カードローンの返済を知る

カードローンの返済方式とは?残高スライド・元利定額・定率の違い

カードローンの利用には返済義務が生じます。契約で定められた返済額と期日を確認し、生活費も含めて返済計画を立てましょう。

最終更新日: | 編集:金融ナンバーワンサイト

返済方式は、毎回いくら返すかを決めるルールです。「元利定額」は利息を含めた返済額を、「元金定額」は元金に充てる額を決めます。「残高スライド」は、基準となる借入残高に応じて返済額が変わる仕組みです。

ただし、返した分だけ翌月の返済額が下がるとは限りません。返済額を決めるときに、いつの残高を使うかが契約によって違うためです。返済額が同じでも、元金が減っていれば、利息の負担が小さくなっていることがあります。

まずは方式名の読み方を押さえ、1回の支払いを「元金・利息・返済後の残高」に分けてみましょう。自分の明細でどこを確かめればよいか、順に説明します。

返済方式の名前は、3つに分けると読みやすい

「残高スライド型元利定額返済方式」のような長い名前も、何を一定にするか、額をどう求めるか、どの残高で見直すかに分けると意味がつながります。残高スライドと元利定額は、一つの方式名の中に並ぶことがあります。

方式名を読むための3つの視点
見るところ用語の意味確認したいこと
元利/元金元利は元金と利息の合計。元金は借りたお金の残りそのもの。表示額に利息を含むか、利息を別に足して払うか。
定額/定率定額は金額を定める。定率は契約で決まる割合を残高などに掛けて額を求める。何円を定めるか、どの残高に何%を掛けるか。端数の処理はどうなるか。
残高スライド基準となる残高の区分に応じて、決められた額などが変わる仕組み。残高を見る日と区分の境目。返済・追加借入れのどちらで見直されるか。

たとえば「残高スライド型元利定額」なら、残高の区分で決まった額に利息も含めて払います。「定額」と書かれていても、借入中ずっと同じ額とは限りません。同じ区分の間は一定でも、基準残高が別の区分に移れば額が変わるためです。

実商品の例:三井住友銀行の返済方式・毎月の返済額、JCB firstloan+の元金定額払い、アコムの定率リボルビング方式。

定率の「率」は、借入金利とは別

返済額を決める割合と、利息を計算する実質年率は、使い道が違います。仮に「基準残高30万円の3%を返済額とする」契約なら、30万円×3%=9,000円が返済額です。借入金利が年18%なら、利息はその18%を使って別に計算します。3%だから低金利という意味ではありません。

この3%は仕組みを説明するための仮定です。実商品では契約極度額(借りられる上限)によって返済割合が変わる場合もあります。割合を決める条件と、その割合を掛ける残高を混同しないようにします。

返済「方式」と、ATM・口座振替などの返済「方法」

方式は額の決め方、方法は入金の手段です。ただし公式案内では「返済方法」の見出しで両方を説明することもあります。ATMの利用料を調べたい場合はカードローンのATM返済と手数料、口座振替やネット返済の操作は契約先の公式案内を確認してください。

また、リボルビングはカードローンにもクレジットカードにも使われる言葉ですが、利息・手数料や締切日のルールまで同じではありません。買い物代金のリボ払いについてはクレジットカードのリボ払いの仕組みで説明しています。

8,000円返すと、元金はいくら減る? 1回分の明細で見る

元利定額で8,000円払っても、元金が8,000円減るわけではありません。利息がその中に含まれるからです。次の条件で、内訳を計算してみます。

この例の条件

返済前の元金30万円、実質年率18%、利息の対象日数30日。1年365日で日割りし、利息の1円未満を切り捨てます。途中の追加借入れ・返済、手数料、遅延、無利息サービスはありません。実在商品の返済表を再現するものではなく、8,000円は説明用の設定額です。

利息:300,000円 × 18% × 30日 ÷ 365日 = 4,438円(1円未満切捨て)

「8,000円」が支払合計か、元金部分かで変わる
今回の内訳元利の合計を
8,000円とする場合
元金部分を
8,000円とする場合
支払合計8,000円12,438円
利息4,438円4,438円
元金に充てる額3,562円8,000円
返済後の元金残高296,438円292,000円

右側のほうが元金は大きく減りますが、今回支払うお金も4,438円多くなります。同じ家計負担での比較ではありません。「元金定額なら必ず得」と方式名だけで決めず、実際に用意できる額を見ます。

返済額が同じでも、利息の内訳は変わる

左側の例で、その後も追加借入れをせず、同じ年18%・30日間で次の8,000円を払うとします。利息は296,438円をもとに計算するので4,385円、元金に充てる額は3,615円となります。払う額は同じ8,000円でも、元金へ回る額は53円増えています。

ただし、実際の利用日数が長くなれば利息が増えることもあります。最初の30万円の例でも、30日ではなく31日なら利息は4,586円です。明細を比べるときは、残高だけでなく計算期間と適用金利もそろえて見てください。

日割り計算の根拠例:アコム会員規約第27条、楽天銀行スーパーローン会員規約第9条。閏年の分母、付利単位、端数処理などは商品で異なります。金利の基本は実質年率とカードローンの利息計算で確認できます。

「返した額」と「使える枠の回復額」も同じとは限らない

上の元利8,000円の例で減った元金は3,562円です。支払った8,000円が丸ごと借入可能額に戻ると考えると、残高を見誤ります。実際の利用可能額は返済の反映時期や利用制限にも左右されるため、アプリなどの最新表示を確認します。

残高が減ったのに返済額が変わらないのは、なぜ?

今の元金残高と、毎回の返済額を決める基準残高が違う場合があるからです。返済額が同じだからといって、利息が借りた当初の残高のまま計算され続ける、ということではありません。

たとえば、最後に借りた直後の残高が30万円で、その後の返済により現在20万円になった場面を考えます。返済額の基準を最後の借入時に置く契約なら、30万円を基準にした額が続くことがあります。毎回の基準日に見直す契約なら、その日に20万円まで減っていれば、20万円の区分を使います。同じ区分内なら、見直しても額は変わりません。

残高を確認する時点の違い(代表的な3商品)
商品・公式根拠返済額を決める残高読み違えやすい点
アコム基本は最後の借入時の残高に、契約極度額に応じた割合を掛け、千円単位に切り上げる。契約極度額そのものに割合を掛けるのではない。口座振替や所定の変更手続には別の定めがある。
三井住友銀行
カードローン
約定返済時点の借入残高に応じて、元金と利息を含む返済額を決める。アプリを見た今日の残高と、返済時点の残高が同じとは限らない。
楽天銀行
スーパーローン
毎月の返済日の15日前にある請求確定日の残高を基準にする。確定後の任意返済と引落額の関係は、引落口座や入金日によって異なる。

確認先:アコムの各回返済額・会員規約第30条、三井住友銀行の毎月の返済額、楽天銀行の返済案内。本ページの最終更新日時点の案内です。旧契約・変更済みの条件には別の扱いがあるため、自分の契約書も確認します。

アコムの口座振替では、規約上、原則として前月20日(休業日は前営業日)の残高に追加借入額を加えた額を用います。振替を行う金融機関によっては別の判定時点になります。また、本人が所定の手続を行い、アコムが認めた場合に基準残高を変更する定めもあります。「アコムならいつでも最後の借入時残高」とも言い切れません。

最後の借入時の残高を使う方式では、追加借入れが見直しのきっかけになることがあります。ただし、返済額を下げるために借り直すと、新しい借金と利息が増えます。額の変更が必要なら、追加借入れの前に契約先へ相談してください。

自分の残高で毎月いくら必要か、会社別の金額を比較する場合はカードローンの最低返済額の比較へ進めます。ここで大切なのは、金額表のどの残高を、いつ当てはめるかです。

元利均等・元金均等は、返済期間もそろえて比べる

住宅ローンなどで使う「元利均等」「元金均等」は、あらかじめ決めた返済期間に沿って額を組み立てる考え方です。カードローンの「元利定額」「元金定額」と似ていますが、名称をそのまま置き換えると、完済までの期間を見誤ることがあります。

  • 元利均等返済:元金と利息を合わせた毎回の返済額を一定にする。金利が変わらない条件では、返済が進むにつれて利息部分が減り、元金部分が増える。
  • 元金均等返済:元金を返済回数で均等に分け、残高に応じた利息を足して払う。初めの負担が大きく、元金が減るにつれて支払合計も小さくなる。

同じ借入額・金利・返済期間で比べると、元金均等のほうが元金の減少が早く、利息総額は少なくなります。一方、期間を同じに決めている以上、元金均等だけ先に完済するという比較ではありません。

根拠:住宅金融支援機構「元利均等返済・元金均等返済」。ここでは仕組みの違いを説明しており、カードローンで両方式を自由に選べるという意味ではありません。

返済方式を選べるか、設定額を変更できるかは商品ごとに確認します。方式名だけで完済日や総利息は決まりません。残高、金利、毎回払う額、追加借入れの有無をそろえて、カードローンの返済期間の目安や返済期間・利息総額のシミュレーターで見通しを立てます。簡易試算と実商品の請求額には差が出るため、最後は契約先の返済予定表と照合してください。

自分の返済は、商品概要と明細の5項目で確認する

商品概要は「額の決まり方」、最新明細は「今回どう処理されたか」を確認する資料です。両方を開き、次の順に照らし合わせると、食い違いの理由を探しやすくなります。

  1. 方式名と、利息を含むかを読む。「元利」か「元金」かを探す。名称が省略されていれば、利息の扱いを説明する欄を見る。
  2. 返済額の基準になる残高と日付を調べる。最後の借入日、毎月の請求確定日、返済時点のどれか。定率なら、掛ける残高と割合を決める条件を分ける。
  3. 次に必要な額と期日を確認する。「次回返済額」「約定返済額」などの表示を見て、口座振替なら引落口座も確かめる。自己計算だけで入金額を減らさない。
  4. 前回支払ったお金の行き先を見る。支払額から、利息と実際に充当された手数料等を引いた分が元金に回っているか確認する。表示名や充当順は契約先によって異なる。
  5. 返済前後の残高と、途中の取引を照合する。途中の追加借入れや費用の組入れ等がなければ、「返済前の元金-元金充当額=返済後の元金」。計算が合わなければ取引履歴と反映日を確認する。

たとえば、元利8,000円の例で元金が3,562円しか減っていなくても、それだけで処理ミスではありません。逆に、説明のつかない差額があるなら、取引日・支払額・利息・費用・返済後残高をそろえ、契約先に内訳を尋ねます。

充当順・取引明細の規約例:アコム会員規約第6条・第8条。同社の充当順を他社へ一律に当てはめないでください。

追加返済をしたら、今月の引落しはなくなる?

追加で入金しても、次の約定返済が済んだ扱いになるとは限りません。約定返済は契約で定められた支払い、随時返済・任意返済は都合に合わせて追加する支払いです。その入金がどちらに扱われるかは、日付・金額・方法などで変わります。

三井住友銀行カードローンでは、前回の約定返済日の翌日から今回の期日までに利息額以上を返済すると、次回返済期日が繰り越される扱いがあります。同じ期間内に2回目の返済をしても、さらに次の期日まで繰り越されるわけではありません。初回借入れ・完済後の再借入れには別の扱いもあります。

楽天銀行スーパーローンは、請求確定後に任意返済した場合の引落額が、楽天銀行口座か他行口座か、いつ入金したかによって変わります。別の商品で経験した扱いを、そのまま当てはめないことが大切です。

確認先:三井住友銀行「ご返済について」・ご利用ガイド8ページ、楽天銀行「任意返済」「請求確定日以降にご返済いただいた場合」。

また、追加で払った額がいつでも全額元金へ回るわけではありません。利息や手数料等を先に精算する契約もあります。入金後は、元金への充当額と次回の必要額・期日をもう一度見てください。

同じ金利・借入条件で追加借入れをしなければ、元金を早く減らすほど、その後の利息を抑えられます。ただ、生活費を残さず返してまた借りることになれば、予定どおりには進みません。家賃や公共料金、近い時期の出費を確保したうえで、追加できる額を考えます。

残高を全部返す場合は、画面の元金残高だけでなく、返済日までの利息などを含む完済金額の確認が必要です。カードローンの一括返済・完済の手順で、入金から完済確認までを整理しています。

今月の返済額を用意できないときは、期日前に連絡する

仕組みが分かっても必要額を用意できない場合は、支払日を過ぎる前に契約先へ連絡します。「次の返済日」「不足する額」「今後の収入予定」を伝え、どんな対応を相談できるか確認してください。相談しただけで、期日や返済額が自動的に変わるわけではありません。

他社から借りて穴埋めする状態が続いているなら、借金だけでなく生活費を含めて相談できる窓口も利用できます。

持っていく資料や相談先の選び方は、カードローンの返済に困ったときの相談ガイドにまとめています。書類が全部そろうまで待つ必要はありません。

返済額と、元金の減り方を分けて確かめる

毎回いくら必要かは契約の方式と基準日で決まります。支払ったうち元金がいくら減ったかは、利息・費用を含む明細で分かります。まずこの2つを確認すれば、同じ額を返している理由や、次に契約先へ聞くことがはっきりします。

本記事は日本の個人向けカードローンを中心とする一般的な解説です。商品案内・規約は本ページの最終更新日時点で確認し、計算例の仮定は各節に示しています。編集方針

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