証券用語解説

日経平均株価とは?算出方法・構成銘柄・TOPIXとの違い

ヒナコ

ヒナコ

日経平均株価はニュースで毎日目にしますが、あの数字は何を表しているんですか?

トシ

トシ

日経平均株価は、東京証券取引所プライム市場に上場する約1,800銘柄の中から選ばれた225銘柄の株価をもとに算出される株価指数だ。日本経済新聞社が算出・公表しており、「日経225」とも呼ばれる

ヒナコ

ヒナコ

225社だけで「日本の株式市場」を代表できるんですか?全部の会社の平均ではないんですね?

トシ

トシ

全銘柄の平均ではない。市場流動性と業種バランスを考慮して選ばれた225銘柄だけで構成されている。しかも株価平均型の指数だから、株価の高い一部の銘柄が指数全体を大きく動かす構造がある。日経平均が上がっても自分の持っている株は下がる──そんなことが起こる理由は、この構造を知ると理解できる

日経平均株価とは

日経平均株価は、日本経済新聞社が算出・公表する株価指数だ。正式名称は「日経平均株価」、略称は「日経平均」「日経225」。英語名は Nikkei Stock Average / Nikkei 225 として世界的に知られている。

東京証券取引所プライム市場に上場する銘柄の中から、市場流動性と業種バランスを考慮して選ばれた225銘柄で構成される。1950年9月7日に算出が開始され、東京証券取引所の再開(1949年)の翌年から70年以上の歴史を持つ。

表示単位は円・銭。テレビやニュースで「今日の日経平均は○○円」と報じられる数字がこの指数にあたる。個人投資家・機関投資家・海外投資家が広く参照しており、日経平均に連動するETFや投資信託も多数存在するため、「日経平均に投資する」ことも可能だ。

日経平均株価の全体像 東証プライム市場 約1,800銘柄 流動性 + 業種バランスで選定 日経平均株価 225銘柄 算出:日本経済新聞社 方式:株価平均型 開始:1950年

225銘柄はどう選ばれるか── 構成銘柄と入替えの仕組み

選定基準── 流動性と業種バランス

日経平均の構成銘柄は、日本経済新聞社が選定している。第一の基準は「市場流動性」だ。過去5年間の売買代金と、売買代金あたりの価格変動率(流動性の安定度)で評価される。

第二の基準は「業種バランス」。日経独自の36業種を6つのセクター(技術・金融・消費・素材・資本財その他・運輸公共)に分類し、セクター間の銘柄数の偏りが出ないよう調整する。流動性が高く、セクターバランスの改善に資する銘柄が採用される。

定期見直し── 年2回の入替え

構成銘柄の入替えは年2回、4月と10月の第1営業日に実施される。2022年までは年1回(10月のみ)だったが、2023年から年2回に変更された。1回の入替え上限は3銘柄で、市場へのインパクトを抑えるために上限が設けられている。経営統合や破綻などで銘柄数が不足する場合は「臨時見直し」で補充される。

代表的な構成銘柄

ファーストリテイリング(ユニクロ)、東京エレクトロン、ソフトバンクグループ、KDDI、ファナックなどが寄与度上位に並ぶ。これらの値がさ株(株価水準が高い銘柄)が指数全体の動きを大きく左右する構造については次の§3で解説する。

構成銘柄の選定フロー 東証プライム全銘柄(約1,800) 流動性フィルター → 上位450銘柄(高流動性銘柄群) 業種バランス調整(6セクター) 日経平均225銘柄 定期見直し 年2回(4月・10月) 上限3銘柄/回 臨時見直しもあり

株価平均型の算出方法── なぜ値がさ株の影響が大きいのか

株価平均型(ダウ式)とは

日経平均は「株価平均型」で算出される。基本的な考え方は「225銘柄の株価の合計 ÷ 除数」だ。除数とは、銘柄入替えや株式分割による不連続な変動を補正するための調整定数であり、単純に225で割るわけではない。

株価平均型の特徴は「株価の絶対値が高い銘柄ほど指数への影響力が大きい」ことだ。これが値がさ株問題の原因になっている。

値がさ株の影響力

ファーストリテイリング1社の寄与度が指数全体の10%前後を占める時期もある。株価が5万円の銘柄と500円の銘柄では、同じ1%の変動でも指数への影響は100倍異なる。つまり日経平均は「225社の平均」とは言いつつも、上位数社の値動きに左右されやすい構造を持っている。

この偏りへの対策として、2021年10月に「株価換算係数」が導入された。極端に株価が高い新規採用銘柄は係数で影響を抑える仕組みだ。また、1銘柄のウエート上限(キャップ)も段階的に引き下げられている。

株価平均型 vs 時価総額加重平均型

日経平均は株価平均型、TOPIX(東証株価指数)やS&P500は時価総額加重平均型だ。時価総額加重型は「時価総額が大きい企業ほど影響が大きい」方式で、市場全体の動きをより正確に反映するとされている。両者の詳しい違いは次の§4で解説する。

株価平均型── 値がさ株の影響 銘柄A 株価 50,000円 影響 大 銘柄B 株価 5,000円 影響 中 銘柄C 株価 500円 株価平均型 株価が高い銘柄ほど 指数を大きく動かす 同じ1%でも影響は 最大100倍の差 2021年10月〜 株価換算係数・ウエート上限(キャップ)で偏りを抑制

日経平均とTOPIX── 2つの指数の違い

TOPIXとは

TOPIX(東証株価指数・Tokyo Stock Price Index)は、東証プライム市場を中心とした約1,700銘柄で構成される株価指数だ。1968年1月4日の時価総額を100として指数化しており、時価総額加重平均型で算出する。日経平均が「225銘柄の株価の平均」であるのに対し、TOPIXは「市場全体の時価総額の変動」を表す。

4つの違い

対象銘柄数:日経平均は225銘柄、TOPIXは約1,700銘柄。TOPIXのほうが市場全体を広くカバーしている。

算出方法:日経平均は株価平均型(値がさ株の影響大)、TOPIXは時価総額加重平均型(大企業ほど影響大)。

算出者:日経平均は日本経済新聞社、TOPIXは東京証券取引所(JPX)。

影響を受けやすい銘柄:日経平均はファーストリテイリングなどの値がさ株、TOPIXはトヨタ自動車など時価総額が大きい銘柄から影響を受ける。

どちらを見ればいいのか

「日本の株式市場全体の動き」を把握するにはTOPIXのほうが適している。一方、ニュースで最も報じられるのは日経平均であり、投資家の心理や相場の雰囲気を読むには日経平均が参考になる。どちらが正しいではなく、それぞれ違う角度から市場を映しているため、両方を見比べることに意味がある。

日経平均 vs TOPIX 日経平均 225銘柄 株価平均型(ダウ式) 算出:日本経済新聞社 値がさ株の影響が大きい 相場の「雰囲気」を読む指標 TOPIX 約1,700銘柄 時価総額加重平均型 算出:JPX(東証) 大企業の影響が大きい 市場全体の動きを反映する指標 それぞれ異なる角度から市場を映す。両方を見比べることに意味がある
ヒナコ

ヒナコ

日経平均に直接投資することはできるんですか?指数は「数字」ですよね?

トシ

トシ

指数そのものは買えない。ただし日経平均に連動するETFや投資信託を通じて、実質的に日経平均に投資することができる。個別銘柄を225社分買わなくても、1本で日経平均と同じ値動きを狙える

ヒナコ

ヒナコ

S&P500に連動する商品とどちらが人気があるんですか?

トシ

トシ

2020年代は米国株人気が圧倒的で、S&P500連動商品への資金流入が日経平均連動商品を大きく上回っている。ただし、過去のリターンが将来を保証するわけではない。日本経済の成長が加速する局面では日経平均が上回る年もある。大事なのは「どちらが優れているか」ではなく、自分のポートフォリオに日本株を組み込む判断をどう考えるかだ

日経平均に投資する方法

ETF(上場投資信託)で投資する

日経225連動型ETFは東証に複数上場しており、株式と同じくリアルタイムで売買できる。代表的な銘柄にはNEXT FUNDS 日経225連動型上場投信(1321)やiシェアーズ・コア 日経225 ETF(1329)などがある。信託報酬が低く、1口数千円〜数万円から購入可能だ。ETFの仕組みの詳細はETFとは?で解説している。

インデックスファンド(投資信託)で投資する

日経225に連動するインデックスファンドは、100円から購入でき、毎月の自動積立にも対応している。代表的な商品には〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ日経平均インデックスファンドやeMAXIS Slim 国内株式(日経平均)などがある。NISAのつみたて投資枠で購入可能なものもあり、少額から日本株に分散投資したい人に向いている。投資信託とETFの違いはETFとは?で解説している。

日経平均への投資方法 ETF 取引所でリアルタイム売買 信託報酬が低い 1口 数千円〜数万円 株式口座で購入 代表:1321(日経225連動型) インデックスファンド 100円から購入可能 自動積立OK NISA つみたて投資枠対応 分配金の自動再投資も可能 代表:eMAXIS Slim 国内株式 どちらも日経225と同じ値動き。売買スタイルで選ぶ

【プロの視点】日経平均は「日本経済の体温計」ではない

金融コンサルタントだった頃、クライアントから「日経平均が上がっているのに、なぜ自分の株は上がらないのか」と何度も聞かれた。答えはいつも同じだ。日経平均は225銘柄、しかも値がさ株に偏った指数だから、市場全体の動きとは一致しない。

日経平均を「日本経済の体温計」と表現するメディアは多いが、正確ではない。ファーストリテイリング1社が1%動くだけで日経平均は数十円動く。一方、時価総額が日本最大級のトヨタ自動車が同じ1%動いても、日経平均への影響は小さい。体温計が特定の部位の温度に過剰反応するなら、それは体温計として信頼に足りない。

だからといって日経平均に価値がないわけではない。70年以上の歴史があり、世界中の投資家が参照している。相場の「雰囲気」を読むには役に立つ。市場全体の動きを見たいならTOPIX、報道ベースで相場の方向感をつかむなら日経平均──そう使い分ければいい。

投資判断で大事なのは、指数の数字を鵜呑みにすることではなく、「この指数は何を映しているのか」を理解した上で使うことだ。構造を知れば、ニュースの見方が変わる。

次に読むべきページ

日経平均の仕組みを理解したら、次は他の指数との比較やインデックス投資の実践に進もう。

まとめ

日経平均株価は、東証プライム市場の225銘柄の株価をもとに日本経済新聞社が算出する株価指数だ。1950年から70年以上の歴史を持ち、日本の株式市場を代表する指標として世界中で参照されている。

算出方法は「株価平均型(ダウ式)」。株価の高い銘柄(値がさ株)ほど指数への影響が大きく、ファーストリテイリングなど上位数社の値動きで指数全体が左右される構造を持つ。市場全体の動きを反映するTOPIX(時価総額加重平均型)とは、映し出すものが異なる。

日経平均に連動するETFやインデックスファンドを通じて投資も可能だ。日経平均を「何が映っている指数か」を理解した上で活用することが、投資判断の精度を上げる第一歩になる。

よくある質問

日経平均株価とTOPIXはどちらを見ればいい?

目的で使い分ける。日本株市場全体の動向を把握するにはTOPIXが適している。ニュースや相場の雰囲気をつかみたいなら日経平均が参考になる。投資判断では両方を見比べることに意味がある。

日経平均の構成銘柄はどのくらいの頻度で入れ替わる?

定期見直しは年2回、4月と10月の第1営業日に実施される。1回の入替え上限は3銘柄だ。これとは別に、経営統合や上場廃止などで欠員が出た場合は臨時見直しで補充される。

日経平均が上がっても自分の持ち株が上がらないのはなぜ?

日経平均は225銘柄のみ、しかも株価平均型で値がさ株の影響が大きい指数だ。自分の保有銘柄が構成銘柄でない場合や、値がさ株と異なる値動きをしている場合、日経平均と保有株のリターンは連動しない。

日経平均に連動する投資信託はNISAで買える?

買える。日経225に連動するインデックスファンドは、NISAのつみたて投資枠で購入可能なものが複数ある。日経225連動ETFは成長投資枠で購入できる。

日経平均はなぜ「225」なのか?

1950年の算出開始時にダウ・ジョーンズ社(当時の算出元)が東証1部上場銘柄から225社を選定したことに由来する。構成銘柄は時代とともに入れ替わっているが、銘柄数の「225」は変わっていない。

出典・参考情報

リスクに関する重要事項:株式投資は元本保証ではなく、株価の変動により投資元本を下回る損失が生じる可能性がある。過去の指数のパフォーマンスは将来のリターンを保証するものではない。投資判断は自己責任で行うこと。

あわせて読みたい