Market Commentary|2026年7月

2026年7月のマーケット解説・相場コメンタリー

2026年7月の相場動向のアーカイブです。最新の解説はマーケット解説トップへ。

日経平均2,494円高の6万4,362円――大きな値動きは、なぜ固まって現れるのか

証券・NISA FX・為替
ヒナコ

ヒナコ

本日の日経平均株価は大幅に続伸し、前日比2494円59銭高の6万4362円02銭で取引を終えました。一時は3500円近く上昇しています。今週は月曜から、2566円安、930円安、433円高、そして今日の2494円高と、毎日が大きな値動きでした。下げも上げも極端で、私のような初心者は追いかけるだけで疲れてしまいます。相場というのは、こんなに激しく動くものなのでしょうか。

トシ

トシ

今日の上げの出発点は前日の米ハイテク株高だ。リスクを取る姿勢に傾いた海外勢の買いが東京のAI・半導体関連にも入り、朝から水準が切り上がった。ただ、後場は日銀の金融政策決定会合を通過したところで利益確定の売りが出て、上げ幅を縮めている。もう一つ今日の特徴は、決算を受けた個別株の売買が活発だったことだ。東京エレクトロンが大幅高となる一方、デンソーや第一三共は急落した。指数全体が4%上げた日に、決算内容で大きく下げる銘柄が出ている。上げ相場だから全部が上がる、という日ではなかった。そして今週の値動きを並べると、2566円安、930円安、433円高、2494円高となる。今日の上げ幅は、月曜の下げ幅とほぼ同じ大きさだ。

ヒナコ

ヒナコ

下げた分をほとんど取り返したということですね。それなら安心してよいのか、それとも、こんなに激しく動くこと自体が危ないということなのか、どちらなのでしょうか。

トシ

トシ

相場の歴史を振り返ると、値動きの大きい日は固まって現れるという事実がある。1990年のバブル崩壊後も、2008年の金融危機の局面でも、2020年の急落局面でも、記録に残る大きな下げ日と大きな上げ日は、同じ数週間の中に隣り合わせで並んでいる。落ち着いた相場が静かに上がるのではなく、荒れた相場が上にも下にも大きく振れる。今日の2494円高は、月曜の2566円安と対になった動きで、この形の典型だ。ここから読み取れることが二つある。一つは、大きな戻りは相場が落ち着いた証しではないということ。むしろ揺れが続いている最中に起きる現象で、実際、今日も後場は利益確定売りで伸び悩んだ。もう一つは、荒れている期間に相場から離れると、下げだけでなく戻りも同時に手放すことになるという点だ。歴史の中で大きな上げ日の多くが暴落の直後に集中しているのは、そういう意味を持つ。今週の四日間で、日経平均は2566円下げ、930円下げ、433円戻し、2494円戻した。この振れ幅そのものが、いま市場がAI関連の先行きについて答えを出せずにいることを示している。振れが小さくなるまでは、まだ答えは出ていない。

日経平均433円高の6万1,867円――上がったのは値段か、それとも需要の見立てか

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ヒナコ

ヒナコ

本日の日経平均株価は3日ぶりに反発し、前日比433円24銭高の6万1867円43銭で取引を終えました。上げ幅は一時1400円を超えています。きっかけはアドバンテストの決算だそうですね。株価は一時17%高となり、この1銘柄だけで日経平均を660円押し上げたと聞きました。先週までは好決算でも売られていたのに、今日はきちんと買われています。何が変わったのでしょうか。

トシ

トシ

変わったのは、中身の見立てだ。アドバンテストは2027年3月期の連結純利益が前期比76%増の6600億円になる見通しと発表した。事前の市場予想を大きく上回る数字だが、それ以上に効いたのは、同社が得意とするSoC向け試験装置の市場規模の見通しを、従来の87億〜95億ドルから105億〜115億ドルへ引き上げた点だ。UBS証券は、推論AIの需要が市場拡大をけん引すると指摘している。数字が良かっただけでなく、市場そのものが想定より大きいという見立てが示された。買いは他にも広がり、東京エレクトロンが朝安後に一時8%高、業績見通しを上方修正したNECや日立も大幅高となった。明日決算のキオクシアは、サムスン電子が株主還元の可能性に触れたことを受けて一時17%高と6日ぶりに反発した。一方、ソフトバンクグループは傘下の英アームの売上高見通しが市場の期待に届かず、一時5%安と逆行した。米国ではFRBの利上げ見送りをきっかけにテック株売りが再燃していたが、東京は朝安後に切り返した。

ヒナコ

ヒナコ

同じAI関連なのに、上がった会社と下がった会社に分かれたのですね。ここ数日は全部まとめて売られている印象だったので、少し様子が違って見えます。この反発は信じてよいものなのでしょうか。

トシ

トシ

一つ聞きたい。今日、君が明るい気持ちになった理由は、株価が17%上がったことか。それとも、市場規模の見通しが引き上げられたことか。同じ一日の出来事だが、この二つは重みが違う。株価は明日も明後日も動く。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は今日の動きを自律反発狙いの買いの域を出ないと見ているし、大和証券もAIラリーの復調とはまだ言えないと冷静だ。日経平均は100日移動平均を割り込んだままで、今年2回目の水準にある。値段の面では、今日の433円高で何かが決着したとは言い難い。だが見通しの方は違う。市場規模の見立てが引き上げられ、その理由が推論AIの需要だと具体的に語られた。これは今日はっきり増えた事実だ。値段は増えたり減ったりするが、需要の見積もりは次に情報が出るまで残る。そしてもう一つ、今日の相場は数日前と形が変わった。まとめて売られていたAI関連が、アドバンテストは急伸、アームの見通しが届かなかったソフトバンクグループは逆行安と、会社ごとの数字で値段が分かれた。テーマで一括りに売買される段階から、各社の事情を見る段階へ戻り始めている。明日はキオクシアの決算がある。株価がいくら動いたかより、そこで語られる需要の見立てがどちらを向いたかに、この相場の次の手がかりがある。

日経平均930円安の6万1,434円――「相場は相場に聞け」、値ごろ感が届かなかった一日

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ヒナコ

ヒナコ

本日の日経平均株価は続落し、前日比930円73銭安の6万1434円19銭で取引を終えました。5月20日以来、約2カ月ぶりの安値です。朝方は昨日の大幅安を受けて買いが先行したそうですが、その買いは続きませんでした。下落幅は一時1900円を超えています。昨日あれだけ下げたのだから今日は買われてもよさそうなのに、なぜ買いは続かなかったのでしょうか。

トシ

トシ

朝の買いは、材料が良くなったからではなく、昨日2500円超下げたからという理由の買いだった。相場ではこれを自律反発と呼ぶ。前日に売りすぎた分の買い戻しや、値ごろ感で入る短期の資金が中心で、下げの原因そのものが解決したわけではない。だから買いが一巡すると、次第に売りが優勢になった。決定的だったのは午後だ。韓国のKOSPIでサーキットブレーカーが発動して一段安となり、東京でもAI・半導体関連に売りが膨らんだ。昨日に続く2営業日連続の発動で、メモリー市況の悪化懸念という下げの理由が、まだ生きていることが値動きの形で表れた。結果として日経平均は5月20日以来の安値で終えた。朝の買い手が期待した反発は、韓国市場からの現実に押し戻された形だ。

ヒナコ

ヒナコ

下がったから買う、という考え方はいけないのでしょうか。安く買えたほうが得なのではないかと思ってしまいます。でも今日のように、買った後さらに下がるのを見ると、自分の判断が正しいのか分からなくなります。

トシ

トシ

相場には「相場は相場に聞け」という言葉がある。自分の理屈や願望を相場に当てはめず、値動きそのものに答えを教わるという意味だ。今日はその見本のような一日だった。朝の買い手の理屈は分かりやすい。昨日2500円下げた、だから安い、だから買う。これは人間の側の理屈だ。一方、相場が返した答えは午後に出た。韓国で2日続けてサーキットブレーカーが発動し、東京の半導体株は再び売られ、終値は2カ月ぶりの安値まで沈んだ。安いという理屈と、下げの理由がまだ生きているという事実。今日はっきり勝ったのは後者だった。値ごろ感というのは、下がる前の値段を基準にした感覚にすぎない。基準そのものが動いているとき、その感覚はあてにならない。では相場に何を聞けばよいか。今日で言えば、下げの震源だった韓国市場が落ち着いたかどうか、メモリー市況への懸念に変化があったかどうかだ。値段が安くなったことは、下げが終わった証しにはならない。安さは買う理由の一つになり得るが、それだけでは足りない。相場が答えを返すのを待ってから動いても、遅すぎることはない。

日経平均2,566円安の6万2,364円――時価総額首位の座は、なぜいつも入れ替わるのか

証券・NISA FX・為替
ヒナコ

ヒナコ

本日の日経平均株価は反落し、前日比2566円27銭安の6万2364円92銭で取引を終えました。下げ幅は一時3000円を超えています。キオクシアは値幅制限の下限まで売られ、時価総額はつい先日まで首位だったのに7位まで落ちました。あれほど買われていた会社が、こんなに短い間に順位を落としてしまうものなのでしょうか。

トシ

トシ

今日の震源は韓国だ。KOSPIは一時11%安となり、下落率が8%に達したところで売買を一時止めるサーキットブレーカーが発動した。前日の米ナスダックが0.2%安、フィラデルフィア半導体株指数が2%安だったのと比べて、下げの大きさが際立つ。きっかけは27日に上場した中国のメモリー大手CXMTの親会社だ。競争激化でメモリー市況が悪くなるとの懸念から、SKハイニックスやサムスン電子の業績不安が具体的に意識された。6月下旬からの下げが漠然とした警戒によるものだったとすれば、今回は相手の名前が見えた売りだ。東京でもアドバンテストと東京エレクトロンがそろって10%超下げ、ソフトバンクグループは約2カ月ぶりに5000円を割る場面があった。エヌビディアがオープンAIのデータセンター計画に約2500億ドルの融資保証を検討との報道も、財務への不安として売りを誘った。ただ全部が売られたわけではない。原油安を受けて自動車や医薬、鉄道は逆行高となった。

ヒナコ

ヒナコ

下がる日はどの株も一緒に下がるものだと思っていましたが、今日は上がった業種もあるのですね。それでも、首位だった会社が7位まで落ちるのを見ると、強いと言われているものを持つこと自体が怖くなります。

トシ

トシ

時価総額の首位という座は、昔から借り物だった。1980年代の終わりには銀行がその座を占め、2000年前後には通信と情報が入れ替わり、資源が高い時期には商社や資源株が上位に並んだ。どの時代も、当時は誰もが理由を説明できたし、実際にその理由は正しかった。にもかかわらず首位は入れ替わった。理由が間違っていたからではなく、期待が先に集まりすぎたからだ。首位に立つ銘柄には、その事業を評価する資金だけでなく、上がっているから買う資金が最後に厚く乗る。この最後の層は、値動きが反転すると真っ先に逃げる。松井証券が、押し目を買った個人の投げ売りが連鎖して雪崩のようだと表現したのは、その層が崩れる音だ。だから首位からの転落は、事業が壊れた印とは限らない。期待の順番待ちの列が、いったん解けた印である場合の方が多い。今日、三井住友トラスト・アセットマネジメントが、自動車や医薬が強く市場からお金は逃げていないと指摘したのも同じ話で、資金は日本株の外へ出たのではなく、期待が集まりすぎた場所から、まだ集まっていない場所へ移った。順位表の上の方はいつも風が強い。強いと言われるものを持つ怖さの正体は、事業の弱さではなく、その風の強さだ。

日経平均320円高の6万4,931円――好決算でも売られる相場と、「期待値」の転換

証券・NISA FX・為替
ヒナコ

ヒナコ

本日の日経平均株価は反発し、前週末比320円高の6万4931円で取引を終えました。中東情勢の緊張が和らいで原油が下がったことが支えになったそうです。ただ、値上がりしたのは自動車や空運で、AI・半導体は元気がありません。今週決算を発表するキオクシアは一時10%安まで売られています。決算前に売られるというのが、私にはよく分かりません。悪い決算だと決まったわけではないのに、なぜ先に売るのでしょうか。

トシ

トシ

決算そのものより、決算に対する市場の反応が変わったからだ。先週のアルファベットがその見本になった。クラウド好調で4〜6月期は大幅増益だったのに、AI関連の設備投資の増額が収益を圧迫するとの見方で株価は決算後に大きく下げた。松井証券は、少し前まで設備投資は多いほど評価されたが、足元では増資リスクや債務増というマイナス面の方が強く意識されるようになったと指摘する。TSMCも好決算で株価は売られている。同じ数字が正反対に解釈される、その転換が今起きている。だから29日決算のアドバンテストも売りに押され、31日決算のキオクシアは連日の売りで5万円割れが意識された。今日はもう一つ、メモリーの供給不安が加わった。中国のDRAM大手CXMTの親会社が上海市場に上場し、公開価格を大幅に上回る好発進となった。増資で得た資金で生産を増やせばメモリー全体の需給が緩む。NAND専業のキオクシアにも他人事ではないと受け止められた。一方で原油安を好感し、自動車や空運には買いが入った。

ヒナコ

ヒナコ

好決算でも売られるのなら、投資家は何を見て判断すればよいのでしょうか。今週はアメリカの会合や日銀の会合も重なると聞きました。私のような初心者は、こういう週はじっと待っているしかないのでしょうか。

トシ

トシ

株価は数字そのものではなく、数字と予想の差で動く。ここで働くのが期待値という考え方だ。決算前の株価には、市場が織り込んだ予想がすでに入っている。だから予想を上回れば上がり、届かなければ下がる。ここまでは分かりやすい。ところが今の相場では、もう一段ややこしいことが起きている。良い数字が出ても、その中身の解釈が入れ替わっているからだ。設備投資が増えたという同じ事実を、成長の証しと読めば買い、資金繰りの負担と読めば売りになる。アルファベットもTSMCも、数字は良く、解釈で売られた。決算前のキオクシア売りは、決算内容への悲観というより、良い数字が出ても買われないという先週の学習に基づく行動だ。市場が予想を上回るかどうかではなく、市場が何を評価するかという前提そのものが入れ替わっているとき、決算前に持ち高を軽くする動きは合理的に見える。今週はFOMCと日銀会合、そして半導体各社の決算が重なる。ここで見るところは、決算の数字そのものよりも、良い数字がどう受け取られたかだ。同じ数字への反応が先週と変わったなら、それは相場の空気が変わった合図になる。数字は誰でも読めるが、反応は待たないと分からない。だから今週、待つのは消極的な選択ではない。

日経平均1,811円安の6万4,611円――好材料に反応しない相場と、頭上の「しこり」161兆円

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ヒナコ

ヒナコ

本日の日経平均株価は反落し、前日比1,811円45銭安の6万4,611円15銭で取引を終えました。下げ幅は一時2,200円を超えています。気になった出来事があります。イビデンという会社は、大口顧客の米インテルが良い売上見通しを出して、インテル株は時間外で13%も急騰したのに、4%安まで売られました。良いニュースが出たのに株価が下がるというのは、どう理解すればよいのでしょうか。

トシ

トシ

今日は悪材料が重なった。前日の米国市場でナスダックが2%下落し、アルファベットは純利益が前年同期の4倍という決算にもかかわらず、設備投資の増額に対する回収不安から7%下げた。中東では米大統領がイランへの大規模攻撃を検討と報じられ、原油高からインフレ観測が強まり、米長期金利は一時4.7%程度と約1年半ぶりの高水準を付けた。円は1ドル163円台後半と1986年11月以来の円安で、輸入コスト増から小売り関連まで売られた。韓国ではレバレッジ型ETFの規制前倒しでKOSPIが一時5%下げ、東京の売りに拍車をかけた。そのうえで、君が挙げたイビデンの動きが今日の相場の核心だ。需要の強さを裏付ける材料が出たのに、株価が付いてこない。外資系証券のトレーダーが、決算は悪くないのに株価がついていかないとこぼしたように、いま市場は良い知らせを受け取る力を失っている。ソフトバンクグループが7%安、アドバンテストが6%安と、下げを主導したのもこれまで買われてきた主役たちだった。

ヒナコ

ヒナコ

悪いニュースで下がるのは分かりますが、良いニュースでも下がるとなると、何を頼りにすればよいのか分からなくなります。この下げは、いつか終わりが来るものなのでしょうか。それとも、良い材料に反応しなくなった相場は、もっと深く下げてしまうものなのでしょうか。

トシ

トシ

その答えの手がかりは、値段ではなく「どの値段でどれだけ商いが成立したか」という記録にある。取引所の売買は全て値段ごとに積み上げて集計でき、4月以降の東証プライムでは、日経平均6万8,000円から7万円の帯に161兆円と最も商いが集中している。そして4月以降の取引の49%は6万6,000円以上で成立した。つまり現在の6万4,611円では、この春以降に買った人のほぼ半分が含み損を抱えている計算になる。相場の世界では、こうして高い値段に残った買いの塊を「しこり」と呼ぶ。しこりの帯まで株価が戻ると、やれやれと売る人が現れて上値が重くなる。逆に言えば、下げが終わるかどうかは、悪材料が尽きるかどうかだけでは決まらない。しこりが解消されるまで、時間が経つか、売りが出尽くすか、あるいは含み損の人が耐えられる材料が出るか。マネックス証券が、水準調整だけでなく需給調整の一服を待つ必要があると言うのは、この整理のことだ。イビデンが好材料に反応しなかったのも、頭上に厚いしこりの帯を抱えた相場では、買い手が値段を追いかける気になれないからだ。値段の上下だけを見ていると今日の1,811円安は恐怖でしかない。だが商いの積み上がりという地形図を持てば、いま相場がどの坂を下りていて、どこに重い天井があるかは読める。恐怖と地形は、別々に見ておく価値がある。

日経平均307円高の6万6,422円――指数は上昇でも値下がり826銘柄、「森と木」の乖離を読む

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ヒナコ

ヒナコ

本日の日経平均株価は反発し、前日比307円00銭高の6万6,422円60銭で取引を終えました。AI・半導体株への買いで上げ幅は一時900円を超えましたが、昨日と同じように午後は伸び悩んでいます。それでも今日はプラスを守りました。気になったのは、値上がりした銘柄が687で、値下がりの826より少なかったことです。指数は上がったのに、下がった銘柄の方が多いというのは、どういうことなのでしょうか。

トシ

トシ

今日の買いの中心は、指数への影響が大きい一部の値がさ株だった。前日の米国市場でアンソロピックへの出資を発表したAMDが買われ、フィラデルフィア半導体株指数は小幅に上昇。今日のアジアでは韓国のKOSPIが4%を超えて上げ、リスクを取り直した海外短期筋の買いが東京にも入った。加えて、AIインフラの投資拡大を示す材料が米国で相次いだ。アルファベットは2026年12月期の設備投資額を上方修正し、来期も大幅に増やす方針を示した。オープンAIがデータセンター建設に数百億ドルを投じる計画とも伝わった。データセンターが建つほど装置や部材が売れる。そういう納入企業が多い東京市場では、アドバンテストやソフトバンクグループ、レーザーテックに買いが集まった。一方で、原油高からインフレ警戒で国内長期金利が上昇し、株の割高感も意識されやすかった。キオクシアが朝高後に下げへ転じるなど上値の重い銘柄も目立ち、プライム全体では値下がり826が値上がり687を上回った。指数の上げを少数の銘柄が支えた一日だ。

ヒナコ

ヒナコ

指数だけを見ると相場は好調に見えるのに、実際には下がった銘柄の方が多かったのですね。私のような個人投資家ですと、日経平均が上がったのに自分の持ち株は下がっている、という日になりそうです。この差は、どう受け止めればよいのでしょうか。

トシ

トシ

相場には「森を見て木を見ず、木を見て森を見ず」という戒めがある。今日はその両方が試された日だ。森、つまり日経平均は307円高。だが木を一本ずつ数えると、枯れた木の方が多い。こういう日に覚えておいて損がない道具が騰落レシオや騰落銘柄数で、今日なら687対826という数字がそれだ。指数と中身の食い違いは、値がさ株の比重が大きい日経平均の性質から生まれる。ごく少数の銘柄が大きく上がれば、残りの大半が下がっていても森は青く見える。そしてこの食い違いには、相場の体温を測るうえでの使い道がある。上昇が広く行き渡っているときの高値と、少数の柱だけで支えられているときの高値では、同じ水準でも足腰が違う。柱の一本だったキオクシアが朝高から下げへ転じたように、柱は入れ替わるし、時に折れる。今日の307円高を喜ぶ前に、自分の持ち株がある場所は森の青い側か、枯れた側か。そこを見た人だけが、指数のニュースと自分の資産の距離を正しくつかめる。日経平均は市場の要約であって、君の口座の要約ではない。

日経平均116円安の6万6,115円――朝の1,300円高が消えた「有事の逃げ先」の正体

証券・NISA FX・為替
ヒナコ

ヒナコ

本日の日経平均株価は反落し、前日比116円59銭安の6万6,115円60銭で取引を終えました。朝方は上げ幅が一時1,300円を超えていたのに、午後になって下げに転じています。上げた分をすべて失ったうえ、最後はマイナスで終わってしまいました。一日のうちにこれほど景色が変わると、朝の上昇は何だったのかと思ってしまいます。今日は何が起きたのでしょうか。

トシ

トシ

朝の買い材料は三つ重なった。一つは中東情勢だ。米中央軍は21日まで11日連続でイランを攻撃し、トランプ大統領もイラン中部のピックアックス山を近く激しく攻撃すると警告した。これを受けて原油価格が上昇した。二つ目は前日の米国市場で、半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数が5%高となったことだ。三つ目がTSMCの値上げ報道で、2027年に生産受託価格を最大10%引き上げると伝わった。値上げは需要の強さの裏返しと受け取られ、関連株に買いが広がった。朝方はキオクシアが一時12.51%高、アドバンテストが6.54%高、東京エレクトロンが4.07%高まで買われ、日経平均の上げ幅は一時1,300円を超えた。ところが午後に入ると急速に伸び悩み、下げに転じた。プライム市場では全体の4割が値下がりし、原油高を受けて小売り、鉄道、空運などに売りが出ている。米国時間の22日からは大規模クラウド事業者の決算が本格化する。

ヒナコ

ヒナコ

中東で緊張が高まっているのに半導体株が買われるというのが、まず不思議です。有事のときは株が売られるものだと思っていました。しかもその買いは午後には続きませんでした。危ないニュースが出ているのに買われて、それなのに続かない。どちらの動きを信じればよいのか分からなくなります。

トシ

トシ

有事で売られるものは、この50年ほとんど変わっていない。今日、原油高を受けて売られたのは小売り、鉄道、空運だ。燃料費が重くのしかかり、消費者の財布も冷える業種で、1970年代のオイルショックのときも真っ先に売られたのはこの手の銘柄だった。変わったのは逃げ込む先の方だ。あの頃の避難先は現物資産や資源関連、湾岸戦争の頃は金やドルだった。今日それを担ったのがAI・半導体で、理由は業績の伸びが国内の景気とは切り離されて見えるからだ。岩井コスモ証券も、中東情勢で日本経済への影響が読みにくくなるなか、業績成長に安心感のあるAI株へ資金が逃げていると指摘している。ただ、歴史がもう一つ示しているのは、避難先はたいていその時代の一番人気と重なるということだ。人が集まった場所には、高値で買って戻りを待っている人も同じだけ溜まっている。日経半導体株指数は6月22日の高値から1カ月で2割強下げていて、今日の朝の急伸はその戻り局面のなかの動きだった。だから1,300円の上げ幅は午後に消えた。有事に買われたのは、そこが安全だからではない。ほかよりましに見えたからだ。その差が、116円安という終値に出ている。

日経平均2,091円高の6万6,232円――中国AIショック一服と、AIの勝敗を決める「物量」

証券・NISA FX・為替
ヒナコ

ヒナコ

本日の日経平均株価は前週末比2,091円高の6万6,232円と、大きく反発しました。先週末は歴代5位という記録的な下げ幅だったのに、今日は一転して3%を超える上昇です。急落の主役だったAI・半導体株が、今日はそのまま反発をけん引しています。あれほど売られたものが数日で買い戻されると、下げも上げも何が本当なのか分からなくなります。今日の反発は、信じてよいものなのでしょうか。

トシ

トシ

きっかけは中国AIショックの一服だ。先週の売りに重なっていた中国の新興AI、月之暗面が19日夜に新規受け付けの停止を発表した。理由は計算リソースの不足だ。性能の高いモデルを出しても処理が追いつかない、その事実が伝わり、「中国AIが一気に普及して米国勢を脅かす」という先週の恐怖が薄れた。日本が休みだった20日の米国市場でフィラデルフィア半導体株指数が4営業日ぶりに反発し、今日のアジアで韓国や台湾のハイテク株が上昇したことも追い風になった。17日にストップ安まで売られたキオクシアが一時12%高、ソフトバンクグループやアドバンテストも急反発した。市場が反発の根拠にしたのは値ごろ感ではなく、演算量という物量の話だった。UBS証券は、米国と中国のあいだには計算能力の保有量に圧倒的な格差があると指摘する。中国のモデルの性能自体は高くても、米国の輸出規制でGPUの保有量が限られ、演算能力はすぐ飽和しかねない。だから先端半導体の需要は簡単には後退しない――この見立てが買い安心感につながった。

ヒナコ

ヒナコ

性能では中国が追いついていても、計算する力の量では大きな差がある、というお話なのですね。ニュースでは「どちらのAIが賢いか」ばかりが話題ですが、相場が見ていたのは別のところだったのですね。ただ、それなら今日の反発でひとまず底は打った、と考えてよいのでしょうか。

トシ

トシ

今日、君の目を引いたのは「中国AIが米国に肉薄」という性能の見出しか、それとも「計算リソースが足りず受付停止」という物量の一行か。多くの人は前者に反応した。だが相場を反発させたのは後者だ。ここに、この相場と付き合ううえで大事な視点がある。AIの勝敗は賢さで語られがちだが、実際に動くには画像処理半導体を積んだサーバーが要り、それを動かす電力と、最先端チップを買い続ける資金が要る。性能は見出しになる。だが勝敗を決めるのは、地味な物量だ。中国が数十分の一の価格で提供しても、その安さを支える計算資源が飽和すれば、供給は止まる。今日の受付停止が、まさにそれを見せた。ただし、これで安心と考えるのは早い。ゴールドマン・サックスによれば、ヘッジファンドは過去8週のうち6週で米ハイテク株を売り越し、その規模は集計開始以来で最大だった2024年夏に並ぶ。つまり相場の内側では、需要は堅いと見て買い戻す資金と、高値づかみを恐れて降りる資金が、いま激しく綱を引き合っている。今日の2,091円高は、底が入った証拠ではない。その綱引きが、今日はたまたま買い側に傾いただけだ。先週の急落を招いたのも今日の反発を呼んだのも、賢さの優劣ではなく、計算資源が足りるか足りないかという話だった。綱引きの次の一往復も、そこから動き始める。

日経平均2,694円安の6万4,141円――歴代5位の暴落は「危機型」か「調整型」か

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ヒナコ

ヒナコ

本日の日経平均株価は大幅に続落し、前日比2,694円安の6万4,141円で取引を終えました。下げ幅は歴代5位の大きさで、取引時間中には4,130円安まで売られる場面もあったそうです。昨日の1,915円安に続いてこの暴落です。ニュースで「歴代5位」と聞くと、何か大変なことが始まったのではないかと怖くなります。

トシ

トシ

売りの震源は昨日と同じAI・半導体だ。前日の米市場でフィラデルフィア半導体株指数が4%下落し、東京でも高値警戒感が一気に噴き出した。象徴がキオクシアで、16%安のストップ安水準まで売られ、6月の上場来高値から半値になった。注目したいのは、TSMCやASMLの決算が好調だったのに売られたという点だ。業績が悪いから下がったのではなく、市場の期待が業績より高すぎた分が剥がれ落ちた。さらに今日は韓国市場が祝日で休場だったうえ、日本は明日から3連休。買いの支えが薄い日に、積み上がっていた強気ポジションの解消が重なり、下げ幅が膨らみやすい一日だった。一方で東証プライム全体では、午前に4割の銘柄が上昇している。小売りや鉄道など内需株は買われ、セブン&アイは3%高。売られたのはAI関連に絞られていて、市場全体からお金が逃げ出したわけではない。

ヒナコ

ヒナコ

歴代5位の暴落なのに、4割の銘柄は上がっていたのですね。それでも、キオクシアが半値になったと聞くと、AI関連を持っている方は生きた心地がしないと思います。この下げは、まだ続いてしまうのでしょうか。

トシ

トシ

歴代の下げ幅上位の日々を振り返ると、暴落には二つの型があることが分かる。一つは、リーマン・ショックのように金融システムそのものが傷つき、あらゆる資産が投げ売られる危機型。もう一つは、ブラックマンデーや2024年8月の急落のように、積み上がった期待とポジションが巻き戻される調整型だ。危機型は経済の土台が壊れているから回復に年単位かかる。調整型は、実体が壊れていなければ、値段が期待に追いつかれた時点で下げ止まってきた。今日の中身はどちらに近いか。決算好調でも売られるのは期待の剥落であり、内需やバリュー株にはお金が入り続け、プライムの4割は上昇した。信用不安の兆候は今日の材料には見当たらない。実際、ブラックマンデーも2024年8月の急落も、下げ幅の記録では今日より上位にあるが、経済の土台が無事だった調整型は、数カ月のうちに下げ幅を埋めてきた。分かれ目を確かめる場も、もう日程に載っている。来週のアルファベット、マイクロソフト、メタといった米テック決算で、AI投資の手が緩むのかどうかが数字で示される。歴代5位という順位は、今日の下げの大きさを記録するだけで、この先の相場までは予言しない。

日経平均1,915円97銭安の6万6,835円54銭――KOSPI急落で増幅した半導体売り

証券・NISA FX・為替
ヒナコ

ヒナコ

本日の日経平均株価は3日ぶりに反落し、前日比1,915円97銭安の6万6,835円54銭で取引を終えました。昨日は1,008円高と大きく上昇したばかりなのに、今日は一時2,200円を超える下げ幅です。たった一日でここまで景色が変わってしまうと、昨日の上昇は何だったのかと戸惑ってしまいます。今日は何が起きたのでしょうか?

トシ

トシ

売りの出発点は、前日の米国市場で起きた半導体関連株の下落だ。その流れが東京のAI・半導体関連株へ波及し、韓国市場の急落が売りを増幅させた。KOSPIは一時7%を超えて下げ、指数への影響が大きいサムスン電子とSKハイニックスも大幅安となった。韓国銀行の利上げも株式市場の重荷になったと報じられている。日本と韓国は半導体の供給網でつながりが深く、海外投資家がアジアの半導体株をまとめて縮小する局面では、片方の急落がもう片方の売りを呼びやすい。さらに東京では、前日に大きく上昇した銘柄を中心に利益確定の売りも出やすかった。半導体の需要が一日で消えたと確認されたのではなく、米国株安、KOSPI急落、金融政策、前日上昇の反動が重なり、投資家が短時間でリスクを落とした結果だ。これが一時2,200円超まで下げ幅が広がった背景だ。

ヒナコ

ヒナコ

昨日1,008円上がって、今日1,915円97銭下がる。差し引くと、この2日間で907円96銭下がった計算です。上昇した翌日にそれ以上下がると、市場が壊れたように感じてしまいます。昨日の買いは間違いで、今日の売りだけが正しいと考えるべきなのでしょうか?

トシ

トシ

相場には「行き過ぎもまた相場」という古い言葉がある。相場は理屈どおりの値段でぴたりと止まる機械ではなく、上にも下にも振れ過ぎることがあるという意味だ。昨日の1,008円高と今日の1,915円97銭安を並べると、市場が壊れたように見える。だが、昨日は半導体関連へ買いが広がり、今日は米国株安とKOSPI急落を受けてリスクを減らす売りが集中した。材料も、動いた資金の時間軸も同じではない。だから、今日の値下がりだけで昨日の買いがすべて誤りだったとも、半導体の実需が崩れたとも断定できない。この言葉を今日に当てはめるなら、値幅の大きさと事業環境の変化を分けて見ることだ。次に確かめたいのは、半導体各社の決算、受注、設備投資計画に悪化が表れているかどうかだ。悪化が確認されれば下げには業績面の根拠があり、確認されなければ短期的なリスク縮小が値幅を大きくした可能性が残る。一日の騰落だけで結論を急がず、株価の振れ幅と企業側の事実を別々に測る。それが行き過ぎる相場と向き合うための物差しだ。

日経平均1,008円高の6万8,751円51銭――IBM急落を読み替えた「優勝劣敗」と川上から読むAIマネーの順番

証券・NISA FX・為替
ヒナコ

ヒナコ

本日の日経平均株価は前日比1,008円高の6万8,751円と、大幅に続伸しました。前日の米国市場ではIBMの株価が20%を超える急落となったのに、東京市場は大きく上昇しています。米国でショックが起きたのに日本株が買われるというのは、少し不思議な気がします。これはどう読めばいいのでしょうか。

トシ

トシ

出発点は米国の物価だ。6月の米消費者物価指数が市場予想を下回り、利上げ観測が後退したことで投資家心理が持ち直した。そのうえでIBMの急落の中身を市場は読み替えた。IBMの顧客企業は、IBMの製品やサービスに割く予算を絞り、その分をメモリーなどハードウエアのAI投資に振り向けたと受け止められている。つまりAI需要が消えたわけではなく、お金の行き先が変わっただけだ。だから前日の米市場でフィラデルフィア半導体株指数は上昇し、東京でもキオクシアホールディングスが一時8%超高、アドバンテスト、東京エレクトロン、イビデンにも買いが広がった。日本時間午後に発表されたASMLホールディングの4〜6月期決算が市場予想を上回ったことも追い風になった。一方、予算を絞られる側と見なされたソフトウエア関連は全面安で、野村総合研究所やNEC、ベイカレントは一時5%超下げた。同じAIというテーマの中で、買われる側と売られる側がはっきり割れた。優勝劣敗の一日だ。

ヒナコ

ヒナコ

同じAI関連なのに、片方は大きく買われて、片方は5%も売られるのですね。ソフトウエア株を持っている方は、このまま持っていて大丈夫なのかと不安になりそうです。逆に半導体株を持っていない方は、ここから追いかけて間に合うのかと焦ってしまう気もします。

トシ

トシ

その両方の感情には、今日のIBMの読み替え方そのものが答えになる。半導体の流れを一つ整理しておきたい。半導体には川上と川下があり、お金は川上のシグナルから順番に流れていく。今日それが実際に見えた。IBMの決算は、顧客がソフト・サービスの予算を絞ってメモリーなどハードのAI投資へ回したことを示す、いわば発注側の伝票だ。伝票が変われば、次に潤う工場が変わる。だからキオクシアのようなメモリーが真っ先に買われ、製造装置のASMLの好決算がそれを裏書きした。ゴールドマン・サックス証券の分析が示す道筋も同じ構図で、2026年前半は電子部品や電子材料、後半はウエハーやパワー半導体へ需給の引き締まりが波及する可能性があるという。実際、ウエハーのSUMCOは6月末から3割高と、すでに次の順番へ買いが先回りしている。つまり、半導体株に乗り遅れたと焦る前に確かめたいのは株価チャートではなく、発注の伝票がいまどの工程まで進んだかという事実の方だ。ソフトウエア株の不安も同じ物差しで測れる。売られた理由は需要の消滅ではなく予算の後回しだから、確かめるべきは各社の受注や解約率という伝票だ。値動きは感情で振れるが、伝票は嘘をつかない。今日の1,008円高で買われた側も売られた側も、次の決算という伝票で答え合わせをされる。

日経平均500円高の6万7,743円50銭――1カ月ぶり安値からの反転と「先物主導の買い戻し」

証券・NISA FX・為替
ヒナコ

ヒナコ

トシさん、本日の日経平均株価は前日比500円77銭高の6万7,743円50銭と反発して取引を終えました。朝方は前日のアメリカでのハイテク株安を受けて、約1カ月ぶりの安値水準まで大きく値下がりしてヒヤリとしましたが、その後は一転して買い戻され、引けにかけて上げ幅を広げています。原油高の一服や韓国市場の持ち直しが影響したようですが、この急激な日中反転の裏では何が起きているのでしょうか?

トシ

トシ

マクロ指標の安定化データをトリガーとした、海外短期筋による株価指数先物への機械的な買い戻しだ。ここでプロの機関投資家が確認しているファクトを整理しよう。朝方は米ハイテク株安のデータに連動して売りプログラムが先行し、日経平均は約1カ月ぶりの安値水準まで下落した。しかしその後、原油価格の上昇が一服したというマクロデータと、韓国KOSPIが持ち直したという東アジア市場の需給データを受信したことで、海外の短期筋が目先の反発(リバウンド)を狙った買い注文を先物市場へ断続的に執行した。この先物主導の買い戻しプログラムが機能したことで、現物市場でも買い戻しが連鎖し、大引けにかけて500円超の反発へと繋がっている。

ヒナコ

ヒナコ

アメリカの株安で一旦は1カ月ぶりの安値まで売り込まれたものの、原油や韓国市場の落ち着きを示すデータを見て、プロの短期筋が先物を使って一気に買い戻した事実がよく分かりました。ただ、朝一番の安値で「これ以上下がる」と恐怖して手放してしまった人や、今の反発を見て「一番安いところで買えなかった」と悔やんでいる人は多そうで、相場のタイミングを合わせるのは本当に難しいと感じます。

トシ

トシ

一つ聞きたい。今日の反発を見て君が悔やんでいるのは、利益を逃したことか。それとも、底を当てられなかったという自分への失望の方か。相場には「頭と尻尾はくれてやれ」という古い言葉がある。大底で買って天井で売る完璧な取引は、プロでもまず当てられない。だから、最初の少しと最後の少しは他人に譲って、その間の値幅だけをもらうのが現実的だ、という戒めだ。今日の朝の安値がいい例だ。あの瞬間、そこが底だと分かっていた者はどこにもいない。買い戻したのは、原油の一服とKOSPIの持ち直しというデータを見た海外の短期筋で、彼らも底を当てたのではなく、先物で機械的に反発を取りにいっただけだ。ここで問いたいのは、君が目指しているのは資産を増やすことか、それとも一番安い値段を引き当てて自分の腕を証明することか、ということだ。もし前者なら、底を逃したことは失敗ではない。では、今日の相場で「胴体」とはどこだったか。朝の安値で買えた者はいないが、原油の一服とKOSPIの持ち直しがデータで確認できた時間帯は、誰の目にも見えていた。頭でも尻尾でもない、材料が揃ってから動いた値幅――この言葉の言う胴体とは、そこのことだ。底を当てた者を羨む理由はない。データが出てから動いても、胴体は十分に残っている。

日経平均1,315円安の6万7,242円――AI様子見の裏で「国策」が導いた三菱UFJ時価総額首位への資金シフト

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ヒナコ

ヒナコ

トシさん、本日の日経平均株価は前週末比1,315円安の6万7,242円と大幅に反落しました。イラン革命防衛隊によるホルムズ海峡の再封鎖やアメリカ軍の追加攻撃など、中東情勢の緊迫化で原油価格が急騰し、AI関連株や景気敏感株が広く売られています。その一方で、銀行株には大量の資金が流れ込み、三菱UFJフィナンシャル・グループの時価総額が一時トヨタ自動車を抜いて日本企業のトップに浮上しました。この巨大な資金移動の背景には、どのようなファクトがあるのでしょうか?

トシ

トシ

地政学リスクの再燃によるマクロ指標の変動と、主要企業の決算開示を前にしたバリュエーション調整、そして政策発言に伴う明確な需給変化が同時に発生している状態だ。ここでプロの機関投資家が売買の根拠としたデータを整理しよう。まず、ホルムズ海峡の緊張データによりWTI原油先物が一時1バレル74ドル台半ばまで急騰した。さらに、前週末に開示された安川電機の純利益が市場予想を下回りストップ安水準まで下落したファクトや、韓国KOSPIの低下を受け、システムは今週控えるASMLやTSMCの決算発表を前に、過熱感のあったAI・半導体株のポジションを機械的に縮小させている。その受け皿となったのが、バリュエーションに割高感がなく、片山財務相による日銀の独立性に配慮した発言から利上げ思惑という新材料が加わった大手銀行株だ。三菱UFJの時価総額が一時42兆円に達して国内首位へ浮上した事実は、このセクターローテーション(資金循環)を統計的に証明している。

ヒナコ

ヒナコ

中東のニュースやAI企業の決算警戒というデータを見てプロが半導体株から資金を引き揚げる一方、金利上昇の恩恵を受ける銀行株へ明確に資金を移し替えているのですね。三菱UFJが日本一の時価総額になったという歴史的なニュースを見ると、今すぐ手持ちの半導体株をすべて投げ売りして、これからの利上げ局面に備えて銀行株へ全額を乗り換えるべきではないかと思案してしまいます。

トシ

トシ

相場には「国策に逆らうべからず」という古い言葉がある。政府の政策や中央銀行の金融政策が生む大きな流れは、個人の相場観よりも強く資金の向きを決める。だから、その流れに正面から立ち向かうより、流れを事実として受け止める方が賢い、という戒めだ。今日の銀行株買いも、片山財務相の発言から利上げの思惑が広がった、まさに政策が生んだ流れだ。だが、ここを取り違えると危うい。この言葉は、国策に沿った銘柄へ全財産を寄せることまでは求めていない。流れを認めることと、その流れに資産を一極集中させることは、まったく別の話だ。三菱UFJが時価総額で日本一になったのは事実だが、その事実は今から全額を銀行株へ乗り換える理由にはならない。むしろ今週は15日にASML、16日にTSMCの決算が控えている。ここでAIの実需データが強ければ、今日売られた半導体株へ資金が戻る流れも起こりうる。政策の流れも、決算の事実も、どちらもこれから確かめられる材料だ。もう一つ、国策相場には賞味期限がある。政策は発言の瞬間から織り込みが始まり、実際に利上げが決まる頃には、株価の方が先に動き終えていることが多い。今日の銀行株買いは、その織り込みの初日かもしれないし、すでに中盤かもしれない。国策に逆らわないことと、値札が貼り替わった後の国策に飛び乗ることは、別の話だ。流れの向きだけでなく、その流れが値段にどこまで映り込んでいるか。そこまで見て、この格言は初めて道具になる。

日経平均813円高の6万8,557円――1兆円超の「ETF分配金売り」を打破したAI実需データの底力

証券・NISA FX・為替
ヒナコ

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トシさん、本日の日経平均株価は前日比813円高の6万8,557円と続伸し、今週の取引を終えました!一時は1,600円以上も値上がりする場面があり、ソフトバンクグループやアドバンテストなどのAI関連株が再び大きく買われています。今日は市場全体で1兆円を超える巨大なETFの分配金売り(換金売り)が出ると言われていて心配だったのですが、なぜこれほど強い上昇を維持できたのでしょうか?

トシ

トシ

米国発の具体的な実需データの確定と、巨大な需給悪化要因を相殺した市場の底堅さが示された結果だ。ここでプロの機関投資家が売買の根拠とした明確なファクトを整理しよう。まずミクロ面では、10日に上場する韓国SKハイニックスの米ADRに売り出しの7倍以上の応募があったこと、米メタが来年の計算能力14ギガワット引き上げに向けて9月からAIチップ生産を開始するという報道、そしてマイクロンの巨額投資計画が重なり、AIサプライチェーンの実需が盤石であるデータが確定した。マクロ面でも原油高一服による長期金利低下がハイテク株のバリュエーションを支えている。さらに需給面では、本日現物と先物の合計で1兆700億円と試算されていたETFの換金売り需要を、システムがこれらの好材料を背景に力強く吸収した。午後に入り上げ幅は縮小したものの、大口の売り需要をこなして813円高で取引を終えた事実は、現在の買い圧力の強さを統計的に裏付けている。

ヒナコ

ヒナコ

世界のAI投資がまだ始まったばかりであるという確かなデータと、1兆円もの巨大な売り注文を力強く跳ね返したという「事実」がよく分かりました。中長期的にはAIの普及率が現在の20%から今後5〜7年で60〜70%へ急拡大していくという予測もあり、今すぐ関連する株をたくさん買い込まないと乗り遅れてしまうのではないかと強く焦ってしまいます。

トシ

トシ

AIの普及率が20%から60〜70%へ広がるという大局は、確かにその通りかもしれない。だが、その大局が正しいことと、今日その株を一極集中で買い込むことが正しいことは、まったく別の話だ。相場の歴史は、その二つを混同した投資家を何度も振り落としてきた。かつてインターネットが世界を変えるという大局は、結局その通りになった。だが2000年前後、その正しい大局を根拠にIT関連株へ資金を集中させた多くの投資家は、テーマが本物であったにもかかわらず、その後の暴落で深い傷を負った。技術の未来が正しいことと、今の株価がその未来を織り込みすぎていないかは、別々に確かめるべき二つの問いだ。歴史が繰り返し教えてきたのは、大きなテーマほど、人はその正しさに酔って、価格と集中度への警戒を忘れるということだ。今日の1兆円の売りをこなした強さは事実だが、それは一極集中で買い向かう理由にはならない。では、2000年の暴落を生き残った投資家は何をしていたか。歴史が残す答えは地味だ。彼らはインターネットを信じることをやめなかったが、買う値段と買う量を選び続けていた。熱狂に合わせて買い増すのではなく、暴落の後、誰もITを語らなくなった時期に、実需のある企業だけを拾い直した。AIの普及が本当に60〜70%まで進むなら、その道のりは長い。長い道のりで問われるのは、大局を信じる強さより、途中で退場しない買い方の方だ。

日経平均924円高の6万7,743円85銭――「イラン追加攻撃早期終了」のデータとAI・半導体株への資金再配分

証券・NISA FX・為替
ヒナコ

ヒナコ

トシさん、本日の日経平均株価は前日比924円80銭高の6万7,743円85銭と、4営業日ぶりに反発して取引を終えました。アメリカ軍によるイランへの追加攻撃が早期に終わったという報道や、前日のアメリカでの半導体株高を受けて、日本市場でも一時1,600円以上も値上がりする時間帯がありました。昨日の大幅な下落から一転してこれほど強い買い戻しが入ったのは、どのようなファクトがあるのでしょうか?

トシ

トシ

地政学リスクの後退を示す客観的データと、米国株高の連動による機械的な資金の再配分だ。ここでプロの機関投資家が売買の基準としているファクトを整理しよう。米軍のイラン追加攻撃が早期終了したという報道データにより、前日にシステムが過剰に織り込んだ中東情勢の悪化懸念が一旦リセットされた。これに加えて、前日の米市場で半導体株が上昇したデータを受信したことで、機関投資家のリスク許容度が回復し、前日まで売られていたAI・半導体関連株に対して機械的な見直し買いが執行された。ただし、一時1,600円を超えた上げ幅が大引けにかけて924円高まで縮小したのは、上値で利益確定を狙う売り圧力と、週末を前にしたポジション調整が機能している事実を示している。

ヒナコ

ヒナコ

戦争のリスクがデータ上で和らいだことと、アメリカの株高という事実に基づいて、プロのシステムが冷静に半導体株を買い直した事実がよく分かりました。ただ、昨日1,400円下がって今日1,600円上がるような激しい価格変動を見ると、今すぐ買い戻さなければ反発の利益を逃してしまうのではないかと強く焦ってしまいます。

トシ

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一つ聞きたい。今日の924円高、一時1,600円超という戻りを見て、君を焦らせているのは何だ。買い戻せなかった機会そのものか、それとも「この反発に乗り遅れる」という取り残される感覚の方か。相場には「相場は明日もある」という古い言葉がある。今日という一日で勝負を決めなければならない理由は、たいていの投資家にはない、という戒めだ。市場は明日も開く。冷静に判断できる機会は、今日を逃しても何度でも巡ってくる。昨日1,400円下げて今日1,600円戻すような相場は、裏を返せば、一日単位では方向が読めないほど振れているということだ。その振れの一往復に全資金で飛び乗って、次の一往復で逆を引けば、取り返そうとした焦りが傷をさらに深くする。ここで問いたいのは、今すぐ買い向かうその判断は、企業の中身を確かめた上での判断か、それとも上げ幅の数字に急かされた反射か、ということだ。もし後者なら、今日動く必要はない。もう一つ問いたい。昨日の下げで売った者のうち、今日の上げをどこかで買い戻せた者がどれだけいるか。地政学の売りは恐怖で一気に進むが、買い戻しは「本当に終わったのか」という疑いを挟みながら段階的にしか進まない。行きは全員一緒でも、帰りはばらばらだ。この非対称がある限り、イベントの往復を両方取りにいく売買は、たいてい帰り道で置いていかれる。今日の1,600円の戻りが本当に教えているのは、その往復の難しさの方だ。

日経平均1,437円安の6万6,819円――米軍「報復攻撃」に伴う原油高とディフェンシブ株への資金循環

証券・NISA FX・為替
ヒナコ

ヒナコ

トシさん、本日の日経平均株価は前日比1,437円安の6万6,819円と、3日連続で大きく下落しました。アメリカ軍がイランへの報復攻撃を開始したという報道で中東の緊張が一気に高まり、トヨタなどの自動車株や建設株が急落しています。ただ、その一方でKDDIなどの通信株や銀行株は値上がりしていますが、市場の資金は今どうなっているのでしょうか?

トシ

トシ

地政学リスクの再燃に伴うマクロ指標の悪化と、それに連動した機械的なセクターローテーション(資金循環)が機能している状態だ。ここでプロの機関投資家が分析しているファクトデータを提示しよう。米軍のイラン報復攻撃により、ホルムズ海峡の正常化が遠のくというデータから、WTI原油先物が1バレル72ドル台後半まで急騰した。この原油高に伴うインフレ懸念と、1996年以来となる長期金利2.870%への上昇というファクトを受け、システムは景気敏感株(自動車・建設など)を機械的に売却した。しかし、市場から資金そのものが引き揚げられたわけではない。売却された資金は、景気悪化に耐性のあるディフェンシブ株(通信・公益)や、金利上昇が収益に直結する銀行株へと即座に再配分されており、極めて論理的な資金移動が起きている。

ヒナコ

ヒナコ

戦争のニュースで市場全体がパニックになって資金が逃げたのではなく、原油高や金利2.870%という具体的な数字に基づいて、プロがリスクに強い業種へ資金を移し替えたという事実がよく分かりました。ただ、1日で1,400円以上も下がる画面を見ると、今すぐ手持ちの株をすべて売却して、値上がりしている銀行株や通信株に乗り換えた方が安全ではないかと強く焦ってしまいます。

トシ

トシ

今日の面白いところは、日経平均が1,437円も下げたのに、その裏でKDDIのような通信株や銀行株はむしろ上がったことだ。ここに、資金の巡り方の仕組みがある。原油がWTIで72ドル台まで急騰すると、燃料や原材料のコストが増える自動車や建設のような景気敏感株には逆風になる。一方で、長期金利が2.870%まで上がると、貸し出しの利ざやが広がる銀行には追い風になり、景気に業績が左右されにくい通信や公益は相対的に選ばれやすくなる。つまり、同じ一つのニュースが、業種によって逆向きに効く。ここで覚えておきたいのは、売られた景気敏感株から抜けた資金は、市場の外へ消えたのではなく、その多くが銀行やディフェンシブ株へ移っただけだということだ。日経平均という指数は下がっても、市場からお金そのものが逃げたわけではない。これが「卵を一つのカゴに盛るな」という言葉の、今日の実地の意味だ。性質の違う業種を分けて持っていれば、片方が原油高と金利上昇で沈む日に、もう片方がその同じ逆風を追い風に変えて、全体の傷を浅くしてくれる。逆に、下がった株を全部投げて、上がっている銀行株に全部乗り換えれば、それは分散をやめて、資金をまた一つのカゴに盛り直す動きになる。この格言の由来にも触れておきたい。その原型は、株式市場より古い、卵を市場へ運ぶ商人の知恵だと言われる。カゴを分ける狙いは、卵を一つも割らないことではない。どれかのカゴは割れる前提で、それでも市場に卵を届けることだ。今日、通信や銀行も持っていた投資家の口座は、指数ほどには沈まなかったはずだ。分散の価値は、1,437円安のような日にだけ、割れなかったカゴという形で目に見える。

日経平均1,480円安の6万8,256円――KOSPI急落に連動した「アルゴリズムのバスケット売り」

証券・NISA FX・為替
ヒナコ

ヒナコ

トシさん、本日の日経平均株価は前日比1,480円73銭安の6万8,256円96銭と大幅に続落しました。朝方はアメリカのハイテク株高を受けて上昇する場面もあったにもかかわらず、韓国のサムスン電子や韓国総合株価指数(KOSPI)が急落したことで、キオクシアなどの半導体株が一気に売られ、一時は1,700円以上も値下がりしました。なぜ他国の指標でここまで極端な連鎖安が起きるのでしょうか?

トシ

トシ

東アジアの半導体サプライチェーンを対象とした、海外機関投資家の機械的なインデックス(指数)連動取引が作動した結果だ。ここでプロが売買の基準としている需給データを整理しよう。日本の日経平均と韓国のKOSPIは、ともに半導体関連企業の時価総額ウェイトが極めて高く、海外短期筋のアルゴリズムにおいて高い相関係数でプログラムされている。本日、韓国市場でサムスン電子などの主力株が大きく下落したデータを受信したシステムが、東アジアのハイテク株を一括で減らす「バスケット売り」を日本市場でも自動的に執行した。朝方は米国株高を背景とした押し目買いが入っていたものの、時価総額の大きいキオクシアなどへのこの機械的な売り圧力が勝り、日中1,700円超という急激な下落幅を引き起こしている。

ヒナコ

ヒナコ

日本固有の悪材料が出たわけではなく、半導体の比率が高い韓国市場とのシステム上の連動によって、プロが機械的に売りを浴びせている事実がよく分かりました。ただ、1日で1,700円も一気に下落する画面を見ると、ここからさらに暴落する前にすべて売却して逃げるか、安くなった今こそ全資金で買いに向かうか、激しく思い悩んでしまいます。

トシ

トシ

相場には「落ちてくるナイフはつかむな」という古い言葉がある。落下中のナイフを素手でつかもうとすれば手を切る。急落の最中の株も同じで、下げの勢いがついている最中に「安くなった」と飛びつくと、さらに下がって深い傷を負いやすい、という戒めだ。今日の1,480円安は、日本固有の悪材料ではなく、KOSPIとの連動でアルゴリズムがバスケット売りを浴びせた需給の結果だ。厄介なのは、機械的な売りは、どこで止まるかを事前に教えてくれないことだ。だから「安値だから今が買いだ」も「これ以上下がる前に全部投げる」も、どちらも落下中のナイフに手を伸ばす動きになりうる。この格言が本当に言っているのは、底を当てにいくものではない、ということだ。ナイフは、床に落ちて動きが止まってから拾えばいい。相場でいえば、下げが一巡してトレンドの反転を示すデータが出てからでも遅くない。ただ、今日のナイフには一つだけ扱いやすい点がある。人間の恐怖で投げられた売りは恐怖が消えるまで続くが、アルゴリズムのバスケット売りは、KOSPIとの連動やボラティリティの数値といった発注条件が外れれば、機械的に止まる。つまり、この下げの終わりは人の気分ではなくデータに出る。KOSPIの下げ止まりと先物売りの圧縮――ナイフが床に落ちた音は、そのあたりの数字で聞こえてくるはずだ。

日経平均6円安の6万9,737円――原油安に伴う「出遅れ銘柄へのセクターローテーション」と決算前の膠着

証券・NISA FX・為替
ヒナコ

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トシさん、本日の日経平均株価は前週末比6円安の6万9,737円と、ほとんど変わらない水準で取引を終えました。AI・半導体関連株が大きく下がる一方で、化学や自動車、重工といったこれまで目立たなかった株が買われ、プライム市場の約7割の銘柄が値上がりしています。原油の価格が下がったことが関係していると聞きましたが、市場の資金はAIから完全に離れてしまったのでしょうか?

トシ

トシ

マクロ経済のデータ変化に伴う、極めて短期的なセクターローテーション(資金循環)が起きている状態だ。ここでプロの機関投資家が売買の根拠としたファクトを整理しよう。OPECプラスの増産継続合意とホルムズ海峡の正常化見通しにより、原油先物価格が1バレル60ドル台後半まで下落した。この原油安データを根拠に、原材料コストが下がる化学株や、中東需要減の懸念が和らいだ自動車株に対して機械的な見直し買いが入っている。一方で、これまで相場を牽引してきたAI関連株は、PER(株価収益率)が100倍を超えるなど統計的な過熱感があり、さらに韓国株(KOSPI)の下落に連動した海外短期筋の先物売りも重なって、利益確定売りが集中した。AIの実需が消滅したわけではなく、相対的に割安となった出遅れ銘柄へ短期資金が一時的に移動しているのが現在のファクトとなる。

ヒナコ

ヒナコ

原油の価格が下がったという明確なデータに基づいて、プロの資金が一時的に割安な業種へ移動しているだけなのですね。ただ、国内の長期金利が2.8%まで上がっていることや、今週から始まる小売企業の決算に不安があるという話を聞くと、今後の方向感が全く読めず、どの株を持っておけば安心できるのか思い悩んでしまいます。

トシ

トシ

今日AIから化学や自動車へ資金が動いたのを見て、何か特別なことが起きたと感じたかもしれない。だが、こういう資金の巡り方を、相場は何度も繰り返してきた。ある分野が買われすぎて過熱すると、そこから利益を確定した資金が、割安なまま放置されていた分野へ流れ込む。歴史を振り返れば、一つのテーマが永遠に相場の主役であり続けたことはない。過去にも、ハイテクが過熱した局面で資金が景気敏感株へ移ったり、その逆が起きたりを、市場は季節が巡るように繰り返してきた。今日の原油安をきっかけにした化学・自動車株への見直し買いも、その長い繰り返しの一場面だ。ここで見落とされがちなのは、こうしたローテーションのほとんどが一時的だったという事実だ。過熱の反動で一時的に出遅れ株が買われても、やがて各企業の業績という土台に沿った水準へ落ち着いてきた。だからこそ、今週の小売決算や、7月末から本格化する半導体企業の決算という事実が、次の方向を決める。そして歴史のローテーションには、もう一つ共通点がある。答え合わせの決算が出るまでの膠着期間に、値動きだけを根拠に乗り換えた投資家ほど、決算で梯子を外されてきたことだ。今週の小売決算、7月末からの半導体決算。答案用紙の配布日は、すでにカレンダーに載っている。配布日が分かっている試験の前に、当て推量で答案を書き換える理由は乏しい。待つことも、歴史が教えるローテーションとの付き合い方の一つだ。

日経平均1,010円高の6万9,744円07銭――米利上げ警戒後退による「出遅れセクターへの資金循環」

証券・NISA FX・為替
ヒナコ

ヒナコ

トシさん、本日の日経平均株価は前日比1,010円92銭高の6万9,744円07銭と大きく反発して今週の取引を終えました。朝方は前日の下落の勢いが残り、一時1,100円も値下がりする場面があって恐怖を感じましたが、その後一気に切り返して1,000円以上の上昇となりました。半導体株だけでなく、商社や医薬品、小売りといったこれまで上昇が遅れていた業種にも広く買いが入ったようですが、市場の資金にどのような変化が起きているのでしょうか?

トシ

トシ

マクロ経済の金利データ変化を契機とした、出遅れセクター(割安株)へのポートフォリオの分散と、海外短期筋のポジション調整が重なった結果だ。ここでプロの機関投資家が売買の根拠としたファクトを提示しよう。米国市場における経済データから利上げ観測が後退したことで、システムはこれまでAI・半導体株に過度に集中していた資金の一部を、バリュエーション的に出遅れていた商社、医薬品、小売りの一角へと分散配分する資金循環(ローテーション)を実行した。また、本日は米国の独立記念日の祝日を控えて米国市場が休場となるため、大口投資家の実弾が細るなか、短期筋が指数先物を用いて機械的な売り仕掛けと買い戻しを日中に行った。結果として、朝方の1,100円安から大引けの1,010円高という、極端な往復のボラティリティ(価格変動率)が引き起こされている。

ヒナコ

ヒナコ

アメリカの金利上昇リスクが和らいだデータを見て、プロがAI株以外の様々な業種に資金を分散させ始めたのですね。朝方に「もう一段の暴落が来る」と思ってパニック売りしてしまった人は、午後の1,000円超の急反発を見て悔しい思いをしているはずです。これほど1日の値動きが激しいと、週明けの相場に向けてどう動くべきか完全に迷ってしまいます。

トシ

トシ

今日の「朝1,100円安→引け1,010円高」という往復には、相場のカレンダーが関わっている。今夜は米国が独立記念日の祝日で休場だ。こういう日は、大口の実弾投資家が動きを控えるため、市場の売買が薄くなる。ここで覚えておきたいのは、商いが薄いほど、同じ注文量でも株価は大きく振れるということだ。プールの水が少ないほど、同じ石を投げても波が大きく立つのと同じだ。そこへ、少ない資金で大きな金額を動かせる指数先物を使った短期筋が、薄い板を突く形で売り仕掛けと買い戻しを繰り返した。だから、朝方の急落も午後の急反発も、企業の中身が一日で変わったからではなく、薄商いと先物という需給の要因で振れ幅だけが膨らんだものだ。ここが肝心なところだ。薄商いで膨らんだ値動きは、参加者が戻れば落ち着くことが多く、その振れ幅そのものに相場の方向を読み取ろうとすると、たいてい振り回される。今日見えたのは、方向ではなく、ノイズの大きさだ。陸上競技には「参考記録」という扱いがある。追い風が強すぎた日の好タイムは、実力の証明としては採用されない。今日の1,010円高も、朝方の1,100円安も、薄商いという強い風の中で出た数字だ。週明け、米国勢が戻って商いが厚くなってから付く値段――公認記録はそちらになる。参考記録に一喜一憂して週末を過ごすより、公認記録が出てから考え始めても、失うものは何もない。

日経平均1,741円安の6万8,733円15銭――キオクシア25日線割れと「信用倍率27倍」が招いた下放れの現実

証券・NISA FX・為替
ヒナコ

ヒナコ

トシさん、本日の日経平均株価は前日比1,741円81銭安の6万8,733円15銭と、4日ぶりに大きく反落しました。前日のアメリカ市場で半導体株(SOX指数)が6.2%も急落した流れを受け、日本でも時価総額トップのキオクシアホールディングスが一時14.8%安と大きく値崩れしています。AIの将来投資に対する警戒感が急に強まったようですが、市場のデータはどのように変化したのでしょうか?

トシ

トシ

米巨大テックの事業検討による過剰投資警戒と、国内市場における需給の歪みがテクニカル的な下落サインと完全に一致した結果だ。ここでプロの機関投資家が売買の根拠とした明確なファクトを提示しよう。米メタがAI計算資源の外部提供を検討しているとの報道から、ハイパースケーラーのAI投資鈍化リスクが意識され、米SOX指数が6.2%急落した。これを受け、国内ではキオクシア株が下値支持線だった25日移動平均線を明確に割り込み、日足チャートで形成していた「三角もちあい」を下方に突き抜ける形となった。さらに、同銘柄の信用買い残を売り残で割った信用倍率が前週の12倍から27倍へと急上昇しており、株価下落に伴う信用買い手の強制決済や損切りという物理的な売り圧力が市場に集中している。

ヒナコ

ヒナコ

アメリカの投資警戒データだけでなく、キオクシアの信用倍率が27倍まで跳ね上がっていたという「需給の重さ」が、チャートの崩れと重なって大きな下落を引き起こしたのですね。下値支持線やもちあいを下に外れたという話を聞くと、ここからさらに底なしに下がっていくのではないかと強い恐怖を感じてしまいます。

トシ

トシ

一つ聞きたい。今日の1,741円安を見て、君の中で二つの声が同時に上がっていないか。「安くなったから押し目で買いたい」という声と、「底が抜ける前に全部投げたい」という声だ。相場には「もちあい放れにつけ」という古い言葉がある。狭い範囲で上下していた株価が一方向に放れたら、その新しい流れに逆らわない方がいい、という需給の経験則だ。今日のキオクシアは、下値支持だった25日線を割り、三角もちあいを下に抜けた。信用倍率も12倍から27倍へ跳ね上がっていて、下げが下げを呼ぶ強制決済の売りが乗りやすい形だ。つまり今は、下放れの勢いに逆張りで手を出すには分の悪い局面だと、私は見ている。ではどうするか。ここで君に問いたいのは、その押し目買いも、その投げ売りも、値動きの勢いに押された衝動ではないか、ということだ。本当に必要な行動なら理由を言葉にできるはずだ。言葉にできないなら、それは焦りだ。AI需要が本物かどうかは、これから始まる4〜6月期の決算という事実が答えを出す。そしてこの連鎖がどこで収まるかは、外部の好材料ではなく、需給の数字に現れる。信用倍率27倍とは、上がると信じて借金で買った者がそれだけ積み上がっているという意味で、投げが投げを呼ぶ燃料はまだ残っている。だから今日見るべきなのは、日経平均の下げ幅ではなく、キオクシアの信用残と出来高の推移だ。振り落とされる者がいなくなった時、燃料切れの合図は値段より先にその数字に出る。

日経平均412円高の7万0,474円96銭――韓国株失速による伸び悩みと「ETF分配金捻出」の需給リスク

証券・NISA FX・為替
ヒナコ

ヒナコ

トシさん、本日の日経平均株価は前日比412円64銭高の7万0,474円96銭と続伸しました。朝方は一時1,900円も上がっていたのに、韓国のサムスン電子などの株価が急落した影響で、一気に失速してしまいました。日本の株価がこれほど韓国市場の動きに左右されているのはなぜでしょうか?また、今後の値動きに影響する要因はありますか?

トシ

トシ

東アジアの半導体サプライチェーンにおける時価総額の偏りと、マクロイベント前のポジション調整が交錯している状態だ。ここでプロの機関投資家が注視しているファクトを整理しよう。韓国のサムスン電子やSKハイニックスの下落(一時6〜7%安)は、日本株とのインデックス連動を通じて日経平均の大きな押し下げ要因となった。一方で、韓国大手が発表した半導体工場への巨額投資データを根拠に、日本の半導体製造装置メーカー(KOKUSAI ELECTRICやTOWAなど)には確度の高い業績寄与を見込んだ実弾の買いが入っている。ただし、明日の米雇用統計というマクロ指標に加え、7月上旬に控えるETF(上場投資信託)の分配金捻出に伴う機械的な現物・先物売りという明確な需給悪化要因が控えている。そのため、システムが高値圏での利益確定を優先させた結果、日中1,900円の上げ幅が412円まで縮小した。

ヒナコ

ヒナコ

韓国の半導体メーカーが下落したデータに連動して日本株全体が売られた一方で、設備投資の恩恵を受ける日本の製造装置メーカーは買われているという、複雑な資金移動が起きているのですね。ただ、明日の雇用統計やETFの機械的な売りといった下落要因があると聞くと、今すぐ利益を確定して相場から離れた方が良いのかと思い悩んでしまいます。

トシ

トシ

相場には「もうはまだなり、まだはもうなり」という古い言葉がある。「もう天井だ」と思ったところからまだ上がり、「まだ上がる」と思ったところでもう反転する。人の思い込みは、相場の前でよく外れるという戒めだ。この言葉が長く生き残ってきたのは、同じ失敗が何度も繰り返されてきたからにほかならない。株価が上がれば人は「まだ上がる」と楽観に傾き、下げ始めれば「もう終わりだ」と悲観に振れる。そのたびに、天井で飛びつき、底で投げ売る者が現れてきた。今日も、朝方は1,900円高で「まだ上がる」という熱気があり、失速すると今度は「もう崩れる」という不安が広がった。だが、一日の値動きの振れは、相場の方向そのものではない。明日の米雇用統計もETFの分配金捻出に伴う売りも、事実として存在する。ただ、それが出た後にどう動くかを、今日の時点で言い当てられる者はいない。ただ、明日の売りには一つ特徴がある。ETFの分配金捻出売りは、金額の目安も日程もあらかじめ市場に知られている売りだ。歴史を振り返ると、こうした「日程の分かっている売り」は、当日より前に警戒で織り込まれ、通過した後にむしろ買い戻された例が多い。相場が本当に嫌うのは、いつ出るか分からない売りの方で、カレンダーに載った売りではない。「もう」か「まだ」かを思い込みで当てにいくより、その区別の方がよほど頼りになる。

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