米国雇用統計とは?2026年の発表日・日本時間と結果の見方
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米国雇用統計は、米国で仕事がどれだけ増え、失業や賃金がどう変わったかを示す月次統計です。発表元は米労働省労働統計局(BLS)。FXでは非農業部門雇用者数(NFP)・失業率・平均時給を、市場予想や過去分の改定とあわせて読みます。
次の発表予定・日本時間
2026年9月分の統計。ページ上部の最終更新日時点の予定です。BLSの最新日程も確認してください。
- 人数だけで決めない:NFPが予想を超えても、失業率や賃金、改定が違う方向を示すことがあります。
- 失業率は数字の向きが違う:予想より高い失業率を、雇用の強さとは読みません。
- 待ち時間で安全は決まらない:「30分待てば方向が固まる」という決まりはありません。取引を見送る選択も含めて備えます。
FXはレバレッジにより、預けた証拠金を超える損失が生じることがあります。重要指標の発表時は、スプレッドや約定価格にも注意が必要です。
2026年の米国雇用統計の発表日・日本時間
発表時刻は米東部時間の午前8時30分。日本では米国の夏時間中が21時30分、冬時間中が22時30分です。対象月と発表月は異なります。たとえば10月2日に発表されるのは、9月分の統計です。
| 対象月 | 発表日 | 日本時間 |
|---|---|---|
| 2025年12月分 | 1月9日(金) | 22:30 |
| 2026年1月分 | 2月11日(水) | 22:30 |
| 2月分 | 3月6日(金) | 22:30 |
| 3月分 | 4月3日(金) | 21:30 |
| 4月分 | 5月8日(金) | 21:30 |
| 5月分 | 6月5日(金) | 21:30 |
| 6月分 | 7月2日(木) | 21:30 |
| 7月分 | 8月7日(金) | 21:30 |
| 8月分 | 9月4日(金) | 21:30 |
| 9月分 | 10月2日(金)・次回予定 | 21:30 |
| 10月分 | 11月6日(金) | 22:30 |
| 11月分 | 12月4日(金) | 22:30 |
米国の夏時間は2026年3月8日〜11月1日。3月6日の発表は切替前なので22:30です。予定変更があり得るため、上表だけで当日の時刻を判断せず、BLS公式カレンダーのEmployment Situationを確認してください。
「毎月第1金曜日」は目安です。上表にも水曜・木曜や第2金曜の回があります。他の指標と重なるかも確かめるなら、経済指標カレンダーへ進んでください。
米国雇用統計がドル円に影響する理由
雇用統計の正式な発表名はEmployment Situationです。仕事と賃金の変化は、家計の所得や消費、物価を見る手がかりになります。FRBが重視する目標は「雇用の最大化」と「物価の安定」。雇用統計は、その政策判断を考える材料の一つです。
たとえば雇用や賃金が予想以上に強ければ、利下げを急がないとの見方につながり、ドル買い材料になることがあります。ただし、結果が強いだけでドル円の上昇は決まりません。すでに織り込まれた期待、日本側の金利観測、同時に出た別の数字によって反応は変わります。
政策決定の日程と読み方はFOMCとドル円の関係で説明しています。根拠となる政策目標はFRBの金融政策の説明で確認できます。
NFP・失業率・平均時給は何が違う?
まず「雇用の増減」「仕事を探す人の状況」「賃金」の3つに分けると、数字を取り違えにくくなります。NFPだけを読んで、雇用全体の結論を急がないことが大切です。
| 指標 | 何を示すか | 比較する点 |
|---|---|---|
| 非農業部門雇用者数(NFP) | 事業所の給与支払い対象となる雇用。FXのカレンダーでは通常、前月からの増減を人数で表示 | 市場予想との差、過去2か月の改定、増えた業種。農業のほか自営業者なども対象外 |
| 失業率 | 労働力人口に占める失業者の割合 | 予想・前月との差、労働参加率と就業者数。高いほど雇用が強いわけではない |
| 平均時給 | 民間非農業部門で働く人の平均的な時給 | 前月比と前年比を区別。働く人の業種構成も変わるため、個人の昇給率とは異なる |
事業所調査(CES)
企業・政府機関の給与記録を調査。
NFP・平均時給
雇用されている仕事の数を数えます。2か所で働く人は、それぞれの給与記録に計上されます。
家計調査(CPS)
世帯に就業・求職の状況を調査。
失業率・労働参加率
人を数えます。仕事を掛け持ちしていても、就業者としては1人です。
このように、NFPと失業率は別々の調査から作られます。「NFPが増えたのに失業率も上がった」は、数字の誤りとは限りません。調査対象や数え方が違ううえ、仕事を探す人が増えても失業率は変わるからです。
失業率の分母となる労働力人口は、就業者と失業者の合計です。仕事がない人を全員失業者として数えるわけではなく、原則として求職活動などの条件があります。求職をやめて労働力人口から外れると、就業が増えていなくても失業率が下がることがあります。BLSの失業・労働参加率の定義、2つの調査の違いが確認先です。
結果はどこを見る?BLS公式資料の読み方
最初はBLSのSummaryで結果と改定を読み、気になる数字をA表・B表へたどる順番で十分です。このページは数字の読み方を扱います。最新結果そのものは、次の公式資料の対象月を確かめて読んでください。
- Employment Situation Summaryを開く
見出しの対象月と公表日を確認。冒頭に雇用者数と失業率、本文に賃金や過去分の改定があります。
- 予想は、発表前に見ていた同じ情報提供元で照合する
BLSが公表するのは統計の結果です。市場予想は各社が集計するもので、提供元により差があります。予想欄が空なら、予想を超えたかどうかは判定できません。
- 食い違った数字だけ、下の原表へ戻る
年・月、季節調整の有無、単位をそろえます。A表の就業者数とB表のNFPを同じ系列として差し引かないでください。
| 確認したいこと | 読む場所 | 取り違えやすい点 |
|---|---|---|
| NFPと業種別の増減 | Table B-1のTotal nonfarmと各業種 | 表の水準は千人単位。月次増減と雇用者総数は別。季節調整済みの列を照合 |
| 失業率上昇の内訳 | Table A-1のUnemployment rate、Participation rate、Employed | 失業率だけでなく、労働参加率・就業者数も同じ月同士で確認 |
| 平均時給 | Table B-3のAverage hourly earnings、Total private | 時給のドル水準と伸び率は別。前月比・前年比や対象従業員の系列を混ぜない |
| 過去2か月のNFP改定 | Summaryの「revised」と書かれた段落 | 今回の増減と、過去月の修正を分けて読む |
経済指標カレンダーや利用中のFX会社の配信を使い、対象月・予想・結果・改定の表示を確認します。通知の違いはFXニュースアプリの選び方、カレンダーの列の読み方は経済指標の予想・結果・改定値の見方へ。配信が遅れたり値が訂正されたりすることもあるため、表示の食い違いはBLS原本へ戻って確かめます。
NFPは強いのに失業率が上昇。どう読めばよい?
一つの数字で相殺せず、「新しい仕事」「労働市場に参加する人」「賃金」に分けて読みます。以下は説明のための仮定値です。実際の発表結果や売買サインではありません。失業率は前月も4.1%だったと仮定します。
| 項目 | 予想 → 結果 | ここまで言えること |
|---|---|---|
| NFP・前月比 | +15万人 → +20万人 | 雇用の増加幅は予想より5万人大きい。ただし、これだけでドル買いとは決めない |
| 失業率 | 4.1% → 4.2% | 予想より0.1ポイント高い。仕事を探す人が増えたのか、就業者が減ったのかをA-1で確認 |
| 平均時給・前月比 | +0.3% → +0.2% | 時給は下がっていない。上昇率が予想より小さい |
| 過去2か月のNFP改定 | 以前の公表値から合計−8万人 | 過去の雇用増加は従来より弱かった。今月の+20万人とは別の情報 |
失業率の背景が違うと、次に読む場所も変わる
労働参加率と就業者数がともに上がっていたら:仕事を探し始めた人の増加も関わっている可能性があります。失業率上昇をそのまま「雇用が減った」とは読みません。
労働参加率が横ばいで、就業者数が減っていたら:家計調査の雇用の弱さにも注意が向きます。事業所調査の業種別増減や数か月の動きと照らします。
どちらも、率一つで原因を確定する方法ではありません。原表の確認先へ戻り、NFPとは別の調査だという前提を保って読みます。
この例なら「新しい雇用の増加は予想より強いが、失業率・賃金・改定は慎重に読む材料」と整理できます。金利や為替がどちらへ動くかは、この表だけでは決まりません。
速報値と改定値は、分けて読む
NFPを作る事業所調査は、初回公表後に通常2回の月次改定を受けます。遅れて届いた報告などを反映するためです。さらに年次のベンチマーク改定では、主に失業保険制度の行政記録に基づく雇用データと照合し、推計を見直します。
今月のNFPから過去2か月の下方改定を引いて、「本当の今月分」を作らないでください。先ほどの例で20万人−8万人=12万人とは計算できますが、その12万人は今月の公式NFPではありません。対象月が違う数字を混ぜた値だからです。
また、年次ベンチマークの修正幅は、基準となる月の雇用水準に対する差です。その人数が一か月で失業したという意味ではなく、月次改定の合計とも別です。速報の公表日と実際に月次系列へ反映される時期も区別します。仕組みはBLSのCES FAQ、個別のベンチマークは公式の予備推計が確認先です。
雇用統計がよかったのにドル円が下がるのはなぜ?
「前月より増えた」「予想より増えた」「過去分も含めて強かった」は別の話です。結果がプラスでも予想に届かなかったり、同時に失業率や賃金の弱さが注目されたりすれば、見出しから受けた印象と相場が違うことがあります。
発表直後の動きを、そのまま市場の最終判断とは考えないほうがよいでしょう。数字の読み直し、事前の持ち高の解消、金利市場や円側の材料なども影響します。ただし、「初動のあとに全戻しし、その後は一方向になる」という順番も固定ではありません。反転せず動き続ける場合も、何度も上下する場合もあります。
チャートに明確な動きが出ても、そこで注文できる価格は別です。スプレッドの広がりとスリッページの仕組みを分けて確認してください。経過時間だけをエントリー条件にすると、この違いを見落としやすくなります。
発表前後は、保有ポジションと注文の状態から確認する
雇用統計の日に取引する必要はありません。特に、結果の意味や想定損失を説明できないうちは、注文を出さずに観察する方法があります。保有している場合は、発表をまたぐリスクを先に見直します。
ポジションがない
- 未約定の新規注文も残っていないか確認。見送るなら不要な注文の取消を検討し、取消受付や約定の状態まで確認。
- 発表だけを理由に新しく入らない。
- 結果・改定とスプレッドを見て、条件が合わなければ見送る。
ポジションがある
- 通貨ペア、売買方向、数量を確認。
- 逆行時の損失を計算し、保有・縮小・決済を検討。
- 決済注文の数量や有効期限、未約定注文を確認。取消・変更後は受付状態も見る。
ドル円を1万通貨買っているなら、1円の下落で為替差損は1万円、2円の下落で2万円です。1,000通貨ならそれぞれ1,000円、2,000円になります。これは値動きを仮定した計算で、雇用統計の予想値幅ではありません。スワップや費用を除いた「数量×価格差」の計算です。売りでは上昇が損失方向になります。
逆指値を置いても、指定価格ちょうどで決済できるとは限りません。値動きに合わせて損切り幅だけを広げると、同じ数量では予定損失も増えます。数字を変えて試す場合は経済指標の損失ストレス計算を利用し、許容できないなら数量や保有方針から見直してください。
再開の時刻より、再開できる条件を確認:結果の読み取り、提示スプレッド、注文・約定の状態、想定損失を確認できているかを見ます。30分や1時間待っても損失リスクはなくなりません。不安が残る場合は、その回を見送れます。FXの基本的なリスクは金融庁の案内も参照してください。
ADP雇用統計・JOLTSと混同しない
同じ雇用関連でも、調べる対象と問いが異なります。先に出た統計の強弱だけで、BLSのNFPを決めつけないようにしましょう。
| 統計 | 対象・役割 | 読み違いを避ける点 |
|---|---|---|
| BLS・Employment Situation | 雇用、失業、賃金などの月次状況 | NFPには政府部門を含む。失業率は別の家計調査 |
| ADP・National Employment Report | ADPの給与データを基にした民間雇用などの推計 | 政府部門を含まず、ADP自身もBLSのNFP予測を目的としないと説明 |
| BLS・JOLTS | 求人、採用、離職などを調査 | 求人の数と、すでに雇用された仕事の数は違う。対象月も確認 |
個々の統計の対象はADPの報告・方法説明とBLSのJOLTS概要で確認できます。指標を組み合わせる全体の手順はFXファンダメンタル分析の進め方にまとめています。
次の発表では、数字と確認先をセットで残す
最初から値動きを当てようとせず、発表前の予想、発表後のNFP・失業率・平均時給、過去分の改定を分けて記録してみてください。数字がそろわなければ、SummaryからA-1・B-1・B-3へ戻る。その繰り返しが、見出しに振り回されずに雇用統計を読む練習になります。
発表日を調べる用事と、結果を読む用事、取引するか決める用事は別です。予定を確認し、公式結果を読むところまでで終えても構いません。