FX基礎・通貨ペアの見方

FXの通貨ペアとは?一覧・見方と初心者の選び方

編集・最終確認:金融ナンバーワンサイト編集部

FXの通貨ペアは、売買する2つの通貨の組み合わせです。USD/JPY(米ドル/円)が150なら「1米ドル=150円」。左の通貨を、右の通貨で値付けしています。USD/JPYを買う取引では米ドルを買い、円を売ります。

最初の候補は、読める情報と損益の計算から。円で金額を確かめたいならUSD/JPY、欧米の材料を追うならEUR/USDも比較候補です。下の一覧と1,000通貨の計算例で違いを確かめ、注文単位・コスト・取引できる時間を確認して、まず観察する1ペアを決めましょう。

FXはレバレッジにより損失も大きくなります。相場急変時には希望価格で決済できず、ロスカット後も預けた証拠金を上回る損失が生じる場合があります。取引量の多さは、安全性や利益を保証しません。

通貨ペアの読み方から候補の絞り込みまでを扱います。具体的な取引時間は通貨ペア別の時間帯、口座選びはFX初心者の口座選びで確認できます。

通貨ペアの見方:左が基準通貨、右が決済通貨

2つの通貨をスラッシュで区切り、左側を基準通貨(base)、右側を決済通貨(quote)として読みます。国内FX会社では、左側を基軸通貨と呼ぶ場合もあります。

USD 米ドル
基準通貨・売買する側
JPY 日本円
決済通貨・価格を表す側

たとえばUSD/JPYが150.00なら、「1米ドル=150円」という意味です。同じようにEUR/USDが1.1000なら「1ユーロ=1.10米ドル」です。いずれも説明用の仮定値です。

USD/JPYを買う米ドルを買い、円を売る方向です。米ドル高・円安になれば含み益、反対なら含み損となるのが基本です。
USD/JPYを売る米ドルを売り、円を買う方向です。米ドル安・円高になれば含み益、反対なら含み損となるのが基本です。
損益の通貨にも注意:値幅から生じる損益は、まず右側の決済通貨で表されます。EUR/USDなら米ドルです。円口座での換算方法や換算レートはサービスごとに異なり得るため、各社の取引ルールを確認します。

注文画面に2つの価格がある理由

Ask(買値)は自分が買う価格、Bid(売値)は自分が売る価格です。買いで始めた建玉はBidで売って決済し、売りで始めた建玉はAskで買い戻します。

仮にUSD/JPYのBidが150.000、Askが150.003なら、1,000米ドルを買って、そのまま同じ提示価格で売ると(150.000−150.003)×1,000=−3円です。この差がスプレッドによる負担です。詳細はBid・Askとスプレッドの仕組みへ。

USD・JPY・EURなどの3文字は通貨コード

USD、JPY、EURなどの3文字コードはISO 4217に基づきます。一方、どちらを左に置くかはISO 4217が定めるものではなく、市場や商品ごとの慣行で決まります。国内店頭FXではUSD/JPYが一般的ですが、CMEの通貨先物にはJPY/USD表記の商品もあります。「この優先順位が世界共通」と暗記せず、取引画面で左の1通貨が右の何通貨に当たる表示かを確認してください。

同じ1,000通貨でも、損益の通貨と円換算額が変わる

買いの値幅損益は「決済価格−買った価格」×左側の通貨数で計算します。結果の単位は右側の通貨。円を含まないペアでは、そこから円換算を確かめます。

1,000通貨を買って決済した仮定例(価格は実際に約定した値と仮定)
ペア・買う数量新規→決済値幅損益円での金額
USD/JPY
1,000米ドル
150.00円→149.90円−0.10円×1,000=−100円−100円(換算不要)
EUR/USD
1,000ユーロ
1.1000米ドル→1.0990米ドル−0.0010米ドル×1,000=−1米ドル仮に1米ドル=150円で換算すると−150円

同じ新規・決済価格で売りから始めた計算例なら符号が逆になります。ただし、実際の売りと買いでは使うBid・Askが違います。表は約定値の差から計算しているため、スプレッドをもう一度引きません。スワップと別途手数料は含めず、円換算の時点・レートは各社のルールに従います。

数量をそろえても、同じ金額の取引にはならない

表の新規価格で、米ドル円も150円とすると、1,000米ドルの取引金額は15万円、1,000ユーロは1.10×1,000×150=16万5,000円です。これは建玉の取引金額で、必要証拠金ではありません。

数量を1万通貨へ増やせば、この例の値幅損益も10倍になります。また、ユーロドルの損失−1米ドルを140円で換算すれば−140円です。同じ通貨数でも、取引額・値動き・円換算条件が違えば負担は変わります。この2例は同じ変化率や同じリスクの比較ではありません。

注文欄のLotを通貨数へ直すにはロットの換算方法、値幅の呼び方はpipsの数え方と会社ごとの違い、許容する損失から数量を出すにはポジションサイズ計算を使えます。

通貨ペアの種類と代表例の一覧

米ドルを含む通貨ペアは、一般にドルストレートと呼ばれます。分類は、2通貨のどちらに米ドル・円が入るかで整理すると混乱しにくくなります。このページでは、クロス円を「米ドルを含まない対円通貨ペア」として扱います。USD/JPYは米ドルを含むペアであり、クロス円には含めません。

代表的な通貨ペアと読むときの注意点(全商品の一覧・おすすめ順ではありません)
表記通貨名分類見るポイント・詳細
USD/JPY米ドル/円ドルストレート・対円円で損益を確認。日本と米国の材料を追う。
EUR/USDユーロ/米ドルドルストレート・非対円ユーロドルの損益は米ドル。円換算も確認。
GBP/USD・AUD/USD英ポンド/米ドル・豪ドル/米ドルドルストレート・非対円右が米ドル。同じ米ドル売りの重なりにも注意。
EUR/JPY・GBP/JPYユーロ/円・英ポンド/円クロス円ユーロ円・ポンド円の特徴を個別に確認。
AUD/JPY・NZD/JPY豪ドル/円・NZドル/円クロス円豪ドル円とNZドル円は別の通貨。材料も分けて追う。
CHF/JPY・CAD/JPYスイスフラン/円・カナダドル/円クロス円フラン円・カナダドル円の取扱いと数量を確認。
MXN/JPY・TRY/JPY・ZAR/JPYメキシコペソ/円・トルコリラ/円・南アフリカランド/円クロス円スワップと為替下落を高金利通貨の比較で一緒に確認。
EUR/GBP・GBP/AUDユーロ/英ポンド・英ポンド/豪ドル米ドルも円も含まないクロス損益は右の英ポンド・豪ドル。円換算と取扱いを確認。

各社が扱うペアと注文単位は異なります。一覧にあることと、利用する口座で取引できることは別に確認してください。

クロス円の価格を2つのレートから読む

仮にEUR/USDが1.10、USD/JPYが150.00なら、掛け合わせたEUR/JPYの理論値はおよそ165.00です。これは米ドルを橋渡しにして価格関係を理解する計算です。しかし、読者のEUR/JPY注文が必ずEUR/USDとUSD/JPYの2本に分かれて執行される、という意味ではありません。直接の価格配信、顧客注文の相殺、カバー取引など、業者の仕組みは一様ではありません。

メジャー・マイナーという呼び名の使い方

米ドル、ユーロ、円など取引流通量の多い通貨をメジャー通貨、新興国通貨などをマイナー通貨と呼ぶ説明は広く使われます。ただし、含める通貨や「エキゾチック」の境界は情報提供者によって異なります。分類名だけでコストや安全性を判断せず、実際の取扱状況、スプレッド条件、注文単位、価格変動、情報源を確認します。

取扱通貨ペア数もFX会社・サービスごとに違います。口座開設前だけでなく、発注前にも公式の取引ルールと注文停止情報を確認してください。金のXAU/USDは通貨コードに見えても、国内では商品CFDとして提供される例があります。通常のFX通貨ペアとは条件が異なるため、詳しくはゴールド専用ページをご覧ください。

初心者はどの通貨ペアから見る?条件別に候補を絞る

最初は、ニュースと値段の意味を追える1ペアから観察すると、確認する項目を整理しやすくなります。候補を比べる順は「情報を追えるか→損益を読めるか→希望数量で取引できるか」です。

観察を始める候補と、条件が合わないときの戻り先
自分の状況候補次に確かめること
円で値段と損益を把握したい。日本・米国の情報を追える。USD/JPY最小数量での損失額と取引する時間帯。数量が大きすぎるなら少額取引の条件へ。
ユーロ圏・米国の情報を追い、外貨の損益も確認できる。EUR/USD米ドル損益からの円換算と会社の換算方法。欧米の材料は個別の特徴で確認。
ユーロ圏・日本の材料を見て、円建てで比較したい。EUR/JPYユーロ円の値動きの要因と数量。すでにUSD/JPYを買っているなら、円売りが重なる点も確認。

これは取引を勧める順位ではありません。小さい損失額で扱えない、材料を追えない、注文方法が分からない場合は、候補や数量を見直し、デモで操作を確かめる段階へ戻れます。値動きの大きさやスワップ受取額だけで候補を増やさないことも大切です。

  1. 取扱い・単位公式の取引ルールで、扱うペア・最小数量・注文刻みを調べる。
  2. 表示・方向左右の通貨、Bid・Ask、買いか売りかを注文画面で確認する。
  3. コストスプレッドと別途手数料を、取引する時間・数量で確認する。
  4. 損失と数量撤退価格を決め、その価格まで動いた場合の損失額から数量を考える。
  5. 保有条件発表予定、日またぎのスワップ、他の建玉との通貨の重なりを確認する。

スプレッドは「数字」より適用条件を見る

広告や比較表に表示されたスプレッドだけでは、実際のコストを判断できません。対象時間、対象数量、注文方法、キャンペーンか通常条件か、重要指標・早朝・相場急変時の例外を確認します。金融庁とFFAJも、相場急変や流動性低下によってスプレッドが広がり得ると注意喚起しています。

会社ごとの比較はFXスプレッド比較、Lotと実通貨数の違いはFXのロットガイド、許容損失から数量を決める方法はポジションサイズ計算へ進んでください。

注文前に残っていないか確かめたいこと

  • 1Lotが何通貨か、または注文欄の数量が何通貨か分からない。
  • どの価格で撤退し、そのとき何円を失うか計算できない。
  • 表示スプレッドの適用条件や現在の実際の提示値を確認できない。
  • 高いスワップや大きな値動きだけを理由に選んでいる。
  • 複数ポジションを持ったとき、各通貨を買い越すか売り越すか説明できない。

複数ペアは「通貨ごとの+と−」に分解する

通貨ペアを2つ持っても、自動的に分散されるわけではありません。相関係数だけを見る前に、各ポジションを「何を買い、何を売っているか」に分けると、偏りを発見しやすくなります。

たとえばUSD/JPY買いにEUR/JPY買いを追加すると、どちらも円を売る方向です。ペア名を増やす前に、円高で両方に損失が出る場合の合計額を考えます。

米ドル売りが重なる例

EUR/USD買い = +EUR −USD GBP/USD買い = +GBP −USD

異なる2ペアでも、米ドルを売る方向が重なります。「リスクが必ず2倍」とは言えませんが、米ドル材料への偏りと合計数量を確認する必要があります。

一部が相殺される例

USD/JPY買い = +USD −JPY EUR/USD買い = +EUR −USD

売買する米ドル額を意図的にそろえれば米ドル部分は近づいて相殺され、EUR/JPYに似た通貨構成になります。同じLot数だけで一致すると考えず、実際の通貨数とレートを確認します。取引時点、スプレッド、スワップ等が違うため、実際の取引条件や損益まで同じになるわけではありません。

相関は固定ではありません。過去に同じ方向へ動いたペアが、今後も同じ関係を保つ保証はありません。通貨強弱を観察する場合は通貨強弱チェッカーも参考になりますが、数量と損失額の確認を置き換えるものではありません。

よく取引される通貨ペアは?世界と日本の統計

候補を知る参考になるのが取引金額です。世界の外国為替市場全体と、国内FX会社の顧客取引では集計対象が違い、上位ペアも変わります。

世界ではEUR/USDが最大

BISの2025年4月調査・最終値では、世界OTC外国為替取引は1日平均約9.51兆米ドル。EUR/USDが20.7%、USD/JPYが14.4%です。スポット、先渡し、FXスワップ、通貨スワップ、オプション等を含む集計です。

国内店頭FXではUSD/JPYに集中

FFAJの2026年8月速報では、報告46社の月間取引金額は約825.7兆円。USD/JPYが約712.1兆円で86.2%でした。世界市場全体の数字と直接比較することはできません。

国内店頭FXの取引金額上位5ペア(2026年8月。公表値から当サイトで兆円換算・構成比を計算、各小数1桁に四捨五入)
順位・ペア取引金額構成比
1 USD/JPY約712.1兆円86.2%
2 AUD/JPY約29.9兆円3.6%
3 GBP/JPY約23.1兆円2.8%
4 EUR/JPY約16.5兆円2.0%
5 MXN/JPY約13.0兆円1.6%

取引量の多さは、勝率・穏やかな値動き・固定スプレッドを意味しません。統計は候補を知る材料に使い、自分が取引する数量と時間の条件へ戻って比べます。

候補を決めた後に確認すること

候補が決まったら、次に知りたい内容へ進んでください。時間帯、口座、コスト、個別ペアの特徴を必要な順に読むと、判断軸を混ぜずに済みます。

通貨ペアを読めたら、数量と損失額を確かめる

  • 通貨ペアは売買する2通貨の組み合わせ。左が基準通貨、右が決済通貨です。
  • USD/JPYの買いは「米ドルを買い、円を売る」。このページの定義ではUSD/JPYをクロス円に含めません。
  • 同じ1,000通貨でも取引額や損益の通貨は変わります。右側の通貨で計算し、必要なら円に換算します。
  • 世界のBIS統計と日本のFFAJ統計は母集団が違います。取引金額の多さは利益や適性の保証ではありません。
  • 取扱・単位、売買方向、コスト条件、損失と数量、情報と保有条件を確認し、まず観察する候補を1つに絞ります。

確認した公式一次情報

定義・制度は協会や公的資料、統計は原表に照らし、計算例は本文の仮定から検算しています。内容は本ページの最終更新日時点で確認しました。月次統計と各社の取引条件は更新されるため、取引前に最新の公式ページ、契約締結前交付書面、注文確認画面を優先してください。以下の外部リンクは新しいタブで開きます。

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