FXチャートの見方を初心者向けに図解
ローソク足・時間足と読む順番
FXチャートは、通貨の価格が時間とともにどう動いたかを表すグラフです。初めて見るときは、①通貨ペアと価格、②1本の時間、③ローソク足、④高値・安値の並び、の順に確認すると読みやすくなります。
たとえば「米ドル/円の1時間足が陽線」なら、その1時間の終値が始値より高かった、という意味です。まずはここを自分の言葉で説明できれば十分。この記事では、画面の数字を読むところから、同じ数値を使った練習まで順に進めます。
図と練習の価格は、読み方を説明するための架空の数値です。実際の相場や取引成績を示すものではありません。
まずは通貨ペア・縦軸・横軸を読む
画面の上にある「USD/JPY」は米ドル/円のことです。価格が150.00なら、1米ドル=150.00円。150.00から151.00へ上がればドル高・円安、149.00へ下がればドル安・円高です。円を含まない通貨ペアでは、円の値段を表しているわけではありません。
| 見る場所 | 表示例 | 読み方 |
|---|---|---|
| 通貨ペア | USD/JPY | 1米ドルあたりの円の価格 |
| 縦軸 | 149.80、150.00… | 価格の目盛り。上ほど価格が高い |
| 横軸 | 09:00、10:00… | 時間。通常は左が過去、右が新しい時点 |
| 時間足 | 1時間・1H | 1本のローソク足にまとめる時間 |
| レートの種類 | Bid/Ask | 自分が売る側/買う側の価格。後ほど具体例で確認 |
通貨ペアや軸の基本はIG証券のチャート解説でも確認できます。通貨の左右や表記を詳しく知りたい場合は、通貨ペアの読み方へ進んでください。
ローソク足・ライン・バーチャートの違い
ローソク足は、一定時間の始まり・終わり・最高・最低の4つの価格を、太い胴体と細い線で表します。ラインチャートは通常、各期間の終値を線でつなぐため、大まかな流れを追いやすい表示です。バーチャートも四本値を表しますが、縦線と左右の短い線で描きます。
このページではローソク足を使います。アプリに「平均足」もある場合は、表示名を確認してください。平均足は計算した値で形を作るため、通常のローソク足と同じ四本値としては読めません。
ローソク足は「始値・高値・安値・終値」で読む
ローソク足1本が表す4つの価格を四本値(よんほんね)と呼びます。始値はその期間の最初、終値は最後、高値は最も高い価格、安値は最も低い価格です。店頭FXでは、選んだ会社・ツールが配信するレートと、Bid/Askなどの表示条件に基づいて作られます。
陽線:終値 > 始値
陰線:終値 < 始値
太い部分=実体、上下の細い部分=ヒゲ。米ドル/円の架空例(単位:円)。
陽線・陰線は、同じ1本の始値と終値を比べる
終値が始値より高ければ陽線、低ければ陰線です。陽線の図は150.00円で始まり、150.20円で終わっています。陰線の図は150.20円から150.00円へ下がっています。色はアプリや設定で変わるため、赤・青・緑の色だけで判断せず、凡例を確認しましょう。
四本値と陽陰の定義はOANDA証券のローソク足解説、色設定の違いは外為オンラインの解説を参照しています。
実体・上ヒゲ・下ヒゲは何を表す?
実体は始値と終値の間、上ヒゲは実体の上端から高値まで、下ヒゲは実体の下端から安値までです。陽線の図では、実体・上ヒゲ・下ヒゲの値幅はいずれも0.20円。高値150.40円から安値149.80円までの全体の値幅は0.60円です。
ヒゲを見ると、終値だけを見ていると分からない値幅もつかめます。ただし、高値と安値のどちらへ先に動いたか、途中で何回往復したかは、1本の四本値だけでは分かりません。途中の経過は短い時間足などで確かめます。
最初は形の名前より「どこが長いか」を見る
- 実体が長い:その期間の始値と終値が大きく離れている。
- 上ヒゲが長い:実体の上端より高いところまで価格が動いた。
- 下ヒゲが長い:実体の下端より低いところまで価格が動いた。
- 実体がごく短い・十字に見える:始値と終値が近い、または同じ。ただし途中の値幅まで小さいとは限らない。
「上ヒゲが長いから次は下がる」と先の値動きまで決めつけず、まずその1本に記録された事実を読みます。長い・短いも、同じ時間足の周りの足と比べると分かりやすくなります。
時間足は「1本にまとめる期間」。画面全体の期間とは違う
5分足は1本が5分間、1時間足は1本が1時間、日足は1本が1日分の値動きです。日足の画面にも通常は何日分もの足が並びます。画面に何日分を表示するかは、ズームや表示本数で変わります。
| 時間足 | 1本の期間 | 見るときの目安 |
|---|---|---|
| 1分足・5分足 | 1分・5分 | 短い時間の細かな動き |
| 15分足・1時間足 | 15分・1時間 | その日の中での値動き |
| 4時間足・日足 | 4時間・1日分 | 数日以上の流れを見渡す |
| 週足・月足 | 1週間・1か月分 | さらに長い期間の流れ |
これは見える範囲の目安で、売買する期間を指定する表ではありません。1時間足を選んだからといって、1時間以内に決済する必要はありません。日足の区切りや表示時刻はサービスによって異なるため、他社のチャートと比較するときは設定もそろえます。
15分足4本を、1時間足1本にまとめてみる
同じ米ドル/円・同じ配信レートで、09:00から10:00までを次の4本に分けた架空例です。時刻は説明用の区切りです。
| 期間 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 |
|---|---|---|---|---|
| 09:00〜09:15 | 150.00 | 150.15 | 149.80 | 150.10 |
| 09:15〜09:30 | 150.10 | 150.30 | 150.05 | 150.25 |
| 09:30〜09:45 | 150.25 | 150.40 | 150.15 | 150.35 |
| 09:45〜10:00 | 150.35 | 150.38 | 150.10 | 150.20 |
1時間足にまとめると、最初の始値150.00円、期間内の高値150.40円、安値149.80円、最後の終値150.20円になります。先ほどの陽線の図と同じです。
最後の15分足は150.35円から150.20円へ下がった陰線ですが、1時間全体では150.00円から150.20円へ上がった陽線になります。時間足を切り替えると逆向きに見えるのは、比べている期間が違うためです。
初心者はどの時間足から見ればよい?
読み方の練習なら、まず日足で広い範囲を見てから、1時間足に切り替える方法があります。「長い期間では上向き、直近の数時間は下向き」のように、見ている範囲を言葉にしてみてください。これは学習の一例で、この組み合わせの売買成績を保証するものではありません。
複数の時間足を売買計画にどう使うかは、FXチャート上級編のマルチタイムフレーム分析で扱います。
トレンドは高値・安値の並びで見る
1本が読めたら、数本から数十本のまとまりへ視野を広げます。値動きの山にあたる高値、谷にあたる安値を、少し前の山・谷と比べましょう。
上昇:山と谷が切り上がる
下降:山と谷が切り下がる
横ばい:一定の範囲を行き来する
実相場ではなく、山・谷の並びを表した模式図です。
高値と安値がともに切り上がれば上昇傾向、ともに切り下がれば下降傾向の目安です。一定の範囲を行き来して方向がはっきりしない状態は、レンジ相場と呼ばれます。上昇中にも下がる足はあるので、「陰線が1本出た=上昇が終わった」とは限りません。
どの山・谷を選ぶか、どの時間足を使うかで見え方は変わります。OANDA証券のトレンドライン解説も参考に、最初は目立つ山・谷を同じ基準で拾ってみましょう。
サポート・レジスタンスは、過去に動きが止まった価格帯
サポート(支持)は下落が止まりやすいと意識される水準、レジスタンス(抵抗)は上昇が止まりやすいと意識される水準です。過去の目立つ安値・高値に水平線を引くと、現在の価格がどの位置にあるかを整理できます。
たとえば過去に150.40円付近で何度か上昇が止まっていれば、その付近を次の観察場所にできます。ただし、線の手前で折り返したり、線を越えたあと戻ったりすることもあります。1本の線を正確な反転価格と決めず、周辺の価格帯として見ます。
斜めのトレンドラインは、上昇時の谷同士、下降時の山同士などを結び、傾向を整理する線です。ヒゲ・実体のどちらを使うかには見方の違いがあります。都合よく引き直すより、どの点を結んだのかを記録しておくと比較しやすくなります。
支持・抵抗の手掛かりはOANDA証券の解説を参照しています。理論や分析手法を広く学ぶ場合は、FXテクニカル分析の基本と種類へ進んでください。
チャートに重なる線は? 最初は移動平均線の役割を知る
ローソク足に重なる曲線の一つが移動平均線です。たとえば単純移動平均線(SMA)の期間を20にすると、通常は直近20本の終値の平均を順につないだ線になります。1時間足なら20本分の1時間足、日足なら20本分の日足を使うため、同じ「20」でも対象期間は違います。
線の傾きや価格との位置関係を見ると、ばらつきのある値動きを整理できます。ただし、過去の価格から計算する線なので、値動きに遅れて変化します。計算対象を終値以外に設定できるツールもあり、期間と計算方式を確認することが大切です。
設定やゴールデンクロスなどは移動平均線の使い方と期間設定、RSI・MACDなどとの組み合わせはFXチャート中級編で詳しく説明しています。最初の画面では線を増やしすぎず、それぞれが何を表すか分かる状態にしておきましょう。
チャートの価格や形が違って見えたら、表示条件を確認する
右端のローソク足は、まだ完成していないことがある
取引時間中に表示される最新の足は、その期間が終わるまで形成途中です。終値にあたる部分は現在のレートで動き、高値・安値も更新されることがあります。途中では陽線でも、確定時には陰線になる場合があります。
練習では、まず一つ左の確定した足を読んでから、右端がどう変わるかを観察すると違いが分かります。市場休止中や過去の画面では、最後の足が確定済みの場合もあります。
自分が買うときはAsk、売るときはBid
Bidは自分が売るときの価格、Askは自分が買うときの価格です。買って持っている建玉の決済は売りなのでBid、売って持っている建玉の決済は買い戻しなのでAskを使います。この2つの差がスプレッドです。
架空例:Bid 150.00円 / Ask 150.02円
表示された2つの価格の差は0.02円、つまり2銭です。Bidチャートが150.00円でも、同じ瞬間に自分が買う側の提示価格は150.02円です。
売り建玉の損切りを確認するときにBidだけを見ていると、「線まで来ていないのに決済された」と見える場合があります。買い戻す側のAskと照らす必要があります。
DMM FXは初期設定がBidで、Bid/Askを切り替えられると案内しています。これは同社の仕様です。他社や別ツールでも同じと決めず、表示設定を確認してください。注文レートへの到達と約定に関する公式FAQでも、売買の側とチャート設定の違いが説明されています。
なお、画面で価格を確認できても、その価格で取引が成立するとは限りません。注文の種類や相場状況で扱いが変わります。詳しくはスプレッドの意味と成行・指値・逆指値の違いを確認してください。
| 困ったこと | 先に確認すること |
|---|---|
| 赤いのに上がっていない | 陽陰の色設定と、始値・終値。前日比と混同していないか |
| さっき見た足の形が変わった | 最新の足がまだ形成途中ではないか |
| 他社と高値や日足の形が違う | 通貨ペア、配信元、Bid/Ask、時間足、日足の区切り |
| チャートと注文の価格が合わない | 売りはBid、買いはAsk。決済がどちらの売買か |
| 拡大したら急な上昇に見える | 縦軸の値幅と横軸の期間。見た目の角度だけで比較しない |
時刻設定の例として、OANDAのMT4・MT5の表示時刻に関するFAQがあります。使っているツールの時刻・営業日の区切りは、その会社のヘルプで確認しましょう。
FXの「出来高」とティックボリュームは何が違う?
チャートの下に並ぶ棒グラフが、すべて市場全体の売買数量を示すとは限りません。店頭FXでは、取引が複数の会社・市場参加者に分散しているため、通常の1社のチャートから世界全体の取引量をまとめて読むことはできません。
ツールのティックボリュームは、その配信データの価格更新回数などを表します。売買された通貨の数量とは別の指標なので、棒が増えたことを、そのまま市場全体の取引量が増えたと読み替えないようにします。定義はOANDA証券の出来高解説を参照してください。
一方、取引所FXのくりっく365は、その取引所での出来高を公表しています。「FXには出来高が一切ない」という意味ではありません。棒グラフを使うときは、何を、どの範囲で数えたデータかを先に確認することが大切です。
読めたか確認する練習と、スマホでの見方
次の例を、チャートを初めて見た人に説明するつもりで読んでみてください。正解はタップで開けます。
練習1:この1時間足から何が分かる?
米ドル/円の確定した1時間足。始値150.00円、高値150.40円、安値149.80円、終値150.20円です。
- 陽線と陰線、どちらですか?
- 高値から安値までの値幅はいくらですか?
- 高値に先に動いたか、安値に先に動いたか、分かりますか?
答えと理由を見る
①陽線、②0.60円、③この1本だけでは分かりません。終値150.20円が始値150.00円より高いので陽線。高安差は150.40−149.80=0.60円です。四本値には、高値・安値を付けた順番の情報は含まれていません。
練習2:陰線と陽線が同時に出るのは変?
09:45〜10:00の15分足は、始値150.35円、終値150.20円。一方、09:00〜10:00の1時間足は、始値150.00円、終値150.20円です。
答えと理由を見る
変ではありません。15分足は陰線、1時間足は陽線です。直近15分は下がっていますが、1時間の始まりよりは高い価格です。時間足を切り替えるときは、1本がまとめる期間も確認しましょう。
自分の画面では、注文せずに1本を読んでみる
- チャート画面を開く。 手元のアプリやデモ画面で、米ドル/円、通常のローソク足、日足を選びます。画面の時刻とBid/Askも確認します。
- 広い範囲を見る。 目立つ山と谷が上向きか、下向きか、横ばいかを言葉にします。判断しにくければ「方向ははっきりしない」と記録します。
- 1時間足に切り替える。 確定した足をタップ・長押しするなど、ツールの方法で四本値を表示します。始値と終値を比較し、ヒゲの先が高値・安値に合うか確かめます。
- 事実と見立てを分けて書く。 価格・時間足・配信元・表示レートと、観察した山谷の位置を残します。
- 時間を置いて見直す。 先ほど形成中だった足が、確定時にどう変わったかを比べます。操作が分からなければ、注文を進めず公式ヘルプへ戻ります。
観察メモの書き方(架空例)
表示条件:米ドル/円・1時間足・Bid・利用ツール名と表示日時
読めた事実:確定足の始値150.00円、終値150.20円。前の山の高値150.40円に近い。右端はまだ形成中。
見立て:150.40円を越えるかもしれない。
あとで確認:越えたか、届かなかったか、越えてから戻ったか。
観察欄を「上がりそう」だけで終わらせず、どの足の、どの価格を見たのかまで残すのがコツです。チャートがまだない場合は、FXデモトレードで練習する方法を参考にしてください。スマホの比較はFXアプリの選び方で扱っています。
実際に取引する前に確認すること
チャートが読めても、損失が出る可能性はあります。重要な経済指標の発表時や相場急変時は、スプレッドが広がったり、希望する価格で取引できなかったりします。経済指標カレンダーで予定を把握し、注文方法や取引数量、損失が出たときの対応を確認してから判断してください。
金融庁のFXに関する注意点では、相場変動や流動性のリスクが説明されています。ロスカットがあっても、急変時には預けた証拠金を超える損失が生じるおそれがあります。ロスカットの仕組みも先に確認しておきましょう。
まずは「何を見ているか」を説明できるところから
通貨ペアと価格を確かめ、1本の時間を見て、四本値を読む。そのうえで山と谷を比べれば、チャートの読み方がつながります。色や形だけで先を決めず、表示条件と確定した足を確認する習慣をつけましょう。
手元のチャートで練習し、必要に応じて取引ツールを選べます。以下はDMM FXへの案内です。申込み前に、公式サイトでサービス内容とリスクを確認してください。
FXは為替変動で損失が生じ、相場急変時には証拠金を超える損失が出るおそれがあります。口座開設費・アプリ利用料が無料でも、取引にはスプレッドなどのコストがあります。
チャート学習 9ページマップ
3ジャンル × 3レベル=計9ページ。今いる場所と次に読むべきページが一目でわかる。
| 初級 | 中級 | 上級 | |
|---|---|---|---|
| 暗号資産 |
初級
ローソク足9種・取引所スプレッド |
中級
BB・MACD・RSI・一目・半減期 |
上級
機関投資家視点・MTF・オンチェーン |
| FX |
初級
ローソク足・時間足・読み取り練習 |
中級
人気5指標の組み合わせ方 |
上級
MTF・通貨強弱・IMM・プロ判断 |
| ネット証券 |
初級
ローソク足9種・移動平均線・出来高 |
中級
MACD・RSI・一目・三尊天井 |
上級
板読み・歩み値・フル板 |
参照した公式資料
四本値・時間足は公式の学習資料、表示条件や注文価格は各社の公式ヘルプ、リスクは金融庁の説明を確認しています。共通の確認時点は本ページ上部の最終更新日です。図・表・練習問題は、これらの定義を使って作った説明用の例です。