ビットコインレンディング金利一覧|暗号資産(仮想通貨)を貸せる国内7社を比較
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年率10%超という見出しを見て来た人ほど、実際の数字に驚くはずです。国内の交換業者がビットコインの年率として出しているのは年1.0%から2.20%、上限として掲げられている数字でも年5.0%。10%超が付いているのは、アルトコインか証拠金の預け入れが要る別商品です。国内7社9サービスの金利と条件を、各社公式の一次情報で確かめました。
この記事の結論(本ページの最終更新日時点)
- ビットコインの年率として実際に公表されている数字は年1.0%から2.20%。GMOコインは年率1.3%コース(1ヶ月)、bitFlyerは年利率2.05%(定期貸しコインプラスは2.20%)、SBI VCトレードの公式利用例は年率1%です。上限として掲げられている数字はCoincheckとbitbankがともに年5.0%ですが、これは銘柄や数量によって変わる上限で、ビットコインにそのまま当てはまる数字ではありません。
- 「年率10%超」はビットコインの数字ではありません。GMOコインで年率10%コースが設定されているのはポルカドット(DOT)とコスモス(ATOM)です。同社の年率15%以上の「貸暗号資産プレミアム」は円転特約という店頭デリバティブ取引が付いた別商品で、日本円の証拠金の預け入れが必要になり、値上がり益に上限が付きます。
- 少額から試すならbitFlyerが最小です。1口0.001 BTCから申し込めます。ただし貸出は抽選で当選した人が対象です。
- 貸した暗号資産は分別管理の対象外です。これは各社が自ら公式サイトに明記しています。破綻したときに返還されない可能性があり、優先弁済も受けられません。取引所に置いてあるだけの状態とは法的にまったく別のものです。
- SBI VCトレードとBITPOINTは同じ会社です。どちらもSBI VCトレード株式会社(暗号資産交換業 関東財務局長 第00011号)が運営するサービスブランドで、2社に分けて預けても事業者リスクの分散にはなりません。
【リスク注意】暗号資産は価格変動が大きく、投資した金額を下回る可能性があります。貸出期間中は原則として売却も送金もできません。年率は募集ごとに変わるため、申し込む前に各社公式の募集要項を確認してください。
ビットコインレンディングの金利一覧 ── 国内7社の年率を比較
| サービス | BTCの年率 | 貸出期間 | 最低数量 | 中途解約 | 申込の通り方 |
|---|---|---|---|---|---|
| Coin |
最大5.0%公式の利用例は年利3.0% | 14/30/90/180/365日 | 公表なし申込画面で確認 | 原則不可 | 承認制借入総額上限は非公開 |
| GMO |
1.3%1ヶ月コース | 1ヶ月銘柄ごとにコース設定 | 0.1 BTC/回 | 可貸借料なし+10% | 毎月15日開始申込多数で取消あり |
| GMO |
15%〜要証拠金の別商品 | 1週間〜2ヶ月 | 0.05 BTC/回 | 原則不可 | 募集制レバレッジ口座が必要 |
| bit |
2.05%プラスは2.20% | 最大91日 | 0.001 BTC1口・約1万2000円 | 原則不可 | 抽選当選者のみ |
| SBI VC トレード貸コイン |
募集ごと公式の利用例は年率1% | 7/28/84日 | 募集ごと | なし | 原則申請順 |
| BIT |
募集ごと | 募集ごと | 募集ごと | 不可 | 募集制 |
| bit |
0.1〜5.0%税込・数量で変動 | 1年募集月の翌月から | 募集ごと | 原則不可元本の5%を控除 | 月次募集上限到達で締切 |
| Bit |
募集ごと | 募集ごと | 募集ごと | 原則不可 | 先着順上限到達で終了 |
| OKJ貸暗号資産 | 募集ごと税込表示 | 募集ごと | 募集ごと | 可貸借料は不払い | 常時受付上限で受付停止中 |
数値はいずれも各社公式サイトの記載に基づきます(本ページの最終更新日時点)。年率は募集回ごとに変動し、掲載時点で募集が行われていないコースもあります。「募集ごと」は、公式サイトで年率や数量が事前に公表されておらず、申込画面の募集要項で確認する方式であることを指します。bitFlyerの年利率は2026年5月29日から6月7日までの申込受付回の値です。BITPOINTはSBI VCトレード株式会社のサービスブランドです。
「年率10%」はビットコインの数字ではない
比較記事の見出しに並ぶ年率10%超という数字は、ビットコインを貸したときの年率ではないことがほとんどです。実際に各社の募集条件を見ると、高い年率が設定されているのは流動性の低いアルトコインか、仕組みの違う別商品です。
| 銘柄 | 年率コース(貸出期間) | 最小貸出数量 |
|---|---|---|
| ビットコイン(BTC) | 1.3%(1ヶ月) | 0.1 BTC/回 |
| イーサリアム(ETH) | 3%(3ヶ月)/1%(1ヶ月) | 0.05 ETH/回 |
| ビットコインキャッシュ(BCH) | 1%(1ヶ月) | 5 BCH/回 |
| ライトコイン(LTC) | 1%(1ヶ月) | 10 LTC/回 |
| エックスアールピー(XRP) | 1%(1ヶ月) | 5000 XRP/回 |
| ステラルーメン(XLM) | 3%(3ヶ月)/1%(1ヶ月) | 20000 XLM/回 |
| ポルカドット(DOT) | 10%(3ヶ月) | 50 DOT/回 |
| コスモス(ATOM) | 10%(3ヶ月) | 10 ATOM/回 |
GMOコイン公式サイトの貸出ルールより。同社は22銘柄を対象としていますが、募集を行っていないコースは申込画面に表示されないため、上表は掲載時点で年率コースが設定されている銘柄です。同社は年率0.05%から10%の範囲と案内しており、2026年4月の募集告知ではジパングコインシルバー(ZPGAG)に年率0.05%コースが設定されていました。
年率10%が付いているのはDOTとATOMで、ビットコインは1.3%です。この差は運用のうまさではなく、その暗号資産をどれだけ借りたいかという需要と、価格変動の大きさを映しています。年率が高い銘柄ほど価格の振れ幅も大きく、日本円に換算した資産額では金利分を簡単に飲み込まれます。
取引所ごとの条件をまとめて比較する
手取りを左右するのは金利だけではありません。対応銘柄数、自動で再度貸し出す設定の有無、年率が税込表示かどうか。この差は、年率の1%や2%より重く効くことがあります。
| サービス | 運営会社 | 対応銘柄 | 年率レンジ | 自動で再貸出 | 年率の税表示 |
|---|---|---|---|---|---|
| Coincheck貸暗号資産サービス | コインチェック | 全取扱銘柄 | 〜5.0% | あり自動再申請の設定 | 利用料に消費税相当額を加算 |
| GMOコインベーシック | GMOコイン | 22銘柄 | 0.05〜10% | あり元本のみ自動更新 | 公表なし |
| GMOコインプレミアム | GMOコイン | 3銘柄BTC・ETH・XRP | 15%〜特約権料率 | なし | 公表なし |
| bitFlyer定期貸しコイン | bitFlyer | 1銘柄BTCのみ | 2.05〜2.20% | なし | 公表なし |
| SBI VCトレード貸コイン | SBI VCトレード | 32銘柄 | 最大10%USDCの実績 | なし | 税込 |
| BITPOINT貸して増やす | SBI VCトレード | 26銘柄 | 募集ごと | あり複利で運用できる | 公表なし |
| bitbank貸して増やす | ビットバンク | 全取扱銘柄 | 0.1〜5.0% | なし | 税込 |
| BitTrade貸暗号資産 | ビットトレード | 募集ごと | 募集ごと | なし | 公表なし |
| OKJ貸暗号資産 | オーケーコイン・ジャパン | 募集ごと | 募集ごと | なし | 税込 |
「年率の税表示」は、公式サイトで税込年率と明記しているかどうかです。同じ「10%」でも税込か税抜かで手取りが変わるため、他社と横並びで比べるときは表記の違いに注意が必要です。SBI VCトレードの最大税込年率10%は、2026年4月30日募集分のユーエスディーシー(USDC)で貸出期間84日間のコースが設定された実績によるものです。
この一覧の調査範囲と基準
調査対象は、金融庁の登録を受けた国内の暗号資産交換業者のうち、公式サイトで貸暗号資産(レンディング)サービスの提供を確認できた7社9サービスです。暗号資産交換業の登録が無い貸暗号資産の専門事業者、海外の取引所、DeFiのレンディングプロトコル、すでにサービスを終了した事業者は対象外としました。楽天ウォレットは公式サイトにレンディングに関する記載が確認できなかったため含めていません。
比較の材料は、各社が公式サイトおよび公式の取引説明書・取引ルールで明記している内容です。公式に書かれていない数値は「募集ごと」「公表なし」と記載し、推測で埋めていません。他媒体の記事は論点を見つけるために読みますが、数値の根拠には使っていません。
並べる順序は、次の6点をこの優先順位で見ています。
- ビットコインの年率が事前に分かるか(申し込む前に手取りを計算できるか)
- 貸出期間の選択肢(短い期間を選べるほど拘束のリスクが小さい)
- 最低貸出数量の低さ(いくらから参加できるか)
- 対応銘柄数
- 中途解約の可否と、その場合の負担
- 申込が通る仕組みの分かりやすさ(申請順・抽選・先着順)
基準時点は本ページの最終更新日時点です。本ページに広告タグはなく、広告や報酬が順位を左右することはありません。手数料や取扱銘柄まで含めた総合的な取引所比較は仮想通貨取引所の総合ランキング、ステーキングの比較は仮想通貨ステーキングの比較が担当しています。評価軸が異なるため順位は本ページと一致しません。
目的から選ぶ ── トシの結論
数字を見比べても決めきれないときは、何を優先するかで絞り込むほうが早く着地します。
目的別の絞り込み
- ビットコインの年率をいちばん高く取りたい ── Coincheck。最大年率5.0%で、14日から365日まで期間を選べます。ただし年率は募集状況によって変わり、申請が承認されるとは限りません。
- いくら受け取れるか先に知っておきたい ── bitFlyer。年利率が募集ごとに公表され、申し込む前に手取りを計算できます。対象はビットコインだけです。
- 少額で試したい ── bitFlyer(1口0.001 BTC・約1万2000円から)。抽選に外れる可能性があります。
- ビットコイン以外もまとめて貸したい ── SBI VCトレード(32銘柄)またはCoincheck(全取扱銘柄)。
- ほったらかしで複利にしたい ── BITPOINT。再貸出を設定すると元本に貸借料が加算されます。CoincheckとGMOコインにも自動で再度申請する設定があります。
どの取引所を選んでも、貸出中は原則として売却も送金もできません。貸した暗号資産は分別管理の対象外で、事業者が破綻した場合に返還されない可能性があります。失っても生活が揺らがない範囲にとどめてください。
そもそもレンディングとは何をしている仕組みなのか
レンディング(貸暗号資産)は、保有している暗号資産を交換業者に一定期間貸し出し、期間が終わったら同じ種類・同じ数量の暗号資産と、貸借料を受け取る仕組みです。契約の形は消費貸借契約で、これは銀行預金とは別の法律関係になります。
右側の状態に移ることの見返りが貸借料です。銀行の預金金利とは桁の違う年率が付くのは、その事業者の運用がうまいからではありません。右側へ移ったことで引き受けたリスクの対価です。
ヒナコ
ビットコインを持っているだけで年率5%もらえるなら、銀行の定期預金よりずっといい気がします。何か落とし穴があるんでしょうか?
トシ
増えるのは「枚数」であって「日本円の資産額」ではない、というところが最初の分かれ目だ。年率5%で1年貸して枚数が5%増えても、その1年でビットコインの価格が3割下がれば日本円では大きく減る。しかも貸している間は売れない。金利は価格変動を打ち消せる大きさを持っていない。
ヒナコ
では、預金と同じ感覚で使ってはいけないということですね。それでも使う価値があるのはどんなときですか?
トシ
「この銘柄は数年売らない」と先に決めている資金だ。売らないと決めた資産が口座で眠っているなら、枚数を増やす手段として理屈が通る。逆に、値動きを見て売り買いする予定がある資金は貸さないことだ。判断の順番は、金利を見る前に「売らない覚悟があるか」から始まる。
取引所別の詳細 ── 9サービスの中身
Coincheck(コインチェック)貸暗号資産サービス
最大年率5.0%。14日から365日まで5つの期間から選べ、取扱いのある暗号資産はすべて貸出の対象になります。
貸し出した暗号資産は分別管理の対象外で、優先弁済権もありません。契約は無担保の消費貸借契約であり、同社が破綻した場合に返還されないリスクがあります。預金保険の対象でもありません。
bitFlyer(ビットフライヤー)定期貸しコイン
ビットコイン専用。募集ごとに年利率が公表され、1口0.001 BTCから申し込めます。貸出は抽選です。
同社は「貸出を行った暗号資産は分別管理の対象とはなりません。また、貸出を行ったお客様は、貸出中の暗号資産に対する他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有するものではありません」と明記しています。破産手続の開始等があった場合に返還されないリスクがあります。
SBI VCトレード 貸コイン(レンディング)
32銘柄に対応。年率は税込で表示され、承認は原則として申請順です。貸出期間は7日から選べます。
貸し出した暗号資産は分別管理の対象外です。中途解約の仕組みがないため、貸出期間が終わるまで売却も送金もできません。
GMOコイン 貸暗号資産ベーシック/プレミアム
性格の異なる2つのサービスがあります。ベーシックは通常のレンディング、プレミアムは店頭デリバティブ取引が付いた別商品です。
貸暗号資産ベーシック
貸暗号資産プレミアム(仕組みが違う別商品)
年率15%以上という数字が独り歩きしがちですが、これは通常のレンディングではありません。貸暗号資産取引に「円転特約」という店頭デリバティブ取引が付加された商品です。判定日の価格が特約レートを上回っていた場合、貸した暗号資産は返ってこず、代わりに特約レートで換算した日本円を受け取ります。つまり特約レートを超える値上がり益は得られません。
プレミアムは高い年率と引き換えに値上がり益の上限を受け入れる商品で、証拠金の預け入れも必要です。「年率15%のレンディング」として単純にベーシックや他社と比べることはできません。ベーシック・プレミアムとも、貸し出した暗号資産は分別管理の対象外です。
BITPOINT(ビットポイント)貸して増やす
再貸出を設定すると元本に貸借料が加算され、複利で運用できます。運営はSBI VCトレード株式会社です。
同社は「本サービスは資金決済法に基づく暗号資産交換業としてのサービスでないため、当社が借り受ける暗号資産は分別管理の対象となりません」と明記しています。貸借期間中の中途解約はできません。
bitbank(ビットバンク)暗号資産を貸して増やす
利用料率は年0.1%から5.0%(税込)。貸出数量によって料率が変わり、契約期間は1年です。
なお2026年に入ってからの募集告知は、同社のお知らせ一覧(2026年1月28日から8月17日までの80件)を確認した範囲では見つかりませんでした。申し込みを検討する際は、現在募集が行われているかを取引画面で確認してください。
1年という期間は、暗号資産の値動きから見ると長い部類に入ります。その間は原則として売却も送金もできません。貸し出した暗号資産は分別管理の対象外です。
BitTrade(ビットトレード)貸暗号資産
事前に告知された申込日に、先着順で申し込む方式です。上限に達した時点で募集が終わります。
同社は「お客様が当社に対して貸し出す暗号資産は、同法に基づく分別管理の対象とはなりません」「他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有しません」と明記しています。無担保の消費貸借契約です。
OKJ(オーケーコイン・ジャパン)貸暗号資産
24時間365日受け付けています。貸借料率は消費税を含めた税込で表示されます。
同社は「当社がお客様から借り入れた暗号資産は、資金決済法に基づく分別管理の対象にはなりません。当社が破綻した場合、お客様が当社に対して貸し出した暗号資産が返却されないおそれがあります」と明記しています。
ヒナコ
金融庁に登録している取引所なら、破綻しても資産は返ってくるものだと思っていました。貸すとそうではなくなるんですか?
トシ
置いてあるだけの状態と、貸した状態は法的に別物だ。置いてあるだけなら交換業者は自社の資産と分けて管理する義務を負う。ところが貸した瞬間に所有権が相手へ移り、こちらに残るのは返してもらう権利だけになる。分別管理の対象から外れるということだ。
ヒナコ
それは私が読み落としていただけで、どこかに書いてあることなんでしょうか。
トシ
各社が自分の公式サイトに書いている。しかも表示すること自体が求められている事項だ。金融庁の審議会の報告書にも、借り入れた暗号資産は分別管理や優先弁済の対象とならない旨を表示するよう求められている、と明記してある。読み飛ばされやすい場所にあるだけで、隠されているわけではない。
貸した暗号資産が破綻時に返ってこない理由
年率を比べる前に、ここだけは知っておく必要があります。
各社が自ら「分別管理の対象外」と書いている
この点は推測でも解釈でもありません。本ページで扱う7社は、貸暗号資産のページや取引説明書に、いずれもはっきりと書いています。
| 事業者 | 公式サイト・取引説明書の記載 |
|---|---|
| Coincheck | 「当社が借り受けた暗号資産は、資金決済法に基づく暗号資産交換業の分別管理の対象外であり、当該暗号資産は、優先弁済権を有しません。」 |
| GMOコイン | 「資金決済法上の暗号資産交換業に該当するものではないため、当社がお客さまより借り入れた暗号資産(仮想通貨)は分別管理の対象にはなりません。」 |
| bitFlyer | 「お客様が貸出を行った暗号資産は、分別管理の対象とはなりません。また、貸出を行ったお客様は、貸出中の暗号資産に対する他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有するものではありません」 |
| BITPOINT | 「本サービスは資金決済法に基づく暗号資産交換業としてのサービスでないため、当社が借り受ける暗号資産は分別管理の対象となりません。」 |
| bitbank | 「本サービスは、資金決済法上の暗号資産交換業に該当するものではありません。そのため、当社がお客様より借り入れた暗号資産は分別管理の対象にはなりません。」 |
| BitTrade | 「お客様が当社に対して貸し出す暗号資産は、同法に基づく分別管理の対象とはなりません。」「お客様は……他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有しません。」 |
| OKJ | 「当社がお客様から借り入れた暗号資産は、資金決済法に基づく分別管理の対象にはなりません。当社が破綻した場合、お客様が当社に対して貸し出した暗号資産が返却されないおそれがあります。」 |
各社の貸暗号資産サービスページおよび取引説明書からの引用です。表記は原文のままです。SBI VCトレードについては、同社が運営するBITPOINTのサービスページの記載を掲載しています。
なぜ全社が同じことを書いているのか
7社が同じことを書いているのは偶然ではありません。そう表示することが求められているからです。金融審議会の暗号資産制度に関するワーキング・グループが2025年12月10日に公表した報告書は、脚注でこう整理しています。
交換業者が暗号資産の借入れを行う場合には、交換業者が借り入れた暗号資産は分別管理や優先弁済の対象とならないことの表示や債務の残高を適切に管理するための体制整備が求められるものの、借入れ自体について適切な体制整備を行うことは求められていない。
金融審議会 暗号資産制度に関するワーキング・グループ報告(2025年12月10日)脚注80後半にも目を向けてください。借入れそのものについては、適切な体制整備が求められていないと書かれています。表示の義務はあるが、借りた資産の扱いに対する規制は及んでいない、という状態です。
同じ報告書の本文は、このビジネスの構造をこう説明しています。
こうしたビジネスでは、事業者(借主)が借り入れた暗号資産について、現行の暗号資産の管理に係る規制が及ばないことに加え、利用者(貸主)が事業者の信用リスク(スラッシング等の対象となるリスクを含む。)や暗号資産の価格変動リスクを負うことになると考えられる。
同報告 Ⅲ-4-(2)-キ「暗号資産の借入れ」制度を作っている側が、現行のルールでは規制が及んでいないと認めている領域です。国内で貸暗号資産の返還が滞った大規模な事例は確認できていませんが、事故が起きていないことと制度上守られていることは別の話です。
2026年の法改正で貸暗号資産の扱いはどう変わるのか
この状態を放置しないための法改正が動いています。
金融庁は2026年4月、金融商品取引法と資金決済法を改正する法律案の説明資料を公表しました。暗号資産に関する規制を資金決済法から金商法へ移し、有価証券とは別の金融商品として位置づけ直す内容です。貸暗号資産に直接関わるのは次の一文です。
利用者から暗号資産の借入れを行う業務を暗号資産取引業の対象に追加
金融庁「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案 説明資料」(2026年4月)/改正金商法第2条第8項第25号等あわせて説明資料には、暗号資産取引業者へ不正流出時の補償原資として責任準備金の積立てを求めること、暗号資産の管理に関わる重要なシステムの提供業者へ事前届出と安全性確保の義務を導入すること、無登録業に対する罰則を拘禁刑3年から10年へ引き上げることが示されています。
施行後に何がどこまで変わるかは、これから定まる内閣府令の内容次第です。現時点で言えるのは、いま貸している資産は改正前のルールの下にあるということです。「近く法律で守られるようになるから安心だ」と読み替えるのは早すぎます。
なお、報告書は「機関投資家や個人が交換業者から借り入れる場合のような、対公衆性のない借入れは業規制の対象としないことが適当」とも述べており、規制の射程は、事業者が広く一般から借り入れる行為に向いています。個人が交換業者へ貸す行為は、まさにその射程に入る取引です。
事業者がいなくなるリスクは実際に起きている
破綻だけがリスクではありません。事業者が経営判断でサービスをやめることも、事業そのものを畳むこともあります。国内でも起きました。
DMM Bitcoinは2024年12月に廃業へ向かう対応を公表し、SBIホールディングスの同年12月25日のニュースリリースによれば、口座と預かり資産をSBI VCトレードが受け入れる本契約が締結され、2025年3月8日に移管する旨が公表されました。移管対象の預かり資産として挙げられているのは「日本円」と「現物暗号資産」で、レバレッジ取引の未決済ポジションは対象外と明記されています。取引所そのものが無くなると、そこで提供されていたサービスも当然なくなります。
そして2026年8月現在、DMM Bitcoinのドメインはインターネット上で名前解決すらできない状態です。公式の告知そのものが読めなくなっています。事業者が消えるというのは、資産の行き先だけでなく、確認したい情報の入手先も同時に失われることを意味します。
海外事業者についても押さえておきたい点があります。金融庁は無登録で暗号資産交換業を行っている者の名称等を公表しており、高い年率をうたう海外のレンディングサービスの一部は、この枠に入ります。無登録の事業者は日本の法律に基づく監督を受けておらず、トラブルが起きたときに国内の枠組みで救済を求めることが難しくなります。年率の差は、監督の有無の差でもあります。
比較記事の中には、すでに終了したサービスを掲載したままのものがあります。年率だけを見て申し込む前に、その事業者がいま実際にサービスを提供しているかを公式サイトで確かめることだ。取引所の安全性の見方は仮想通貨取引所のセキュリティ比較で扱っています。
申し込んでも承認されないのはなぜか
レンディングで多い不満が「申し込んだのに始まらない」です。これは不具合ではなく、仕組み上そうなります。
交換業者はレンディングで集めた暗号資産を運用に回して収益を上げ、その一部を貸借料として払います。運用に回せる量に上限があるため、集めたい数量にも上限が決まります。枠が埋まればそれ以上は受け付けられません。年率が高い募集ほど早く埋まるのは、この構造によるものです。
承認のされ方は事業者ごとに違い、ここが実際の使い勝手を分けます。
- 抽選(bitFlyer)── 申し込んでも当選しなければ貸せません。募集期間内に申し込めば早い者勝ちにはなりません
- 原則申請順(SBI VCトレード)── 先に申し込んだ人から承認されます。募集開始の時刻を押さえておくことが効きます
- 先着順(BitTrade)── 上限に達した時点で募集が終わります
- 承認制(Coincheck)── 暗号資産ごとの借入総額上限を考慮して承認されます。この上限は公開されていません。同社は上限に満たない通貨を適時知らせる運用にしています
- 受付上限に達すると受付停止(OKJ)── 画面に「受付停止中」と表示されます
- 募集上限超過でキャンセル(GMOコイン)── 申込多数の場合、一部または全部がキャンセルされることがあります
承認されるまでの間、その暗号資産に貸借料は発生しません。Coincheckは「申請中及び申請前の暗号資産については、個別契約は成立していないため、当社からの利用料及び消費税相当額のお支払いは発生しません」と説明書に明記しています。
実際に締め切られた例
GMOコインは2026年5月13日、貸暗号資産ベーシックでビットコイン(年率1.3%コース・1ヶ月)とジパングコインシリーズの募集を開始しました。ところが6月10日15時30分の更新で、こう告知されています。
ビットコイン(BTC)の貸出受付は、募集上限に達したため終了いたしました。なお、「ジパングコイン(ZPG)」シリーズ(ZPG、ZPGAG、ZPGPT)につきましては、引き続き募集を行っております。
GMOコイン お知らせ(2026年6月10日更新)年率1.3%のビットコインが先に埋まり、年率0.05%から1%のジパングコインシリーズは募集が続いていました。枠が埋まる速さは、年率の高さではなく銘柄の人気で決まります。ビットコインを貸したい人が多い以上、募集の開始を知っておくことが効いてきます。
bitbankだけに効いてくる別の時間差
bitbankは承認とは別に、利用料の計算が始まる日が引き渡しの日ではありません。取引ルールには「利用料算定期間は、各募集月の翌月1日から」「引渡し時から利用料算定期間の前日までの間は、利用料算定期間『外』となります」とあります。月の初めに引き渡した場合、その月のあいだは資産が拘束されたまま利用料の計算対象外になります。
レンディングとステーキング・銀行預金は何が違うのか
金利を受け取れる点だけを見ると3つは似ています。違いは「その資産がどこで働いているか」と「戻ってこなかったときに誰が守ってくれるか」です。
効いてくるのは最下段です。ステーキングは資産の所有権が自分に残るため、交換業者が破綻しても分別管理された自分の資産として扱われます。銀行の定期預金は預金保険制度で1金融機関あたり元本1000万円とその利息までが保護されます。レンディングだけが、この2つとは違う場所に立っています。
もうひとつ、ビットコインを持っている人にとって決定的な違いがあります。ビットコインはステーキングの対象になりません。ステーキングは、保有量に応じてネットワークの合意形成に参加する仕組みを持つブロックチェーンでしか成立しないためです。ビットコインを持ったまま枚数を増やす手段は、事実上レンディングに限られます。「ビットコイン レンディング」という検索が生まれる理由がここにあります。
ステーキングの銘柄別の利率や取引所ごとの違いは仮想通貨ステーキングの比較、仕組みそのものはステーキングとはで扱っています。銀行の定期預金と比べたい場合は定期預金の金利比較が参考になります。
金利だけで選ぶと損をする ── 見るべき5点
年率10%と年率2%が並んでいたら、誰でも10%を見ます。ところが手取りで比べると逆転することがあります。
1. その年率がどの銘柄・どの募集回のものか
年率10%が付いているのはポルカドットやコスモスで、同じGMOコインでもビットコインは1.3%です。銘柄が違えば別の商品と考えたほうが正確です。年率は募集ごとにも変わります。過去に高い年率の募集があった事業者でも、次の募集が同じ水準になるとは限りません。
2. 貸出期間と、その間の価格変動
年率5%で365日貸したとき、増えるのは枚数の5%です。同じ期間に価格が3割下がれば、日本円換算では大きなマイナスになります。貸出中は売却できないため、下落を見ているしかありません。年率の数パーセントでは、この幅は埋まりません。
3. 税込表記か税抜表記か
暗号資産の貸付けの利用料には消費税が課されます。国税庁も「利用料を対価とする暗号資産の貸付けは、消費税の課税対象となります」と示しています。このため事業者によって税込年率で表示する社と、そうでない社があります。税込と明記しているのはSBI VCトレード・bitbank・OKJです。同じ「10%」でも比較の土俵が違うことがあります。
4. 中途解約したときに何が減るか
ここは事業者ごとの差が大きい項目です。
- そもそもできない(bitFlyer・BitTrade・BITPOINT・SBI VCトレード・Coincheck)
- できるが貸借料はゼロ、さらに受取予定額の10%を控除(GMOコイン)
- できるが貸借料はゼロ(OKJ)
- 原則できず、認められた場合も元本の5%を控除(bitbank)
重さがまるで違うのがbitbankです。同社の取引ルールには「個別解約にかかる対象暗号資産が1BTCであった場合、中途解約手数料0.05BTCを差し引いた0.95BTCが……返還されます」とあり、元本そのものが5%減ります。GMOコインの解約手数料も貸借料が支払われない以上は元本から引かれる形になりますが、その額は「受取予定だった貸借料の10%」なので、年率1.3%の1ヶ月コースならごくわずかです。OKJは貸借料がゼロになるだけで手数料の記載はありません。元本が5%削られるのはbitbankだけで、これは1年分の利用料率の上限と同じ水準になります。
5. 最低貸出数量
年率が高くても、最低貸出数量が大きければ少額では参加できません。ビットコインは1枚あたりの単価が大きいため、ここで足切りされます。国内で最も小さいのはbitFlyerの0.001 BTC(1口)で、GMOコインのベーシックは0.1 BTC、プレミアムは0.05 BTCからです。
金利より先に確かめておきたいこと
- その暗号資産を、貸出期間のあいだ売らずに持ち続ける前提が自分の中にあるか
- その事業者が金融庁の登録を受けた暗号資産交換業者か
- 失っても生活が揺らがない範囲の数量か
レンディングで受け取った貸借料の税金
受け取った貸借料は課税の対象です。暗号資産のまま受け取っても、日本円に換えていなくても課税されます。
いつ・いくらで収入になるのか
国税庁の「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて」は、レンディングをマイニングやステーキングと並べてこう示しています。
マイニング、ステーキング、レンディングなどにより暗号資産を取得した場合、その取得に伴い生ずる利益は所得税又は法人税の課税対象となります。……その取得した暗号資産の取得時点の価額(時価)については所得の金額の計算上総収入金額……に算入され
国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)」1-7つまり受け取った時点の時価(日本円換算額)が収入になります。暗号資産取引による損益は原則として雑所得(その他雑所得)に区分されます。給与所得者の場合、給与以外の所得の合計が年間20万円を超えると確定申告が必要になります。OKJも公式サイトで「貸借料は、雑所得となり課税対象となります」と案内しています。
雑所得の損失は他の所得と相殺できない
雑所得の計算上生じた損失は、給与所得など他の所得から差し引くことができません。価格が下がって日本円換算でマイナスになっても、給与の税金が減るわけではない、ということです。
受け取った枚数は取得単価の計算にも混ざる
見落とされやすい点です。貸借料として受け取った暗号資産は、あとで売却したときの取得単価の計算に組み込まれます。総平均法か移動平均法で計算するため、貸出を繰り返すほど計算が複雑になります。受領日・数量・その日の時価を記録に残しておくと、後で困りません。自動で再貸出する設定を使っている場合は特に、受取の回数が増えていきます。
納税の資金をどこから出すか
ここが実務でいちばん詰まる点です。貸借料は暗号資産で受け取ります。日本円は1円も入ってきません。それでも受領時の時価で収入として課税されます。
納税は日本円で行います。つまり、受け取った暗号資産を売って日本円に換えるか、別の資金を用意するかのどちらかになります。ところが自動で再貸出する設定にしていると、受け取った分がそのまま次の貸出へ回っていることがあります。BITPOINTのように貸借料を元本に加算して複利で回す仕組みでは、なおさら手元に日本円が残りません。
年をまたいで貸出期間が続いている場合はもっと厄介です。確定申告の時期に、課税対象になった暗号資産が拘束されていて売れない、という状態が起こり得ます。貸す前に、受け取る予定の貸借料に対する税額のぶんは別に確保しておくか、貸出期間が確定申告の時期をまたがないように組むか、どちらかを決めておくと後で困りません。
申告分離課税20%への移行は、レンディングの貸借料には及ばない見込み
「暗号資産の税金が20%になる」という話を聞いたことがあるかもしれません。令和8年度税制改正の大綱(2025年12月26日閣議決定)に書かれている内容ですが、対象は譲渡益であって、レンディングの貸借料ではありません。大綱の文言はこうです。
居住者等が、暗号資産取引業(仮称)を行う者に対して暗号資産(金融商品取引業者登録簿に登録されている暗号資産等に限る。以下「特定暗号資産」という。)の譲渡等をした場合には、その譲渡等による譲渡所得等については、他の所得と分離して20%(所得税15%、個人住民税5%)の税率により課税する。
令和8年度税制改正の大綱(2025年12月26日閣議決定)課税されるのは「譲渡等をした場合」の「譲渡所得等」です。貸借料の受取りは譲渡ではありません。大綱の中に、レンディングの貸借料を分離課税の対象に加えるという記述は見当たりません。現時点では、貸借料は総合課税の雑所得として残る見込みです。「レンディングも20%になる」と読み替えるのは正確ではありません。最終的な扱いは今後の法令で定まるため、そこは確認が要ります。
むしろ効いてくるのは消費税の変更
同じ大綱には、レンディングを使う人に直接効いてくる項目が別にあります。
暗号資産の貸付けについて消費税を非課税とするほか、所要の措置を講ずる。
令和8年度税制改正の大綱「六 その他(国税)(1) 暗号資産に係る課税関係の見直し」③現在、暗号資産の貸付けの利用料には消費税が課されています。そのため各社は「税込年率」という言い方をしています。大綱どおりに改正されれば、この課税がなくなります。適用は「金融商品取引法の改正法の施行の日の属する年の翌年の1月1日以後」とされており、改正法の施行が令和9年(2027年)中であれば、適用は2028年1月1日以後という順序になります。いま各社が示している税込年率と、改正後の年率の意味は変わる可能性があります。
税額の見当をつけるには暗号資産の税金シミュレーターが使えます。制度の全体像は暗号資産の税金で扱っています。個別の申告は税理士や所轄の税務署に相談してください。
レンディングの始め方
口座を持っていない状態からでも手順そのものは難しくありません。時間がかかるのは口座開設と、募集を待つところです。
本人確認書類とスマートフォンがあれば申し込めます。オンラインの本人確認に対応している社なら、当日から数日で開設できます。
すでに別の取引所で持っている場合は送金する手もありますが、送金手数料と着金までの時間がかかります。
常時受け付けている社(Coincheck・GMOコイン・OKJ)と、募集期間が決まっている社(bitFlyer・BitTrade・SBI VCトレード・BITPOINT)があります。bitbankは月ごとの募集です。募集期間制の社は公式のお知らせで告知されます。
ここで決めた期間は原則として途中で変えられません。期間中に売る可能性があるなら、その分は貸さずに残しておく判断が要ります。Coincheckはパソコンからのみ申し込めます。
承認された時点から貸借料の計算が始まります。承認されなかった場合、その暗号資産は手元に戻ります。
受領日と時価を記録しておくと、確定申告のときに困りません。自動で再度貸し出す設定がある社は、継続するかどうかをここで決めます。
レンディングのリスクを整理する
レンディングで引き受けることになるリスクは、大きく6つあります。
価格変動リスク
いちばん大きいのはこれです。年率5%で増えるのは枚数であって、日本円換算の資産額ではありません。暗号資産の価格は短期間に数十パーセント動くことがあり、金利で埋められる幅を超えています。
流動性を失うリスク
貸出期間中は原則として売却も送金もできません。暴落を見ていても手を出せず、中途解約を認める社でも負担が生じます。「数年は売らない」と決めた資金以外は貸さないのが基本になります。
返還されないリスク
貸した暗号資産は分別管理の対象外で、優先弁済も受けられません。事業者が破綻した場合、返還されない可能性があります。この点は金融庁登録の交換業者であっても変わりません。
事業者がサービスをやめる・消えるリスク
経営判断でレンディングの提供を終えることも、事業そのものを畳むこともあります。国内でも実際に起きました。
承認されないリスク
申し込みが通らず、その間の機会を失うことがあります。募集枠には上限があり、その上限が公開されていない社もあります。
税務が複雑になるリスク
受け取った貸借料は雑所得として課税され、取得単価の計算にも影響します。損失が出ても他の所得と相殺できません。記録を残していないと、後の申告で手間がかかります。
暗号資産は価格変動が大きく、投資した金額を下回る可能性がある商品です。レンディングは、その価格変動リスクに加えて、返還されないリスクと売れなくなるリスクを上乗せする使い方になります。金利の高さは、その上乗せ分の対価です。
交換業の登録が無い「レンディング専門事業者」をどう見るか
国内には、暗号資産交換業の登録を受けていない貸暗号資産の専門事業者もあります。BitLending、PBR LENDING、HashHubレンディングなどです。年率は交換業者より高く設定されていることが多く、比較記事では同じ表に並べられがちです。
上の金利一覧には入れていません。法的な立ち位置が違うものを、年率が高い順に並べると差が見えなくなるからです。
- 暗号資産交換業の登録が無いため、資金決済法に基づく交換業者向けの規制と監督の枠の外にあります
- そもそも交換業者に貸した場合ですら分別管理の対象外です。登録の無い事業者に貸す場合、比較の基準そのものが変わります
- 運営会社が変わっていることがあります。HashHubレンディングは、公式サイトの会社概要で運営会社がSBIデジタルファイナンス株式会社(設立2024年4月)と表示されており、「株式会社HashHub」の記載は見当たりません。古い記事の情報のまま判断すると、実際とずれます
使うなという話ではありません。年率の差が何と引き換えなのかを分けて考える必要がある、ということです。金融庁は無登録で暗号資産交換業を行っている者の名称等を公表しており、申し込む前にその一覧と金融庁の暗号資産に関するページを確認しておくと判断材料になります。
ビットコインレンディングのよくある質問
Q1. ビットコインのレンディングはどこの金利がいちばん高いですか?
A. 公表されている最大年率で見るとCoincheckの5.0%です。ただし年率は募集回ごとに変わり、常にここが高いと言える事業者はありません。申し込む前に手取りを計算したい場合は、募集ごとに年利率を公表しているbitFlyer(定期貸しコイン2.05%・定期貸しコインプラス2.20%)が確認しやすくなっています。GMOコインのビットコインは年率1.3%コース(1ヶ月)が現行です。
Q2. 年率10%以上と書かれているのを見ましたが、ビットコインでも狙えますか?
A. 通常のレンディングでは狙えません。GMOコインで年率10%コースが設定されているのはポルカドット(DOT)とコスモス(ATOM)です。同社の年率15%以上の「貸暗号資産プレミアム」はビットコインも対象ですが、円転特約という店頭デリバティブ取引が付いた別商品で、日本円の証拠金の預け入れが必要になり、特約レートを超える値上がり益は得られません。SBI VCトレードの最大税込年率10%も、2026年4月30日募集分のユーエスディーシー(USDC)で設定された実績値です。
Q3. レンディングとステーキングはどちらが有利ですか?
A. 年率だけでは決められません。ステーキングは資産の所有権が自分に残るため分別管理の対象になり、期間中に売却できる銘柄も多くあります。レンディングは所有権が事業者へ移り、分別管理の対象外になる代わりに年率が高めに設定される傾向があります。またビットコインはステーキングの対象になりません。ビットコインを持ったまま枚数を増やす手段は、事実上レンディングに限られます。
Q4. 貸出中に価格が暴落したら売れますか?
A. 原則として売れません。bitFlyer・BitTrade・BITPOINT・SBI VCトレード・Coincheckは中途解約の仕組みがないか原則不可としています。GMOコインとOKJは中途解約できますが、その場合の貸借料はゼロになります。GMOコインはさらに受取予定だった貸借料の10%が差し引かれます。bitbankは原則不可で、認められた場合も元本の5%が控除されます。暴落時に動けないことが、レンディングでいちばん重いリスクです。
Q5. レンディング中に取引所が破綻したら資産は返ってきますか?
A. 返ってこない可能性があります。取引所に置いてあるだけの暗号資産は分別管理の対象ですが、貸し出した暗号資産は所有権が事業者へ移るため分別管理の対象外です。この点は各社が公式サイトや取引説明書に明記しています。金融審議会のワーキング・グループ報告(2025年12月10日)の脚注80にも、交換業者が借り入れた暗号資産は分別管理や優先弁済の対象とならない旨を表示することが求められると記されています。金融庁登録の交換業者であっても変わりません。
Q6. 申し込んだのに承認されないのはなぜですか?
A. 各事業者が集めたい数量に上限があるためです。募集枠が埋まると、それ以上の申込は受け付けられません。承認方式は事業者ごとに異なり、bitFlyerは抽選、SBI VCトレードは原則申請順、BitTradeは先着順です。Coincheckは暗号資産ごとの借入総額上限を考慮した承認制で、その上限は公開されていません。承認されるまで貸借料は発生しません。
Q7. 受け取った貸借料に税金はかかりますか?
A. かかります。国税庁は、レンディングなどにより暗号資産を取得した場合、その取得時点の価額(時価)が総収入金額に算入されると示しています。暗号資産取引による損益は原則として雑所得(その他雑所得)に区分されます。日本円に換えていなくても課税対象です。給与所得者の場合、給与以外の所得の合計が年間20万円を超えると確定申告が必要です。雑所得の計算上生じた損失は、給与所得など他の所得と相殺できません。
Q8. 令和8年度の税制改正でレンディングも20%の分離課税になりますか?
A. 大綱に書かれている分離課税20%の対象は、特定暗号資産を譲渡等した場合の譲渡所得等です。貸借料の受取りは譲渡ではなく、大綱の中にレンディングの貸借料を対象に加えるという記述は見当たりません。現時点では総合課税の雑所得として残る見込みです。一方で同じ大綱には「暗号資産の貸付けについて消費税を非課税とする」という項目があり、こちらはレンディングに直接関係します。最終的な扱いは今後の法令で定まります。
Q9. いくらから始められますか?
A. 国内で最も小さいのはbitFlyerで、1口0.001 BTCから申し込めます。公式は1 BTCが1200万円と仮定した場合に約1万2000円からと案内しています。GMOコインの貸暗号資産ベーシックは0.1 BTC、貸暗号資産プレミアムは0.05 BTCからです。Coincheckは最低数量を公表しておらず、その他の社は募集ごとに設定されるため、いずれも申込画面での確認が必要です。
Q10. SBI VCトレードとBITPOINTは別々に使ったほうが安全ですか?
A. リスクの分散にはなりません。BITPOINTは、SBI VCトレード株式会社(暗号資産交換業 関東財務局長 第00011号)が運営するサービスブランドです。両方に分けて貸しても、契約の相手方は同じ法人です。事業者リスクを分けたい場合は、登録番号の異なる別会社を選ぶ必要があります。
Q11. 海外の取引所のほうが金利が高いようですが、使ってもよいですか?
A. 年率だけで判断しないほうが安全です。金融庁は無登録で暗号資産交換業を行っている者の名称等を公表しており、高い年率をうたう海外のレンディングサービスの一部はこの枠に入ります。無登録の事業者は日本の法律に基づく監督を受けておらず、トラブルが起きたときに国内の枠組みで救済を求めることが難しくなります。年率の差は、監督の有無の差でもあります。
まとめ
決め手は金利の比較ではありません。自分にこう聞いてみてください。「このビットコインを、これから半年から1年、何があっても売らないと言い切れるか」。
言い切れるなら、レンディングは口座で眠っている資産に働いてもらう手段になります。年1%台という年率でも、銀行の預金金利とは桁が違います。長期保有を決めている人にとって、実際に意味のある選択肢です。
言い切れないなら、貸さないという判断が残ります。貸出期間中は売却も送金もできず、暴落しても見ているしかありません。数パーセントの金利を取りに行って下落局面で逃げ遅れれば、金利では取り返せません。
そしてもう一段深いところに、貸した資産が分別管理の対象外になるという構造があります。各社が自ら公式サイトに書き、金融庁の審議会も規制が及んでいないと認めた領域です。法改正は動き出しましたが施行はこれからで、いま貸している資産は改正前のルールの下にあります。
金利の数字は、この2つを引き受けた対価として付いています。数字の大きさに先に目を奪われると、何と引き換えなのかが見えなくなります。順番を逆にして、失っても生活が揺らがない範囲を先に決めてから、その範囲の中で金利を比べる。それが現実的なやり方です。
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本ページの年率・貸出期間・最低貸出数量・中途解約の可否は、各社公式サイトおよび公式の取引説明書・取引ルール・募集告知の一次情報を確認して作成しています。制度・法令に関する記述は金融庁・財務省・国税庁の公表資料に基づきます。年率は募集回ごとに変動するため、申し込む前に各社公式の最新の募集要項を確認してください。
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※本記事は特定の投資成果・利益を保証するものではありません。暗号資産は価格変動リスクを伴う金融商品であり、投資した金額を下回る可能性があります。貸暗号資産は貸出期間中の売却・送金ができず、事業者が破綻した場合に返還されないリスクがあります。本記事で紹介している暗号資産交換業者はいずれも金融庁登録済みの国内事業者です。

