構成データは2026年7月31日現在

オルカンとは?eMAXIS Slim 全世界株式の構成国・銘柄数・買い方

オルカンは、三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の愛称です。日本を含む先進国・新興国の大型株・中型株へ1本で投資できます。ただし、「全世界」という名前でも、すべての国・銘柄・資産を均等に持つ商品ではありません。

執筆・検証:元・金融コンサルタント トシ
指数の対象47市場先進国23+新興国24
MSCI ACWI2,460銘柄大型株・中型株
ファンドの実保有2,414銘柄指数と同数ではない
ファンドの米国比率63.1%国別均等ではない
信託報酬年0.05775%以内税込・段階料率
NISA両枠の対象販売会社の取扱いは要確認

構成・比率・銘柄数は2026年7月31日現在。指数はMSCI、ファンドの組入れは三菱UFJアセットマネジメントの月次レポート、NISAは2026年8月の公式対象商品一覧で確認しています。

先に確認したいこと:オルカンは株式ファンドで、預金とは異なり元本保証がありません。国・地域を分散しても、世界的な株安や円高などで基準価額が下がり、購入額を下回ることがあります。NISAを使っても値下がりリスクは変わりません。

オルカンとは?商品・指数・実保有は別のもの

「オルカン」と呼ばれるのは、正式にはeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)という国内の投資信託です。全世界株式型ファンド全般の正式名称ではありません。

この商品は、MSCI ACWIという指数への連動を目指します。ただし、指数をそのまま買うわけではありません。日本株式、外国株式、新興国株式の3本のマザーファンドを通じて投資します。指数の構成銘柄数と月報の組入銘柄数は別の数値で、連動を目指す運用でも常に同数になるわけではありません。

2026年7月31日現在。数字の出どころが違う点を分けて表示しています。
層何を指すか確認できること
商品eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)購入する投資信託。「オルカン」はこの商品の愛称
参照指数MSCI ACWI(配当込み・円換算ベース)47市場の大型株・中型株2,460銘柄。世界の投資可能な株式機会の約85%を対象
ファンドの組入れ3本のマザーファンドを通じた運用月報では2,414銘柄。指数の構成数と常に同数になるわけではない

「2,460銘柄」と「2,414銘柄」は矛盾ではありません。前者は指数の構成銘柄数、後者はファンドが実際に保有する銘柄数です。検索で見かける数字を比べるときは、基準日だけでなく「指数か、ファンドか」まで確認すると迷いません。

オルカンはETFではないため、取引所で株のようにリアルタイム売買する商品でもありません。購入・換金価額は原則として申込受付日の翌営業日の基準価額で決まり、購入単位や申込方法は販売会社が定めます。

「全世界」でも、世界のすべてを持つわけではない

MSCI ACWIは広い株式指数ですが、名前だけで投資範囲を判断すると誤解が生まれます。対象は先進国23市場と新興国24市場の大型株・中型株です。

  • 小型株は基本的に対象外:指数がカバーするのは世界の投資可能な株式機会の約85%で、残りまで含む「全上場株」ではありません。
  • フロンティア市場は対象外:MSCIの先進国・新興国分類に入らない市場もあります。
  • 債券を組み合わせるバランス型ではない:主な投資対象は株式で、預金のような元本保証はありません。
  • 国別均等ではない:47市場へ同じ比率で配るのではなく、投資可能な浮動株調整後時価総額を基本に配分されます。

オルカンの現在の中身:構成国・業種・上位銘柄

ここからは、2026年7月31日の月次レポートにあるファンドの組入比率と銘柄数です。毎月変わり得るため、将来の固定比率ではありません。

国・地域別:1万円なら米国株が約6,310円分

米国が63.1%を占めますが、日本、欧州、カナダ、台湾、韓国なども含まれます。1万円を投資した場合の概算額に置き換えると、配分の偏りがつかみやすくなります。

比率は純資産総額に対する国・地域分類。概算額は1万円×比率で計算し、売買費用や値動きは考慮していません。
国・地域比率1万円あたりの概算
米国63.1%約6,310円
日本5.0%約500円
英国3.2%約320円
カナダ3.0%約300円
台湾2.8%約280円
フランス2.1%約210円
スイス2.1%約210円
韓国2.0%約200円
ドイツ1.9%約190円
オーストラリア1.4%約140円
その他13.4%約1,340円

月報の国・地域は、主な取引所所在地または法人登録地などで分類されます。企業の売上地域や、実際に受ける通貨の影響をそのまま表すものではありません。

業種別:情報技術が29.6%

GICSの業種分類による2026年7月31日のファンド組入比率。
業種比率見方
情報技術29.6%最大の業種で、米国の大型テクノロジー株を多く含む
金融17.1%銀行、保険、金融サービスなど
資本財・サービス10.7%産業機械、輸送、専門サービスなど
一般消費財・サービス8.6%景気動向の影響を受けやすい消費関連
ヘルスケア8.4%医薬品、医療機器、ヘルスケアサービスなど
その他25.6%通信、生活必需品、エネルギー、素材、公益など

上位10銘柄:大型テクノロジー株の影響は小さくない

2026年7月31日のファンド組入れ。比率は純資産総額に対する割合。
順位銘柄国・地域/比率
1Apple米国/4.8%
2NVIDIA米国/4.4%
3Microsoft米国/3.1%
4Amazon.com米国/2.2%
5Alphabet(Class A)米国/1.9%
6Broadcom米国/1.7%
7TSMC台湾/1.6%
8Alphabet(Class C)米国/1.5%
9Meta Platforms米国/1.2%
10Micron Technology米国/1.0%

月報の表示比率を合計すると、上位10銘柄で23.4%です。2,414銘柄へ分散していても、時価総額の大きい企業が値動きへ与える影響は均等ではありません。

なぜ「全世界」なのに米国が6割を超えるのか

MSCI ACWIは、国ごとに同じ金額を配る指数ではありません。構成比の基本は投資可能な浮動株調整後時価総額です。固定的に保有され市場に出にくい株式や外国人投資制限などを調整したうえで、市場価値の大きい企業・国ほど比率が高くなります。

現在は米国企業の時価総額が大きいため、ファンドの組入れでも米国が63.1%です。この比率は固定ではなく、株価、発行株式数、浮動株比率、市場分類、指数の定期見直し、企業行動などで変わります。

GDPの伸びと構成比は同じではありません。ある国の経済が成長しても、株価や上場市場の規模、海外投資家が投資できる株式の割合が同じように増えなければ、指数の比率が直ちに上がるとは限りません。

オルカンの費用とNISA:0.05775%だけではない

費用は「購入時」「保有中」「換金時」に分けると理解しやすくなります。信託報酬は重要ですが、それだけを将来の総費用とみなすことはできません。

商品条件は2026年7月25日使用開始の目論見書、総経費率は2026年4月27日決算の運用報告書で確認。
項目確認値注意点
購入時手数料なし購入単位や申込方法は販売会社が定める
信託報酬年0.05775%以内(税込)純資産総額に応じる段階料率。有価証券貸付を行った場合の加算規定もある
直近の総経費率0.07061%2025年4月26日〜2026年4月27日の過去値。売買委託手数料や有価証券取引税などは原則含まない
信託財産留保額なしその他の費用は運用状況などにより変わり、事前に合計を示せない
NISAつみたて投資枠・成長投資枠の対象利用する販売会社での取扱いは別に確認する

仮に100万円の残高が1年間変わらないとして信託報酬の上限だけを掛けると、年約578円です。実際は残高が日々変わり、段階料率やその他費用もあるため、年間費用が約578円で固定されるわけではありません。

分配は年1回決算で、運用会社は信託財産の成長を優先して原則として抑制する方針です。これまでの無分配実績が、今後も分配しないことを保証するわけではありません。

1本で地域分散はできる。それでも残るリスク

株式中心の値動き

国・地域が分かれていても、投資対象の中心は株式です。世界的な景気後退や市場不安では、複数地域が同時に下がることがあります。

為替変動

原則として為替ヘッジを行いません。外国株が上がっても円高が進めば円換算の収益を押し下げることがあり、逆の場合もあります。

米国・大型株への偏り

現在は米国63.1%、上位10銘柄23.4%です。銘柄数が多くても、一つひとつを均等に持つ商品ではありません。

新興国など固有のリスク

政治・経済の不安定さ、規制変更、流動性、資産凍結などの影響が相対的に大きくなる場合があります。信用リスクや運用上の乖離もあります。

「オルカン1本で十分か」は、株式部分と資産全体を分けて考えます。世界株式の地域配分を1本にまとめることはできますが、生活資金や値動きを抑える資産まで含むわけではありません。預金・債券などを含めた配分は、資産配分とリバランスの考え方も参考になります。

オルカンの買い方:似た商品名を確認してから注文する

購入には、オルカンを取り扱う販売会社の口座が必要です。最低購入額や決済方法は販売会社によって異なり、商品自体の共通条件ではありません。

口座区分を決める

課税口座かNISA口座かを選びます。オルカンはNISAの両枠の対象ですが、制度の限度額や非課税条件はNISAの仕組みで確認してください。

正式名称で検索する

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を選びます。「全世界株式(除く日本)」など名前の似た別商品と取り違えないよう、運用会社とベンチマークも確認します。

最新の月報・目論見書を読む

国別比率と銘柄数は月報、費用・為替ヘッジ・リスクは目論見書で確認します。古い解説記事の概数だけで注文しないことが大切です。

積立か一括か、金額と決済方法を選ぶ

家計に無理のない金額を設定し、販売会社の注文画面で申込日、引落方法、NISA枠を確認します。詳しい設定手順はインデックス投資の始め方で解説しています。

注文内容と約定後の保有を確認する

投資信託は注文時点で約定価額が確定しません。注文後は口座区分、金額、約定口数を確認し、構成の変化は最新月報で追います。

販売会社や投資信託サービスの比較は、投資信託を扱う証券会社の選び方で確認できます。

S&P500と迷っている人へ

オルカンとS&P500は投資対象が重なります。どちらを選ぶか、両方持つ意味、50:50や乗り換えは、専用のS&P500とオルカンの比較で同じ基準日の公式資料を使って整理しています。S&P500自体の仕組みはS&P500の構成と投資方法で確認できます。

数字が変わったら、どの公式資料を見るか

オルカンの情報は、1つの資料だけでは確認し切れません。見たい内容に合わせて資料を使い分けます。

確認したい情報に応じた公式資料と、日付の見方。
確認したいこと見る資料更新の見方
国・業種・上位銘柄・実保有数月次レポート毎月の基準日を確認
信託報酬・商品構造・リスク・申込条件交付目論見書使用開始日を確認
総経費率・分配実績運用報告書対象運用期間を確認
指数の銘柄数・市場・比率MSCI factsheet/指数ページ指数の基準日を確認
NISA対象枠金融庁/資産運用業協会の一覧一覧の更新日と正式名称を確認

まとめ:オルカンは「全世界を均等に買う商品」ではない

オルカンは、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の愛称です。MSCI ACWIへの連動を目指し、先進国・新興国の大型株・中型株へ投資します。2026年7月31日時点では、指数が47市場・2,460銘柄、ファンドの組入れが2,414銘柄で、米国比率は63.1%です。

特徴は、世界株式の地域配分を1本で持ち、指数見直しに応じて中身が変わることです。一方で、株式を主な投資対象とし、原則為替ヘッジなし、米国・大型株の比率が高いという性質も残ります。買う前には、正式名称、最新月報、目論見書、販売会社の取扱いまで確認してください。

公式一次情報

変動する数値は、基準日または対象期間をそろえて確認しています。

制作方法:本記事ではAIを競合調査と構成整理の補助に使用し、運用会社、MSCI、金融庁、資産運用業協会の原資料を参照して内容を確認しています。将来の値動きや特定商品の購入を勧める目的ではなく、最終的な掲載内容の責任は当サイトが負います。

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