制度・安全性

ゼロカットと追証とは?国内FXに無い理由と、借金を避ける口座の選び方

ゼロカットが国内FXに無い理由と、追証(借金)を避ける口座の選び方を、制度の根拠から整理します。通常相場でまず起きない仕組みと現実的な備えまで。

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この記事の結論
  1. ゼロカットとは、証拠金を超えた損失(マイナス残高)を業者が肩代わりし、残高をゼロに戻す仕組みです。国内FXには存在しません。金融商品取引法第39条(損失補塡等の禁止)が、業者による損失補填を禁じているためです。
  2. 「国内なら誰でも借金を負う」という理解は言い過ぎです。分けて考えるべきものが2つあります。維持率が基準を割ったときの追証(制度)=会社によって有無が分かれるものと、ロスカットが間に合わずマイナスに落ちた未収金=借金=どの国内会社でも起こりうる法的債務です。ただし通常の相場では、未収金はまず発生しません。
  3. 借金化を抑える鍵は、資金管理と口座選びの2つです。低レバ運用・逆指値・維持率の余裕に、最低取引単位が小さい口座を組み合わせます。海外FXのゼロカットは追証を消しますが、出金拒否などの業者リスクは残ります。
目的から選ぶ(早見)
ゼロカットの意味を知りたい証拠金を超えた損失を業者が肩代わりし、残高をゼロに戻す仕組み。国内には無い§1へ
国内に無い理由を知りたい金商法39条が業者の損失補填を禁じているため。海外は同法の管轄外§2へ
追証・借金が怖い/避けたい通常相場ではまず起きない。低レバ・逆指値・維持率の余裕+口座選びで確率を下げられる§5へ
海外FXは安全なのか追証は消えても、出金拒否・無登録などの業者リスクは残る§4へ
ヒナコ

ヒナコ

海外FXの広告で「ゼロカットだから借金にならない」ってよく見ます。国内FXだと、負けたら借金になってしまうんですか?

トシ

トシ

いや、そこが最大の誤解だ。国内でも通常の相場ならロスカットで止まる。借金化するのは、急変でロスカットが間に合わず、残高がマイナスへ突き抜けた分だけだ。

ヒナコ

ヒナコ

じゃあ「追証」って言葉をよく聞きますけど、あれは借金とは違うんですか?

トシ

トシ

「追証」は二つに分けて考えろ。維持率が基準を割ったときの追加入金=制度としての追証は、国内でも会社で有る無しが分かれる。本当に怖いのはマイナス残高=未収金、これが法的な借金だ。ここを分けて理解すれば、口座選びの軸が見えてくる。

1. ゼロカットとは何か──「マイナスを業者が肩代わりする」仕組み

ゼロカットは「借金を消す魔法」ではなく、業者がマイナス分を肩代わりする"後始末"の仕組みです。

ゼロカットとは、相場の急変で口座残高がマイナスに落ちてしまったとき、そのマイナス分を業者が肩代わりし、残高を0円に戻す仕組みです。海外FX業者の一部が採用しています。顧客の側から見れば、預けたお金は失っても、それ以上のマイナス(=借金)まで背負わずに済む──ここがメリットとして語られる部分です。

数字に置き換えると、イメージがつかみやすくなります。たとえば10万円を入金してポジションを持ち、急落で15万円の損失が出たとします。損失が入金額を5万円上回り、口座残高は「−5万円」です。ゼロカットがあると、この−5万円を業者が肩代わりし、残高は0円に戻ります。顧客が追加で5万円を請求されることはありません。

⚠注意点:ゼロカット=損失ゼロ、ではありません。 上の例で顧客が失った10万円は戻ってきません。消えるのは「マイナスに突き抜けた5万円」だけであり、預けた証拠金そのものは損失として残ります。「ゼロカットがあれば損をしない」という理解は誤りです。ここを取り違えると、リスクの見積もりが甘くなります。
ゼロカットの仕組み(3ステップ) 1 急変で残高がマイナスに 入金10万円 − 損失15万円 = −5万円 2 業者がマイナス分を肩代わり −5万円を業者が負担 (顧客への追加請求なし) 3 残高を0円にリセット 借金は残らない 消えるのは"マイナスに突き抜けた分"だけ 預けた証拠金(=損失)は戻らない。国内FXにこの仕組みは無い(理由は§2)
図①:ゼロカットは追証(マイナス残高)を消すが、預けた資金の損失までは戻さない。国内FXにこの仕組みは無く、その理由は§2で解説します。

ゼロカットとロスカットの違い

「ゼロカット」と「ロスカット」は名前が似ているため混同されがちですが、役割も、はたらくタイミングも別物です。ここを分けて理解すると、後半の口座選びがぐっと分かりやすくなります。

順番で言えば「ロスカット(防ぐ)→ それでも突き抜けたら → ゼロカット(後始末)」という関係です。国内FXにはこの"後始末"が無いため、突き抜けた分は§3で解説する未収金(借金)として残ります。ロスカットの水準や計算の詳細はロスカットの仕組みと計算で解説しています。

2. なぜ国内FXにゼロカットが無いのか──金商法39条という分岐点

国内にゼロカットが無いのは、業者がケチだからではありません。「投資家保護の枠組み」そのものが理由です。

国内FXと海外FXの分岐点は、たった一つの法律にあります。金融商品取引法(金商法)第39条です。この条文は「損失補塡等の禁止」を定めており、金融商品取引業者が顧客に対して損失を補填したり、あらかじめ利益を約束したりする行為を禁じています。

ゼロカットは、業者が顧客のマイナス(=損失の一部)を肩代わりする行為です。つまり「損失補填」に当たります。国内業者は金商法39条の管轄下にあるため、この仕組みを提供できません。これが「国内FXにゼロカットが無い」ことの、たった一つの根本的な理由です。

なぜ、そんな法律があるのか──損失補填が禁じられた背景

多くの解説は「39条で禁止だから」で話を止めてしまいます。ただ、そこからもう一歩踏み込むと、国内制度の見え方が変わってきます。

損失補填の禁止には、歴史的な背景があります。バブル期の1991年ごろ、証券会社が大口顧客の損失を補填していたことが社会問題化しました。特定の顧客だけを救済する損失補填は、市場の公正さや「自己責任で投資する」という大原則を揺るがします。この問題を受けて損失補填を禁じるルールが旧・証券取引法で整えられ、その考え方が2007年に施行された金融商品取引法の第39条へと引き継がれています。

この視点に立つと、国内にゼロカットが無いことは「業者の出し惜しみ」ではなく、投資家保護と市場の公正のための制度設計だと捉え直せます。国内FXは、その代わりに次章以降で触れる資金管理と口座選びで、借金化のリスクをコントロールする世界だと言えます。

なぜ海外FXはゼロカットを出せるのか──規制差と収益構造

海外FX業者がゼロカットを出せる理由は、大きく2つの層に分けられます。

ここで公平を期すために補足します。国内FXの多くは「DD方式(相対取引)」とされますが、これは日本の規制下で合法に運用され、後述する信託保全も義務づけられています。海外FXアフィリエイトが使いがちな「国内DD=呑み行為=悪」という一方的なフレームは、正確ではありません。方式の違いは優劣ではなく、規制環境の違いとして中立に捉えてください。国内と海外の総合的な比較は国内FXと海外FXの比較で扱います。

分岐点は「法律」──金商法39条 金融商品取引法 第39条 損失補塡等の禁止 国内FX業者 39条の管轄内 損失補填ができない マイナス残高は追証(法的債務)に ※通常相場ではロスカットで止まる 海外FX業者 39条の管轄外 損失補填が可能 ゼロカットで残高0に ※業者リスクは別に残る(§4)
図②:分岐点は「法律」です。国内は投資家保護の枠組みとして損失補填を禁じており、その代わりに信託保全などの制度的保護があります。海外はゼロカットを出せますが、業者自体の信頼性は別問題です。

3. 追証とは・国内で本当に借金は起きるのか──「制度」と「借金」を分ける

この記事の核心です。「追証」を二つに分けると、"怖さ"の正体と、口座選びの軸が同時に見えてきます。

「追証」は「おいしょう」と読み、追加証拠金の略です。ところが、この一語が二つの異なるものを指してしまうため、多くの人が誤解します。海外FXの広告が唯一ぼかしているのも、まさにこの部分です。分けて整理します。

(a) 追証(制度)=証拠金判定による追加入金の要求

一つ目は、証拠金維持率が各社の基準を割り込んだときに、追加入金(または建玉の一部決済)を求められる仕組みです。これがいわゆる「追証(制度)」やマージンコールです。

重要なのは、この制度は国内でも会社によって有る/無いが分かれるという点です。たとえばJFX(MATRIX TRADER)やヒロセ通商(LION FX)は、証拠金判定による追証制度を設けず、ロスカットのみで対応します。一方、DMM FXや松井証券には、証拠金維持率が基準を割ると追加入金を求める追証制度があります。「国内=どの会社でも追証(制度)がある」わけではない、というのが最初のポイントです。

(b) 未収金=マイナス残高=借金

二つ目が、本当に警戒すべきものです。急変でロスカットが間に合わず、口座残高がマイナスまで突き抜けてしまった、その不足分です。これは業者に対する未収金=法的な債務=借金になります。強制決済のあとに残った不足金には、通常の借金と同じように返済義務が残ります。

そして、この未収金はどの国内会社でも、条件がそろえば起こりうるものです。国内は金商法39条によりゼロカット(損失補填)ができないため、突き抜けた分を消せないからです。つまり、(a)の追証(制度)は会社ごとに違っても、(b)の未収金リスクは国内共通の宿命だと理解してください。

⚠正確に線を引きます。 「国内なら誰でも借金する」も誤りですが、逆に「国内でも借金は決して起きない」と言い切ることもできません。正しくは、通常の相場ではロスカットが機能して、未収金はまず発生しません。ただし窓開けやフラッシュクラッシュのような急変では、現実に起きたことがある──この両面を押さえるのが誠実な理解です。

追証(未収金)が発生するメカニズム

未収金がどう生まれるのかを、順を追って見ていきましょう。ふだんはロスカットが働くため、未収金は生まれません。問題になるのは、価格が飛ぶように動く場面です。

具体例で見ます。証拠金50万円でポジションを保有中に急落が起き、決済できたときには損失が80万円まで拡大していたとします。口座残高は「50万円 − 80万円 = −30万円」です。このマイナス30万円が未収金として請求されます。窓開けの詳しい仕組みは窓開け(ギャップ)の仕組みで解説しています。

歴史が示す現実──2015年スイスフランショック

これは机上の話ではありません。2015年1月15日のスイスフランショックが典型例です。スイス国立銀行が対ユーロの上限を突然撤廃し、スイスフランが数分で急騰しました。ロスカット注文が想定どおりに約定せず、多くのトレーダーの残高がマイナスに落ちました。

国内FXでも実害が出ています。金融先物取引業協会(FFAJ)の「ロスカット等未収金発生状況」によると、このショックで国内FXの未収金(ロスカットが間に合わずマイナスになった残高)は合計1,229件・約33.88億円に達しました。内訳は個人が1,137件・約19.48億円、法人が92件・約14.40億円です。想定より大きく不利なレートで約定し、数百万円規模の損失と、証拠金を超える借金が残ったケースが広く共有されています。

急変は一度きりではありません。2019年1月のフラッシュクラッシュでも、年始の薄商いのなかでドル円が数分で約4円急落するなど複数通貨で価格が飛び、FFAJ集計で未収金は6,598件・約9.43億円に達しました。頻度は低いものの、現実に起きているという事実は押さえておいてください。

追証(借金)を払えないとき、どうなるのか

読者が最も不安に感じる点にも触れておきます。強制決済のあとに残った未収金は、返済義務のある債務です。督促に応じないと、信用情報や法的措置に発展する可能性があります。

支払いが難しい場合、自己破産という選択肢自体は存在します。ただし、FXのような投機的な取引による借金は「免責不許可事由」に当たりうるとされ、手続きが単純ではありません。一方で、実務では裁判所の裁量により免責が認められるケースも多いと説明されます。ここは個別事情で結論が変わるため、当サイトとして断定はしません。追証が発生したら、まず取引した業者へ連絡し、支払いが難しいときは法テラス(日本司法支援センター)などの公的窓口へ早めに相談する、という現実的な行動をおすすめします。

追証(未収金)が生まれるのは"急変時"だけ 通常時 損失拡大 → 維持率が基準割れ → ロスカット発動 → 損失は限定・残高プラス 未収金なし 急変時 窓開け/フラッシュクラッシュで価格が飛ぶ → ロスカットが間に合わず、想定外レートで約定 → 残高がマイナスへ突き抜け 未収金 =借金 証拠金50万円 −(損失80万円)= −30万円 ←この不足分が未収金 2015年 スイスフランショック 国内FX未収金:合計1,229件・約33.88億円 個人1,137件・約19.48億円 法人92件・約14.40億円(FFAJ集計) 2019年 フラッシュクラッシュ ドル円が数分で約4円急落 未収金6,598件・約9.43億円 (FFAJ集計)
図③:追証(未収金)は通常時にはまず生まれません。生まれるのは、ロスカットが追いつかない急変時に、残高がマイナスへ突き抜けたとき。頻度は低いものの、過去に現実に起きています。だからこそ§5の備えが効いてきます。

4. 「ゼロカットだから安全」は誤解──海外FXの落とし穴

ゼロカットは"追証"を消せます。しかし"業者リスク"までは消せません。ここを取り違えると、別の形で資産を失います。

「ゼロカットがあるから海外FXは安全」という見方は、二重の意味で危ういです。一つは、そもそもゼロカットが「効かない」条件があること。もう一つは、追証が無くても業者そのものに別種のリスクがあることです。順に見ていきます。なお、当サイトは海外FXを推奨する立場ではありません。あくまで判断材料として整理します。

ゼロカットが「効かない・適用されない」ことがある

ゼロカットは常に無条件で働くとは限りません。海外FXの実務では、次のような場面で適用外になったり、想定が崩れたりすると指摘されています。

ゼロカットがあっても残る、5つの業者リスク

追証が無いこと自体は魅力に見えます。しかし、それと引き換えに「業者ごと」のリスクを抱えることになります。

中央のメッセージ:ゼロカットは"追証(マイナス残高)"を消せても、"業者リスク(出金拒否・破綻)"は消せません。 追証リスクは、次章の資金管理でかなりコントロールできます。しかし業者リスクは、自分の努力では制御が難しい種類のリスクです。出金拒否や無登録業者の実態は海外FXの危険性・出金拒否トラブルで詳しく解説しています。

国内業者の制度的な強み

裏返すと、国内業者には制度に裏打ちされた強みがあります。

海外FXの落とし穴(ゼロカットでは消せないリスク) ① 出金拒否 利益が出ても 規約違反を理由に 拒まれることも ② 無登録 金融庁未登録= 信託保全なし・ 破綻で戻らない恐れ ③ ボーナス消滅 高額ボーナスで誘引 出金時に消える 条件が隠れることも ④ 執行遅延 反映までの タイムラグが 不利に働くことも ⑤ 禁止取引で適用外 両建て・窓開け狙い などは規約違反で 補填されない 追証は消せても、業者リスクは消せない 国内業者の制度的な優位性 金融庁の登録・監督 行政の管理下で業務 信託保全の義務 顧客資産を分別管理 レバレッジ規制 個人は原則25倍まで
図④:ゼロカットという一点では海外が有利に見えますが、出金拒否・無登録・ボーナス消滅などの業者リスクが残ります。国内は金融庁の監督・信託保全・レバレッジ規制という制度的な保護があります。追証リスクは資金管理で下げられますが、業者リスクは自力で制御しにくい点を重く見てください。

5. 【本題】国内で追証(借金)を避ける4つの対策と口座選び

追証(未収金)は"運"ではなく"設計"で遠ざけられます。入口・出口・バッファ・仕組みの4点で守ります。

ここが本題です。国内で未収金(借金)を負う確率は、資金管理と口座選びで大きく下げられます。精神論ではなく、実際に手を動かせるレベルまで具体化して、4つの対策にまとめました。どれか一つに頼るのではなく、重ねて使うのがポイントです。

対策① 入口を絞る──実効レバレッジを3〜5倍の目安に

最大レバレッジ25倍を"上限いっぱい"まで使うと、わずかな逆行でもロスカットに達し、急変では突き抜けやすくなります。目安として、実効レバレッジ(ポジションの金額 ÷ 有効証拠金)を3〜5倍程度に抑えると、急変時でもロスカットが間に合う余裕が生まれます。証拠金に対して建玉を大きくしすぎないこと。これが、未収金を遠ざける何よりの守りになります。レバレッジの考え方はレバレッジとはで解説しています。

対策② 出口を決める──エントリーと同時に逆指値を置く

ポジションを持つと同時に、逆指値(ストップ)をセットで置く習慣をつけます。1回の取引で許容する損失は、証拠金の一定割合(たとえば2%程度)までと決めておきましょう。こう手順にしておくと、損失が想定の範囲で止まりやすくなります。

⚠正直に書きます。逆指値は万能ではありません。 窓開けやフラッシュクラッシュでは、逆指値の価格を飛び越えて約定するため、滑って想定より不利なレートで決済されます。逆指値は「通常時の損失を限定する道具」であって、「急変時の完全な保険」ではない、と理解してください。損切りの詳しい設計はロスカットの仕組みと計算で扱います。

対策③ バッファを持つ──証拠金維持率に余裕を

必要証拠金ギリギリで建てると、少しの逆行でロスカットに達します。証拠金維持率を高め(目安として常時300〜500%以上)に保つと、急変時のバッファになります。維持率は「有効証拠金 ÷ 必要証拠金 ×100」で計算します。余裕を持たせるほど、ロスカットが間に合う確率が上がります。維持率の考え方はFXの証拠金・維持率とはで解説しています。

対策④ 仕組みで守る──口座のスペックで選ぶ

同じ取引でも、口座のスペックしだいで未収金の起きにくさが変わります。次の3要素で選びます。

もう一段の備え(チェックリスト)

4対策に加えて、次を習慣にすると実効性がさらに上がります。

未収金(借金)を遠ざける4つの守り 1 入口を絞る レバレッジ 実効3〜5倍 の目安に抑える 2 出口を決める 逆指値(ストップ) 同時にセット ※窓開けでは滑る 3 バッファを持つ 証拠金維持率 常時300〜500% 以上を目安に 4 仕組みで守る 口座選び 最低取引単位・ ロスカット水準・ 通知/約定力
図⑤:4つは単独ではなく重ねて使います。入口(レバ)で過大ポジションを防ぎ、出口(逆指値)で損失を区切り、バッファ(維持率)で急変に耐え、仕組み(口座)で土台を固めます。

国内主要FX口座の比較(追証・急変への備えで見る)

各社の最低取引単位・ロスカット水準・追証(証拠金判定)の有無を、「追証・急変への備え」という観点で並べました。スプレッドやスワップは他ページに委ね、ここでは絞っています。数値・単位はすべて目安です。

会社名最低取引単位ロスカット水準(維持率の目安)追証(証拠金判定)の有無こんな人向け
DMM FX1,000通貨(ミニ・主要4ペア)維持率50%あり(維持率100%未満で発生)大手の安心感と低スプレッドで選びたい
松井証券1通貨50〜90%で選択可あり少額から過大ポジションを避けたい
JFX(MATRIX TRADER)1,000通貨有効比率100%未満で発動なし(ロスカットのみ)約定力・スピードを重視したい
ヒロセ通商(LION FX)1,000通貨維持率100%なしサポート・早め決済を重視したい
FXブロードネット1,000通貨(ブロードライトコース)維持率100%相当(ブロード25S)コース依存通知で維持率を管理したい

表の注記:上記の数値・単位はすべて目安です。各社が定めるロスカット水準・最低取引単位・追証の扱いは変更される場合があります。取引の前に各社公式サイトで最新情報をご確認ください。「未収金=借金」は国内共通で起こりうる一方、「証拠金判定による追証制度」の有無は会社で分かれます(本文§3参照)。
あわせて:本格的な低リスク運用(レバ1倍・少額積立など)の視点で選びたい方は低リスクなFXの始め方・口座選びをご覧ください。本ページの比較は「追証・急変への備え」に絞っています。

6. 追証を抑えやすい国内FX口座 おすすめ順位

この順位は「スプレッドの安さ」でも「スワップの高さ」でもありません。"急変・追証への強さ"で並べています。

順位の考え方を先に示します。ここでの並びは、ポジションを大きくしすぎず、早めにロスカットで撤退でき、システムが滑りにくいかという「追証・急変耐性」の観点で選んだものです。人によって合う口座は変わるため、あくまで一つの見方として参考にしてください。各社のスペックは変更される場合があるため、最新は各社公式でご確認ください。

1 DMM FX

大手ならではの安心感があり、主要通貨ペアのスプレッドが狭いため、無駄な損失を抑えやすい口座です。さらに2025年1月から主要4ペアでミニ(1,000通貨単位)に対応し、少額からポジション量を調整しやすくなりました。ロスカットのルールが分かりやすく、アプリの通知で証拠金維持率を管理しやすい点も、急変への備えとして働きます。なお、DMM FXは維持率100%を下回ると追加入金を求める追証制度があるため、低レバ運用と維持率の余裕をセットにして使うのが基本です。

ここがポイント:大手の安心感+主要ペアの低スプレッド+ミニ(1,000通貨)対応。維持率を管理しやすい環境で、過大ポジションを避けやすい。

2 松井証券

追証を抑えるという観点では、材料が非常に強い口座です。1通貨から取引できるため、証拠金に対して過大なポジションを持ちにくく、さらにロスカット率を個人が50〜90%の範囲で高めに設定できるため、早めの撤退で未収金を遠ざけやすくなります。少額から始めたい人、資金管理を細かくしたい人に向いています。

ここがポイント:1通貨+ロスカット率の設定で、過大ポジションと決済遅れの両方に手当てできる。

3 JFX(MATRIX TRADER)

急変時に効いてくるのが約定力です。JFXは約定の強さに定評があり、ロスカット注文の遅延(滑り)を抑えやすいとされます。ロスカットが想定に近いレートで通るほど、未収金へ突き抜ける確率は下がります。また、JFXは証拠金判定による追証制度を設けず、ロスカットのみで対応する点も、急変への備えを考えるうえで分かりやすい特徴です。約定やスピードを重視するトレーダーに向いています。

ここがポイント:約定力でロスカットの遅延を抑え、突き抜けリスクを下げる。追証制度なし(ロスカットのみ)。

FX取引は、レバレッジを利用するため、相場の急変時には預けた証拠金を超える損失が生じる可能性があります。国内FXにはゼロカットが無いため、口座残高がマイナスに突き抜けた場合、その不足分は法的な支払い義務のある債務(未収金)となります。取引は生活に影響のない余裕資金で行い、レバレッジ・逆指値・証拠金維持率による資金管理を前提としてご利用ください。本ページの内容は情報提供を目的としたものであり、特定の取引や投資成果を保証するものではありません。

まとめ

判断の順番で整理
  1. ゼロカットは"追証(マイナス残高)を消す後始末"であって、損失そのものを消す仕組みではありません。国内に無い理由は、金商法39条が損失補填を禁じているためです。これは投資家保護の枠組みでもあります。
  2. 「追証」は二つに分けて考えます。会社によって有無が分かれる「追証(制度)」と、どの国内会社でも起こりうる「未収金=借金」。怖いのは後者ですが、通常相場ではまず発生しません。
  3. 海外FXのゼロカットは追証を消しても、出金拒否や無登録といった業者リスクは残ります。追証リスクは資金管理で下げられますが、業者リスクは自力で制御しにくいものです。
  4. 国内で借金化を遠ざける鍵は、低レバ・逆指値・維持率の余裕という資金管理と、最低取引単位が小さくロスカットを管理しやすい口座選びの組み合わせです。

急変は予告なくやってきます。だからこそ、起きてから慌てるのではなく、入口・出口・バッファ・仕組みの4点をあらかじめ設計しておくこと。それが、国内FXで長く生き残るための現実的な備えになります。

よくある質問(FAQ)

Q. ゼロカットとは何ですか?国内FXにもありますか?

ゼロカットとは、相場の急変で口座残高がマイナスになったとき、そのマイナス分を業者が肩代わりし、残高を0円に戻す仕組みです。海外FXの一部が採用しています。国内FXには存在しません。日本の金融商品取引法第39条が、業者による損失補填を禁じているためです。なお、ゼロカットがあっても、預けた証拠金そのものは損失として失われます。「損失がゼロになる仕組み」ではない点に注意してください。

Q. 国内FXで追証(借金)は本当に起きますか?どんな時ですか?

通常の相場では、ロスカットが機能するため、証拠金を超える借金(未収金)はまず発生しません。起こりうるのは、週明けの窓開けやフラッシュクラッシュのような急変で、ロスカットが間に合わず、残高がマイナスまで突き抜けたときです。2015年のスイスフランショックなどで現実に発生しています。頻度は低いものの、ゼロではない、という理解が正確です。

Q. 追証を払えないとどうなりますか?自己破産はできますか?

強制決済のあとに残った不足金(未収金)は、返済義務のある債務です。督促に応じないと、信用情報や法的措置に発展する可能性があります。自己破産という選択肢自体はありますが、投機的な取引による借金は免責が単純に認められるとは限らず、個別事情によって結論が変わります。まずは取引した業者へ連絡し、支払いが難しいときは法テラス(日本司法支援センター)などの公的窓口へ早めに相談することをおすすめします。

Q. 海外FXのゼロカットは安全ですか?

ゼロカットによって追証(マイナス残高)は避けられますが、業者そのもののリスクは残ります。多くの海外FX業者は金融庁に未登録で、信託保全の義務がなく、出金拒否や口座凍結のトラブルも報告されています。禁止取引に該当するとゼロカットが適用されないこともあります。「ゼロカットがあるから安全」とは言い切れません。当サイトは、金融庁の監督下にある国内FXの利用をおすすめしています。

Q. 国内で追証を避けるにはどうすればいいですか?どんな口座が向いていますか?

資金管理と口座選びの組み合わせが基本です。資金管理では、実効レバレッジを3〜5倍程度に抑え、エントリーと同時に逆指値を置き、証拠金維持率に余裕(目安300〜500%以上)を持たせます。口座選びでは、最低取引単位が小さく過大ポジションを避けやすい口座、ロスカット水準を管理しやすい口座が向いています。ただし逆指値も急変時には滑るため、週末や重要指標前の持ち越しを控えることも大切です。

監修・一次情報の出典

本記事は、以下の公的機関・一次情報に基づいて作成しています。金融商品取引法の条文や、金融庁の警告リストは、公式サイトで最新の内容をご確認ください。

  • e-Gov法令検索(金融商品取引法 第39条/損失補塡等の禁止):国内にゼロカットが無い法的根拠。条文を確認 →
  • 金融庁(無登録で金融商品取引業を行う者の名称等・警告リスト):海外FXの誤解に関する根拠。警告リスト →
  • 金融先物取引業協会(FFAJ):国内FXの信託保全・投資家保護、および未収金統計(本文の2015年・2019年の件数・金額)。公式サイト →

監修:トシ(元・金融コンサルタント)/方針:広告による順位操作はありません。数値・事例は一次情報に照合して記載しています。

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