2026年分・国内FXの確定申告

FXの税金・確定申告はいくらから?税率と手続き【2026年分】

最終更新日: 執筆:元・金融コンサルタント トシ 制度確認:国税庁・自治体の公開資料(2026年9月5日)

FXの確定申告は、利益が出た人全員に同じ金額の線が引かれているわけではありません。給与の有無、年末調整、ほかの副収入、所得控除、住民税を分けて見ると、自分が次に何をすべきかがはっきりします。

先に答え:20万円は、全員共通の「非課税枠」ではありません

勤務先が1か所で、給与収入2,000万円以下、源泉徴収・年末調整済みなどの条件を満たす給与所得者は、FXを含む「給与・退職以外の所得」の合計が20万円を超えると、原則として所得税の確定申告が必要です。20万円以下でも、住民税の申告や、ほかの理由で確定申告をする場合の扱いは別です。

給与がない人には、この20万円基準をそのまま使いません。2026年分でFX以外の所得もなく、ほかの所得控除を考えない単純な例では、最大104万円の基礎控除がひとつの目安になります。ただし、一般の申告義務は所得と控除を通して判定します。

申告要否立場とFX以外の所得も含めて判定
標準税率一定の国内FXは20.315%
損失条件を満たす申告で翌年以後3年繰越

FXの確定申告はいくらから?60秒判定

最初に見るのは「FXでいくら勝ったか」だけではなく、あなたの収入の形です。表の金額は売買代金や口座残高ではなく、必要経費を差し引いた所得で判定します。

あなたの状況 所得税の目安 次に確認すること
給与は1か所、給与収入2,000万円以下、源泉徴収・年末調整済み 給与・退職以外の所得合計が20万円超なら原則申告 ほかの副収入も合算。20万円以下でも住民税は自治体へ確認
給与が2か所以上、給与収入2,000万円超、年末調整されていない 20万円だけでは判定できない 年末調整されなかった給与と他所得を含め、国税庁の条件で判定
給与も年金もなく、FX以外の所得もない 2026年分の単純例では、所得104万円超がひとつの目安 基礎控除以外の控除、住民税、家族の控除は別に確認
公的年金を受け取っている 公的年金400万円以下・全額が源泉徴収対象で、年金以外の所得20万円以下なら申告不要制度あり 還付申告や住民税は別。詳しくは年金受給者向けページへ
年間損益がマイナス 納める所得税がないことはある 損失を3年繰り越すなら、損失年から所定の申告を行う

20万円基準の公式条件:国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」。医療費控除などのために確定申告をする場合は、20万円以下のFX所得も申告に含めます。

20万円ちょうどの会社員

ほかの副所得がなく、表の給与条件を満たすなら、所得税の申告は原則として省略できます。「超える」が境目です。ただし住民税は別に確認します。

FX12万円+原稿料10万円

判定するのはFXだけではありません。給与・退職以外の所得合計が22万円なら、表の給与条件を満たす人も原則申告が必要です。

「2026年に申告」と「2026年分」は違う

2025年分と2026年分では基礎控除額が異なるため、検索結果には95万円と104万円が混在しています。さらに、所得が生じた年分と申告する年も混同しやすいため、ここで整理します。このページは、2026年1月1日から12月31日に確定した所得を、2027年に申告するケースを基準にしています。

所得の年分 通常の申告年 合計所得132万円以下の基礎控除 申告・納付期限
2025年分(令和7年分) 2026年 95万円 2026年3月16日
2026年分(令和8年分) 2027年 104万円 2027年3月15日

104万円は「最大の基礎控除額」

104万円は誰にでも同額で付くわけではありません。2026・2027年分の居住者は、合計所得金額に応じて基礎控除額が変わります。

合計所得金額2026・2027年分の基礎控除
132万円以下104万円
132万円超〜336万円以下88万円
336万円超〜489万円以下68万円
489万円超〜655万円以下67万円
655万円超〜2,350万円以下62万円
2,350万円超〜2,400万円以下48万円
2,400万円超〜2,450万円以下32万円
2,450万円超〜2,500万円以下16万円
2,500万円超0円

「FX所得104万円まで申告不要」とだけ覚えるのは危険です。104万円は、給与などほかの所得がなく、合計所得132万円以下の居住者で、ほかの所得控除や税額控除を考えない単純な例の目安です。一般の申告義務は、国税庁の確定申告が必要な方で判定します。

基礎控除の金額と適用時期は、国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」で確認できます。2026年改正は同年12月1日施行ですが、2026年分の所得税に適用されます。

確定申告で使う「FXの所得」の計算方法

申告要否の20万円や104万円は、口座への入金額ではなく所得で見ます。複数のFX会社を使っている場合は、各社の年間損益報告書を集めてから合算します。

FX所得 = その年に確定した為替差損益・スワップ損益の合計 − 必要経費
  1. 全口座の年間損益報告書を集める同じ年分、同じ名義の口座を漏れなくそろえます。
  2. 確定した損益を合算するA社の利益とB社の損失など、対象となる取引をまとめます。
  3. FX収入との直接性を説明できる経費を差し引く家事でも使う通信費やパソコンなどは、利用実態に沿って区分します。
  4. 過去の繰越損失を確認する以前の申告書付表を見て、使える残額と年を確認します。

含み益とスワップは、契約上の確定時点を見る

個人の一般的なFXでは、まだ決済していないポジションの評価益を、その数字だけで所得に入れるわけではありません。一方、スワップポイントは、口座へ日々反映されて受払いの権利が確定する契約もあります。「ポジションが未決済だから課税前」と一律には判断せず、年間損益報告書と利用会社の取引ルールを確認してください。課税時期が契約内容で変わり得る個別事例は、国税庁掲載のFX訴訟資料でも確認できます。

経費は、書籍やセミナー、端末代なら無条件に認められるという仕組みではありません。収入との直接性、家事利用との区分、取得額に応じた減価償却などを確認します。具体例はFXで経費にできるもの・できないものにまとめています。

国内FXの税率は20.315%|対象範囲と計算例

金融商品取引法上の対象となる国内FXの差金決済による所得は、「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税になります。2026年分の標準税率は次の合計です。

税の内訳2026年分2027〜2047年分
所得税15%15%
復興特別所得税0.315%(所得税15%の2.1%)0.165%(所得税15%の1.1%)
防衛特別所得税なし0.15%(所得税15%の1%)
住民税5%5%
合計20.315%20.315%

2027年分から付加税の名前と内訳は変わりますが、復興特別所得税が続く2047年分までは、合計税率20.315%です。防衛特別所得税は2027年分から当分の間、復興特別所得税は2047年分までとされています。

課税されるFX所得が100万円なら

所得控除の残りや繰越損失がなく、100万円全体が課税対象になる単純試算は、100万円 × 20.315% = 20万3,150円です。実際は国税・住民税の計算と端数処理が分かれるため、概算として見てください。

FX税金計算シミュレーターでは、必要経費、対象取引の損益、3年分の繰越損失を入れて概算できます。申告が必要かどうかは、このページの条件と分けて確認してください。

20.315%は「FX」という名前の取引すべてに当てはまる数字ではありません。第一種金融商品取引業者・登録金融機関以外との一定の店頭取引などは扱いが異なります。対象範囲は国税庁 No.1521、国内外の違いは国内FXと海外FXの比較で確認してください。

FXで損失が出たら|損益通算と3年繰越

FXで損失が出ても、給与や株式の利益から自由に差し引けるわけではありません。通算できるのは、法令上同じ「先物取引に係る雑所得等」に入る対象取引の範囲です。別の国内FX口座や一定の先物取引などが候補になりますが、商品名だけで決めず、国税庁 No.1522の対象取引に該当するかを確認します。

組み合わせ通算理由
対象となる国内FX口座どうしできる同じ「先物取引に係る雑所得等」の範囲
国内FXの損失と給与できない所得区分・課税方法が異なる
国内FXの損失と株式の譲渡益できない別の申告分離課税の枠
国内FXの損失と総合課税の暗号資産所得できない課税方法が異なる

控除しきれない損失は、翌年以後3年間

対象取引どうしで通算しても残った損失は、要件を満たすと翌年以後3年間、その年の「先物取引に係る雑所得等」から差し引けます。税金が出ない損失年こそ、申告の準備が必要です。

  1. 損失が出た年計算明細書と「申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)」を付けて申告します。
  2. 翌年以後取引がない年や利益がない年も、付表を含む申告を連続して提出します。
  3. 利益が出た年古い繰越損失から順に差し引き、計算明細書と付表を付けて申告します。

例:2026年に80万円の損失を申告し、2027年に30万円の対象利益が出た場合、30万円を差し引いて残り50万円を次年へ繰り越す考え方です。途中年の申告をしていない、期限後になったなどの事情があるときは、自己判断で処理せず税務署または税理士へ確認してください。

制度の要件と書類は、国税庁 No.1523「先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除」で確認できます。

FXの確定申告のやり方|集計からe-Tax送信まで

2026年分の申告・納付期限は、原則として2027年3月15日です。窓口での相談・受付は2月16日からで、e-Taxは国税庁の確定申告書等作成コーナーから進められます。

入力前にそろえる資料

  • 利用した全FX会社の2026年分年間損益報告書
  • 経費の領収書・利用割合を説明するメモ
  • 給与の源泉徴収票、公的年金等の源泉徴収票など
  • 前年以前の繰越損失が分かる申告書付表の控え
  • マイナンバーカード方式で送信する場合は、マイナンバーカードと読取り対応端末

年間損益報告書は「計算に使う資料」です。国税庁がFX申告で添付を求めるのは「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」、繰越時はさらに申告書付表です。年間損益報告書そのものは必須添付として列挙されていませんが、集計根拠として保存しておきます。

  1. 年分と本人情報を選ぶ2027年に2026年分の作成画面が公開されたら、確定申告書等作成コーナーで年分を選び、給与・年金などの情報を入力します。
  2. 「先物取引」を選ぶ申告する所得の選択で「先物取引」へ進み、「先物取引に係る雑所得等」にFXの内容を入力します。
  3. 損益と経費を入力する年間損益報告書をもとに、複数口座分を整理して入力します。繰越損失があれば前年の控えも使います。
  4. 内容を確認して送信・納付する入力に応じて第三表、計算明細書、繰越用付表などが作られます。申告データを送信し、表示された納付方法を選びます。
  5. 控えを保存する受信通知、申告書、明細書、付表、納付記録、集計に使った報告書と証憑を一緒に保管します。

2026年分の期限は国税庁「主な国税の納期限」、計算明細書と繰越用付表は国税庁 No.1522とNo.1523で確認できます。入力経路は現在公開されている2025年分のFX入力案内に基づきます。2026年分画面の公開時に表示や名称が変わることがあるため、画面内の案内を優先してください。

所得税の申告が不要でも、住民税・扶養は別

よく混ざるのが、所得税の確定申告、住民税の申告、家族が使う税の控除、健康保険の被扶養者です。同じ利益額を見ても、制度ごとに判定方法が違います。

制度2026年分で見るポイント確認先
所得税の確定申告給与所得者の20万円基準や、所得控除後の税額で判定国税庁・税務署
住民税の申告所得税申告をしない人でも、給与以外の所得があれば申告が必要な場合がある所得が生じた翌年1月1日時点の住所地の自治体
扶養親族・同一生計配偶者の所得要件一般の所得要件は62万円以下。関係、年齢、生計、扶養する側の所得など他条件もある国税庁・税務署
配偶者特別控除・特定親族特別控除62万円を超えても、所得帯などにより段階的な控除の余地がある国税庁・税務署
健康保険の被扶養者税とは別の収入基準と生計維持条件。FX所得の扱いも加入先へ確認健康保険の保険者・勤務先

住民税の基礎控除は、合計所得金額2,400万円以下なら43万円です。この金額は、そのまま「申告が必要になる線」ではありません。非課税限度額や申告義務は自治体、扶養人数、本人の状況で変わります。所得税を申告しないときは、住所地の案内を確認してください。例として、横浜市は給与以外の副収入がある人の市民税・県民税申告を案内しています。

迷いやすいケースを短く整理

FXの利益は年末調整で処理できますか?

勤務先の年末調整でFX所得の申告まで終わるわけではありません。確定申告が必要な条件に当てはまれば、自分で申告します。

FX口座から税金が自動で引かれますか?

FX口座だけで申告と納付が完了する仕組みではありません。確定申告が必要な条件に当てはまる人は、年間損益報告書をもとに自分で申告し、税金を納めます。

複数口座で、一方は利益・一方は損失です

同じ対象年分、同じ「先物取引に係る雑所得等」に入る取引なら、口座ごとの数字を合算して判定します。利益口座だけを見て申告額を決めません。

税務署に取引が伝わるか分からないので、申告しなくてもよいですか?

情報の伝わり方は申告義務の判定基準ではありません。年間損益報告書と公式条件を使って判定し、必要な申告を行います。

会社に知られないよう普通徴収を選べますか?

給与以外の所得に対する住民税で「自分で納付」を選べる場合はありますが、自治体の処理やほかの所得・控除によって希望どおりにならないことがあります。「普通徴収なら分からない」とは言い切れません。詳しくは副業FXと住民税のガイドをご覧ください。

税務署・税理士へ相談したほうがよいケース

  • 給与が複数、年金、事業、不動産、暗号資産など他所得がある
  • 医療費・寄附金・住宅関連など複数の控除を併用する
  • 未決済スワップの権利確定時期が年間報告書でも分からない
  • 海外・無登録事業者との取引、海外転居、非居住者に当たる
  • 損失繰越の申告を途中で行っていない、期限後になった
  • 家事按分、高額な端末、投資顧問料など経費判断が境界にある

まとめ|年分、立場、所得、手続きの順で確認する

  • 2026年分の所得を2027年に申告するページだと確認する
  • 20万円基準を使える給与条件か確認する
  • 全口座とほかの副所得を集め、必要経費を引いて所得を出す
  • 住民税、家族の税控除、健康保険を所得税と分ける
  • 損失を繰り越すなら、損失年から付表を含む申告を続ける
  • 原則2027年3月15日までに送信・納付し、控えと根拠資料を保存する

税額だけ先に知りたい場合はFX税金計算シミュレーターへ、経費の線引きはFXの経費ガイドへ進むと、同じ数字を使って続けて確認できます。

公式情報・編集方針

以下は2026年9月5日に確認し、2026年分の個人・国内FXを中心に本文へ反映しました。

執筆:元・金融コンサルタント トシ。税制は国税庁・自治体の公開資料で確認しています。このページは一般的な情報を整理したもので、個別の税務判断を代行するものではありません。国税は税務署・税理士、住民税は居住自治体、健康保険は加入先へご確認ください。FXはレバレッジにより、預けた証拠金を上回る損失が生じることがあります。

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