FXの基礎と損益の確認

FXの両建てとは?損益計算と片側決済後の変化を確認

編集:金融ナンバーワンサイト編集部

FXの両建て(りょうだて)とは、同じ通貨ペアの買い建玉と売り建玉を、同時に持つことです。建玉は、まだ決済していない取引を指します。

買いと売りが同じ数量なら、相場が同じ幅だけ動く影響は打ち消し合います。ただし、それまでの損失が消えるわけではありません。買値と売値の差による損益は残り、スプレッドやスワップによって合計も変わります。

「片側を決済したら、何が残る?」まで、同じ数字で確かめていきます。続けるべきか迷っている場合は、両建てのデメリットと続ける前の判断基準も確認してください。

両建てと決済は、建玉が残るかどうかで見分ける

米ドル/円を1万通貨買っているとき、買い建玉を残して、新たに1万通貨の売り建玉を持てば両建てです。買い建玉を指定して1万通貨売却し、その取引を終えた場合は決済です。

両建てにした後

買い1万通貨+売り1万通貨。2つの建玉が残る。

買い建玉を全て決済した後

ほかに建玉がなければ保有は0通貨。取引の損益が確定する。

「売り」のボタンを押しただけでは、どちらになるか分かりません。注文の新規・決済区分、両建て設定、対象の建玉を確認します。例えばJFXのMATRIX TRADERは、両建なしの設定では反対売買が保有建玉の決済に回ります。公式の設定・注意点を確認し、他社の操作へそのまま当てはめないでください。

ロング・ショートの意味から確認する場合は、FXのポジション(建玉)の基本へ。

同じ数量でも、買値と売値の差は残る

まずスプレッドやスワップを除き、売買を同じ基準レートで計算します。米ドル/円を150円で1万通貨買い、その買いを持ったまま149円で1万通貨売った例です。

米ドル/円・各1万通貨。単一の基準レートで計算する説明用の例(費用なし)
その後の基準レート買いの損益売りの損益合計
148円−20,000円+10,000円−10,000円
149円−10,000円0円−10,000円
151円+10,000円−20,000円−10,000円

151円まで戻ると買いは利益になりますが、売りに損失が出ます。買い側だけを見て「損を取り戻した」とは判断できません。売買を合計すると、1万円の損失は残っています。

同数量の値動き損益=(売りの建値 − 買いの建値)× 数量買い:(基準レート−買値)×数量 / 売り:(売値−基準レート)×数量。2つを足すと基準レートが式から消えます。

数量が違えば、差の分だけ相場の影響を受ける

買い1万通貨・売り6,000通貨なら、差は買い4,000通貨です。米ドル/円のBidとAskがともに1円上がると、合計の値動き損益は4,000円増え、1円下がると4,000円減ります。売りの方が多ければ逆です。

「固定」と言える条件は限定されます。同じ数量で、BidとAskが同じ幅だけ動き、スプレッドとスワップなどが変わらない場合の値動き部分です。実際の損益は、次の計算機でBid・Askを分けて確かめます。

両建ての損益と、決済後に残る数量を計算する

米ドル/円など、円が右側の通貨ペア用です。買いは現在Bid、売りは現在Askで評価します。同じ時点のレートを入力してください。ユーロ/米ドルなど、損益の円換算が必要な取引には使えません。

各側の建値が1つのケースを計算します。数量はLotではなく通貨数です。1Lotの通貨数は商品で異なるため、Lotと通貨数量の確認方法を参照してください。

1. 現在保有している建玉
買い数量0なら空欄でも計算できます。
保有していない場合は0。
売り数量0なら空欄でも計算できます。
保有していない場合は0。
2. 同じ時点のレートとスワップ
買い建玉の評価・決済に使うレート。
売り建玉の評価・決済に使うレート。
入力した未決済建玉分。受取は正、支払は負。
すでに別途受払いした分は入れません。数量0の側は0。
3. 今回決済する数量(試算)

現在の損益だけを見る場合は両方0。各側が同じ建値であることを確認してください。建値が異なる複数建玉の一部決済は対象外です。

買い建玉を売って閉じる数量。保有量まで。
売り建玉を買い戻して閉じる数量。保有量まで。

入力値はこのページ内だけで計算します。注文を送る機能はありません。

現在保有している建玉の損益

—

合計(入力スワップを含む)—
現在の買いと売りの差—
買いの値動き損益—
売りの値動き損益—
入力した累計スワップ合計—
現在のスプレッド—

指定数量を決済した直後の内訳

入力したBid・Askで、指定数量が全て決済できた場合。次の「決済分」「残る評価」は値動き分だけです。スワップを両者へ自動配分しません。

決済分+残評価+入力スワップ—
決済後の買いと売りの差—
今回決済分の損益(値動き分)—
残る評価損益(値動き分)—
残る買い数量—
残る売り数量—
その後1円上昇したときの変化—
その後1円下落したときの変化—

—

概算・円未満は四捨五入。合計は丸める前の数値で算出するため、表示した内訳の足し算と差が出る場合があります。過去に決済した取引の損益、受払済みスワップ、手数料、税、個社の端数処理は含みません。全決済の試算でも、入力スワップは取引全体の参考額として一度だけ合算します。実際の決済額は約定履歴で確認してください。

計算式と、結果に含めないもの

現在の値動き損益=(Bid−買い建値)×買い数量+(売り建値−Ask)×売り数量。これに入力した累計スワップを加えます。BidとAskの差は計算に入っているので、スプレッドをもう一度引きません。

今回決済分は同じ式の数量を「決済する数量」に、残る評価分は「保有数量−決済する数量」に置き換えます。追加手数料がなく同じレートで成立する仮定では、両者を足した額は決済前と同じです。

1円上昇時の変化=残る買い数量−残る売り数量、1円下落時はその逆符号です。BidとAskがともに1円動き、スプレッド・スワップが変わらず追加取引もしない条件です。

スリッページ、注文不成立、会社独自の建玉整理、必要証拠金、ロスカット水準は計算しません。異なる建値の一部決済では、実際に選ぶ建玉ごとに計算が必要です。

片側を決済しても、それまでの損益は消えない

計算機の初期例で確かめます。買い150円・売り149円を各1万通貨、現在Bid147.995円・Ask148.005円、スワップ0円とします。買いは−20,050円、売りは+9,950円で、合計−10,100円です。

ここで売り建玉のうち4,000通貨を148.005円で決済すると、その分の利益3,980円が確定します。残るのは買い1万通貨と売り6,000通貨です。

今回決済した売りの利益+3,980円
+
残る売買の評価損益−14,080円
=
取引全体の値動き損益−10,100円

確定利益の3,980円だけを見ても、残る評価損の14,080円だけを見ても、全体はつかめません。決済した分と、残った分を足して確認します。

上と同じ建値・数量・レート。各指定数量が全て成立し、追加費用がない直後の試算
今回の決済決済分の損益残る評価損益残る買い/売り
売り4,000通貨+3,980円−14,080円10,000/6,000通貨
売り1万通貨を全て+9,950円−20,050円10,000/0通貨
買い1万通貨を全て−20,050円+9,950円0/10,000通貨
買い・売りを各1万通貨−10,100円0円0/0通貨

決済した後は、残る数量で損益の動きが変わる

売り4,000通貨を決済した例では、買いが4,000通貨多く残ります。その後BidとAskがともに1円上がれば合計は4,000円改善し、1円下がれば4,000円悪化します。スプレッド・スワップが変わらない条件で、それぞれ−6,100円、−14,100円です。

買いと売りを同数量ずつ一部決済した場合は、数量差が0でも両方の建玉が残ります。両方を全て決済して保有がなくなる場合とは分けて考えましょう。

どちらを先に外せば有利かは、その後の値動きで変わります。この計算から有利な方向や決済時刻は決められません。残す側の数量と、予想に反した場合の損失を先に確認してください。

同数量なのに損益が動く、2つの理由

スプレッドが広がると、売買の合計にも響く

買い建玉はBid、売り建玉はAskで評価されるのが通常です。計算機の初期例でBidを147.995円に据え置き、Askだけ148.005円から148.015円へ0.01円上げると、売り1万通貨の損益は100円悪化します。合計は−10,100円から−10,200円です。

同数量でも評価損が増えるのは、このように売値と買値の幅が変わるためです。評価方法と両建ての注意点は、金融先物取引業協会の説明でも確認できます。

スワップの受取と支払は、同額とは限らない

同じ通貨ペアを同じ数量持っていても、売買のスワップがきれいに相殺されるとは限りません。計算機には将来の日額ではなく、対象の未決済建玉に付いた累計額を入力します。日数や付与時刻、受払済みの扱いはスワップの仕組み・付与条件と利用商品のルールで確認してください。

両建てでも、証拠金とロスカットの確認は必要

買いと売りの差が0通貨でも、必要証拠金まで0になるとは限りません。売買の大きい側を基準にする方式など、商品の計算ルールによって扱いが異なります。両建ての会社別条件と注意点へ進み、利用中商品の最新の取引ルール・契約締結前交付書面と照合してください。

金融先物取引業協会は、両建て中でもスプレッドの急拡大でロスカットされる可能性があると説明しています。買いと売りの差だけでなく、口座全体の有効額、他の建玉、維持率を確認する必要があります。

ロスカットの判定と実際の決済には時間差があり、損失が一定額に収まる保証もありません。預けた証拠金を超える損失が生じる場合もあります。詳しくはロスカットの仕組みと確認方法を参照してください。

計算した後は、約定・残る建玉・注文を照合する

計算機で出た数量は、実際に決済できた数量ではありません。操作する際は、次の順番で確認します。

  1. 注文前:通貨ペア、新規か決済か、対象の買い・売り建玉、決済数量を照合する。売り建玉を閉じる注文は買い戻しです。
  2. 約定後:約定履歴で価格・成立数量を確認する。指定数量が全部成立したかは、約定の確認方法と残数量の見方で確かめられます。
  3. 建玉一覧:残る買い・売りそれぞれの数量を確認し、差を計算する。複数の建値があれば、ポジション管理と決済対象の確認手順に沿って整理する。
  4. 注文一覧:未成立の新規注文や決済注文、取消・変更結果を確認する。全て自動で消えるとは思い込まず、利用商品の処理を確認する。

「両建て継続」「片側だけ残る」「保有なし」を分ける

両方に数量があれば両建てが続き、一方が0なら片側だけが残ります。両方0なら保有なしです。どの状態でも、それ以前に決済した取引の損益は別に残ります。

両建てを続けるか迷ったときの確認先

「両建ては意味がないのか」「いったん終えた方がよいのか」という判断では、相場の予想だけでなく、保有目的、費用、必要証拠金、残す数量を比べる必要があります。両建てのデメリットと続ける前の判断基準で、一部決済などの代案も同じ条件で比較しています。

金融庁は、取引コスト等によって経済合理性を欠くおそれがあるとして、業者による両建ての勧誘を禁止していると説明しています。利用者の操作が一律に禁止されるという意味ではなく、取引可否と注文方法は商品のルールを確認する必要があります。

両建ての確認は、売買の合計と残数量から

  • 買いと売りが同数量でも、建てた価格差による損益と費用は残る。
  • 損益はBid・Askを分けて計算し、スワップを重複させずに足す。
  • 片側や一部を決済した後は、確定分と残る評価損益を合わせて見る。
  • その後の相場の影響は、残る買い数量と売り数量の差で確認する。

計算機に戻り、決済する数量を変えて確認する

出典と計算条件の確認について

公式情報の確認日:2026年9月24日。制度・評価方法と、各社固有の操作条件を分けて確認しています。数値例と計算機は、明記した仮定に基づく説明用の概算です。

制作にはAIによる調査・文章整理・計算検証の支援を利用しています。編集方針と運営者は運営者情報で公開しています。本記事は両建ての推奨や利益の保証を目的としたものではありません。

あわせて読みたい