返済に困ったときの制度と相談

自己破産とは?カードローンの免責・費用・生活への影響

カードローンには返済義務があります。返済のための借入れを重ねる前に、家計と債務を整理して相談することが大切です。

最終更新日: 編集:金融ナンバーワンサイト

自己破産は、返済を続けられなくなった人が、裁判所で財産や借金を整理し、免責によって生活の立て直しを図る手続きです。カードローンの借金も免責の対象になり得ます。免責とは、借金について法律上の支払責任を免れることです。申立てや破産手続の開始だけで決まるわけではなく、免責許可決定が確定する必要があります。

税金や養育費など、支払いが残るものもあります。また、本人が免責されても保証人の責任は残ります。借金の金額だけで自己破産の可否は決められません。収入・財産・生活費を含めて確認します。

「返済日が近いけれど、生活費も足りない」「給与口座が借入先と同じ銀行だ」。そんなときは、手続きを決める前に伝えておきたいことがあります。このページでは、相談前の準備から免責までの流れと、財産・家族・仕事への影響を順に説明します。日本の個人の自己破産を対象とした一般的な案内です。

制度の概要:裁判所「破産」/破産法(第252・253条など)

相談前に整理する4つのこと

最初の相談で、書類が全部そろっている必要はありません。分かる範囲で次の4項目をメモしておくと、直近の支払いと手続きの相談を進めやすくなります。裁判所から書類が届いている、差押えを受けているなど、期限のある事情は予約時に伝えてください。

困っていることと、相談時に伝える情報
確認すること手元で整理する情報相談で確認すること
給与口座と借入先借りている銀行名、給与・年金の入金先、次の入金日、預金残高、引落しの予定借入先の口座を使い続けると生活費に支障が出るか。入金先や支払方法を変える必要と時期
保証人と借入先の一覧銀行・貸金業者だけでなく、家族・勤務先からの借金、保証人の有無、届いた通知保証人へ請求が及ぶ債務はどれか。漏れている借入先がないか
今月の生活費手取り収入、手元のお金、家賃・食費・光熱費、滞納額、支払期限暮らしを続けるための支払いと、借金返済をどう分けるか。利用できる相談・支援はあるか
すでにした返済や財産の処分親族など一部の相手への返済、車の売却、預金の移動、新たな借入れの時期・金額・理由手続きへの影響と、説明に必要な明細や領収書。今後の対応

借りている銀行と給与口座が同じなら、先に伝える

銀行から借りている場合は、契約や状況により、預金を返済に充てる相殺や口座の利用制限が問題になることがあります。給与を受け取れることと、入金された預金をいつでも使えることは別です。

一律に「全額を引き出せばよい」と考えず、口座と入出金の予定を弁護士に伝え、借入先の規定も確認します。口座を変える場合も、残高や資金の移動を隠さず説明できるよう、取引履歴を残しておきます。

「親にだけ返す」「引落しを全部止める」と決めない

親族への借金も、ほかの債務と一緒に伝える必要があります。一部の債権者だけを優先して返す行為は、手続き上の問題になることがあります。一方で、借金返済、当月の生活費、滞納した家賃、税金などは同じ扱いではありません。支払いの種類・発生時期・期限を分けて伝え、何を払うかを個別に相談します。

銀行の保証会社と、家族などの個人保証人も区別します。保証会社が銀行に代わって支払っても、それだけで本人の借金がなくなるわけではありません。通知の差出人が変わった場合は、その書類も持参します。仕組みは代位弁済の解説で補足しています。

自己破産の条件と、支払いが残るもの

条件は「支払不能」。借金の額だけでは決まらない

個人の自己破産では、支払不能かどうかが判断されます。支払不能とは、支払能力が足りず、期限の来た債務を一般的・継続的に支払えない状態です。借金の総額に加えて、収入、財産、生活の状況などを裁判所が確認します。

「借金が何万円以上なら利用できる」「収入があれば利用できない」という一律の線引きはありません。返済のために別の借入れを繰り返している、返済すると家賃や食費が足りないといった事情も、具体的な家計と一緒に相談する材料になります。

カードローンは免責の対象になり得るが、例外がある

銀行カードローン、消費者金融、クレジットカードのキャッシングなどの借金は、通常、免責を検討する対象です。ただし、免責が許可されるかという問題と、許可されても支払いが残る債権かという問題を分けて考えます。

免責が確定しても支払いが残る主なもの
種類注意点
税金などの租税等の請求権税の滞納は、借金の免責とは別に納付先へ相談する必要があります。
養育費・婚姻費用など扶養などに関する一定の支払義務は残ります。
一定の損害賠償悪意で加えた不法行為、故意・重大な過失による生命・身体への侵害など、法律が定めるものが対象です。
罰金など罰金等の請求権も免責の対象外です。

この表は主な例です。知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権も、債権者が破産手続開始を知っていた場合などを除き、免責されないことがあります。「ここだけは知られたくない」と借入先を外さず、すべて伝えることが大切です。

根拠:破産法第2条・第15条・第253条

相談から免責までの流れ

「破産手続が終わった」と「免責が確定した」は別です。同時廃止という言葉を聞いた場合も、免責の手続きがどこまで進んだかを確認します。

  1. 相談して、手続きの方針と直近の支払いを確認する

    借入先、家計、財産、保証人、仕事、住まいの事情を伝えます。自己破産だけでなく、返済を続ける別の手続きが考えられるかも確認します。弁護士などから貸金業者へ受任の通知が届くと、正当な理由のない本人への直接の取立ては制限されます。ただし、相談予約だけで止まるわけではなく、裁判手続や差押えがすべて自動的に止まるわけでもありません。

  2. 借金と財産を確認し、申立書類をそろえる

    債権者の一覧、通帳や入出金明細、給与明細、家計収支、保険や車・不動産などの資料を準備します。必要な書類と対象期間は申立先によって異なります。過去に使っていた口座や、少額の借金も相談時に伝えます。

  3. 住所地を管轄する地方裁判所などへ申し立てる

    申立先は原則として住所地を管轄する地方裁判所です。裁判所が書類や事情を確認して、破産手続開始の要件と、管財事件・同時廃止のどちらで進めるかを判断します。

  4. 財産の調査・処分と、免責についての審理が進む

    管財事件では、選任された破産管財人が財産や借入れの経緯を調べ、必要な換価・配当などを行います。同時廃止では管財人を選ばずに破産手続が終了しますが、免責を認めるかの審理は別に行われます。裁判所や管財人から求められた説明・資料には正確に対応します。

  5. 免責許可決定の「確定」を確認する

    免責許可決定が出て、その決定が確定すると、非免責債権などを除いて支払責任を免れます。確定を確認できる書類を保管し、残る支払いや今後の家計を整理します。

同時廃止と管財事件の違い
進み方破産手続で行うこと免責との関係
同時廃止財産が少なく、手続費用を賄えない場合などに、開始と同時に破産手続を終了破産手続の終了だけでは免責は確定しない
管財事件管財人が財産や免責に関する事情を調査。換価・配当などを行う調査結果などを踏まえて免責の可否を判断

財産が少なくても、調査の必要から管財事件になることがあります。どちらになるかを本人が自由に選べるわけではありません。地域ごとの運用と個別事情を踏まえて裁判所が判断します。

手続き・書類・費用の確認:裁判所「裁判手続 民事事件Q&A」/法テラス「自己破産に関するよくある相談」

費用と期間は、手続きの種類を分けて確認する

自己破産の費用は、裁判所に納める費用と、依頼する弁護士・司法書士の費用に分かれます。広告にある金額を見るときは、何が含まれ、管財事件になった場合に何が追加されるかまで確認します。

見積もりで分けて確認したい費用
費用確認する内容
申立ての収入印紙本人による破産手続開始の申立ては1,000円、免責許可の申立ては500円。これだけが総費用ではありません。
郵便料・予納金官報公告や手続きに必要な費用など。裁判所・事件によって異なります。管財事件では管財人の報酬等に充てる予納金も確認します。
専門家へ依頼する費用着手金、報酬、実費などの内訳、追加費用、支払時期。弁護士の代理と司法書士の書類作成では依頼できる範囲が異なります。

印紙額・裁判所費用:裁判所の申立費用案内

費用が用意できなくても、まず相談できる

法テラスには、収入・資産などの要件を満たす人への無料法律相談や、弁護士・司法書士費用等の立替制度があります。立替えは原則として後から返していく制度です。猶予・免除には別の要件と手続きがあります。

法テラスが公表する代理援助の費用目安は、債権者1〜10社の自己破産で、着手金132,000円と実費23,000円の合計155,000円です。法テラスの援助を利用する場合の例で、一般の事務所の相場や、すべての費用を含む全国共通額ではありません。実際の費用は審査で決まり、事件の困難度等で着手金が増減する場合があります。報酬金は原則発生しませんが、過払金を回収できた場合には発生します。管財事件の予納金を含め、自分のケースで何が対象になるかを相談します。

制度・金額例:法テラス「自己破産 費用の目安」

「相談した日から何か月」と一律に決めない

期間は、相談から書類をそろえるまでと、申立て後の裁判所の手続きに分けて見ます。財産・借入れの調査、資料の不足、裁判所の日程などで変わり、管財事件では調査や換価に時間がかかることがあります。短い期間を前提に、転居や資格が必要な仕事の予定を決めないようにします。

相談時には「準備に必要な期間」「裁判所へ行く見込み」「免責の確定を確認する方法」を尋ねると、生活の予定と合わせて考えやすくなります。

自己破産で失うもの・残せるもの

財産は、持っている物の名前や金額だけで一律には判断できません。誰の財産か、いつ取得したか、価値はいくらか、担保やローンがあるか、生活に必要かなどを確認します。

財産・収入を確認するときの分け方
財産・収入基本的な考え方相談で伝えること
手元の現金99万円以下の現金は、法律上、破産財団に属しない財産です。現金と預金を分けた残高、最近の出金と使い道
預貯金現金の「99万円以下」とは別に扱います。自由財産の拡張や裁判所の運用を含めて確認します。使っていないものを含む口座、残高、取引履歴
家具・衣類など生活に欠くことのできない衣服・寝具・家具など、差押えが禁止される財産は残せます。高価な品や売却できる資産があるか
自宅・車・保険など換価の対象となり得ます。車の価値、ローンや担保、保険の解約返戻金などで扱いが変わります。名義、残債、査定額、生活や通勤で使う事情
開始後に新たに得る収入破産手続開始後の労働で得る給与など、新たに取得した財産は原則として破産財団に入りません。すでに発生している給与・退職金の権利や、入金済みの預金とは分けて確認

現金80万円と、口座の預金80万円は同じ判定にはできません。また、現金を残せる基準は、同時廃止になる基準とも別です。預金を現金化したり家族名義へ移したりすれば残せる、という意味ではありません。財産の処分や移動の前に相談します。

自由財産の拡張とは、生活の状況などを考慮して、裁判所が手元に残せる財産の範囲を広げることです。「預金は20万円まで」「車は20万円以下なら残る」と全国一律には言えません。

根拠:破産法第34条/民事執行法第131条

家族の財産と、保証人としての責任は別

自己破産は本人の手続きです。家族であるという理由だけで、その家族の財産が処分されたり、本人の借金を返す義務が生じたりするわけではありません。ただし、家族が保証人・連帯保証人なら、本人の免責後もその保証責任は残ります。共有の住まいや家計への影響も、別に考える必要があります。

家族に知られないことを約束できる手続きでもありません。家計の資料、郵便物、保証人への請求、住まいの変更などから事情が分かることがあります。伝え方や連絡方法の不安も、相談時に話して構いません。

仕事・住まいへの影響は、いまの契約や資格で確認する

破産を理由にすべての職業が禁止されるわけではありません。一方、警備員など、破産手続開始から復権まで就業・資格上の制限を受ける職業があります。免責許可決定の確定は復権事由の一つです。制限の有無と届出の必要は、自分の資格・仕事内容に沿って確認します。

破産の情報は官報に公告されます。勤務先が債権者の場合などは通知の関係もあり、「会社に知られない」とは断定できません。借金の一覧には勤務先からの借入れも含めます。

住まいは、持ち家の処分、住宅ローン、賃貸の家賃滞納などで問題が異なります。賃貸住まいと持ち家の換価を同じ扱いにせず、契約書と支払状況を確認します。住宅を維持したい事情がある場合は、一定の条件で住宅資金特別条項を利用できる個人再生も相談時の検討項目になります。

生活への影響:法テラスの自己破産Q&A/破産法第253条第2項・第255条

浪費・ギャンブルがある場合と、相談前の注意点

浪費やギャンブルで著しく財産を減らしたり、過大な借金を負ったりしたことは、免責不許可事由に当たります。財産を隠す、虚偽の説明をする、法律が定める条件で一部の債権者だけを有利に扱う行為なども問題になります。

ただし、免責不許可事由があっても、裁判所が経緯などの事情を考慮して免責を許可する「裁量免責」があります。ギャンブルの借金があるから申立てそのものができない、と即断する必要はありません。逆に、反省を示せば認められると約束することもできません。

  • 借入れの理由や使い道を、実際と違う内容に書き換えない。
  • 親族・勤務先への借金や、すでに行った返済も伝える。
  • 財産の名義変更や安値での売却、クレジットカードの現金化を自己判断で進めない。
  • 取引履歴、督促状、裁判所からの書類を捨てずに保管する。

過去に免責を受けた場合も、その確定日を伝えます。前の免責許可決定の確定から7年以内の免責許可申立ては免責不許可事由の一つですが、「7年間は申立て禁止」「7年たてば免責される」という意味ではありません。

根拠:破産法第252条。個別の免責見込みは、資料を示して弁護士へ相談してください。

免責後の生活と信用情報

免責が確定したら、決定書や確定を確認する書類を保管します。そのうえで、支払いが残る税金・養育費など、毎月の生活費、収入を分けて家計を組み直します。免責前の債務について請求が来た場合は、書類を確認して依頼した専門家に相談します。

自己破産に関係する情報は、信用情報機関の登録内容によってローンやクレジットカードの審査に影響します。CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センターでは、登録する情報や保有期間の起算点が異なり、「免責から一律何年」とは計算できません。たとえば全国銀行個人信用情報センターの官報情報は、破産手続開始決定の日から7年を超えない期間です。免責確定日を起点にした7年ではありません。

登録が消えたことと、次の審査に通ることも別です。必要になったときは信用情報の開示方法を確認し、自分の情報を取り寄せます。審査に通すための新たな借入れを、生活再建の目標にする必要はありません。

日常の支払いは、現金・口座振替・デビットカード・プリペイドカードなど、手元の資金の範囲で使える方法を検討します。使える場所や利用条件はサービスごとに異なります。生活費そのものが不足する場合は、自治体の生活相談窓口などへ家計の状況を伝えることから始められます。

登録情報の公式案内:全国銀行個人信用情報センター/CIC/JICC

ほかの手続きとの違いと、相談先

自己破産をするか決めてから相談する必要はありません。残したい住まい、保証人への影響、毎月返済に充てられる金額などを話したうえで、選択肢を確認できます。

費用・借金・生活の相談窓口

法テラス:0570-078374
サポートダイヤルは法制度や相談窓口の情報提供を行います。電話で個別の法律判断をする窓口ではありません。無料法律相談や費用立替えには収入・資産などの要件があり、電話には通話料がかかります。
日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター:0570-051-051
借入れ・返済、貸金業者とのトラブルなどの相談先です。相談・苦情への対応は無料ですが、通話料がかかります。自己破産の代理を依頼する窓口とは役割が異なります。
金融庁が案内する多重債務の相談窓口
財務局や自治体など、地域の相談先を探せます。相談方法、受付時間、対応範囲は各窓口の案内で確認してください。

貸金業者の借入れには原則として年収の3分の1までという総量規制がありますが、これは自己破産の可否を決める基準ではありません。銀行の貸付けは貸金業法の総量規制の対象外です。限度額まで借りられることや、返済できることを意味する制度でもありません。

制度の確認:金融庁「貸金業法のキホン」

まずは、次の入金日と支払日をメモする

自己破産で何が変わるかは、借金だけを見ても分かりません。給与口座、保証人、手元の生活費、住まいと仕事の事情を一緒に確認する必要があります。

今できる準備は、借入先と残高、次の入金日、期限の迫った支払いを書き出すことです。分からない項目は空欄のままで構いません。手元の明細や届いた書類を持って、相談につなげてください。

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