高配当株の始め方|銘柄選びから配当金の受取まで5ステップ
高配当株は、株価に対する配当額の割合「配当利回り」が比較的高い株のことです。利回りの高い順に買う前に、企業の情報と配当の受け取り方を確かめましょう。最初の1株を注文し、配当の明細を確認するまで、順を追って見ていきます。
まず答え:配当を受け取るまでの5つの確認
日本企業の国内上場株は、1株から買って配当を受け取れるサービスがあります。大事なのは権利付最終日までに買付が成立(約定)し、その日の取引終了時点で保有していること。注文が成立していない株や、終了時点で保有していない株は、今回の配当の対象になりません。NISAで配当も非課税にしたい場合は、受取方式の登録も配当基準日までに必要です。
- 口座を決めるNISAか課税口座か、配当の受取先を確認
- 企業のIRを見る最新の配当予想と、減配し得る事情を確認
- 約定と保有を確認権利付最終日の取引終了まで保有
- 支払日と明細を見る会社の支払開始日と受取方式を照合
- 次の判断をする配当を使うか再投資するか、保有を続けるか判断
1株2,000円の株を5株買うなら:架空の試算
たとえば架空のA社の株価が1株2,000円で、次回の配当予想が1株40円だとします。取引コストを別にして1万円を充てるなら、5株で税引前の予想額は200円です。
これは計算のための架空例です。株価、約定代金、配当予想、税額は変わります。「年間配当予想」と次回1回の配当は別なので、会社の資料では対象となる期を確認してください。権利付最終日までに買付が約定し、その日の取引終了まで保有しなければ、今回の配当は受け取れません。
ステップ1:口座と配当の受取先を決める
まずはNISAの成長投資枠で買うか、課税口座で買うかを決めます。すでに口座がある人は、買いたい銘柄と1株取引に対応しているかを確認しましょう。これから開く人は、証券口座の開設・初期設定・入金の手順を先に確認してください。
NISAで国内上場株の配当も非課税にしたい
配当金を証券口座で受け取る株式数比例配分方式が条件です。銀行口座や郵便局で受け取る方式では、NISAで買った株の配当にも20.315%が源泉徴収されます。後から確定申告して非課税に戻すことはできません。
課税口座で買う
証券口座や銀行口座など、配当の受取先を選びます。株式数比例配分方式は、証券口座で明細をまとめて確認したい人の選択肢です。手続きや管理のしやすさに合わせて選びましょう。通常の国内上場株の配当には原則20.315%が源泉徴収されます。
NISAでこの方式を使うなら、配当基準日までに証券保管振替機構への登録が済むよう、早めに証券会社へ申し込みます。方式を変えると他社の課税口座で持つ上場株式にも反映され、証券会社ごとに別の方式は選べません。信託銀行などの「特別口座」に上場株式が残っている場合は、そのままでは利用できません。必要な手続きと、ほかの保有株の受取先を証券会社に確認してください。
日本証券業協会のNISA FAQ(Q18〜20)で制度の条件を確認できます。設定画面の場所は会社ごとに違うため、各社の設定手順は配当金の受取方式を変更する方法を参照してください。
ステップ2:企業の最新IRで銘柄を確かめる
証券会社の検索画面で候補を見つけても、そこに出る利回りだけで買う銘柄は決めません。配当利回りは株価が下がるだけでも高く見えます。候補を絞ったら、企業の投資家向け情報(IR)にある最新の決算短信の「配当の状況」と、その後の配当予想の修正を見ます。
- 次回の予想額と基準日を確認。年間配当予想の合計を、次回1回にもらえる金額と取り違えない。予想が「未定」なら額を決めつけません。
- 前期との比較条件を揃える。株式分割後の1株当たり配当と分割前の数字をそのまま比べず、記念配当・特別配当が含まれるかも確認します。
- 払える理由を読む。会社の株主還元方針と利益・資金の動きを確認し、配当予想を維持する根拠を探します。どの配当性向なら安全、という公的な一律の線引きはありません。
企業サイトのIR資料とJPXの適時開示情報で更新を確かめられます。JPXの決算短信Q&Aは、株式分割前の1株当たり配当を過去にさかのぼって直さない場合があると説明しています。予想が未定なら受取額を前提に買わず、特別配当を翌年も続く金額として数えません。減額の修正が出たら、冒頭の試算も新しい予想額でやり直します。
利回りの計算は配当利回りのガイド、必要な元手の試算は配当金シミュレーターで確認できます。個別株以外も検討したい人には、日本・米国の高配当ETF比較も参考になります。
ステップ3:1株を注文し、権利付最終日までの約定を確かめる
今回の配当を受け取るには、権利付最終日までに買付が約定し、その日の取引終了時点で保有している必要があります。権利付最終日は、今回の配当の権利が付いた株を買える最後の取引日です。翌営業日の権利落ち日に買っても、今回の配当は対象外になります。
売買の成立から株の受渡しまで日数がかかるため、権利確定日に買えば間に合うわけではありません。休日も関わるので、自分で暦日を引くだけで判断せず、JPXの配当落・権利落等情報や証券会社の銘柄画面で実際の日付を確かめます。
注文画面では、現物の単元未満株として買える銘柄か、株数、NISA・課税口座の区分、概算代金と買付余力、注文の受付時刻と約定予定を確かめます。注文後は受付済みの表示で終わらせず、約定履歴で日付と株数を照合します。
- 権利付最終日買付を約定させ、取引終了まで保有した株が今回の配当の対象になります。
- 権利落ち日権利付最終日の翌営業日。ここで買う株は今回の配当の対象外です。
- 権利確定日会社が権利を確かめる基準日。支払日とは異なります。
ここで見落としやすいのが、注文の受付時刻と約定日の違いです。たとえばSBI証券のS株は、営業日の14時から24時の注文が原則として翌営業日の前場始値(午前の取引開始時につく価格)で約定します。権利付最終日の16時に注文が受け付けられても、予定どおりなら約定は権利落ち日です。今回の配当には間に合いません。銘柄や注文状況によって受付停止・失効もあるため、注文を出した画面ではなく約定履歴・取引報告書を確認します(SBI証券のS株取引ルール、本ページの最終更新日時点)。
単元未満株の約定方法は会社で異なります。楽天証券のかぶミニには、リアルタイム取引と寄付取引(午前の取引開始時に売買する方式)があります。マネックス証券のワン株は、営業日の午前11時30分までの注文が原則その日の後場始値(午後の取引開始時につく価格)で約定します。営業日の11時30分から17時30分ごろまでは注文できず、その後と非営業日の注文は原則として翌営業日の後場始値で約定します。買付手数料だけでなく、注文をいつ出すといつ約定するかを確かめてください。会社ごとの条件は単元未満株サービスの比較にまとめています。
ステップ4:支払開始日と明細を照らし合わせる
権利確定日を過ぎても、すぐには入金されません。会社が公表する支払開始日をIRで確認し、受取方式に応じた場所を見ます。株式数比例配分方式なら証券口座の配当明細、銀行口座を指定したならその入金記録、領収証方式なら届いた書類です。
「届かない」「予想より少ない」ときの確認順
- 権利付最終日に保有していたか。注文中・失効では対象になりません。買付の約定日と、権利付最終日の取引終了時点の保有株数を確認します。
- 会社の支払開始日を迎えたか。権利確定日と支払日は別です。最新IRで配当額の修正も確認します。
- どの方式で、どこへ届くか。配当基準日に適用された受取方式と、証券口座・銀行口座・郵送書類を照合します。
- 税と貸株の扱いを確認。課税口座なら源泉徴収後の額です。課税口座で貸株を利用し、株を貸し出したまま権利日を迎えると、会社の配当金ではなく配当金相当額になる場合があります。
貸株では株主としての権利や税務上の扱いが変わります。マネックス証券は、貸出中の株に対して支払う配当金相当額を雑所得として扱い、配当控除・上場株式の譲渡損失との通算の対象外と説明しています。配当目的なら貸株サービスの重要事項も確認してください。自動取得設定など、個別の条件は利用先で異なります。
ステップ5:受け取った後も、同じ条件で持ち続けるか考える
配当を生活費に使うか、株やほかの商品に再投資するかに決まった正解はありません。次の決算で配当予想や業績を見直し、「当初この株を選んだ理由」が残っているかを確かめます。受け取った配当額より、買った価格からの値下がりによる損失が大きければ、配当と株価損益の合計はマイナスになります。実際の損益は税金と取引費用も含めて確認します。
1社だけに集中すると、その会社の減配が受取額にそのまま響きます。業種の違う会社やETFを組み合わせる方法もありますが、管理できる範囲で選ぶほうが続けやすいでしょう。分配型の商品を含むETFの仕組みは高配当ETFの比較で扱います。
配当を再投資するときは買付の条件をもう一度確認します。少額なら単元未満株の仕組みが参考になります。NISA枠で新たに買った分は、その年の投資枠を使います。
税金と1株取引で、最後に確かめたいこと
国内上場株の通常の配当は、課税口座なら原則として20.315%が源泉徴収されます(国税庁:配当所得)。冒頭の200円の例では、この税率を踏まえた手取りの目安を約160円としました。端数処理を含む実際の受取額は配当明細で確認してください。NISAでも受取方式が条件を満たさなければ国内で課税されます。
税の申告方法、譲渡損失との通算、配当控除には条件があります。大口株主等や外国株の配当は同じ説明を当てはめられません。申告の選択肢は株式投資の税金、NISAの枠と損失の扱いは新NISAの基本で確認できます。必要なら税務署や税理士に個別事情を確認してください。
1株でも保有数に応じた配当を受け取れますが、単元未満株には通常の単元株と異なる注文・約定の条件があります。買う前に取扱銘柄、注文時間、価格の決まり方、手数料やスプレッドを確認してください。株主優待の条件は配当と別で、1株から受け取れるとは限りません。詳しくは株主優待の始め方へ。
口座を選ぶときは、高配当株向けの証券会社比較で取引条件や配当管理の機能を確認できます。以下は各社の公式サイトへの案内です。手数料とリスクを確かめてから申し込んでください。
当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。口座開設や投資は、手数料とリスクを確認してご自身で判断してください。
よくある疑問
1株だけでも配当金は受け取れますか?
受け取れます。配当は保有株数に応じます。ただし、今回の権利付最終日までに買付が約定し、その日の取引終了まで保有していることと、会社が実際に配当を支払うことが前提です。単元未満株では議決権を行使できません。
権利付最終日に注文したら、今回の配当をもらえますか?
注文だけでは決まりません。権利付最終日までに買付が約定し、その日の取引終了時点で保有しているかを確認します。単元未満株は注文時間により翌営業日約定になることがあります。
NISAで買えば、配当は自動的に非課税ですか?
国内上場株の配当は、NISA口座で買うことに加え、株式数比例配分方式で証券口座へ受け取ることが必要です。ほかの方式で課税された配当を、後から申告してNISAの非課税扱いには戻せません。
利回りが上がったら、増配したという意味ですか?
そうとは限りません。1株当たりの配当額が同じでも、株価が下がると利回りは上がります。会社の最新の配当予想と、今回の対象となる配当額、業績・還元方針を確認してください。
最初の1株を買う前のメモ
候補を見つけたら、企業IRで次回配当の予想と基準日を見ます。NISAで配当も非課税にしたい人は、受取方式の登録状況を確認します。注文後は「受付」ではなく買付の「約定」を確かめ、権利付最終日の取引終了まで保有します。支払開始日には明細を見る。この順番なら、配当が想定と違ったときにも、どこを確かめればよいか分かります。
確認した一次資料とこの記事の範囲
本ページの最終更新日時点で、次の公式資料を確認しました。日本企業の国内上場株を現物取引で買う手順を説明しています。架空例は計算のために設けたもので、特定銘柄の売買体験や将来の配当額を示すものではありません。制度や各社の注文時刻は変更されるため、実際の取引前には利用先の現行案内を確認してください。
- 日本証券業協会:NISA FAQ Q18〜20(配当の受取方式、期限、他口座への適用)
- 国税庁:配当所得、上場株式等の申告分離課税、NISA制度
- JPX:配当落・権利落等情報、内国株の売買・受渡し、権利落、株式利回り
- JPX:適時開示情報、単元未満株式
- SBI証券:S株取引ルール、楽天証券:かぶミニ取引ルール、マネックス証券:ワン株取引ルール
- マネックス証券:貸株サービスの重要事項(配当金相当額)
次に調べること
- 高配当株向けの証券会社を比べる受取方式の設定先や会社ごとの取引条件
- 配当利回りを計算する表示利回りと株価の関係
- 目標配当額から元手を試算する仮定を変えながら必要資金を見る
- 高配当ETFを比べる個別株以外で分配金を受け取る方法
- 1株取引の仕組みを知る配当・議決権・約定の基本
株式投資には元本割れの可能性があります。配当金は減額・停止することがあり、税制やサービス条件も変わります。この記事は情報提供を目的とし、特定の銘柄・証券会社での取引を勧めるものではありません。