FX基礎・取引の状態

FXのポジションとは?ロング・ショートの意味と損益・決済の基本

編集・検証:金融ナンバーワンサイト編集部

FXのポジションとは、新規の買い注文または売り注文が約定したあと、まだ決済されていない取引のことです。日本語では「建玉(たてぎょく)」、文脈によっては「持ち高」とも呼ばれます。

買いポジションはロング、売りポジションはショートです。 買いは売りの決済注文、売りは買いの決済注文が約定すると閉じます。注文を出しただけで未約定なら、まだポジションではありません。
注文中

新規注文がまだ約定していない状態。ポジション一覧ではなく、注文一覧で確認します。

ポジション保有中

新規注文が約定し、未決済の状態。レートとともに評価損益などが動きます。

決済済み

反対売買が約定した状態。為替差損益が確定し、約定履歴などへ記録されます。

ポジションには為替変動とレバレッジのリスクがあります。 金融庁は、相場が急変した場合、ロスカットが行われても証拠金を上回る損失が生じることがあると案内しています。

このページは、ポジションの意味、ロング・ショート、約定から決済までの状態、保有中に見る数字を担当します。複数建玉や一部決済などの操作はFXポジション管理の実務、許容損失から数量を決める方法はポジションサイズの計算方法へ分けて解説しています。

ポジションは「約定済み・未決済」の建玉

金融先物取引業協会は、ポジションを「取引約定後に反対売買されないまま残っている未決済分」と説明しています。つまり、ポジションが生まれる境目は発注ではなく約定です。

国内で一般的なFXは、外貨現物を手元へ受け渡す取引ではなく、売買価格の差額を授受する差金決済です。たとえば、米ドル/円を150.00円で買う指値注文を出しても、条件に届かず未約定なら買いポジションはありません。注文が約定すると買いポジションになり、その後に売りの決済注文が約定するとポジションが閉じます。

注文・ポジション・約定履歴の違い
状態何が起きているか主に確認する画面取り消しとの関係
新規注文が未約定売買条件を出しているが、建玉はまだない注文一覧・注文照会約定前なら取り消しても建玉は生まれない
ポジション保有中新規注文が約定し、対象数量の決済はまだ成立していないポジション一覧・建玉一覧新規約定そのものは注文取消では戻せない
決済注文が未約定閉じる注文は出したが、建玉は残っている注文一覧とポジション一覧の両方決済注文を取り消すと建玉は引き続き残る
決済が約定済み反対売買が成立し、対象数量の損益が確定約定履歴・取引報告書成立した約定は通常の注文取消の対象ではない
「ノーポジション」でも、未約定の新規注文が残っている場合があります。 保有建玉がないことと、将来ポジションになり得る注文がないことは別です。取引を止めたつもりのときは、ポジション一覧と注文一覧を分けて確認します。

ロングは買い、ショートは売り:通貨ペアの左側を基準に読む

通貨ペアは、左側の通貨を基準に売買方向を表します。米ドル/円なら左側は米ドルです。ロングは米ドルを買って円を売る取引、ショートは米ドルを売って円を買う取引になります。

米ドル/円を例にしたロングとショート
ポジション新規で行うこと有利になる方向閉じる取引
ロング(買い)米ドルを買い、円を売る米ドル/円が建値より上がる対象数量を売る決済注文
ショート(売り)米ドルを売り、円を買う米ドル/円が建値より下がる対象数量を買う決済注文

「持っていない米ドルを、なぜ先に売れるのか」と戸惑うかもしれません。FXは差金決済なので、新規の売りから始め、あとで買い戻して決済できます。

ロングとショートは、相場予想の正解を示す言葉ではありません。 どちらも価格が想定と反対へ動けば損失になり、スプレッドやスワップ、ロスカット条件の影響も受けます。本ページでは方向の意味を説明し、売買タイミングの推奨は行いません。

含み損益は、建値と現在の評価レートの差で動く

ポジションを閉じる前の損益は「評価損益」または「含み損益」と呼ばれます。まだ確定していないため、レートが動けば増減します。決済が約定した部分は実現損益になります。

対円ペアの為替差損益概算 = レート差 × 取引通貨数

ロングは「売値(Bid)の評価・決済レート-買い建値」、ショートは「売り建値-買値(Ask/Offer)の評価・決済レート」でレート差を求めます。

仮定:米ドル/円を150.00円で1万米ドル建て、ロングはBid、ショートはAsk/Offerの評価レートが0.50円動いた場合
方向評価レート計算為替差損益の概算
ロング150.50円(150.50-150.00)×10,000+5,000円
ロング149.50円(149.50-150.00)×10,000-5,000円
ショート149.50円(150.00-149.50)×10,000+5,000円
ショート150.50円(150.00-150.50)×10,000-5,000円

この例は仕組みを確認するための単純計算です。仮定レートは現在値ではなく、スワップ、手数料、税、スリッページ、会社固有の換算・端数処理を含みません。円が右側にない通貨ペアは、損益を円表示するための換算も必要です。実際の損益は利用会社の画面と取引報告書を正本にしてください。

建てた直後に評価損が表示されることがある理由

FXでは一般に、買値(Ask/Offer)と売値(Bid)に差があります。この差がスプレッドです。買いポジションは買値で建て、通常は売値側で評価・決済します。売りポジションは売値で建て、通常は買値側で評価・決済します。そのため、他の条件が同じでも建てた直後にスプレッド相当の評価損が見えることがあります。表示方法は会社によって異なるので、評価レートの基準も確認します。

注文から決済まで:ポジションが生まれ、閉じる順番

  1. 新規注文通貨ペア、売買方向、数量、注文条件を指定する
  2. 約定売買が成立した時点でポジションが生まれる
  3. 保有レートに応じて評価損益や口座状況が動く
  4. 決済注文保有方向と反対の売買を決済として指定する
  5. 決済約定対象数量のポジションが閉じ、損益が確定する

決済注文を出しても、約定するまではポジションが残ります。一部だけ決済した場合は、その数量の損益が確定し、残りは未決済ポジションとして続きます。反対方向の注文が決済になるか、新規の両建てになるか、古い建玉から閉じるかは、発注区分やFIFOなど会社・サービスの設定で異なります。

新規注文を取り消したとき

約定前に取り消せたなら、その注文からポジションは生まれません。注文一覧から消えたか、約定履歴へ移っていないかを確認します。

決済注文を取り消したとき

決済がまだ約定していなければ、元のポジションは残ります。取り消しただけで建玉が閉じたとは考えず、ポジション一覧を確認します。

成行・指値・逆指値やIFD・OCO・IFOの仕組みはFXの注文方法、一部決済・複数ポジション・建値管理の実務はFXポジション管理で扱っています。

ポジション一覧では、まず5項目を組にして見る

画面の名称や計算方法は会社ごとに違いますが、ポジションを取り違えないための基本項目は共通しています。数字を一つだけ見るのではなく、通貨ペア・方向・数量・建値・評価損益を一組として読みます。

ポジション一覧で確認する代表項目
項目表すもの読み違いを防ぐ確認
通貨ペアどの2通貨を取引しているか似た名称やミニ商品まで含め、商品名を確認する
売買区分ロング(買い)かショート(売り)か決済ボタンの売買表示と混同しない
数量実際に保有する通貨数またはLot数1Lotの通貨数は商品仕様で確認する
建値・約定価格ポジションを建てた価格複数建玉では平均建値表示か個別表示かを確認する
評価損益現在の評価レートで計算した未確定損益スワップを含むか、評価レートは何かを確認する

口座全体のリスクを見るときは、個別ポジションだけでなく、有効証拠金、必要証拠金、余力、証拠金維持率も確認します。これらの定義とロスカット水準は会社によって異なるため、利用会社の取引説明書と画面ヘルプを優先してください。

保有中に動くのは、評価損益だけではない

評価損益

為替レートが動くたびに増減します。含み益も含み損も、決済前は確定していません。

証拠金と余力

評価損益や他の建玉の影響を受け、口座全体の有効証拠金や維持率が変わります。

スワップポイント

建玉を翌日以降へ繰り越すと受け払いが生じます。金額、方向、付与日、時刻は変わり得ます。

ロスカットの距離

評価損で維持率が会社所定の水準へ近づくと、強制決済の可能性が高まります。

金融先物取引業協会のスワップ解説では、付与のタイミングはFX会社によって異なるため、各社の取引説明書などでの確認が必要とされています。スワップは日々変動し、受け取りと支払いの方向が変わる場合もあります。

必要証拠金やロスカット水準は、損失の上限ではありません。 急な相場変動、流動性低下、注文の集中などで想定した価格から離れて約定することがあります。ロスカットの仕組みはFXのロスカット解説、証拠金の各数字はFX証拠金の見方で整理しています。

発注後は「注文・ポジション・約定」の3画面で確かめる

発注ボタンを押したことと、意図どおりのポジションを持てたことは同じではありません。通信状況や注文条件によって未約定になる場合もあれば、入力を間違えた注文が約定する場合もあります。

  1. 注文一覧:未約定の新規・決済注文、売買方向、数量、価格、有効期限を確認する
  2. ポジション一覧:約定済みの通貨ペア、方向、実数量、建値、評価損益を確認する
  3. 約定履歴:注文がいつ、どの価格と数量で成立したかを確認する
  4. 口座状況:有効証拠金、余力、維持率、他のポジションを口座全体で確認する
  5. 取引条件:スワップ日数、ロスカット、注文期限、メンテナンス時間を利用会社の最新資料で確認する

数量はLot表示だけで判断しません。 1Lotが何通貨かは会社・サービス・通貨ペアで異なります。実通貨数への換算はFXのLot解説、許容損失からの数量決定はポジションサイズの計算方法、自動計算はFXポジションサイズ計算機へ分けています。

まとめ:注文が約定して初めてポジションになる

  • ポジション(建玉)は、新規注文が約定したあと、まだ決済されていない取引です。
  • ロングは買い、ショートは売り。通貨ペアの左側を基準に方向を読みます。
  • 決済注文を出しただけでは閉じません。決済として指定した反対売買が約定した数量だけ損益が確定します。
  • 保有中は評価損益、証拠金、スワップ、ロスカットの距離が変わります。
  • 発注後は注文一覧、ポジション一覧、約定履歴を分けて確認します。

確認した公式情報

最終確認日は2026年8月28日です。制度や会社ごとの取引条件は変更されるため、実際の取引では利用会社の最新の取引説明書・約款・画面表示を優先してください。

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