最終更新日: 編集:金融ナンバーワンサイト編集部

FX・為替|リスクと対策の選び方

FXは低リスクでできる?何を変えると、どのリスクが減るのか

FXのリスクは、取引量や注文の仕方で抑えられる部分がある。ただ、「少額」「レバレッジ1倍」「信託保全あり」のどれか一つで、損失を防げるわけではない。

まずは、何が心配なのかを分けて考えたい。値動きで失う金額を小さくしたいのか、強制決済が不安なのか、会社が倒産したときの預け金が気になるのか。心配の種類によって、確かめる条件が変わる。

このページでは国内の個人向け店頭FXを対象に、対策が役立つ場面と限界を整理する。近いうちに生活や支払いに使う、減らせないお金は取引に充てないことを前提に読んでほしい。

心配していることから、対策を選ぶ

「安全そうな口座」を探す前に、次の表で自分の用事を確かめる。対策を選ぶときは、何が変わるかと同時に、変わらないことも見ておきたい。

対策が効くところ、残るところ
心配していることまず確かめる対策それだけでは解決しないこと
値動きで失う円の額を小さくしたい取引数量を小さくする。値幅と数量から損失の目安を見る。同じ数量のまま入金だけ増やしても、同じ値幅による円損失は減らない。具体例へ
小さな値動きで強制決済されるのが不安口座全体の資産、数量、必要証拠金と会社のロスカット条件を確認する。余力があっても為替差損は生じる。ロスカットは希望する損切り価格での決済を保証しない。
つい取引量を増やしてしまう発注できる範囲に関わる倍率コースなどの設定を確認する。設定を選ぶだけで、すでに保有する数量が減るわけではない。口座設定の違いへ
画面を見ていない間の急変が心配決済注文の種類・数量・期限を確認し、保有を続ける必要性も考える。逆指値でも指定価格より不利に約定する場合がある。注文の確認へ
会社が倒産したときの預け金が心配登録情報と顧客資産の信託保全を確認する。信託保全は相場の損失を埋める制度ではない。保全の読み分けへ

金融庁は相場変動、金利変動、流動性、信用、システムなどのリスクを挙げている。上の表は、それらを読者の困りごとに結び付けた当サイトの整理。FXには元本保証がなく、急変時は預けた証拠金を超える損失もあり得る。金融庁のFX取引に関する注意

入金を増やすか、数量を見直すかで、変わるものは違う

「倍率を下げたので、損失も小さくなった」とは限らない。入金を増やして倍率を下げた場合と、取引数量を減らした場合では、同じ値動きでも結果が違う。

例:1,000米ドルを買うとき、何を小さくしたいか

米ドル/円を150円で1,000通貨買い、148円で決済できたとする。為替差損は2円×1,000通貨=2,000円。口座に入れたお金を増やすだけでは、この2,000円は変わらない。

同じ2円の逆行で、失う金額を小さくしたい
見直すのは取引数量だ。これから取引する量を小さくすれば、同じ値幅の円損失も小さくなる。すでに保有している取引の一部を決済する場合は、その時点の損益が確定する点も分けて考える。
同じ数量を持ち、口座資金に対する負担を確かめたい
見るのは口座全体の資産と保有額の関係だ。入金で損失の割合や証拠金の余力が変わることはあっても、円損失そのものを減らす方法ではない。生活費まで足して持ち続ける理由にはしない。
逆指値を148円に置いたら、損失は2,000円で止まる?

その価格で約定すれば、為替差損は2,000円になる。ただし指定価格での約定は保証されない。仮に147円で決済された場合は3,000円の為替差損になる。逆指値は出口を用意する注文であり、損失上限を固定する保険ではない。

数値は仕組みを説明する仮定で、現在レート、推奨数量、予想する値幅ではない。スプレッド・スワップ・手数料などを除外し、それぞれの価格で実際に決済できた場合を計算している。途中のロスカットや約定の可否は試算していない。

入金と数量を変えた場合の詳しい比較はレバレッジの仕組みと実効倍率へ。損失の目安から数量を決めたい場合はポジションサイジングで確認できる。

レバレッジ1倍でも、ロスカット条件は確認する

「実際の保有額が口座資金の1倍」と「会社の1倍コースを選ぶ」は、同じ説明ではない。前者は資金と保有額の関係、後者は会社が定める必要証拠金などの条件だ。

1倍コースがあっても、強制決済のルールは残る。例えばPayPay銀行のFX初級タイプは1倍専用だが、ロスカットの対象になる。松井証券FXも倍率コースとロスカット率を別に定めている。PayPay銀行のロスカット/松井証券FXの取引ルール

会社をまたいで、維持率の数字だけを比べない

証拠金維持率の計算に使う金額や判定条件は会社によって違う。必要証拠金を基準にする表示と、約定金額を基準にする表示を同列に並べても、どちらが強制決済されにくいかは判断できない。

確認するのは、自分の会社の計算式、判定のタイミング、追加注文が余力に与える影響。詳しくはロスカットの仕組みと確認事項を参照したい。

ロスカットの判定から実行までには時間差があり、相場急変やスプレッドの拡大で想定以上の損失になることもある。「何倍なら安全」と決めるより、数量と会社のルールを一緒に見る必要がある。金融先物取引業協会のロスカット解説

注文・通貨・信託保全にも、それぞれ役割がある

逆指値は、決済する条件を先に用意するためのもの

逆指値を使うなら、注文したつもりで終えず、決済対象の建玉、売買方向、数量、価格、有効期限を確認する。注文後に数量を増やしたときは、決済注文が全体をカバーしているかも見直したい。

急変が心配な時間帯や休場をまたぐ取引では、注文を置くことに加え、その量を持ち続ける必要があるかを考える。操作の確認はFXの注文方法、指定価格と約定価格の差はスリッページの仕組みへ進める。

主要通貨や複数ペアでも、損失への備えは必要

取引が多い通貨だからといって、値動きが小さいとは限らない。また、米ドル/円の買いとユーロ/円の買いは、どちらも円を売る取引を含む。ペアを二つに増やしただけで、別々のリスクへ分散できたと判断しない。

見るのは通貨名の数より、どの通貨をどちら向きに、合計どれだけ保有しているか。複数建玉の整理はポジション管理ガイドにまとめている。

スワップポイントも変動し、受け取りから支払いへ変わる場合がある。受け取り額の大きさだけでは為替差損を補えるか分からない。長く保有するならスワップと為替損益の関係も確認したい。

信託保全は、相場の損失を埋める制度ではない

国内店頭FXの顧客資金は、会社自身の財産と分けて金銭信託で管理する仕組みになっている。保全の対象額には評価損益などが反映されるため、入金した元本をそのまま保証する意味ではない。金融先物取引業協会の区分管理信託の解説

例:登録と保全を確認した。でも、10万円は減らせない

会社の登録や信託保全を確認することは、預け先を調べるうえで必要だ。ただし「来月使う10万円を減らしたくない」という用事は、それでは満たせない。

この条件なら、何を選び直す?

FXへそのお金を入れる判断を見直す。取引量を小さくしたり1倍にしたりしても、為替損失は残る。会社が破綻したときの資金の扱いと、売買による損失は別の問題だ。

資金保全の対象や返還の仕組みはFXの信託保全で確認できる。外貨預金も円換算では為替差損が生じ得るため、名前を変えればこの心配がなくなるわけではない。商品の違いを調べる場合は外貨預金とFXの比較へ。

口座選びでは、数量を管理する仕組みを見る

リスクへの備えを口座選びにつなげるなら、「何円から始められるか」だけでなく、数量の刻み方と倍率の設定を分けて見ると選びやすい。

例えば米ドル/円の通常銘柄では、松井証券は1通貨から、ヒロセ通商(LION FX)は1Lot=1,000通貨から。どちらを使う場合も、最小単位を知るだけでは自分の損失予算に合うかは決まらない。最小取引単位を横断比較したい人は少額FXの口座比較へ進める。本段落の会社リンクは広告。

数量の出典:松井証券の取引ルール/LION FXの個人向け必要証拠金一覧(PDF)。他の通貨ペア・大口銘柄まで同じ単位とは限らない。

倍率を管理する方法が異なる3つの商品例
管理の方法・商品例できること選ぶ前に確認すること
1倍専用を選ぶ
PayPay銀行 FX初級タイプ
1倍取引専用の商品を選ぶ。米ドル/円は1,000通貨単位。1倍専用でもロスカットはある。新規注文には約定金額100%にスプレッド評価損などを加えた金額が必要。商品要項
倍率コースを選ぶ
松井証券 FX
個人口座は1・5・10・25倍のコースを選べる。1倍の必要証拠金率は100%。新規発注や保有に必要な資金の条件を変える設定。既存数量は自動で減らず、ロスカット率も別に確認する。取引ルール
数量と資金で調整する
SBI FXTRADE(通常FX)
1通貨から数量を選べる。資産評価額と数量で実効倍率を管理する。ツールで倍率設定を変更する方式ではない。追加注文や出金の際も自分で確認する。「つみたて外貨」とは別サービス。通常FXの取引ルール

管理方法の違いを説明するための商品例で、安全性や収益の順位ではない。個人口座の条件をページ上部の最終更新日時点で確認した。

「1倍専用」と「小さな資金で試せる」は別

仮に1米ドル150円なら、1,000通貨の取引額は15万円になる。1倍専用の商品でも、使える資金がそれに届かなければ、その数量を注文できない。15万円は安全な予算でも、スプレッド等を含む正確な必要入金額でもない。

先に使える資金と負える損失を決め、その範囲で数量を選べるかを確かめる。商品に合わせて生活資金を追加する順序にはしない。

掲載口座の条件を確かめるときの着眼点

次の会社案内は広告を含む。最小単位や設定の確認先として整理しており、会社の優劣を示すものではない。申込前にはリンク先の現行ルールと契約締結前交付書面を確認したい。

会社名より、注文画面と条件を確認する
会社案内(広告)確認するポイント公式の確認先
松井証券倍率コース、必要証拠金率、ロスカット率を別々に読む。FX取引ルール
ヒロセ通商(LION FX)米ドル/円の通常銘柄は1Lot=1,000通貨。通貨ペアごとの単位を注文数量と照合する。個人向け必要証拠金一覧(PDF)
JFX(MATRIX TRADER)米ドル/円の通常銘柄は1Lot=1,000通貨。大口銘柄とは最小注文数量を分けて確認する。個人向け必要証拠金一覧(PDF)
DMM FX通常は1Lot=1万通貨、ミニは1Lot=1,000通貨。米ドル/円のミニはUSM/JPYを選ぶ。取引単位のFAQ/ミニ・ラージの銘柄案内

低い倍率のコースへ変更したい場合も、保有中の建玉や未約定注文を残したまま変更できるかは会社ごとに確認する。例えば楽天FXでは、低い倍率への変更は建玉も注文もない状態が条件となる。いま持っている取引への対応を、後からのコース変更だけで済ませようとしない。楽天FXのコース変更条件

注文前に、対策が自分の心配に合っているか確かめる

  1. そのお金を使ってよいか使う時期が決まった生活費や支払い資金なら、FXに回さない。余剰資金でも、全額を失ってよいという意味ではない。
  2. 何を減らしたいのか円損失、資金に対する負担、強制決済への近さ、会社破綻時の扱いを分ける。別の対策で代用しない。
  3. 数量と注文が合っているか通貨ペア、売買方向、数量、決済条件を照合する。損失の試算は保証額として扱わない。
  4. 自分の会社の条件を読めているか倍率コース、必要証拠金、ロスカット、注文の有効期限を確認する。分からない項目が残るなら実取引を急がない。

取引ルールを守る工夫は資金管理とメンタル、操作を先に確かめるならFXのデモ口座へ。デモで注文に慣れても、実取引の約定や損益が同じになる保証はない。

「安全な会社」を一つ選べば終わり、ではない

同じ会社でも、注文量や保有の仕方が変われば負う損失も変わる。口座を選んだ後も、追加注文・出金・決済のたびに、自分で決めた範囲に収まっているかを確かめたい。

掲載口座の申込案内(広告)

低リスクを目指すなら、対策の役割を取り違えない

数量を小さくすること、注文を用意すること、倍率コースを選ぶこと、信託保全を確認すること。それぞれに役割があり、一つで全部の心配をなくすことはできない。

まず一つ、自分がいちばん気にしていることを言葉にする。その心配に効く対策と、それでも残る損失を確認してから、取引するかを決めたい。

編集方針:制度・リスクの説明は金融庁と金融先物取引業協会、商品条件は各社の取引ルール・商品要項・公式FAQで照合した。商品例は数量や倍率の管理方法を説明するために選び、利益率や安全性のランキングは付けていない。試算・対策の選び分けは当サイトの説明で、本人確認のない体験談や一律の安全倍率は掲載していない。

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