💼 ネット証券・NISA

NISA口座の乗り換え(金融機関変更)の手順・期限と積立資産の扱い

NISA口座の乗り換え(金融機関変更)の期限・手順と、積み立てた資産の扱いを金融庁の一次情報に基づいて図解で解説します。

最終更新日:

先に結論 — 押さえるのはこの4つです
  1. NISA口座の金融機関は、年に1回変更できます。2026年分として乗り換えるなら、手続きの期限は2026年9月30日です。書類の郵送往復を考えると、実務上の目安は9月中旬です。
  2. 今年すでにNISA口座で買付をしている場合(クレジットカード積立の自動約定を含む)は、2027年分からの変更になります。受付開始は2026年10月1日です。
  3. いま保有している商品(旧つみたてNISAで積み立てた分を含む)は新しい金融機関へ移せませんが、元の口座で非課税のまま保有を続けられます。旧つみたてNISA分は購入した年から20年の非課税期限があります(→第6章)。
  4. 手続きは5ステップです。最初にやることは書類請求ではなく、旧口座の積立設定を止めることです(→第4章)。

※乗り換えで改善が見込めるのはコスト・商品選択肢・利便性であり、運用成果を保証するものではありません。

まだNISA口座を持っていない方は、この変更手続きは不要です。口座の選び方はNISA口座の証券会社比較をご覧ください。

状況別早見表 — あなたはいつから乗り換えられる?

あなたの状況いつ手続きできるか新しい金融機関で買付できるのは注意・参照先
今年まだNISAで買付していない2026年分として今から可(締切9月30日・実務目安9月中旬)開設完了後すぐ〜(日数は会社・手続き方法で幅あり)郵送往復の日数に注意 →第3章第4章
今年すでに買付した・クレカ積立が約定した2026年10月1日から2027年分の受付2027年1月からクレカ積立の自動約定も「買付」に含まれる →第3章
10〜12月に手続きしたい翌年分としての受付になる翌年1月から当年分の締切は9月30日 →第3章
旧つみたてNISAの資産だけある時期は上と同じ(今年の買付の有無で決まる)同上資産は動かさなくてよい・最長20年非課税のまま →第6章
auカブコム証券でNISAを開設した時期は他社と同じ同上口座は三菱UFJ eスマート証券に引き継ぎ済み →第7章

※制度期限の出典:金融庁 NISA Q&A(確認日2026年7月22日)。開設完了までの日数は金融機関・手続き方法により異なります。

ヒナコ

ヒナコ

NISAの乗り換えって、いま積み立てているお金を全部新しい証券会社に持っていく、ということですか? 大がかりで失敗しそうで不安です……。

トシ

トシ

そこが一番誤解されやすいところだ。乗り換え=金融機関変更で動くのは、「来年以降どこで買うか」という枠の置き場所だけだ。すでに買った商品は動かない。元の口座に残り、非課税のまま保有を続けられる。お金を運ぶ引っ越しではなく、積立の受付窓口を切り替える手続きと考えると実態に近い。

NISA口座の乗り換え=「金融機関変更」とは

まず、「乗り換え」という言葉が制度上なにを指すのかをはっきりさせておきます。ここが曖昧なまま手続きを始めると、あとの判断を間違えやすくなるからです。

NISA口座は1人につき1つの金融機関でしか開設できません。そのため、証券会社や銀行を替えたいときは「金融機関変更」という手続きを行います。いまの金融機関のNISA口座(正確には「勘定」と呼ばれる年ごとの受付枠)を廃止し、新しい金融機関で開設し直す、という流れです。この変更は年単位で、1年に1回だけできます(金融庁 NISA Q&A・確認日2026年7月22日)。

ここで大切なのは、金融機関変更で移るのは「その年以降の非課税枠(買付の窓口)」だけという点です。すでにNISA口座で買った投資信託や株式を、新しい金融機関のNISA口座へそのまま移すことは制度上できません(詳しくは第5章)。「法律で禁じられている」という表現を見かけることもありますが、公式の説明は「制度上、NISA口座間で移管することはできない」であり、本記事もこの表現に合わせます(楽天証券・SBI証券公式、確認日2026年7月22日)。

一方、特定口座・一般口座(課税口座)の株式や投資信託は、証券会社間で「移管」できます。NISAの乗り換えとはまったく別の手続きです。課税口座の商品を別の証券会社へ移したい方は株式・投資信託の移管手続きガイドをご覧ください。

もうひとつ、同じ「乗り換え」という言葉で語られがちなのが「スイッチング」(同じ口座内で投資信託Aを売ってBに買い替えること)です。これも金融機関変更とは別物です。保有ファンドを替えたいだけなら、金融機関変更の手続きは不要です。

NISA口座を乗り換えるべきか——変えたほうがいいケース・不要なケース

仕組みが分かったところで、次は「そもそも自分は乗り換えるべきなのか」を判断します。手続きの手間はゼロではないため、動く前にここで一度立ち止まる価値があります。

変えたほうがいいケースの代表例は次のとおりです。

乗り換えが不要なケースもはっきりしています。

※乗り換えで変わるのはコスト・商品選択肢・利便性です。どの金融機関でも、投資した商品の価格変動により損失が生じる可能性がある点は変わりません。

NISA口座の乗り換え判断フロー NISA口座の乗り換えを考えたら いまの金融機関に不満がある? (商品・クレカ積立/ポイント・手数料・使い勝手) No 乗り換え不要 今の口座を継続 Yes その不満は同じ金融機関内の設定変更で解消する? (積立銘柄・金額の変更、スイッチング) Yes 変更は不要 設定変更で対応 No 今年、NISA口座で1回でも買付した? (クレジットカード積立の自動約定を含む) Yes 翌年分として手続き 受付開始は10月1日 No 当年分として手続き 9月30日まで(目安9月中旬) 乗り換え先の選び方は第8章へ
【図解のポイント】
乗り換えの判断は「不満の有無→設定変更で解消するか→今年の買付の有無」の順で整理できます。今年すでに買付していると、当年分としての変更はできません。

銀行のNISAからネット証券へ乗り換える場合

銀行のNISA口座で買えるのは投資信託が中心で、上場株式やETFは購入できません。投資信託の取扱本数も、ネット証券と比べて限られる傾向があります。「投資信託の積立は続けつつ、成長投資枠で株式やETFも買いたくなった」——そういう段階になったら、ネット証券への金融機関変更が選択肢になります。手続きの流れは銀行発でも証券会社発でも同じです(第4章)。銀行と証券会社の役割の違いから整理したい方は銀行と証券会社の使い分けをご覧ください。

「変える」と決めた方は、先に第8章「乗り換え先はどう選ぶ?4つの視点」で乗り換え先のイメージを固めてから、第3章の期限と第4章の手順に進むとスムーズです。

NISA乗り換えの期限はいつまで?(前年10月1日〜当年9月30日)

乗り換えると決めたら、次に確認するのはカレンダーです。NISAの金融機関変更には制度で決まった受付期間があり、ここを誤解すると「今年変えたつもりが来年扱いだった」ということが起こります。

制度上の受付期間は「前年10月1日〜当年9月30日」です。ある年の分として金融機関を変更するには、この期間内に変更後の金融機関へ書類を提出する必要があります(金融庁 NISA Q&A・確認日2026年7月22日)。つまり2026年分として乗り換えるなら、締切は2026年9月30日です。10月1日以降の手続きは、自動的に2027年分としての受付になります。

ただし、9月30日は「変更後の金融機関に書類が受理される」までの締切です。実務では、①旧金融機関から「勘定廃止通知書」(いまの金融機関でNISAの受付枠を閉じたことを証明する書類)を取り寄せ、②それを新金融機関へ提出する、という往復が発生します。そのため、9月中旬までに動き始めるのが実務上の目安です(マネックス証券も書類往復を考慮して9月中旬頃までの手続きを案内しています。確認日2026年7月22日)。

もうひとつの重要ルールが「買付済みなら当年変更不可」です。変更前の金融機関のNISA口座で、その年に1回でも買付(上場株式等の受入れ)をしていると、その年分の金融機関変更はできません(金融庁 NISA Q&A・確認日2026年7月22日)。この場合は翌年分からの変更となり、受付は10月1日に始まります。

見落としやすい落とし穴:クレジットカード積立や自動積立の設定を残したままだと、年初に自動で約定(=売買が成立)します。その瞬間に「当年の買付あり」となり、当年分の変更はできなくなります。「1月に何も操作していないのに買付済みになっていた」という事態を避けるため、乗り換えを決めたら旧口座の積立設定の停止を最初に行ってください(第4章のStep0)。

金融機関変更の受付期間(2026年分の例) 2026年分の受付期間(2025年10月1日〜2026年9月30日) 2025年 10月1日 2026年 1月1日 9月中旬 (実務目安) 9月30日 (締切) 10月1日 2027年分の 受付開始 ⚠ 2026年1月1日以降に1回でも買付があると、2026年分の変更は不可に クレジットカード積立の自動約定・分配金の再投資買付も「買付」に含まれます 翌年分として手続きした場合、新しい金融機関で買付できるのは2027年1月から 手続き自体は10月1日から受け付けが始まります
【図解のポイント】
「2026年分の締切=9月30日」と「10月1日=2027年分の受付開始」は地続きです。旧ページ等にあった「手続き期間は10〜12月」という説明は、翌年分の受付開始時期との混同なのでご注意ください。

NISA口座の金融機関変更の手続き5ステップ

期限を確認したら、いよいよ手続きです。全体は5ステップで、拍子抜けするほど淡々と進みますが、順番だけは重要です。特に最初の一歩は、書類請求ではありません。

Step0:旧金融機関の積立設定・クレジットカード積立を停止する
第3章で見たとおり、積立の自動約定が残っていると当年分の変更ができなくなります。まず旧口座の積立設定(クレカ積立・銀行引落を含む)をすべて停止してください。なお、クレジットカード積立は、停止操作をしてもすぐには約定が止まらない場合があります。カードの締日や買付スケジュールの関係でタイムラグが生じるためです。停止が翌月扱いになる時期は各社で異なるため、旧金融機関の案内で確認してください。
Step1:旧金融機関に金融機関変更を申し出る(変更届出書の提出)
旧金融機関に「金融商品取引業者等変更届出書」を提出します。Web上で完結する会社と、書類を取り寄せて郵送する会社があります。
Step2:「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を受け取る
旧金融機関から、変更に必要な通知書が交付されます(金融庁 NISA Q&A・確認日2026年7月22日)。交付までの日数は会社と交付方法で差があります(後述の早見表)。
Step3:新しい金融機関でNISA口座(金融機関変更)を申し込む
新しい金融機関で「非課税口座開設届出書(他社からの変更用)」に、Step2の通知書と本人確認書類を添えて提出します。総合口座を持っていない場合は、総合口座の開設と同時に進められます。
Step4:税務署の確認を経て開設完了
新しい金融機関経由で税務署の確認が行われ、完了すると開設完了の通知が届きます。所要期間は金融機関や手続き方法(Web/郵送)により異なります。近年は電子化により短縮が進んでおり、楽天証券は2026年3月22日申込分以降「最短当日」からNISA口座での取引が可能と案内しています(税務署確認は事後並行・2026年7月22日確認)。一律に「数週間〜1ヶ月かかる」わけではありません。

税務署の確認で承認されないケース

税務署の確認で引っかかる代表例は2つです。同じ年のNISA口座を複数の金融機関に申し込んでしまった(二重申込)ケースと、すでに他社でNISA口座が開設済みのまま新規開設として申し込んだケースです。複数の金融機関に申し込んだ場合、税務署は受付順に処理し、最初に受け付けられた金融機関のNISA口座だけが開設されます。無効となったNISA口座で買い付けた商品は、当初から一般口座で買い付けたものとして扱われ、非課税になりません(譲渡益に確定申告が必要になる場合があります。日本証券業協会 NISAのよくある質問・確認日2026年7月22日)。該当してしまった場合の個別の手続きは状況により異なるため、両方の金融機関に連絡して指示を確認してください。

会社別・勘定廃止通知書の請求方法早見表

手続きの所要時間を左右するのは、実はStep2の「通知書がいつ届くか」です。主要ネット証券の請求方法をまとめました。

金融機関(変更元)請求方法交付までの目安備考
SBI証券Webから請求(電子交付/郵送を選択)電子交付2〜3営業日・郵送5〜6営業日程度電子交付に対応
楽天証券公式サイトの案内にそって手続き(詳細はお客様サポートで確認)公式に日数の明記なし公式「NISA口座の金融機関変更・移管」ページあり
マネックス証券Web(ログイン後「各種口座開設状況」から申請)または郵送手続き完了次第郵送(日数の公式明記なし)9月中旬頃までの手続きを案内
松井証券書類請求(お客様サイト)→変更届出書を返送後、通知書が郵送で届く日数の公式明記なし(書類到着後に発送)
三菱UFJ eスマート証券Web(マイページ「設定・申込」→「各種手続」→「書類申込」)日数の公式明記なし(郵送交付)旧auカブコム証券(第7章参照)
銀行(一般的な傾向)店頭窓口・郵送での手続きが中心の場合が多い会社により差が大きい取引銀行の案内で確認

※各社公式サイト・FAQをもとに作成(確認日2026年7月22日)。請求方法・日数は変更される場合があります。

変更元がどこであっても、Step3以降の流れは同じです。通知書が手元に届いたら、新しい金融機関の申込ページへ進みます。

乗り換え前に積み立てた資産はどうなる?(移管不可・非課税のまま保有可)

手続きの流れが分かると、次に決まって浮かぶのが「いま持っている分はどうなるの?」という疑問です。多くの方が不安に感じるところですが、答えは明確です。

結論はこうです。NISA口座で保有している商品を、新しい金融機関のNISA口座へ移すことは制度上できません。その代わり、変更後も元の金融機関のNISA口座で、非課税のまま保有し続けられます(楽天証券「制度上、NISA口座間で移管することはできません」・SBI証券FAQ「変更後も非課税期間終了までNISA預りとして保有可」・確認日2026年7月22日)。売却を迫られることはなく、放置していて課税口座に移されることもありません(※旧つみたてNISA・旧一般NISA分は非課税期間終了時の扱いが別途あります→第6章)。

どうしても新しい金融機関に資産をまとめたい場合は、旧口座の商品を売却し、新口座で買い直す方法があります。このとき知っておきたいのが「簿価復活」の仕組みです。NISAの生涯非課税枠(非課税保有限度額1800万円)は簿価(取得価額=買ったときの値段)ベースで管理されています。売却すると、翌年以降に、売却した商品の簿価分の枠が復活します(金融庁「NISAを知る」・確認日2026年7月22日)。復活するのは「売ったときの時価」ではなく「買ったときの値段」の分であること、復活が翌年であることの2点に注意してください。

なお、この生涯枠1800万円は金融機関をまたいで通算されます。乗り換えたからといって枠がリセットされたり、二重に使えたりすることはありません。

※売却してまとめるか、旧口座に残すかは損益の状況や商品の性質によって判断が分かれます。売却時点の価格で損益が確定すること、買い直しまでの間に価格が変動する可能性があることを踏まえて検討してください。

ひとつ細かい論点があります。旧口座に残した投資信託が分配金再投資型の場合、金融機関変更後の分配金がどの口座・どの扱いで再投資されるかは、金融機関の取扱いによります。NISA枠での再投資ができず、課税扱いの再投資や受取に変わる可能性があるためです。該当する方は旧金融機関に確認してください。

乗り換え後の資産の扱い・3つの整理 ① 移せない 旧NISA口座の商品 × 新NISA口座 制度上、NISA口座間の 移管はできない ② 残せる 旧口座で非課税のまま保有継続 売却の強制なし・課税口座への払い出しもなし (旧つみたてNISA分は購入年から20年の期限あり→第6章) ③ 売って買い直す 旧口座で売却 翌年、簿価分の枠が復活 (買ったときの値段の分) 新口座で買付 生涯枠1800万円は金融機関をまたいで通算(リセットも二重利用もなし)
【図解のポイント】
資産の扱いは「移せない・残せる・売って買い直す」の3つで整理できます。売って買い直す場合、枠の復活は翌年・簿価分だけという条件が付きます。
ヒナコ

ヒナコ

よかった……。乗り換えたら前の口座の分が課税口座に放り出されるんじゃないかと思っていました。じゃあ、無理に売ってまとめなくてもいいんですね?

トシ

トシ

そのとおりだ。変更後も旧口座の商品は非課税のまま持ち続けられる。売却して新口座にまとめる方法もあるが、枠が復活するのは翌年で、しかも簿価分だけという条件が付く。管理の手間と税制上の条件を天秤にかけて、自分の状況で判断すればいい。少なくとも、焦って売る理由はどこにもない。

つみたてNISA(積立NISA)で積み立てた資産は乗り換え後どうなる?

「積立NISA 乗り換え」で検索して本記事にたどり着いた方の多くが知りたいのは、2023年までの旧つみたてNISAで積み立てた資産の行方だと思います。ここは新NISAの保有分とルールが異なるため、独立した章として整理します。

まず結論です。金融機関変更をしても、旧つみたてNISAで積み立てた資産は元の金融機関に残ったまま、非課税で保有し続けられます。旧制度分について、乗り換えにともなう手続きは何もありません。金融機関変更(第4章)とは完全に独立しており、変更手続きが旧資産に影響することもありません。

ただし、新NISAとの違いが3つあります。

違い①:非課税期間に期限があります。旧つみたてNISAの商品は購入した年から20年間、非課税で保有できます(金融庁 NISA Q&A・確認日2026年7月22日)。たとえば2020年に積み立てた分は2039年末まで非課税です。無期限の新NISAと異なり、期限が来た分は順次、課税口座に払い出されます(その時点の時価が新しい取得価額になります)。

違い②:新NISAへのロールオーバー(移換)はできません。旧つみたてNISA・旧一般NISAの商品を、2024年からの新NISA口座へ移すことは制度上できません。「移行」という言葉から手続きが必要に思えますが、旧制度の資産は2024年以降、自動的にNISAの外枠で管理されており、こちらも手続きは不要です。新NISA制度の全体像は新NISAの仕組みの解説をご覧ください。

違い③:旧制度分は生涯枠1800万円の「外」です。旧つみたてNISA・旧一般NISAの保有分は、新NISAの非課税保有限度額1800万円に含まれません。その裏返しとして、旧制度分を売却しても、新NISAの枠は復活しません(簿価復活の対象は新NISAで買った分だけです)。「旧つみたてNISA分を売れば新しい口座の枠が増える」という誤解は損につながりやすいため、ここで打ち消しておきます。

旧一般NISA(〜2023年)の資産がある場合

旧一般NISAの非課税期間は購入した年から5年間です(金融庁 NISA Q&A・確認日2026年7月22日)。2023年に購入した分の非課税期間は2027年末までで、旧制度分としては最後の保有分にあたります。期限後は課税口座への払い出しとなるため、期限が近い方は「期限まで保有するか、期限前に売却するか」をあらかじめ決めておくと落ち着いて対応できます。

auカブコム証券(現・三菱UFJ eスマート証券)のNISAを変更・移管したい場合

「auカブコム証券のNISAを変更したい」と検索している方は、手続き以前に「そもそも会社名が変わったようだが、自分の口座はどこにあるのか」という戸惑いを抱えているはずです。まずそこから整理します。

auカブコム証券は、2025年2月1日に「三菱UFJ eスマート証券株式会社」へ社名を変更しました(2025年1月31日付で三菱UFJ銀行の完全子会社となっています。同社プレスリリース・確認日2026年7月22日)。auカブコム証券で開設したNISA口座は、そのまま三菱UFJ eスマート証券の口座として引き継がれています。公式リリースでは、ホームページのURLやメールドメイン等に変更はないと明記されています。顧客に対して、社名変更にともなう手続きを求める案内も見当たりません。

つまり、「auカブコム証券のNISAをどうにかしたい」という場合の手続き窓口は、現在の三菱UFJ eスマート証券です。方向別に見ていきます。

三菱UFJ eスマート証券から他社へ乗り換える場合

手続きは第4章の5ステップと同じです。三菱UFJ eスマート証券に金融機関変更を申し出て勘定廃止通知書の交付を受け、乗り換え先の金融機関に提出します。期限のルール(前年10月1日〜当年9月30日・買付済みなら翌年分)も他社と共通です。auカブコム証券時代に積み立てた資産は、第5章第6章のルールどおり、eスマート証券の口座に残して非課税のまま保有を続けられます。

他社から三菱UFJ eスマート証券へ乗り換える場合

逆方向も手続きは同じです。現在の金融機関から勘定廃止通知書を取り寄せ、三菱UFJ eスマート証券の金融機関変更の申込に添えて提出します。同社のNISA口座では現物株式・プチ株・米国株式・投資信託の取引手数料が無料です(2026年7月22日確認)。乗り換え先としての比較は第8章をご覧ください。

乗り換え先はどう選ぶ?4つの視点

手続きと資産の扱いが分かれば、残る論点は「どこへ乗り換えるか」です。本記事は手続きのガイドなので、詳細な会社比較はNISA口座の証券会社比較に譲り、ここでは乗り換え検討時に効く4つの視点と、順位を付けない事実の一覧だけを置きます。

視点①:商品ラインナップ。いま買えなくて困っている商品(外国株・ETF・特定の投資信託など)が乗り換え先にあるかを最初に確認します。投資信託の取扱本数は各社とも増減します。大小関係の目安として、三菱UFJ eスマート証券は1800本以上(2025年3月25日時点・公式明記)、SBI証券は2604本(2024年9月25日時点・公式明記)という公表例があります。

視点②:クレジットカード積立とポイント。乗り換えの動機として挙がることが多いのがこの差です。ただし還元率は条件(カードの種類・年間利用額)で大きく変わり、改定も頻繁なため、本記事では数値を並べません。最新の還元率と条件はクレカ積立・ポイント還元の徹底比較で確認してください。

視点③:手数料。NISA口座内の売買手数料は無料化が進んでいますが、無料の範囲と条件は会社ごとに異なります(下表)。

視点④:サポート。画面操作に不安がある方は、電話やチャットのサポート体制も判断材料になります。

4つの視点を主要5社に当てはめると、次のようになります。順位付けはしません。自分の優先順位に合う会社を選んでください。

会社NISA売買手数料クレカ積立(対応カード)乗り換え文脈のひとこと
楽天証券国内株・米国株(成長投資枠)・投信の売買手数料0円楽天カード2026年3月22日申込分以降、金融機関変更でも最短当日から取引可能と案内
SBI証券国内株の売買手数料無料(ゼロ革命・電子交付設定等の条件あり)三井住友カード廃止通知書の電子交付に対応し、変更元としても手続きが速い
マネックス証券NISA口座は日本株・米国株・中国株・投信の売買手数料無料マネックスカード/dカード金融機関変更を「簡単3ステップ」で案内。9月中旬までの手続き推奨も明示
松井証券日本株・米国株・投信の売買手数料無料JCBカード(オリジナルシリーズ・2025年5月24日開始)NISA専用の電話窓口(NISAサポートダイヤル)あり
三菱UFJ eスマート証券NISA口座は現物株式・プチ株・米国株式・投信の取引手数料無料au PAYカード/三菱UFJカード旧auカブコム証券。auカブコム時代の口座はそのまま引き継ぎ(第7章

※表の内容は2026年7月22日確認。手数料の無料範囲・条件、クレカ積立の対応カード・還元率は変更されることがあります。還元率の数値はクレカ積立比較で最新を確認してください。

なお、過去には金融機関変更(乗り換え)を対象にしたキャンペーンが繰り返し実施されてきた実績があります。実施の有無・内容は時期により異なるため、申込前に各社公式サイトで確認してください。

※口座開設・金融機関変更はいずれも無料で申し込めますが、投資対象の商品は価格変動により損失が生じる可能性があります。手数料・サービス内容は変更される場合があるため、申込前に各社公式サイトで最新の条件を確認してください。掲載順は優劣を示すものではありません。

PR

乗り換え後にやること(再設定チェックリスト)

新しい金融機関の口座開設が完了しても、乗り換えはまだ終わりではありません。積立の設定は金融機関をまたいで引き継がれないため、以下を新口座で設定し直してください。ここを飛ばすと「乗り換えたのに積立が止まったまま」という一番もったいない状態になります。

このチェックリストが全部済んだ状態が、乗り換えの「完了」です。

NISA乗り換えのデメリットとよくある失敗

最後に、乗り換えのマイナス面も同じ温度で並べておきます。デメリットを知ったうえでなお動く価値があるか、という順番で判断するのが健全です。

デメリット①:買付できない期間が生じることがあります。旧口座の積立を止めてから新口座で買付を再開するまでの間、NISAでの新規買付が止まります。長さは手続き方法と金融機関次第です。最短当日で再開できるケース(楽天証券・2026年3月22日申込分以降)から、郵送往復で数週間かかるケースまで幅があります。積立の空白を短くしたい方は、書類が揃ってから動くのではなく、第4章の順番どおり早めに通知書を請求しておくと差が縮まります。

デメリット②:口座の管理が二重になります。第5章のとおり旧口座の資産は残せますが、その分、資産全体を把握する手間は増えます。年に一度は旧口座も含めた残高を確認する習慣をセットにしてください。

よくある失敗①:短期間の乗り換えの繰り返し。ポイント条件の変化のたびに毎年乗り換えると、そのたびに口座が増え、空白期間と再設定の手間が発生します。乗り換えは「明確な不満が解消できるとき」に絞るのが現実的です。

よくある失敗②:二重申込。第4章で触れたとおり、複数の金融機関へ同時にNISA口座を申し込むと税務署の確認で承認されず、かえって時間がかかります。乗り換え先は1社に決めてから申し込んでください。

よくある失敗③:相場下落時の慌てた売却。乗り換え手続き中に相場が下がると、「旧口座の分をとりあえず全部売ってしまおう」と考えたくなります。しかし、売却すれば損益がその時点で確定し、非課税で保有し続ける選択肢は消えます。乗り換えの手続きと売却の判断は、切り離して落ち着いて考えてください。

※試算結果は入力した前提条件(利回り・期間)次第で大きく変わる点にご注意ください。

よくある質問(FAQ)

本文で拾いきれなかった疑問を8つにまとめます。回答はいずれも本文の該当セクションとあわせてお読みください。

Q1. NISA口座は乗り換えできますか?

できます。NISA口座の金融機関は年に1回変更でき、手続きは「金融機関変更」と呼ばれます。すでに保有している商品は新しい金融機関へ移せませんが、元の口座で非課税のまま保有を続けられます。

Q2. いつまでに手続きすればいいですか?新しい口座で買えるのはいつからですか?

その年の分として変更するなら、前年10月1日〜その年の9月30日の間に変更後の金融機関へ書類を提出します。書類の郵送往復を考えると9月中旬までに動くのが実務上の目安です。その年にすでに買付している場合は翌年分の扱いとなり、新しい金融機関で買付できるのは翌年1月からです。開設完了までの日数は金融機関や手続き方法により、最短当日(楽天証券・2026年3月22日申込分以降)から数週間まで幅があります。

Q3. 変更手続きに費用はかかりますか?

主要ネット証券の案内には、金融機関変更の手続きや勘定廃止通知書の交付に手数料がかかるという記載は見当たりません(2026年7月22日確認)。郵送で手続きする場合の切手代など実費がかかることはあります。金額が気になる方は、変更元・変更先それぞれの案内ページで確認してください。

Q4. 保有している商品はどうなりますか?

新しい金融機関のNISA口座へ移すことは制度上できませんが、元の金融機関のNISA口座で非課税のまま保有を続けられます。売却して新しい口座で買い直す場合は、売却した商品の簿価(取得価額)分の非課税枠が翌年以降に復活します。

Q5. 旧つみたてNISAで積み立てた資産はどうなりますか?

金融機関変更をしても、元の金融機関に残ったまま、購入した年から20年間は非課税で保有できます。手続きは不要です。新NISAへ移すこと(ロールオーバー)はできず、旧制度分を売却しても新NISAの生涯枠は復活しません。

Q6. auカブコム証券でNISA口座を作った場合はどうなりますか?

auカブコム証券は2025年2月1日に三菱UFJ eスマート証券へ社名変更しており、NISA口座はそのまま同社の口座として引き継がれています。他社へ乗り換えたい場合は、三菱UFJ eスマート証券を変更元として通常の金融機関変更の手続きを行います。期限や手順は他社と同じです。

Q7. 審査で落ちることはありますか?二重に申し込んでしまったらどうなりますか?

同じ年のNISA口座を複数の金融機関に申し込んだ場合や、他社で開設済みのまま新規申込をした場合は、税務署の確認で後からの申込が承認されず、口座は開設されません。無効となった口座で買い付けた商品は、当初から一般口座で買い付けたものとして扱われ、非課税になりません。承認されなかった場合の再申請の流れは金融機関により案内が異なるため、申込先と変更元の両方に状況を伝えて確認してください。

Q8. 勘定廃止通知書をなくしました。変更をやめたくなった場合は?

通知書を紛失した場合は、主要ネット証券では交付元の金融機関に再発行を依頼できます。また、通知書の交付後に変更をやめたくなった場合は、元の金融機関で再度NISA口座(勘定)を設定し直す手続きが必要になります。いずれも受付方法と所要日数は金融機関ごとに異なるため、交付元の金融機関に連絡して手順を確認してください。

まとめ

NISA口座の乗り換え(金融機関変更)は、年1回・書類数枚の淡々とした手続きです。本記事の内容を、行動の順番でまとめます。

  1. 早見表(冒頭)で自分の状況を確認する——今年の買付の有無で、2026年分(9月30日締切・実務目安9月中旬)か2027年分(10月1日受付開始)かが決まります。
  2. 旧口座の積立設定・クレカ積立を止める——手続きの最初の一歩はここです。自動約定が残っていると当年分の変更ができなくなります。
  3. 通知書を取り寄せ、新しい金融機関に申し込む——所要日数は会社と方法次第です。第4章の早見表で変更元の請求方法を確認してください。
  4. 開設完了後、第9章のチェックリストで再設定を済ませる——積立設定と配当金の受取方式(株式数比例配分方式)まで終えて、乗り換え完了です。

積み立ててきた資産は、乗り換えても失われません。元の口座で非課税のまま働き続けます。だからこそ、期限に追われて慌てる理由はなく、自分の状況に合った年分で、順番どおりに進めれば十分です。この記事をチェックリスト代わりに、納得のいく置き場所へ枠を移してください。

▶ 乗り換え先を検討中の方は第8章「乗り換え先はどう選ぶ?4つの視点」へ。会社ごとの詳しい比較はNISA口座の証券会社比較をご覧ください。

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品や金融機関の取得・利用を勧誘するものではありません。株式・投資信託は値動きのある金融商品であり、価格変動により投資した資金を下回る損失が生じる可能性があります。NISA制度・各社の手数料・サービス内容は2026年7月22日時点の情報に基づいており、今後変更される場合があります。税務の個別のご相談は税務署または税理士へお願いします。最終的な投資判断は、ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。

あわせて読みたい