FXスイングトレードのやり方|時間足・損切りと取引例
FXのスイングトレードは、数日から数週間ほどポジションを持ち、値動きを狙う取引です。日足などで大きな流れを見て、買う・売る条件と損切りする位置を決め、その値幅から取引数量を計算します。この記事ではドル円の仮の取引を使い、注文前から週末の持ち越しまでを順に解説します。
画面を見続けずに計画を立てやすい反面、仕事中や就寝中も損益は動きます。注文前には、次に口座を確認できる時刻と、その間の発表予定も判断材料になります。数日持つことで勝ちやすくなるとは限りません。
スイングトレードの保有期間と、デイトレードとの違い
「数日〜数週間」はスタイルを区別するための目安で、必ずその日数を保有するという意味ではありません。買った理由が翌日に崩れれば、予定より早い撤退が必要になる場合もあります。目標価格に届かず保有を延長する場合も、当初の取引条件が変わっていないかが確認点になります。
スイングトレード
翌日以降の値動きも取引に含めます。保有中の発表、取引できない時間、スワップの受払いも見込んで計画します。
スイングには、数日単位の見通しをもとに計画を立てやすい面があります。一方、画面を閉じても建玉は残り、予定外のニュースで損益が動く可能性があります。職業だけで向き不向きを決めるのは難しく、たとえば翌日の夜まで口座を確認できず、その間に重要な発表がある場合は、注文を見送る選択肢もあります。
時間足は日足で流れを見て、4時間足で注文候補を絞る
ここでは、上昇の途中で一度下がったところを狙う「押し目買い」を例にします。日足で数日単位の方向を確認し、4時間足で買う条件を探す組み合わせです。使う時間足に唯一の正解はなく、この組み合わせ自体が利益を生むわけではありません。
| 見る順番 | 確認すること | 条件が合わないとき |
|---|---|---|
| 1. 日足 大きな流れ | 高値・安値が切り上がっているか。どの安値を割ると、上昇が続くという見方を変えるのか。 | 上昇を見込んだ理由が崩れた場合は、この買い計画を見送ります。 |
| 2. 4時間足 買う候補 | 下落がいったん止まり、直前の戻り高値を上抜くなど、自分が決めた反発の条件を満たしたか。 | 下落が続く場合は待ちます。価格の下落だけでは、この例の反発条件を満たしません。 |
| 3. 入口と出口 計画に戻る | 買い候補、損切り位置、利確候補を並べ、損切り幅に見合う数量で注文できるか。 | 数量・費用・次の確認時刻に無理がある場合は、条件を組み直すか見送ります。 |
日足が上向きでも、4時間足が下落中なら、この例では反発の条件を満たすまで待ちます。待っている間に日足の前提まで崩れた場合は、買い計画そのものの見直しが必要です。足の向きがそろった場合も、撤退価格とそこまでの値幅を確認し、損失予算に合う数量で注文できるかを検討します。
反発を判断する方法には、高値の更新やローソク足の確定を待つなど複数の考え方があります。使う価格や足の状態を注文前に書き残しておくと、実際の動きを同じ基準で振り返りやすくなります。複数の足の読み方はマルチタイムフレーム分析の手順で詳しく確認できます。
「どこで見方を変えるか」から考える損切り位置
損切り位置は、売買の理由が崩れる価格から考える方法があります。たとえば次の取引例では、買い候補150.00円、撤退の売り注文149.20円を仮に置きます。その0.80円の幅に、使える損失予算から数量を合わせます。
利確候補も直近の高値など、値動きの根拠から考えます。「損切り幅の2倍」という比率だけでは、利確候補の根拠にはなりません。予定日まで動かなかった場合に何を見て保有を見直すかも、計画に含めると判断しやすくなります。
戻り売りでも、下落が続くと見る理由、売る条件、撤退条件を組み合わせて考えます。押し目買い・戻り売りは手法の一例で、常にどちらかを選んで取引する必要はありません。
損切り幅から数量を決める:ドル円の一つの計画
ここからは、同じ仮の取引を注文前から週末まで順に見ていきます。価格・予算・数量は計算のための設定であり、現在の相場や推奨額ではありません。まず「数日かけて上昇すると考えたドル円を買う」と仮定します。
注文前に置いた条件
- 買いの約定価格
- 150.00円 (Ask:自分が買う価格)
- 損切りの売り注文価格
- 149.20円 (Bid:自分が売る価格)
- 利益確定の売り注文価格
- 152.00円 (Bid)
- 計算に使う損失予算
- 3,000円
- 利用商品の最小数量・注文刻み
- どちらも1,000通貨と仮定
149.20円と152.00円は、説明上の撤退・利確候補です。値幅や予定の利益と損失の比率を、すべての取引に当てはめる例ではありません。
0.80円の幅なら、3,750通貨から切り下げる
1通貨あたりの想定損切り幅
150.00円 − 149.20円 = 0.80円
予算から逆算した数量
3,000円 ÷ 0.80円 = 3,750通貨
1,000通貨刻みに合わせた注文数量
3,000通貨
4,000通貨へ切り上げると、設定価格で決済できた場合でも為替差損は3,200円になり、計算に使った予算を超えます。ここでは3,000通貨へ切り下げます。最小数量にも届かない場合は、その条件での注文を見送るか、より小さい数量に対応する商品の条件を調べる方法があります。
この計画では、利益と損失の予定比率は6,000÷2,400=2.5になります。これは置いた価格から求めた結果で、勝率や実現損益を表す数字ではありません。
上の計算は、指定した価格で決済できた場合の為替差損益だけを扱っています。急変時などに約定価格がずれれば、損失は予算を超える可能性があります。スワップや別途かかる手数料も、資金を確認する際の対象になります。
売買の実行価格をAsk/Bidで置いているため、その価格差にはスプレッドの影響が含まれています。後から同じスプレッドを差し引くと二重計上になります。約定価格のずれは金融先物取引業協会「取引スキーム」でも説明されています。
新規注文の前に、撤退価格を148.50円へ組み直すなら
まだ買っていない段階で相場の見方を再検討し、撤退条件が148.50円になったとします。買値の想定150.00円と損失予算3,000円を変えないなら、幅は1.50円となり、数量は3,000÷1.50=2,000通貨です。
152.00円の利確候補を維持すると、予定の為替差益は4,000円、差損は3,000円になります。最初の計画より利益と損失の比率は小さくなります。利確候補を変える場合は、比率だけでなく、値動きの根拠と注文条件から検討する必要があります。
この再計算は新規注文前の別計画です。すでに3,000通貨を持っているなら、損切り価格を148.50円へ遠ざけるだけで同じ予算には戻りません。そこで決済した場合の為替差損は4,500円になります。保有後に撤退条件を変える場合は、当初の理由と、変更後の想定損失の両方が判断材料になります。
対円ペア以外は、損益の円換算も必要になります。通貨ごとの単位や資金全体との関係はポジションサイズの決め方、自分の数値での試算はFXポジションサイズ計算機で確認できます。
注文を出したら、未約定か約定済みかで確認を分ける
注文を受け付けた表示と、取引が成立した表示は別です。新規注文がまだ約定していない場合は、注文一覧の価格・数量・期限に加え、待っている間に買う理由が変わっていないかが確認点になります。理由が崩れた場合は取消を検討し、操作後も、取消済みか、先に約定して建玉ができていないかを確認します。
約定したら、建玉と決済注文を照合する
買い注文だけが成立して、予定した決済注文が入っていなければ、決済についての計画が口座に反映されていません。新規約定後に建玉と決済注文を照合すると、このような違いを確認できます。
- 通貨ペア・売買・数量:今回の例ならドル円の買い3,000通貨と、その建玉に対する売りの決済注文の組み合わせを確認します。
- 実際の新規約定価格:約定履歴の価格と数量を使い、損切り価格までの為替差損を計算し直します。実際の約定価格は、注文前の想定価格と同じとは限りません。
- 価格・注文方法:利確の指値152.00円と、損切りの逆指値149.20円が設定どおりになっているかを確認します。チャートがBid/Askのどちらを表示しているかも確認点です。
- 有効状態・期限:注文一覧での有効状態と、保有予定期間の途中で期限が来ないかを確認します。
- 資金と次の確認時刻:必要証拠金、余力、ロスカット条件に加え、次に口座を見られる時刻を確認します。
新規の約定価格が150.30円だったら
前の取引例と、新規約定の価格だけが異なる場合を考えます。150.00円付近で買えると想定して価格を指定しない成行注文を出し、実際には150.30円(Ask)で3,000通貨が成立したと仮定します。損切りの売り注文を149.20円(Bid)に置き、そこで決済できた場合の為替差損は、(150.30 − 149.20)× 3,000 = 3,300円になります。
同じ数量と損切り価格でも、入口が変わると、当初の損失予算3,000円を超えます。約定履歴と建玉をもとに、保有を続ける・減らす・決済する場合を改めて比較できます。建玉を変更した場合は、決済注文の数量や有効状態の照合も必要です。数量を減らす場合の考え方は、確定した損益と残る建玉を合わせた予算の見直しで説明しています。
実際の相場や約定実績ではなく、新規約定価格のずれを確認するための別ケースです。150.00円の買い指値が150.30円で成立する例ではありません。スワップ・別途手数料は除外し、出口の約定価格もずれる可能性があるため、3,300円も損失上限ではありません。
OCO注文は、二つの注文の一方が成立すると他方を取り消す組み合わせです。新規注文と利確・損切りを組み合わせるIFO注文もあります。新規注文と決済注文で有効期限の扱いが異なる商品もあるため、新規約定後にも決済側の注文が意図した状態・期限で残っているかを確認する必要があります。対応する種類や操作は利用口座の案内で確認できます。名称から整理するならFXの注文方法、仕組みの一次資料は金融先物取引業協会の注文方法解説を参照できます。
自分で置く損切り注文と、業者の基準で実行されるロスカットは別のものです。ロスカットの水準は各社で異なり、相場急変などで預けた証拠金以上の損失が生じることもあります。損切り価格に達する前にロスカットされる可能性もあります。詳しくは、ロスカットの仕組みと留意点で確認できます。
保有中は、価格・予定・スワップの三つを見直す
保有中は、損益に加えて注文の有効期限や発表予定も確認点になります。利確できないまま保有予定日を迎えた場合も、次の三つが判断材料になります。保有を延長する理由が続いているかを確認し、延長する場合は次の見直し時刻を決めておくと、経過を追いやすくなります。
- 取引の理由:想定した上昇が続くと考えられるか、撤退条件に達していないかを確認します。保有期間を延ばす場合も、この条件から検討できます。
- 次の確認までの予定:政策発表や指標、口座の取引終了・メンテナンス時間を確認します。建玉を変更した場合は、決済注文の数量や有効状態も照合します。
- 保有にかかる費用と資金:売買別スワップ、付与日数、余力を確認します。別の建玉がある場合は、その損失も含めて考えます。
発表予定は経済指標カレンダーから確認し、政策会合は日本銀行の金融政策決定会合や米FRBのFOMC予定でも照合できます。予定されたイベントがなくても、突発的なニュースは起こり得ます。
数日でも、支払スワップが差益を上回ることはある
スワップは受け取りになる場合も、支払いになる場合もあり、金額は変わります。付与日数は受渡日の繰り延べに関係するため、単純に「保有した日数」と同じにはなりません。各社の売買別スワップと付与カレンダーで確認できます。仕組みは金融先物取引業協会「スワップポイントについて」に説明があります。
費用の影響だけを見る仮の計算
先ほどと同じ3,000通貨で、仮に1,000通貨あたり1日分の支払額が30円、付与カレンダー上の合計が7日分なら、支払いは30円 × 3 × 7 = 630円になります。為替差益が500円でも、スワップを合わせると130円の損失です。
この支払額は実在する商品の金額ではなく、実際のドル円買いの受払方向も示していません。計算例として一定額を置き、別途手数料は除外しています。7日間の保有で必ず7日分付くという意味でもありません。
実際のスワップ表では「何通貨あたり」「何日分の金額か」によって計算が変わります。すでに複数日分が合算された金額へ、付与日数をもう一度掛けると過大計算になります。保有数量に合わせて対象日の受払額を積み上げると、重複を避けて計算できます。
保有を延長する場合は、支払額が変わったときの負担も判断材料になります。確認する欄については、スワップの受払いと付与日数の見方で解説しています。複数の建玉や注文を照合する手順はポジション管理の確認方法にまとめています。
週末を持ち越す前に、想定より悪い決済価格で考えてみる
週末の取引停止中にもニュースは出ます。再開時の価格が直前から離れると、置いていた逆指値の価格より不利に決済されることがあります。ここでは、最初の計画の買い3,000通貨を持ち続けた場合を考えます。
150.00円で3,000通貨を買った
149.20円で決済できれば、為替差損は2,400円になる計画です。
149.20円の逆指値を残している
取引できない時間があります。逆指値を置いても約定価格の保証にはなりません。
実際の売り決済が148.50円だった
(150.00 − 148.50)× 3,000 = 為替差損4,500円。計算に使った3,000円を超えます。
これは価格が飛んだ場合の損益を理解するための仮定で、実際の相場や約定実績ではありません。すべての会社で週明けの始値に約定すると示すものでもありません。注文の執行条件は利用口座の取引説明書で確認できます。スリッページの説明は金融庁の監督指針 IV-3-3-4にもあります。
建玉がなくても、未約定の新規注文を確認する
建玉がなくても、有効な新規注文が残っていれば、取引再開時に約定する可能性があります。週明けも同じ条件で取引するかを検討し、見送る場合は取消しの結果まで確認すると、注文が残っていないかを判断できます。IFOで新規と決済の条件に達した場合の扱いも、利用商品の取引ルールで確認できます。
「維持する・減らす・持たない」を選び直す
将来どれだけ価格が飛ぶかは分かりません。上の4,500円も最大損失ではありません。週末の持ち越しは、次の三つの状況から検討できます。
当初の理由が崩れた
予定していた保有日数にかかわらず、最初に決めた撤退条件から決済を検討する場面です。
急変時の損失や、再開時に対応できないことを受け入れられない
取引終了前に決済して持ち越さない方法や、数量を減らす方法があります。ただし、減らしても損失上限は保証されません。
理由が続き、費用と急変のリスクも確認した
維持する場合も、決済注文の有効状態、資金、取引再開時刻、次の確認時刻が確認点になります。
一部だけ決済して数量を減らした場合は、すでに確定した損益やスワップも含めて、残りの建玉に使える損失予算を計算し直します。最初の3,000円を、そのまま残りの建玉へ割り当て直すわけではありません。
取引終了・再開時刻は会社や季節で異なるため、利用口座の案内にある時刻が基準になります。価格が離れて始まる仕組みはFXの窓開けと持ち越しリスクで詳しく確認できます。
必要な資金は、保有期間だけでは決まらない
スイングに必要な資金は、数十万円、数万円と一律には決まりません。注文に必要な証拠金と、値動きによって失う可能性のある金額を分けると、必要な資金を整理しやすくなります。今回の損失予算3,000円も、口座への必要入金額ではありません。
数量と損切り幅から想定損失を計算したうえで、必要証拠金を用意できるかを照合します。ほかの建玉、費用、急変時の損失も含め、生活に必要な資金を確保できる範囲に収まるかが判断の基準になります。証拠金の計算はFXの必要証拠金と余力で確認できます。
口座は、今回の計画を実際に注文できるかで確認する
- 最小取引数量と注文刻み:計算した数量へ切り下げて注文できるか。
- 決済注文の種類と期限:利確・損切りを組み合わせられるか。保有期間の途中で注文が失効しないか。
- スワップとスプレッドの条件:売買別の受払い、日付別の付与日数、スプレッドの適用時間と例外を確認できるか。
- ロスカットと取引時間:実行基準、メンテナンス、週末の停止時間を把握できるか。
通貨ペアを選ぶ際は、その商品の単位・費用と、関連する国の発表予定が判断材料になります。通貨の特徴は通貨ペアの種類と選び方、口座の候補はFX口座の比較・選び方で確認できます。
FXは元本や利益が保証されず、預けた証拠金を超える損失が生じる可能性があります。数日保有することや、注文方法を工夫することだけで、そのリスクがなくなるわけではありません。具体的なリスクは、金融庁のFXに関する注意事項や利用商品の契約締結前交付書面で確認できます。
取引を終えたら、損益だけでなく計画との違いを残す
決済後は、新規と決済それぞれの約定価格、数量、為替差損益、スワップ、手数料が振り返りの材料になります。次の三点も書き残しておくと、計画との違いを整理しやすくなります。
- 最初に決めた理由・撤退条件に沿って取引できたか。
- 保有中に予定や費用が変わり、何を選び直したか。
- 注文価格と約定価格が違った場合、計画の損益からいくらずれたか。
今回の例なら、149.20円で決済した2,400円の損失と、週明け148.50円で決済した4,500円の損失では、同じ損失でも振り返る点が異なります。前者は売買の見立てと計画、後者は持ち越し判断と約定ずれも確認対象になります。一度の利益だけでは、手法の有効性までは判断できません。
次の注文前に残す、六つのメモ
注文前に予定を書き、送信後に約定や注文の状態を追記できるメモです。
- 入る理由:日足の見方と、4時間足で待つ条件。
- 入口と出口:売買する価格、撤退する価格、利確候補。
- 数量:損失予算と値幅から計算し、注文刻みに合わせた通貨数。
- 注文の状態:新規・決済それぞれの数量、期限、有効状態。
- 次の確認:口座を見る時刻、その前にある発表、保有を見直す予定日。
- 持ち越し:スワップの受払いと、週末をまたぐかの判断。
未確認の条件を書き残しておくと、注文前に調べる項目を整理できます。注文の入力と確認を練習したい場合は、デモ取引で注文・決済を練習する方法もあります。デモの約定や損益が、そのまま本番で再現されるとは限りません。