株・投資信託を売らずに移す

証券口座の移管方法|株・投資信託の手数料と日数

証券会社を変えても、保有する株や投資信託を売るとは限りません。移管先がその商品を受け入れ、口座区分などの条件が合えば、そのまま移せます。

最終更新日:

移管先で受入条件を確認し、今の証券会社へ申し込む

旧口座から商品を出すのが「出庫」、新口座で受け取るのが「入庫」です。先に移管先の口座と受入条件をそろえ、原則として移管元へ出庫を申し込みます。手数料と日数は、同じ証券会社でも株と投信で異なります。

NISAで保有中の商品は、別会社のNISAへ直接移せません。これからの買付先を変える手続きはNISAの金融機関変更で確認できます。

目次を開く
  1. 商品・口座区分の確認
  2. 移す・残す・買い直す
  3. 6社の出庫手数料
  4. 商品別の申込方法・日数
  5. 費用の見積もり
  6. 移管の6ステップ
  7. 申請前チェック
  8. 売買停止・差戻しへの備え
  9. 取得価額と完了確認
  10. NISAとの違い

移せるかどうかは「商品」と「口座区分」で確認する

移管先に口座があるだけでは、どの商品でも受け取れるわけではありません。まず保有画面で銘柄名・コード、数量、特定/一般/NISAの区分を確かめます。

国内の金融機関どうしで、同一名義の商品を移す場合
移したいもの可否と確認先
国内株・ETF・REIT
移管先が扱う銘柄なら候補。貸株・担保・未受渡の状態を確認します。単元未満株と、1株未満の持分サービスは扱いを分けます。
投資信託
同じファンドを移管先が受け入れることが前提。似た名前の別ファンドでは移せません。分配金コース・預り区分・全口数の条件も確認します。
外国株・海外ETF・債券
取扱市場・銘柄・振替経路・口座区分に会社差があります。国内株の料金や日数を当てはめず、両社へ商品名を伝えて照会します。
NISAで保有中の商品
別会社のNISAへ直接移管できません。今の商品を残し、今後の買付先を変える場合を確認します。
信用・FX・先物等の建玉
このページの現物資産の移管とは別扱い。現在の会社へ決済や契約の取扱いを確認します。

特定口座の資産は、移管先にも特定口座を用意する

通常の証券会社間移管での口座の組み合わせ
移管元 → 移管先扱い
特定 → 特定
条件を満たせば移管可能。取得価額情報も引き継ぎます。
一般 → 一般
条件を満たせば移管可能。取得費の記録を自分で保管します。
一般 → 特定
通常はできません。口座を開き直せば特定預りに変わる、とは考えないでください。
特定 → 一般
SBI証券では先に一般預りへ変更してから出庫します。元へ戻せる前提で変更せず、両社へ経路を確認します。

制度全体は特定口座の仕組みへ。家族の口座へ移す贈与・相続や、信託銀行等が管理する「特別口座」からの振替は別手続きです。特別口座と特定口座は名前が似ていますが、同じ口座ではありません。

全部を移す必要はない。残す商品を決めてもよい

売らずに移す

受入可能で、費用と売買できない期間を許容できる場合。持ち続けたい商品をまとめたいときの候補です。

今の口座に残す

移管先が非対応、少額で移管費用の負担が大きい場合。新たな買付だけ別会社にする方法もあります。管理する口座は増えます。

売って買い直す

売却損益が確定し、売買費用や買い直すまでの値動きも生じます。移管より得だと決めつけず比較します。

たとえば投信の残高が5万円、出庫費用が3,300円なら、費用は残高の6.6%です。金額だけで売却を決めず、今の口座に残せるか、移した後に使いたい機能があるかまで考えましょう。売却時の申告は国内株式の確定申告ガイド、個別の税務判断は税務署・税理士へ確認してください。

証券会社6社の出庫手数料を比較する

見るのは、今預けている会社(移管元)の出庫料金です。移管先の入庫が無料でも、出庫側の費用がなくなるとは限りません。ネット証券5社と野村證券の出庫料金を掲載します。全社一覧やおすすめ順ではありません。

以下は本ページの最終更新日時点・税込。公式リンクで商品区分と無料条件を確認してください。

国内株式・投資信託を他社へ出すときの料金
移管元・公式料金国内株式投資信託
SBI証券の出庫料金
無料
1銘柄3,300円
楽天証券
無料。申込方法
1銘柄3,300円。申込方法
松井証券の入出庫ルール
原則無料
1銘柄3,300円
マネックス証券の移管料金
無料
1銘柄3,300円
野村證券の出庫料金
1銘柄:20単元未満は基本550円+1単元550円(最低1,100円)。20単元以上は11,000円
商品・手続き別に公式窓口へ確認
三菱UFJ eスマート証券の諸手数料
1銘柄1,100円、1回・1口座の上限33,000円。TOBなど所定の手続き・三菱UFJモルガン・スタンレー証券への移管は無料
1銘柄5,500円。三菱UFJモルガン・スタンレー証券への移管は無料。一般型・累投型は別銘柄扱い

外国株は別料金です。例として松井の米国株は原則無料、マネックスの米国株・中国株は1銘柄3,300円、三菱UFJ eスマートの米国株は1銘柄2,200円。上表の各社公式から対象市場・口座区分も確認できます。通常の売買費用はネット証券の手数料比較へ。

移管先の費用負担・キャッシュバックは、対象商品、申請期限、領収書等の証明、保有条件を満たしてから受けるものです。返金の予定があっても、出庫時に必要なお金は先に用意します。

申込方法と日数は、会社名だけでなく商品別に見る

次は移管元をSBI・楽天とする具体例です。「SBIへ移す」「楽天へ移す」という意味ではありません。移管先の受入確認を済ませてから、自分に当てはまる入口へ進みます。

SBI証券から国内株を出す

申込み
専用書面。請求または印刷し、記入して返送
費用・日数
出庫無料。返送書類をSBIが受け取ってから約1週間
先に確認
特定預りの同一銘柄は全株数を移管。書類請求・郵送や不備対応の日数は別に見込む

SBI証券:国内株の出庫方法

楽天証券から国内株を出す

申込み
PCサイトの「マイメニュー」→「移管(楽天証券から他社)」
費用・日数
出庫無料。手続き後、通常4〜5営業日
先に確認
特定口座の同一銘柄は全株数量。月末・権利処理の受付停止日を確認。国内上場外国株や外国株式扱いのETF等はWeb対象外で書面手続き

楽天証券:国内株の手続き・受付停止日

楽天証券から投信を出す

申込み
PCサイトから依頼書を印刷し、記入して返送。印刷できない場合は電話で請求
費用・日数
1銘柄3,300円。書類到着後、約2週間。決算等により1か月程度かかる場合あり
先に確認
同じファンド・分配金コースの受入、積立注文と必要残高。受付後の変更・取消は不可

楽天証券:投信の出庫方法

同じ楽天でも、株から投信に変えると準備が変わる

国内株ならWebから申し込めても、投信は書面です。投信3銘柄なら出庫費用は9,900円。この移管手数料には、マネーブリッジの自動入金が使えません。証券口座に必要額を入れ、自動出金を使っている場合は「証券口座に残す金額」の設定も確かめます。銀行の残高だけを見て準備完了にしないことが大切です。

他社も、国内株の日数を投信へ当てはめないでください。たとえばマネックスの投信は約2週間、同一銘柄の全口数移管などの条件があります。マネックス証券の投信出庫

日数は各社の起算点からの目安です。口座開設・郵送・受渡待ち・貸株返却・受付停止は別途かかる場合があります。売却やTOB応募の期限が決まっているなら、出庫元へ完了見込みを確認してから申し込みます。

移管費用を自分の銘柄数で見積もる

移管元の最新料金表を見ながら入力してください。投信ごとに単価が違う場合は、費用の合計を「外国株・債券・郵送等の費用」に入力し、投信の銘柄数を0にすると計算できます。初期値の投信3,300円は上表の複数社に共通する確認値であり、すべての会社・商品に当てはまる料金ではありません。

移管手数料見積もりメモ

銘柄数・単元数・上限を料金表で計算して入力
分配金コース等で別銘柄扱いになる条件も確認
移管元が5,500円・無料等なら置き換える
対象がなければ0
証明書・期限・保有条件まで満たす場合のみ入力
先に用意する費用(返金前)0円
返金見込み反映後の自己負担0円

計算は円・銘柄数とも整数です。返金見込みを入力しても、先に用意する費用は減りません。この結果は入力値による概算です。実際の請求、返金の可否、税務上の扱いを保証するものではありません。

例:投信3銘柄を各3,300円で移すなら9,900円。返金条件を満たして後日9,900円戻る場合も、出庫時には9,900円を用意します。株の無料移管と投信の有料移管を分けて計算できます。

株式・投資信託を移管する6ステップ

  1. 移す商品を決める銘柄名・コード、数量、口座区分、取得価額を控えます。現金、積立設定、ポイント、口座解約は別に扱います。
  2. 移管先に受入可否を確認する銘柄・市場・口座区分、投信なら分配金コースも照会。非対応なら、その商品を旧口座に残す選択に戻れます。
  3. 移管先の口座情報をそろえる同一名義の口座を用意し、必要なら特定口座も開設。支店・口座番号・加入者口座コードなど、指定項目を移管先の案内で確認します。開設からなら口座開設と初期設定の手順へ。
  4. 移管元の申込方法を確認するWebか書面かを商品別に確認。貸株や担保、未受渡、積立を整理し、出庫手数料の残高を用意します。
  5. 移管元へ申請し、控えを保存する書面なら移管元へ返送。申請後の取消や注文の扱いも先に確認し、手続き中に同じ商品の数量を変えないようにします。
  6. 移管先への反映まで照合する数量・口座区分・取得価額と、売買できる状態になったかを確認。必要な積立等は新口座で設定します。

書類を送る・申込ボタンを押す前に

該当しない項目は、該当しないことを確認してチェックできます。6項目がそろっても、金融機関の受理や完了を保証するものではありません。

申請前に確認する6項目
未確認の項目を移管先・移管元の公式窓口で確認してください。 0 / 6

移管中の売買停止と、手続きが進まないときの確認先

出庫処理に入ると、対象商品を売却できない期間が生じます。口座全体が一律に止まるわけではありません。価格は動くため、近いうちに売る予定の商品は、処理開始と売買再開の時点を両社へ確認しましょう。

手続きの状態から次に確認することを選ぶ
困っている状態次の確認
受け入れてもらえない
移管先へ銘柄コード、口座区分、投信のコースを照会。一般→特定など通常経路で扱えない組み合わせも確認します。
申請が差し戻された
移管元へ理由を確認。氏名・住所、書類の数量と現在の残高、未受渡・積立・貸株・担保、手数料不足を順に照合します。
処理が予定より遅い
移管元で受付日と出庫状況を確認。書類不備や決算・分配金、権利処理による停止がないか確認します。
元の残高から消えた
それだけでは完了ではありません。移管元の出庫日と移管先の反映予定を確認し、二重に申請せず処理状況を照会します。

担保に使っている株を外すと、信用取引の保証金が不足する場合があります。代用解除だけを先に行わず、保証金への影響を確認してください。

株主優待の「長期保有」が気になる場合

売らずに移しても、継続保有の認定を一律には保証できません。発行会社の優待条件を読み、配当通知等に載る株主名簿管理人(信託銀行等の証券代行)へ、株主番号と移管の影響を照会します。証券保管振替機構:問い合わせ先の案内

取得価額の表示は、移管前の資料と照合する

条件を満たす特定口座どうしの移管では、取得価額情報を引き継ぎます。ただし移管先に同じ銘柄があると、取得日・取得価額が再計算され、画面の単価が変わる場合があります。数量だけでなく、移管前の取引報告書も保存しておきましょう。

一般口座の画面に表示される価格が、そのまま税務上の取得費とは限りません。楽天証券では一般口座へ入庫した株の取得単価に入庫日の終値が表示されます。購入時の記録は別に残してください。外国株の円貨・外貨の表示も会社ごとに確認します。

移管は、商品を売って買い直す注文ではありません。売却損益の確定、一般口座の取得費計算、NISAからの払出しは区別して扱います。国税庁:特定口座制度

移管が終わっても、旧口座の解約は確認を済ませてから

  • 移管先の数量・口座区分・取得価額・売買可能状態
  • 旧口座の現金、未処理の配当・分配金、出庫手数料
  • 新口座の積立・貸株・通知などの設定
  • 取引報告書・年間取引報告書・申請控えの保存

積立や現金も口座ごと一括で引き継がれる、と考えないでください。商品を旧口座に一部残すなら、その口座の認証や連絡先の管理も続けます。

NISAは「これから買う金融機関の変更」と分ける

NISAの金融機関は年単位で変更できますが、保有中の商品を変更先のNISAへ直接移すことはできません。変更前の商品は旧金融機関で非課税保有を続けられます。その年に変更前のNISAで買付け済みなら、その年分の金融機関変更はできません。

保有商品そのものを別会社へ動かしたい場合は、いったん旧金融機関で課税口座へ払い出してから通常移管を検討します。払い出した後の保有はNISAの非課税扱いではなくなるため、単なる金融機関変更と同じつもりで進めないでください。

変更時期や積立の整理はNISA金融機関変更の手順へ。実際の受付期限・所要日数は変更元と変更先の公式案内で確認してください。制度の確認:日本証券業協会:NISAのよくある質問

最初にそろえるのは、商品名・口座区分・移管元の3つ

その3つが分かれば、受入確認、料金、申込窓口を選べます。出庫料金表と商品別の手続き例へ戻り、先に必要なお金と売買できない期間を確認しましょう。移管先自体が未定なら、ネット証券の比較で必要な商品・機能から候補を絞れます。

このページの確認方法

手数料・申込方法・日数は、料金表と実際の手続き案内を突き合わせました。各社固有の条件は表や手続き例の公式リンク、NISAや制度は公的資料で確認できます。ログイン後の申請完了や移管の実体験を検証した記事ではありません。

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株式・投資信託等には価格変動による損失リスクがあります。移管中も価格は変わります。記載内容は一般的な情報であり、個別の受入・税務の判断は金融機関や専門家へ確認してください。