原則不要
特定口座(源泉徴収あり)で納税が完了し、他社との通算や損失繰越などを使わない場合。NISA口座内の対象利益も原則申告不要です。
証券会社で特定口座(源泉徴収あり)を利用し、他社との損益通算や損失繰越などを使わない場合は、基本的に確定申告は不要です。源泉徴収なし・一般口座、損失や配当がある場合は、このあと口座区分から判定できます。
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対象は、日本に住む個人の国内上場株式を中心とする一般的な税務です。外国株、非上場株、大口株主等、法人、相続、ストックオプションには別の取扱いがあります。
最初に証券会社の「特定口座年間取引報告書」や口座設定で、源泉徴収の有無を確認します。そのうえで、利益・損失・複数社・配当の順に見れば、次の行動を絞れます。
特定口座(源泉徴収あり)で納税が完了し、他社との通算や損失繰越などを使わない場合。NISA口座内の対象利益も原則申告不要です。
特定口座(源泉徴収なし)または一般口座で課税対象の利益があり、確定申告を省略できる条件に当てはまらない場合です。
複数社の利益と損失を通算したい、損失を3年間繰り越したい、対象配当で配当控除や損益通算を検討する場合です。
| 口座・状況 | 所得税の確定申告 | 次に確認すること |
|---|---|---|
| 特定口座(源泉徴収あり)で利益 | 原則不要 | 他社の損失、前年までの繰越損失、申告する配当がないか |
| 特定口座(源泉徴収なし)で利益 | 原則必要 | 会社員の20万円基準など、申告省略の条件 |
| 一般口座で利益 | 原則必要 | 取引履歴から取得費・売却額・手数料を自分で集計 |
| 課税口座で損失 | 任意だが検討 | 他の上場株式等・対象配当との通算、翌年以後3年間の繰越 |
| NISA口座で利益 | 原則不要 | 国内株配当の受取方法が株式数比例配分方式か |
| 株を保有中で売却していない | 含み益だけなら不要 | 配当、償還、他の売却などがないか |
| 口座区分や取引が複雑 | 個別確認 | 国税庁、住所地の自治体、税理士へ確認 |
2026年中の上場株式等の譲渡益は申告分離課税で、標準的な税率は20.315%です。内訳は所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%です。
たとえば取得費(購入代金と購入手数料等の合計)が100万円の株を130万円で売却し、売却手数料等が0円だった場合、課税対象は売却代金130万円ではなく、原則として差額の30万円です。売却手数料等があれば、その対象額も差し引きます。
| 年 | 所得税 | 付加税 | 住民税 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年 | 15% | 復興特別所得税 0.315% | 5% | 20.315% |
| 2027年1月1日〜2047年12月31日 | 15% | 防衛特別所得税 0.15%+復興特別所得税 0.165% | 5% | 20.315% |
2027年から防衛特別所得税が始まり、復興特別所得税の率は1.1%へ下がり、課税期間は2047年末まで延長されます。いずれも基準所得税額に対する率で、現行法上、2027年から2047年の上場株式等の標準的な合計税率は20.315%です。2048年以後は将来の制度を確認してください。
| 口座 | 年間損益の計算 | 納税 | 申告の基本 |
|---|---|---|---|
| 特定口座 源泉徴収あり | 証券会社 | 証券会社が源泉徴収 | 原則不要。複数社通算や繰越控除を使うなら申告 |
| 特定口座 源泉徴収なし | 証券会社 | 本人 | 利益があれば原則申告。20万円基準などを別途判定 |
| 一般口座 | 本人 | 本人 | 本人が損益を計算し、利益があれば原則申告 |
| NISA口座 | 非課税口座として管理 | 国内の対象利益は非課税 | 原則不要。損失は通算・繰越不可 |
特定口座とNISAを混同しやすい場合は、証券口座開設の手順と口座区分で、申込時に選ぶ項目を確認できます。確定申告の要否は、このページの判定表を基準にしてください。
典型的には、次の条件を満たす給与所得者が、申告不要を選んだ上場株式等の配当等や源泉徴収口座内の譲渡所得等を除く、給与・退職所得以外の所得合計20万円以下であるとき、所得税の確定申告を省略できる場合があります。
給与が2か所以上ある、給与収入が2,000万円を超える、年末調整を受けていない、ほかの副所得がある場合は、この簡易チェックだけで判断できません。
この20万円基準は、所定の条件を満たす給与所得者向けです。給与がない人、個人事業主、年金受給者などは同じ条件をそのまま使わず、それぞれの申告要件で判定してください。
同じ源泉徴収口座内では証券会社が対象損益を通算しますが、証券会社をまたぐ通算は自動ではありません。確定申告により通算できる場合があります。
源泉徴収の例:所得税・復興特別所得税153,150円、住民税50,000円
A社とは別口座のため、申告しなければA社側で自動通算されない
通算後の利益は40万円です。標準税率で計算すると所得税・復興特別所得税61,260円、住民税20,000円となり、差額はそれぞれ91,890円と30,000円です。所得税等は税務署の申告、住民税分は申告情報を受けた自治体側で後日調整されるのが基本です。
一定の上場株式等の譲渡損失は、確定申告により、その年の対象配当等と通算できます。控除しきれない損失は損失が生じた年の翌年以後3年間、上場株式等の利益・対象配当等から繰越控除できます。
取引がなかった年も連続して申告が必要です。対象となる取引・配当や必要書類は、申告する年分の国税庁案内で確認してください。
上場株式等の損失は、給与、事業、暗号資産、FXの利益とは原則通算できません。NISA口座の損失も対象外です。
| 方式 | 主な特徴 | 株の損失との通算 | 配当控除 |
|---|---|---|---|
| 申告不要 | 源泉徴収で完結。申告所得へ含めない | 不可 | 不可 |
| 総合課税 | 他の総合課税所得と合算。対象となる国内法人配当では配当控除を受けられる場合がある | 不可 | 対象なら可 |
| 申告分離課税 | 上場株式等の譲渡損失と通算できる場合がある | 対象範囲で可 | 不可 |
配当方式は、配当を加えた後の税率帯、配当控除の対象、住民税、国保料、扶養判定などで結果が変わります。「課税所得695万円以下なら総合課税が得」と一律には決められません。また、2024年度の個人住民税から、所得税と住民税で異なる課税方式は選べません。
配当の基礎と受取方式は、株の配当金入門も参照してください。
複数社の損益通算、損失の3年繰越、対象配当との通算、対象国内配当の配当控除、源泉徴収税の精算
国民健康保険料、後期高齢者医療・介護保険、扶養・配偶者控除、非課税判定、各種給付や自己負担区分
影響は自治体、世帯、加入制度で異なります。源泉徴収あり口座を任意申告する前に、国税は税務署・税理士、保険料や給付は住所地の自治体へ確認します。
NISA口座内の対象商品の譲渡益は国内で非課税となり、原則として確定申告は不要です。
非課税にするには、証券会社で受け取る株式数比例配分方式を選ぶ必要があります。
税務上ないものとされ、課税口座との損益通算も翌年以後への繰越控除もできません。
NISAで国内上場株を保有していても、配当金領収証方式や登録配当金受領口座方式などで受け取る配当は非課税になりません。証券会社の口座設定で受取方法を確認してください。
e-Taxでは、入力内容から「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」や、損失繰越に必要な付表が作成されます。紙で提出する場合は、該当する年分の様式も準備します。
対応する証券会社の特定口座情報を一括取得します。電子交付の申込みや初回設定が必要で、対応状況は会社ごとに異なります。
証券会社から取得した特定口座年間取引報告書のXMLデータを、確定申告書等作成コーナーへ読み込みます。
紙・PDFの年間取引報告書や、自分で集計した一般口座の損益を画面に入力します。
2026年分の所得税の確定申告・納付期限は、国税庁の公表では2027年3月15日(月)です。申告相談・受付は2027年2月16日(火)からです。申告義務のない人の還付申告は、原則として翌年1月1日から5年間提出できます。
損失の繰越控除など期限と添付書類が重要な特例は、通常の還付申告と同じ扱いとは限りません。遅れた場合や過去年分を直す場合は、国税庁・税務署へ確認してください。
Q. 特定口座(源泉徴収あり)でも確定申告をした方がよい場合はありますか?
A. あります。別の証券会社の損失と通算するとき、上場株式等の損失を翌年以後へ繰り越すとき、対象となる配当を申告するときなどです。ただし、申告した所得が国民健康保険料や扶養判定などへ影響する場合があるため、還付見込みだけで決めないことが大切です。
Q. 株の利益が20万円以下なら税金も住民税申告も不要ですか?
A. いいえ。20万円は非課税枠ではなく、一定の給与所得者が所得税の確定申告を省略できる基準です。売却代金ではなく、申告不要を選んだ上場配当等や源泉徴収口座内の譲渡所得等を除く、給与・退職所得以外の所得合計で判定します。特定口座(源泉徴収なし)や一般口座の所得についてこの基準で所得税申告を省略した場合も、住民税申告は原則必要です。源泉徴収あり口座で申告不要を選ぶ場合は別制度です。
Q. 株を売らず、含み益があるだけでも確定申告が必要ですか?
A. 通常、保有中の値上がり益だけでは株式の譲渡所得は確定していないため、それだけを理由に確定申告する必要はありません。ただし、配当を受け取った場合や、売却・償還など別の課税事由がある場合は個別に判定します。
Q. 複数の証券会社の利益と損失は自動で相殺されますか?
A. 自動で相殺されるのは、原則として同じ源泉徴収口座内の対象取引です。証券会社をまたぐ損益通算には確定申告が必要です。通算できるのは上場株式等の区分内など一定の範囲で、給与や暗号資産、FXの所得とは原則通算できません。
Q. 損失を繰り越した翌年に取引がなくても申告は必要ですか?
A. 繰越控除を続けるには、取引がない年も含めて連続して確定申告書と必要書類を提出します。損失が生じた年に申告し、控除しきれない損失を翌年以後3年間繰り越す制度です。
Q. NISA口座の損失を特定口座の利益と相殺できますか?
A. できません。NISA口座内の損失は税務上ないものとされ、課税口座の利益との損益通算も翌年以後への繰越控除もできません。また、NISAで保有する国内上場株の配当を非課税にするには、受取方法として株式数比例配分方式を選ぶ必要があります。
Q. 特定口座年間取引報告書は確定申告書に添付しますか?
A. 現行制度では原則として添付不要です。ただし、e-Taxへの入力や内容確認に使うため、手元に準備して保存します。対応する証券会社では、XMLデータの読込みやマイナポータル連携で転記を減らせます。
Q. 医療費控除のために申告する場合、20万円以下の株の利益も申告しますか?
A. 20万円基準で所得税の申告を省略できた課税口座の所得も、別の理由で確定申告する場合は原則として併せて申告します。一方、源泉徴収口座や上場株式等の配当には別の申告不要制度があるため、口座と所得の種類ごとに確認してください。
この記事は一般的な制度説明であり、個別の税務判断を代行するものではありません。国税の申告要否・課税方式は国税庁・所轄税務署または税理士へ、住民税・国保料・給付への影響は住所地の自治体へ確認してください。
国内株式の確定申告は、利益額だけでは決まりません。特定口座の源泉徴収、複数社の損益、繰越損失、配当方式、20万円基準、住民税を順に確認します。
申告が必要なら年間取引報告書等を準備してe-Taxへ進み、任意申告なら還付見込みと国保・扶養等への影響を比べてから決めるのが安全です。
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