暗号資産(仮想通貨)の取引コスト

仮想通貨のスプレッドとは?計算ツールで負担・損益分岐を確認

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編集・運営:金融ナンバーワンサイト

スプレッドは、同じ時点の「自分が買う価格」と「自分が売る価格」の差。取引手数料が無料でも、この差があれば、買った直後に同じ価格のまま売ると購入額を下回る。

たとえば1BTCの買値が102万円、売値が98万円なら、0.01BTCを買う代金は10,200円。すぐ売って受け取る額は9,800円で、差は400円になる。これは仕組みを説明する仮定例で、現在の相場ではない。

本記事は日本円で暗号資産の現物を売買する場合を中心に扱う。取引コストを抑えても、価格下落による損失は避けられない。以下の例は、表示価格で全量が売買でき、別途手数料や端数処理がない前提だ。

自分の予算・数量でスプレッドの負担を計算する

購入画面と売却画面を開き、同じ銘柄の、できるだけ同じ時点の1単位あたりの価格を入力しよう。下の初期値は教材用の仮定で、現在の相場ではない。過去に買った価格からの損益は保有中の損益との違いで確認できる。

「1BTC=○円」など単価がある

その単価を下の買う価格・売る価格へ。同じ単位で揃えれば、BTC以外の円建て銘柄も計算できる。

「合計○円」だけ表示される

同じ数量の購入総額から売却総額を引けば差額になる。総額に数量をもう一度掛けない。単価を使う下の計算機には総額を入れない。

別途手数料・数量の刻み・円や数量の端数処理・売買中の値動きは含めない概算。入力範囲は各値0.00000001〜1兆、取引総額は1,000兆円以下。全量を入力した単価で売買できると仮定する。実際の注文可否や受取額は、利用先の確認画面で確かめよう。

価格を見ている間にも条件は変わる。例えばCoincheckの販売所は、注文数量なども考慮して価格を提示すると説明している。小さな数量の単価から大きな注文の総額を計算しても、その額で買えるとは限らない。

スプレッドは「買値−売値」、自分の負担は数量を掛ける

ここでいう買値(Ask)は利用者が買う価格、売値(Bid)は利用者が売る価格だ。板の「買い注文・売り注文」は注文を出した人の向きなので、同じ言葉でも読み違えないようにしたい。すぐ買うなら売り板、すぐ売るなら買い板を見る。

自分が買うとき

1BTCあたり 1,020,000円

0.01BTCなら 10,200円を支払う

自分が売るとき

1BTCあたり 980,000円

0.01BTCなら 9,800円を受け取る

1BTCあたりの幅:1,020,000−980,000=40,000円
0.01BTCの売却差額:40,000×0.01=400円

4万円という表示だけを見て、自分の取引でも4万円かかると思う必要はない。取引する数量が0.1BTCなら、この条件では差額は4,000円になる。ただし、数量を増やすと提示価格や約定価格が変わることもあるため、実際には数量を入れ直して確認する。

「往復だから2倍」は二重計上になる

買値と売値の差には、同じ時点で買って売るときの価格差がすでに含まれている。上の400円をさらに2倍して800円にしない。購入代金・売却代金を直接計算すれば、この混同を防げる。

別途の売買手数料がある場合は、その分も加える。円で徴収されるなら、購入代金+購入手数料−(売却代金−売却手数料)が往復の負担だ。売買する暗号資産から手数料が差し引かれる方式では、売却できる数量が減る点も確認したい。

手数料無料でも価格差は残る

たとえばGMOコインの販売所は、取引手数料無料とともに、売値と買値の差が実質的な手数料として発生することを案内している。無料かどうかは、費用のどの項目を指すかまで見よう。

買った直後に資産額が減って見えるのは、売却側の価格で評価されていることが一因になり得る。ただし、資産画面の評価方法や価格の更新時刻はサービスによって異なる。確認には、売却画面で同じ数量を指定した受取額を使うと分かりやすい。確認のために売却を確定する必要はない。

買った直後にマイナス?保有中の損益とスプレッドを分けよう

買った直後に売却側の価格で評価されると、買値との価格差がマイナスとして見えることがある。ただし、以前買ったときの価格と、今売れる価格の差は「保有中の損益」だ。今のスプレッドを調べるなら、今の買値と今の売値を並べる。

保有中の損失400円と、今の売買差200円は別の数字

以前、1BTC=102万円で0.01BTCを購入したとする。現在の提示が買値100万円・売値98万円なら、次のようになる。別途手数料はない仮定だ。

  • 以前の購入と今の売却を比べる:10,200−9,800=400円の損失見込み
  • 今の購入と今の売却を比べる:(100万−98万)×0.01=200円の売買差

400円のすべてを「現在のスプレッド」とは呼べない。過去の購入明細で取得額を、今の売却画面で受取額を確認しよう。

また、現物を保有しているだけで、スプレッドという費用が毎日残高から差し引かれるわけではない。価格に含まれる売買差と、保有中の評価額の変化を分けて見ると、費用の勘違いを減らせる。

「何%のスプレッドか」は、何で割った数字かを見る

買値102万円・売値98万円の例は、中間値が100万円なので、幅4万円は中間値の4%に当たる。一方、購入代金10,200円に対する400円の割合は約3.92%だ。同じ価格差でも、分母が違えば率は変わる。

買値102万円・売値98万円の例(横にスクロールできます)
知りたいこと計算答え
中間値を基準にした全幅の率4万円÷100万円×1004%
購入額に対する直後売却の損失率400円÷10,200円×100約3.92%

本記事で中間値基準のスプレッド率を求める式は、(買値−売値)÷{(買値+売値)÷2}×100。購入額に対する負担を見るときは、分母を買値に変える。比較記事の率を使う際も、全幅か片側分か、どの価格が分母かを揃えたい。

個社の「手数料相当額」にも注意が必要だ。Coincheckの販売所料金表では、カバー先または同社取引所の価格を基準としている。この表示を、そのまま「買値と売値の全幅の率」と読み替えることはできない。

元の購入額に戻るには、売る価格がいくら必要?

10,200円で買った0.01BTCを、手数料なしで10,200円に戻すには、売却画面の価格が1BTC=102万円になる必要がある。現在の売値98万円から見ると、必要な上昇は約4.08%だ。

必要な売値の上昇率=(102万円÷98万円−1)×100
=約4.08%

売値が4%上がっただけでは101万9,200円。0.01BTCの受取額は10,192円で、まだ8円足りない。損失率約3.92%と回復率約4.08%は、出発点が違う数字なのだ。

これは売却価格についての逆算であり、値上がり予測や売り時の推奨ではない。チャートの価格が約4.08%上がっても、将来のスプレッドや手数料次第では購入額に戻らない。売買手数料がある場合の損益分岐は、その費用も含めて計算する。

販売所のスプレッドが広い理由と、広がりやすい場面

販売所では業者が取引相手になり、購入価格と売却価格を提示する。その価格には、他の市場での調達やカバー取引、相場変動を引き受けるためのコストや収益の要素が含まれる。売買差額の全額が、そのまま業者の純利益になるわけではない。

板取引では、並んだ買い注文と売り注文の間に価格差ができる。販売所より狭い場面があっても、注文が少ない銘柄や数量の大きい注文では、見えている価格だけで全量を売買できるとは限らない。

時間帯を決め打ちする前に確認したいこと
場面起き得ること確認するもの
ニュースなどで相場が急変提示価格が頻繁に変わり、売買差も広がる両側の価格と提示の有効条件
取引が少ない銘柄・市場近い価格の売り手・買い手が足りない板の価格と数量
自分の注文数量が大きい複数の価格で成立し、平均単価が変わるその数量での見積額・平均約定価格

「何時なら必ず狭い」「ビットコインなら何%まで」と一律には決められない。売買差は銘柄・業者・時点・数量で変わる。急いでいないなら提示を見直す選択もあるが、待つ間に相場が不利に動く可能性もある。

スプレッドが狭くても、安く買えるとは限らない

今買うなら支払総額、今売るなら受取総額を比べる。スプレッドの幅だけでは、その会社の購入価格が他社より安いかまでは分からない。次の2社は、同じ時点・同じ0.01BTC・別途手数料なしという仮定だ。

幅はB社が狭いが、購入代金はA社が少ない例(横にスクロールできます)
比較する値A社(仮定)B社(仮定)
買値/1BTC102万円103万円
売値/1BTC98万円101万円
スプレッド/1BTC4万円2万円
0.01BTCの購入代金10,200円10,300円
0.01BTCの売却代金9,800円10,100円
その場で買って売る差額400円200円

買うだけならA社の支払額が100円少ない。すでに持っている同数量を売るならB社の受取額が300円多い。その場の往復差はB社の方が小さい。目的が変わると、比べる列も変わる。

長期保有後に売る価格は、この表では分からない。また、別の業者へ送って売るなら送付費用・着金までの価格変動・送付可否も関係する。この例を、業者間で移せば確実に得をする方法と考えないようにしたい。

販売所と板を同じ数量・予算で比べる方法は、取引所と販売所の費用比較で詳しく扱っている。会社ごとの料金は暗号資産取引所の手数料比較で確認できる。

スプレッドの負担を抑えるために、注文前に行うこと

  1. 買う銘柄と数量を先に決める。
    同じ会社でも販売所と取引所で取扱銘柄や最低数量が違う。使える方式を確認してから価格を比べる。
  2. 同じ時点の買値・売値と総額を見る。
    「手数料無料」やチャートの価格だけで判断しない。確認画面で、数量・代金・別途手数料を揃える。負担に納得できないなら、注文を確定せず見直す。
  3. 板取引を使う場合は、価格と数量を一緒に見る。
    最良気配の差が小さくても、その価格に十分な注文がなければ平均単価は変わる。方式の選び方は販売所と取引所の使い分けへ。
  4. 待てる注文では、指値で購入価格の上限を決める。
    成立した買い指値の約定単価は指定価格以下になるが、手数料は別。希望価格で成立しない場合や一部しか買えない場合がある。売り指値では、指定価格が約定単価の下限になる。
  5. 取引後は履歴で、約定単価・数量・手数料を確かめる。
    同じ売買を何度も繰り返すと、その都度コストが積み重なる。表示した見積りと成立した取引を区別して確認しよう。

指値を出せばMakerになる、とは限らない

たとえばbitbankの現物取引所の案内では、指値注文でもMakerにならない場合があると説明している。既存の注文とすぐ成立する指値は、Takerになることがあるためだ。Maker・Takerの手数料の適用条件や注文機能は、利用先のルールで確認したい。

コストが気になるからと、予定していなかった銘柄へ変えたり、無理に取引を急いだりする必要はない。自分が取引したい銘柄・数量で、支払う額と待てる条件を整理することから始めよう。

スプレッド・スリッページ・価格への影響は違う

同じ「価格の差」でも、比べているものが違う
用語見るもの
スプレッド同時点の買う価格と売る価格の差
スリッページ注文時に想定した価格と、実際に成立した価格のずれ。定義や表示方法はサービスによる
価格への影響(プライスインパクト)自分の取引数量が、その市場・プールの価格へ与える影響

スリッページはDEXだけのものではなく、販売所や板取引でも起こり得る。反対に、DEXを一括して「スプレッドがないから安い」ともいえない。仕組みによって見る値が異なり、交換手数料・価格への影響・ガス代も関係する。

DEXの交換手順や仕組みはDEX(分散型取引所)の解説へ、ネットワーク上の処理費用はガス代の仕組みへ。大きな数量を個別に見積もる取引は暗号資産のOTC・大口取引で扱っている。

この記事の確認方法

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数値例は、価格差と負担を理解するための仮定の教材だ。各社の実測スプレッドや利用体験ではない。本記事はAIを用いて調査・構成・原稿作成と公式情報の照合を行い、異なる観点で文章と計算を確認している。運営と制作方針は運営者情報に掲載している。

注文前は「買値と売値」「自分の数量」「別途手数料」の3点を確認する。率だけでなく円の負担まで分かれば、どの価格・方式で取引するかを判断しやすくなる。

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