2026年3月31日
日経平均4日続落822円安――WSJ「停戦用意」報道に揺れた年度末の乱高下と「買い手不在」の死角
ヒナコ
トシさん、本日の日経平均株価は822円安の5万1063円で4日続落となり、約3カ月ぶりの安値をつけました。朝方は一時1,300円も暴落していたのに、途中でプラスに転じる場面もあったと聞きましたが、一日の中でこれほど激しく動いた理由は何だったのでしょうか?
トシ
きっかけは午前9時半過ぎ、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが「トランプ大統領はホルムズ海峡の再開がなくとも停戦する用意がある」と報じたことだ。これを受けてWTI原油先物が106ドル台から一時100ドル台まで急落し、短期売買の投資家や個人投資家が一斉に買い戻しに動いた。だが、ここで押さえておきたい重要な背景がある。「停戦の用意がある」と「停戦が実現した」はまったく別物だ。生命保険会社の運用担当者やファンドマネージャーといったプロの長期投資家は、この報道では一切ポジションを動かしていない。ホルムズ海峡が実際に通行可能になり、原油価格が本格的に下落するまでは不安定な相場が続くと見ているからだ。
ヒナコ
短期の投機筋だけが飛びついて、プロの長期投資家は静観していたということですね。年度末の最終日ということもあり、来週から新年度が始まりますが、4月に入れば状況は好転するのでしょうか?
トシ
むしろ4月の入り口こそ警戒すべきだ。ここで知っておくべき市場の構造がある。年度末前の5営業日は、取引所のガイドラインにより企業の自社株買いが事実上止まる。今年、企業は約2兆円の日本株を買い越してきた最大級の買い手だったが、その支えがまさに今、構造的に消えている。さらに新年度の4月第1週には、機関投資家が年度の利益を確定させる「期初売り」が集中しやすい。買い手が次々と退場するタイミングで、「安いから」という理由だけで飛び込むのは、援軍のいない戦場に一人で突撃するようなものだ。市場に参加しないことも、立派な判断だ。

