に事業を営んでいない個人顧客に対する新たな事業を行うために必要な資金の貸付け」という枠があります。これから事業を始める人向けの規定で、事業計画・収支計画・資金計画の確認その他の方法により「確実に当該事業の用に供するための資金の貸付けである」と認められることが要件です。業歴1年以上を求めるのは各社の商品設計であって、法令が開業直後を締め出しているわけではありません。

ただし、後で触れる「100万円以下なら計画書の3点セットが要件にならない」という取り扱いは、この第5号にはありません。開業前の資金は、金額の大小にかかわらず計画書での説明が前提になります。

開業資金は、まず公的な融資制度を確認する

日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」

  • 対象:新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方
  • 使いみち:新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金
  • 融資限度額:7200万円
  • 返済期間:設備資金20年以内・運転資金10年以内(いずれも据置5年以内)
  • 利率:基準利率(女性、35歳未満または55歳以上の方、認定特定創業支援等事業の証明書を受けた方などは特別利率)

適用される利率は改定されるため、実数は日本政策金融公庫の公式ページでご確認ください。手続きには創業計画書の提出などが必要で、着金までに数週間かかるのが一般的です。今月末の支払いには間に合わないかわりに、金利の水準はカードローンとは比べものになりません。

大手の審査に不安があるときの受け皿

過去に延滞があるなど、大手への申込に不安がある場合は、現在の返済能力を正面から見て審査する中小の消費者金融も選択肢になります。金利は高めなので、借りる金額と返すまでの日数を決めてから使う先です。「審査が甘い」と言い切れる貸金業者は存在しません。貸金業法第16条は誇大広告等を禁じており、審査基準を緩いと訴求すること自体が規制の対象です。

広告掲載 中小消費者金融・ネット完結

キャッシング【アロー】

申込前に、最新の貸付条件と貸金業登録を公式情報で確認してください。広告の掲載は審査結果を保証するものではありません。

※中小の消費者金融は上限金利が高めになる傾向があります。申込前に貸付条件と貸金業登録を公式情報でご確認ください。審査の結果によっては、ご希望に添えない場合があります。

広告掲載 中小消費者金融・相談重視

パーソナルクレジット【セントラル】

申込前に、最新の貸付条件と貸金業登録を公式情報で確認してください。広告の掲載は審査結果を保証するものではありません。

※中小の消費者金融は上限金利が高めになる傾向があります。申込前に貸付条件と貸金業登録を公式情報でご確認ください。審査の結果によっては、ご希望に添えない場合があります。

「審査なし」「ブラックでも融資可能」などと勧誘する業者は利用せず、金融庁の登録貸金業者情報検索で登録の有無を確認してください。

自営業・個人事業主のカードローン比較表(事業資金の可否で選ぶ)

選ぶ順番は、金利より先に「そのお金を事業に使えるかどうか」です。まず2列目で候補を絞り、そのあとで金利と限度額を見比べてください。金利は審査により決まる幅、限度額は上限です(2026年7月時点・各社公式サイトで確認)。

商品(タイプ) 事業資金に使えるか 実質年率 限度額
① 事業のお金にも使えるタイプ(アコムとアイフルは総量規制の例外として年収の3分の1を超える融資も検討できると公式に案内。プロミスの2商品は公式な案内が見当たらないため総量規制の範囲内と考える)
アコム ビジネスサポートカードローン個人事業主向け 使える(使途は自由) 12.0%〜17.9% 300万円
アイフル 事業サポートプラン<個人プラン>事業資金専用 使える(運転・設備) 3.0%〜18.0% 500万円
プロミス 自営者カードローン自営業者専用 使える(生計費および事業費) 6.3%〜17.8% 300万円
プロミス フリーキャッシング一般カードローン 使える(個人事業主は生計費と事業費) 2.5%〜18.0% 800万円
② 生活費に使うタイプ(銀行は総量規制の直接の対象外で独自の審査。貸金業者は原則として年収の3分の1まで)
三菱UFJ銀行 バンクイック銀行カードローン 使えない(事業性資金を除く) 1.4%〜14.6% 800万円
楽天銀行スーパーローン銀行カードローン 使えない(事業性資金は不可) 1.9%〜14.5% 800万円
SMBCモビット一般カードローン 公式に明記なし 3.00%〜18.00% 800万円
③ 公的な融資(着金までに数週間かかるかわりに、金利の水準が低い)
日本政策金融公庫 新規開業・スタートアップ支援資金政府系金融機関 使える(設備・運転) 基準利率ほか(変動) 7200万円

※各社公式サイトの記載に基づきます(2026年7月28日確認。プロミス自営者カードローンのみ2026年7月29日確認)。アコムの実質年率は2026年1月6日以降に契約する場合の値で、2026年1月5日までに極度方式基本契約を締結した場合は12.0%〜18.0%です。SMBCモビットは公式の貸付条件に事業性資金の可否を明示した記載を確認できなかったため「明記なし」としています。日本政策金融公庫の適用利率は改定されるため実数を掲載していません。※お申込みの時間帯や審査の状況によっては、ご希望に添えない場合があります。

この比較の選び方(選定基準)

自営業・個人事業主が申し込める資金調達の入口を、読者の状況(事業に使うか/生活に使うか/開業まもないか)で3タイプに分け、各タイプの中で次の観点から整理しました。

  • 調査対象:大手消費者金融の事業者向けローン・個人向けカードローン・銀行カードローン・政府系金融機関の融資制度(貸金業登録のない事業者、法人専用商品は除く)
  • 評価の観点:①事業資金に使えるか(資金使途)②総量規制の扱い ③金利と限度額 ④必要書類と業歴の条件 ⑤申し込みやすさ
  • 掲載する数値は各社公式サイトで確認できたものに限り、確認できなかった項目は「明記なし」と表示しています
  • 基準日:2026年7月29日(大半は7月28日に確認し、プロミスの自営者カードローンのみ7月29日に確認)

掲載の順序や内容は、広告や提携の有無で決めていません。ランキングの考え方はランキング作成方針もご覧いただけます。

総量規制の「例外」はどこまで使えるのか(4号・5号と100万円の境目)

「事業者向けなら年収の3分の1を超えて借りられる」という説明はよく見かけますが、その根拠は業者の裁量ではなく条文です。どの条文に当てはまるかで、求められる書類も変わります。

事業のための資金を借りたい

貸金業法施行規則 第10条の23第1項(個人顧客の利益の保護に支障を生ずることがない契約)

いま、事業を営んでいますか?

はい(営業中)

第4号:事業を営む個人顧客に対する貸付け

次の両方を満たすことが要件です。

  • :実地調査、直近の確定申告書の確認その他の方法により、事業の実態が確認されていること
  • :事業計画・収支計画・資金計画に照らし、返済能力を超えない貸付けと認められること
いいえ(これから開業)

第5号:新たな事業を行うために必要な資金の貸付け

次の両方を満たすことが要件です。

  • :事業計画・収支計画・資金計画の確認その他の方法により「確実に当該事業の用に供するための資金の貸付けである」と認められること
  • :それらの計画に照らし、返済能力を超えない貸付けと認められること

営業中なら「100万円」が書類の分かれ目になる

第4号ロには括弧書きが付いています。「(この号に掲げる契約に係る貸付けの金額が百万円を超えないものであるときは、当該個人顧客の営む事業の状況、収支の状況及び資金繰りの状況)」という一文です。つまり、営業中の事業者が100万円以下を借りる場合、条文が求めているのは事業計画書・収支計画書・資金計画書の3点セットではなく、事業と収支と資金繰りの「状況」の確認になります。

100万円以下で借りる場合

要件は「事業の状況・収支の状況・資金繰りの状況」の確認。計画書3点セットは条文上の要件になりません。書類の負担が軽くなり、手続きも進めやすくなります。

100万円を超えて借りる場合

「事業計画・収支計画及び資金計画」が条文上の要件になります。数字の裏づけを書面で説明する準備が要ります。なお開業前の第5号には、この100万円の取り扱いはありません。

「150万円を申し込んだら計画書を求められたが、80万円の知人は求められなかった」という話が起きるのは、業者の気分ではなく、この境目があるためです。急ぎで少額の運転資金を回したいなら、申込額を100万円以下に設計するという選び方も現実的な手になります。

この100万円は、実際の商品の必要書類にそのまま現れている

条文の話が机上のものではないことは、各社が公表している必要書類を見ると分かります。プロミスの自営者カードローンは、公式サイトで「事業実態を疎明する書類」の点数を次のように定めています。

  • 希望額が100万円以下の場合:営業許可証または入館証明書に類する書類/受注書・発注書・納品書・請求書・領収書・報酬明細に類する書類(発行日が1年以内)のうちいずれか1点
  • 希望額が100万円超の場合:上記のうちいずれか2点。しかも受注書等は発行日が2か月以内で、会社名(屋号)または本人の氏名、および取引先の会社名(屋号)の記載が要る

アコムのビジネスサポートカードローンも、契約極度額が100万円を超える場合に青色申告決算書または収支内訳書の写しを追加で求めています。会社は違っても、100万円という同じ線で書類の要求水準が切り替わっています。各社が条文との関係を公表しているわけではありませんが、条文が定める境目と実務上の線が一致していることは、申し込む側にとって知っておく価値があります。

裏を返せば、100万円以下で申し込むほうが、書類の準備も審査の期間も軽くなりやすいということです。必要額が90万円なら、余裕を見て120万円を申し込むより、90万円で申し込んだほうが早く着金する場合があります。

ヒナコ

ヒナコ

それなら、念のため多めの枠で申し込んでおいたほうが得……というわけでもないんですね。

トシ

トシ

そこは考えどころだ。100万円を超えた瞬間に、事業計画・収支計画・資金計画という書面が条文上の要件になる。準備の手間も、審査にかかる日数も変わってくる。今月60万円あれば回るのに、念のため150万円で申し込んで着金が遅れた——これでは本末転倒だ。いくら必要かを先に固めることだ。

「例外」と「除外」は別物。例外は借入残高から消えない

総量規制の話には「除外」と「例外」という似た言葉が出てきます。事業性の貸付けは例外であって、除外ではありません。ここを取り違えると、資金計画そのものが狂います。

除外(施行規則 第10条の21)

住宅ローン、自動車ローン(貸金業者が所有権を留保するもの)、高額療養費の支払資金、有価証券担保貸付など。借入残高の合計から差し引かれます。

例外(施行規則 第10条の23)

事業を営む個人への貸付け、開業資金、おまとめなど。その契約自体は年収の3分の1の縛りを受けませんが、借入残高の合計には入ったままです。

つまり、事業性の枠で200万円借りた後に生活費用のカードローンを申し込むと、その200万円は借入残高として数えられます。「事業用だから個人の枠は減らない」という理解は成り立ちません。総量規制そのものの仕組みは総量規制とは、法律の全体像は貸金業法とはで整理しています。

審査で見られる書類と、「勤務先」欄の書き方

自営業がいちばんつまずくのが、書類の準備と申込フォームの記入です。会社員なら会社名を書くだけの欄が、自営業では手が止まります。

申込フォームの「勤務先」欄には何を書くか

書き方の基本

  • 勤務先名:屋号があれば屋号。屋号がなければ自分の氏名を書きます
  • 勤務先の電話番号:事業で使っている電話番号。自宅兼事務所なら自宅の番号、携帯しかなければ携帯番号を書きます
  • 勤務先の住所:事業所の住所。自宅兼事務所なら自宅の住所です
  • 入社年月:開業した年月を書きます
  • 年収:売上ではなく、確定申告書の事業所得を書きます

個人事業主の場合、勤務先はそのまま自分の事業です。勤務先へ確認の連絡が入る場合も、電話を受けるのは自分自身になります。在籍確認そのものの流れや書類での代替についてはカードローンの在籍確認とはで詳しく解説しています。

事業の実態は「確定申告書だけ」とは限らない

貸金業法施行規則第10条の23第1項第4号イは、事業の実態の確認方法を「実地調査、当該個人顧客の直近の確定申告書の確認その他の方法」と定めています。そして金融庁は、その確認結果を証する書面を定めた同条第2項第4号について、確定申告書等は例示であり、何らかの方法で事業の実態を確認し、その結果を記録・保存すれば足りるという考え方を示しています。

実際に各社が求めている書類を見ると、何が「事業の実態」として通るのかが具体的に分かります。プロミスの自営者カードローンは、事業実態を疎明する書類として次を挙げています。

事業実態を示す書類として公式に挙げられているもの

  • 営業許可証または入館証明書に類する書類(有効期限内のもの)
  • 受注書・発注書・納品書・請求書・領収書・報酬明細に類する書類

請求書や納品書が使えるという点は、店舗を持たないフリーランスにとって実務的な意味があります。営業許可証がなくても、取引の記録で事業の実在を示せるためです。ただし希望額が100万円を超える場合は、発行日が2か月以内で、自分の屋号または氏名と、取引先の屋号の両方が記載されていることが求められます。日頃から屋号入りの請求書を発行しておくと、いざというときに手間が減ります。

何が使えるかは会社によって異なるので、申込前に問い合わせておくと二度手間を避けられます。

収入を証明する書面として条文が挙げているもの

同規則第10条の17第1項は、資力を明らかにする書面として、源泉徴収票・支払調書・給与の支払明細書に加えて、確定申告書・青色申告決算書・収支内訳書・納税通知書・納税証明書・所得証明書を挙げています。自営業者が使うのは、このうち確定申告書から所得証明書までの6つです。

また、貸金業法第13条第3項は、その貸金業者からの貸付金額と既存の借入残高を合算した額が50万円を超える場合、または他社を含めた借入の合計額が100万円を超える場合に、収入を証明する書面の提出を受けることを貸金業者に義務づけています。少額の申込では収入証明が不要なこともありますが、事業資金として数十万円以上を借りるなら、はじめから用意しておくほうが早く進みます。

なお同規則第10条の17第2項第3号は、確定申告書等は「通常提出される直近の期間」に係るものとし、連続した期間の事業所得で基準額を算定する場合はその連続期間分の書面が必要としています。所得の増減が大きい事業ほど、複数期分をそろえておく意味があります。

赤字申告・所得が小さい年は、入口を切り替える

事業所得が小さいと、年収の3分の1という個人向けの枠は実質的にほとんど残りません。一方、施行規則第10条の23第1項第4号の例外貸付は「事業計画・収支計画・資金計画(100万円以下なら事業・収支・資金繰りの状況)に照らして返済能力を超えないと認められるか」で判断されます。直近の申告所得だけで決まる仕組みではありません。

赤字だから諦める、ではなく、個人の枠ではなく事業性の枠から入り、資金繰り表で返済の原資を示すという切り替えができます。審査で見られる一般的な項目はカードローン審査の仕組みに整理しています。

生活費用のカードローンを事業に使うと、どうなるのか

「バレなければいい」という話ではありません。なぜ用途をしつこく聞かれるのか、その理由が分かると、リスクの大きさが見えてきます。

用途の定めに反した利用は、一括返済や強制解約につながります

銀行のカードローンは、商品説明書に資金使途をはっきり書いています。三菱UFJ銀行のバンクイックは「さまざまな用途にお使いいただけます(事業性資金を除く)」、楽天銀行スーパーローンは「原則自由(事業性資金にはご利用いただけません。)」です。これは契約の内容であって、努力目標ではありません。

用途の定めに反した利用が判明した場合、期限の利益を失い、残高の一括返済を求められることがあります。強制解約になれば信用情報にも記録が残り、その後の事業資金の調達にも影響します。目先の資金繰りのために、次の調達手段を失う取引になりかねません。

用途を細かく聞かれるのは、業者側の法令上の義務でもある

事業性の例外貸付を行った貸金業者には、書面の保存義務があります。施行規則第10条の23第2項第4号は、第4号の契約について確定申告書・青色申告決算書・収支内訳書・納税通知書その他の事業の実態を確認したことを証明する書面と、事業計画・収支計画・資金計画その他返済能力を超えない貸付けと認められる理由を記載した書面を、最終返済期日まで保存することを求めています。

つまり、申込時に用途を確認され、事業の証憑を求められるのは、担当者の慎重さではなく制度の設計です。ここで事実と違う申告をすることは、業者に法令違反の状態をつくらせることになります。発覚したときの対応が厳しくなるのは、この構造があるためです。

借りていいかどうかは「日数」で決まる

年率だけを見て「18%は高いから無理だ」と判断すると、使えるはずの手を落とします。逆に、日数を見ないまま借りると、粗利が利息に消えます。

つなぎ資金の実質的なコストは、次の式で概算できます。

実効コストの目安

利息の概算 = 借入額 × 年率 × 借入日数 ÷ 365

100万円を実質年率18.0%で借りた場合、返すまでの日数によって利息はこう変わります。

30日 約1.5万円
60日 約3.0万円
180日 約8.9万円
365日 18万円

※借入額100万円を実質年率18.0%で、その期間まるごと借りたままにした場合の概算です。元利均等返済などで残高が減っていく場合、実際の利息はこれより小さくなります。金利・返済方法により結果は変わるため、実際の金額は返済シミュレーターで確認してください。

粗利と比べて判断する

たとえば100万円で仕入れた商品が120万円で売れるなら、粗利は20万円です。60日で回収できるなら利息は約3万円で、手元には差し引き17万円が残ります。ところが同じ100万円を1年寝かせると利息は18万円になり、粗利はほぼ消えます。

判断の軸は「利益率が金利を上回っているか」ではなく、入金までの日数が読めているかどうかです。売掛金の入金日が確定しているつなぎ資金と、いつ売れるか分からない在庫への投入とでは、同じ金利でも意味が違います。慢性的に資金が足りない状態でカードローンを回し続けるのは、事業の構造を先送りにしているだけです。金利の考え方そのものはカードローンの金利で整理しています。

カードローン以外の入口と、その使い分け

支払期日まで何日あるか。必要なのはいくらか。この二つが決まれば、入口はだいたい絞れます。

入口 着金までの目安 金額の目安 向いている場面
事業者向けカードローンアコム・アイフルなど 最短即日(アコムの場合) 300万円〜500万円まで 数日から数週間のつなぎ
日本政策金融公庫政府系金融機関 数週間から1か月以上 新規開業資金は7200万円まで 創業・設備投資・低利の主力
信用保証協会付き融資民間金融機関 数週間から 制度による 金融機関との取引をつくる
小規模企業共済 契約者貸付中小機構 数日 掛金の納付状況による 共済に加入している事業主
ファクタリング売掛債権の売却 即日から数日 売掛金の範囲 入金待ちの売掛金がある場合

※金額・期間は各制度の公式情報に基づく目安です。日本政策金融公庫の融資限度額は新規開業・スタートアップ支援資金の値で、返済期間は設備資金20年以内・運転資金10年以内(据置5年以内)です。

ファクタリングを検討する前に確認したいこと

金融庁は、貸金業の登録を受けずに貸付けを行う偽装ファクタリングや、貸金業に該当する給与ファクタリングについて注意を呼びかけています。契約書に「債権譲渡契約」と書かれていても、経済的な実質が貸付けであれば貸金業に当たります。

判断の材料になるのは、売主に買戻しの義務があるか売掛先が支払わなかったときのリスクを誰が負うか手数料の水準が合理的かの3点です。手数料は年率に換算すると極めて高くなることがあります。詳しくは金融庁のファクタリングに関する注意喚起をご確認ください。

支払った利息は経費になるが、元本はならない

国税庁のタックスアンサー No.2210「必要経費の知識」は、必要経費に算入できる金額を「総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るため直接に要した費用の額」および「その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額」としたうえで、「業務用資産の購入のための借入金など、業務のための借入金の利息は必要経費になります」と説明しています。必要経費として扱えるのは利息の部分で、元本の返済額そのものは必要経費に列挙されていません。

また、生活費と事業資金が混ざっている場合は家事関連費の扱いになり、業務の遂行上必要である部分を明らかに区分できることが前提になります。按分の根拠を示せる記帳をしていなければ、利息であっても経費として扱えません。事業用の口座を分けておく実務的な意味はここにあります。個別の判断は税理士または所轄の税務署にご確認ください。税務の詳細はカードローンと確定申告で解説しています。

よくある質問(自営業・個人事業主のカードローン)

Q. 自営業・個人事業主でもカードローンは借りられますか?

A. 借りられます。カードローンの申込条件は「安定した収入があること」であって「給与収入であること」ではありません。会社員のような給与明細がなくても、確定申告書などで事業の実態と収入を示せれば申込の対象になります。ただし、そのお金を事業に使うか生活に使うかで申し込む先が変わります。事業資金にも使うなら事業者向けのプラン、生活費だけに使うなら一般のカードローンという分かれ方です。

Q. 審査で見られるのは売上ですか、それとも所得ですか?

A. 所得です。貸金業法施行規則第10条の22第1項第4号は、総量規制の基準になる収入として「年間の事業所得の金額」を挙げており、しかも「過去の事業所得の状況に照らして安定的と認められるものに限る」と定めています。事業所得は所得税法第27条第2項の定義で、総収入金額から必要経費を差し引いた金額です。売上が大きくても経費を差し引いた所得が小さければ、借入可能額はその所得を基準に判断されます。

Q. 確定申告書は何年分そろえればよいですか?

A. 会社によって異なりますが、直近1期分が基本です。アコムのビジネスサポートカードローンは直近1期分の確定申告書(第一表)の写しを求め、極度額100万円を超える場合は青色申告決算書または収支内訳書の写しを追加で求めています。なお貸金業法施行規則第10条の17第2項第3号は、連続した期間の事業所得で基準額を算定する場合はその連続期間分の書面が必要としています。所得の増減が大きい場合は2期分以上を用意しておくと手続きが進めやすくなります。

Q. 開業したばかりで確定申告がまだでも申し込めますか?

A. アコムのビジネスサポートカードローンのように業歴1年以上を条件にしている事業者向け商品があるため、開業直後は対象外になることがあります。ただし貸金業法施行規則第10条の23第1項第5号は「現に事業を営んでいない個人顧客に対する新たな事業を行うために必要な資金の貸付け」も総量規制の例外として定めており、事業計画・収支計画・資金計画の確認その他の方法により「確実に当該事業の用に供するための資金の貸付けである」と認められることが要件です。第4号にある100万円以下の簡易な取り扱いは第5号にはありません。開業資金は日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金など公的な融資制度もあわせて検討してください。

Q. 生活費用のカードローンを事業の支払いに使ってもよいですか?

A. 商品によります。三菱UFJ銀行のバンクイックは資金使途を「さまざまな用途にお使いいただけます(事業性資金を除く)」、楽天銀行スーパーローンは「原則自由(事業性資金にはご利用いただけません。)」と定めており、事業資金への利用はできません。一方でプロミスのフリーキャッシングは「生計費に限ります。(ただし、個人事業主の方は、生計費および事業費に限ります)」としています。使途の定めに反した利用は契約違反となり、一括返済や強制解約につながることがあります。申込前に各社の商品概要で資金使途の記載を確認してください。

Q. 申込フォームの「勤務先」欄には何を書けばよいですか?

A. 屋号があれば屋号を、なければ自分の氏名を書き、電話番号は事業で使っている番号を書くのが基本です。個人事業主の場合は勤務先=自分の事業になるため、勤務先確認の電話も自分が受けることになります。貸金業法施行規則第10条の23第1項第4号イは、事業の実態を「実地調査、当該個人顧客の直近の確定申告書の確認その他の方法」により確認することを求めています。金融庁は、その確認結果を証する書面を定めた同条第2項第4号について、確定申告書等は例示であり、何らかの方法で事業の実態を確認し記録・保存すれば足りるとしています。営業許可証や請求書など、事業の実在を示せる書類を用意しておくと手続きが進めやすくなります。

まとめ:その一枚は、何日で返す前提のカードですか

自営業でもカードローンは借りられます。門は開いています。ただし、開いている門は一つではありません。事業に使うのか、生活に使うのか。その一点で、申し込むべき先も、求められる書類も、年収の3分の1という縛りの効き方も変わります。

そして、条文はけっして意地悪な作りにはなっていません。事業を営んでいるなら第4号、これから始めるなら第5号。営業中で100万円以下なら、計画書の3点セットまでは求められない。書類を求められる理由も、業者側の保存義務という形で説明がつきます。仕組みを知っていれば、申込額の決め方も、そろえる書類も、自分で設計できます。

最後にもう一度だけ問いかけたいのは、日数のことです。100万円を年18.0%で60日借りれば利息は約3万円、1年借りれば18万円。同じ金利、同じ金額でも、返すまでの日数で意味がまるで変わります。入金予定が読めているつなぎ資金なのか、それとも赤字を先送りにするための資金なのか。その答えが出ていれば、選ぶ先はもう決まっているはずです。

審査で見られる一般的な項目はカードローン審査の仕組み、複数社の返済がまとまらなくなったときはおまとめ・借り換え、借入上限の目安を計算したいときは総量規制シミュレーターをご覧ください。事業所得ではなく給与収入で申し込む場合はパート・アルバイト向けの比較が参考になります。

信頼できる情報源・相談窓口

貸金業法に基づく重要事項

お借入れは計画的に。無理のない返済計画を立ててからご利用ください。借入総額は貸金業法の総量規制により原則として年収の3分の1までです(事業を営む個人顧客に対する例外貸付などを除く)。例外貸付は借入残高の合計から差し引かれるものではありません。

返済にお困りの方:法テラス(日本司法支援センター)0570-078374(平日9:00-21:00/土曜9:00-17:00)

多重債務でお悩みの方:日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター 0570-051-051(平日9:00-17:00)

公的な相談窓口:金融庁 金融サービス利用者相談室 0570-016811(平日10:00-17:00・貸金等に関する相談)

本記事は金融庁に登録された正規の貸金業者・銀行・政府系金融機関の公式情報、および e-Gov法令検索の条文に基づき、元・金融コンサルタントが整理しています。情報の正確性には万全を期していますが、最新の条件は各社の公式サイトでご確認ください。

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