暗号資産(仮想通貨)の証拠金取引

仮想通貨のレバレッジ取引とは?損益計算・証拠金・ロスカット

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レバレッジ取引は、預けた証拠金に対して大きな金額の売買を行う仕組み。日本の個人向け暗号資産デリバティブ取引は最大2倍で、証拠金10万円に対して20万円分の取引をする、という関係になる。

20万円の建玉なら、価格が10%動いたときの損益は2万円。買いでは上昇が利益、下落が損失となり、売りでは逆になる。2倍という数字だけでなく、何円分・何BTCを取引するかを見よう。

ロスカットがあっても、証拠金を超える損失は生じ得る。以下の損益例は、手数料や途中の強制決済を除いた計算用の仮定だ。実際にその値動きまで建玉を持ち続けられるとは限らない。

レバレッジ取引と現物取引の違い

現物を買うと、その暗号資産を保有する。一方、ここで中心に扱う差金決済型のレバレッジ取引では、価格に連動する売買を行い、反対売買などで損益を金銭で精算する。取引中の未決済の持ち高を「建玉(たてぎょく)」「ポジション」と呼ぶ。

日本円で現物を買う場合と、差金決済型の比較
見る点現物の購入レバレッジ取引
必要な資金購入代金と手数料証拠金と取引に必要な費用
売りから始める通常の現物売買では、保有している分を売るショートの新規建玉を持てる
外部ウォレットへ送る銘柄・サービス条件に応じて可能建玉そのものは送れない
損失と決済自己資金で買った現物の値下がり損は、購入額が上限維持条件による強制決済があり、証拠金を超える損失もある

同じ「レバレッジ」という案内でも、現物の資金や暗号資産を借りる信用取引と、差金決済のデリバティブでは契約が異なる。商品名だけで同じ仕組みと判断せず、返済期限・決済方法・費用を確認したい。「暗号資産FX」という名称も、米ドルや円などを売買する外国為替FXとは別の商品だ。

国内の「最大2倍」は個人向けの条件

個人向けの暗号資産関連店頭デリバティブでは、取引額の50%以上の証拠金を求める規制があり、最大2倍という関係になる。必要な証拠金の確認は、新規取引時だけでなく保有中にも行われる。これは必要な預託額の基準であって、損失を半分までに制限する約束ではない。金融庁の制度改正時の説明資料(PDF)でも、個人と法人を区別している。

法人では暗号資産リスク想定比率などに応じて条件が異なるため、個人の2倍をそのまま当てはめない。実際のサービスごとの対応・方式はレバレッジ取引の国内サービス比較へ。ここでは、個人が日本円を証拠金として取引する基本を説明する。

海外で高い倍率を掲げる業者でも、日本の居住者に向けて無登録で営業してよいわけではない。金融庁の利用者向け案内で登録状況や注意喚起を確認し、高倍率だけを選ぶ理由にしないようにしたい。

ロング・ショートの損益は「価格差×数量」で計算する

1BTC=1,000万円のときに、0.02BTCの建玉を持つと仮定する。建玉額は20万円。証拠金が10万円なら、取引開始時はその2倍に当たる。

ロング(買い)

価格上昇で利益、下落で損失

(決済価格−新規価格)×数量

ショート(売り)

価格下落で利益、上昇で損失

(新規価格−決済価格)×数量

0.02BTCの損益例(途中の強制決済・費用を除く)
BTC価格の変化ロングショート
1,000万円→1,100万円
10%上昇
+2万円−2万円
1,000万円→900万円
10%下落
−2万円+2万円

たとえばロングの下落損は、(900万円−1,000万円)×0.02=−2万円。証拠金10万円に対する損失率は20%だ。20万円の建玉に倍率を織り込んでいるので、この損益をさらに2倍にはしない。

ショートでは価格上昇が不利になる。価格の上昇幅には理論上の上限がないため、損失も預けた証拠金の範囲に収まるとは限らない。上の表は売買方向を理解する教材で、価格予測や推奨の建玉ではない。

証拠金を増やしても、同じ数量なら円の損益は変わらない

「倍率を下げる」には、預ける証拠金を増やす方法と、取引数量を減らす方法がある。どちらも倍率は下がるが、同じ値動きで失う金額が減るのは、数量を減らした方だ。

取引開始前に条件を変える3例(横にスクロールできます)
条件A:基準B:証拠金を増やすC:数量を半分にする
日本円の証拠金10万円20万円10万円
BTC数量0.02BTC0.02BTC0.01BTC
開始時の建玉額20万円20万円10万円
建玉額÷証拠金2倍1倍1倍
価格が10%逆行したときの損失2万円2万円1万円
開始時の証拠金に対する損失率20%10%10%

開始価格はすべて1BTC=1,000万円。ロングなら10%下落、ショートなら10%上昇を「逆行」とし、途中の強制決済・費用を除く。

BとCはどちらも1倍、損失率も10%だが、円の損失は2万円と1万円で違う。Bは取引を支える資金が増えただけで、値動きにさらされる0.02BTCは変わっていないからだ。

すでに損失があるときは、入金と一部決済を混同しない

保有中に証拠金を追加しても、それまでの含み損は消えない。同じ数量を持ち続ければ、その後の同じ値幅に対する円の損益も変わらず、取引に充てる資金が増える。

一部を決済した場合は、その部分の損益が確定し、その後の値動きを受ける数量が減る。未約定の注文や決済手数料も確認が必要だ。追加資金を入れて耐えることを当然の対処とせず、現在の建玉・残せる資金・決済する範囲を分けて考えたい。

必要証拠金と維持率は、最初に預けた金額とは別

口座画面では「証拠金」という言葉がいくつかの欄に出てくる。最初の入金額だけで判断せず、現在の損益を反映した資金と、建玉に必要な額を見分けよう。

預けた証拠金
取引を支えるために差し入れた資金。保有中の含み損がないことを意味しない。
有効証拠金・純資産額など
残高に評価損益や費用、代用資産の評価などを反映した金額。呼び方と算入範囲は業者による。
必要証拠金
建玉や注文を維持するために求められる金額。取引数量・価格・証拠金率などから算出する。
証拠金維持率
必要な証拠金に対して、現在の資金がどれだけあるかを示す割合。未約定注文分を控除するなど、具体的な式は利用先で確認する。

同じ2万円の含み損でも、維持率が同じとは限らない

ここでは、日本円証拠金10万円・0.02BTCの単一建玉だけを持ち、有効証拠金=10万円+評価損益、必要証拠金=現在の建玉額×50%とする単純モデルで考える。開始価格は1BTC=1,000万円。費用・未約定注文・代用資産は含めない。

維持率の分母も動く例(横にスクロールできます)
項目ロングで10%下落ショートで10%上昇
現在のBTC価格900万円1,100万円
評価損益−2万円−2万円
有効証拠金8万円8万円
現在の建玉額18万円22万円
必要証拠金9万円11万円
維持率=有効額÷必要額×100約88.89%約72.73%

この表は分母の動きを学ぶために、途中の追加証拠金判定やロスカットを省いた計算例だ。特定会社で取引を続けられる水準や、実際のロスカット価格を示していない。

最初の必要証拠金10万円をずっと分母に使うと、両方とも80%となり、このモデルの現在値とずれる。損失で分子が減るだけでなく、価格変動で分母も変わる点が大切だ。

現在の建玉額を有効証拠金で割った「実効倍率」を計算すると、上のロングは18万円÷8万円=2.25倍になる。開始時の2倍から変わったことを示す数字で、2倍を超える新規注文を出せるという意味ではない。必要な証拠金を満たさなければ、取引制限や追加証拠金、強制決済の対象になり得る。

たとえばSBI VCトレードの維持率の案内では、純資産額から注文必要証拠金を差し引いたうえで計算する。実際には評価に使う価格・未約定注文・他の建玉なども含め、口座画面と契約条件を確かめよう。

ロスカット・追証・決済後の不足金を分けて確認する

ロスカットは、所定の条件で建玉を強制決済する仕組み。預けた証拠金が残ることや、指定した価格で決済されることを保証するものではない。急変時には想定より不利な価格で決済され、損失が証拠金を超える場合がある。

「2倍なら50%逆行するまで待てる」ともいえない。維持率の基準や追加証拠金の判定により、それより前に決済されることがある。追証の解消期限が残っていても、通常のロスカットが先に発動する場合がある。通知やアラートの受信を待てる前提で管理しないようにしたい。

口座の状態によって、確認する欄が変わる
状態意味確認すること
保有中に維持率が低下建玉に必要な資金に対して余裕が減っている現在の維持率、建玉・注文数量、LC基準、追加証拠金の判定
追加証拠金(追証)が発生所定の判定で、追加の差し入れ等が必要な状態請求額、期限、認められる解消方法、解消済みの表示
決済後に不足金が残った損失や費用を口座資金でまかなえず、残高が負になった状態確定した不足額、支払期限、入金方法と事業者からの案内

「追証なし」だけでは、損失の上限は分からない

建玉を維持するための追加証拠金を求めるかどうかと、決済後の不足金を支払う必要があるかは別の条件だ。「追証なし」という表現を見たら、何の追加請求を指すのか、決済後のマイナス残高はどう扱うのかまで契約書で確認する必要がある。

追証が発生した後は、相場が戻っただけで解消と判断しない

SBI VCトレードの追加証拠金ルールでは、一度発生した追証は相場変動だけでは解消しない。自動的な注文取消しなどで不足額が変わる場合もあるため、最新の取引画面と解消通知を確認する。

また、同社のロスカットルールは、発動水準の価格での決済を保証せず、預託額を超える不足金が生じ得ることを明示している。具体的な判定時刻・解消期限・強制決済の順序はサービスによって違うので、自分の利用先の案内を優先しよう。

費用は、売買するとき・保有するとき・決済するときに分ける

取引全体の損益は、売買の価格差に加え、別途の手数料や保有中の支払い・受取りも反映して考える。実際の新規価格と決済価格で計算したなら、その価格に含まれるスプレッドをもう一度差し引かない。主に次の3点を確認したい。

  • 売買価格と取引手数料:買値と売値の差、注文方式ごとの手数料。計算の基本はスプレッドの計算方法へ。
  • 建玉を保有する費用:レバレッジ手数料、ファンディングレート、信用取引の借入に関する費用など。名称・計算の基準額・付与や徴収の時刻を確認する。
  • 決済に伴う費用:通常決済・ロスカット・追加証拠金未解消時の強制決済で、扱いが異なる場合がある。

保有費用を「どこでも8時間ごとのファンディング」と覚えない方がよい。たとえばGMOコインの暗号資産FXは日次のレバレッジ手数料を定めている。一方、SBI VCトレードでは、ファンディングレートの案内に基づき支払いと受取りの両方があり得る。

預けた証拠金だけを増やしても、建玉額を基準に計算する費用が下がるとは限らない。保有予定の期間と建玉数量を揃えて比較しよう。会社別の方式・費用・ロスカット条件は国内サービスの条件比較にまとめている。

始める前に、自分の注文をこの順番で確認する

  1. 目的と商品を確認する。
    現物を保有・送付したいのか、差金決済で価格変動を取引するのか。現物を検討する場合は取引所と販売所の使い分けへ。
  2. 価格ではなく、数量まで入れて損益を計算する。
    買い・売りの向き、建玉数量、不利に動いた場合の円の損失、別途費用を確認する。生活費や借入金で損失を埋める前提を置かない。
  3. 必要な資金と、強制決済になる条件を読む。
    預託額、必要証拠金、維持率、未約定注文の拘束、追証の判定と期限、不足金の扱いを、使う商品の書面で確認する。
  4. 注文を終える方法まで確かめる。
    新規注文と決済注文を区別し、約定後の建玉数量・注文残・損益を見る。逆指値を置く場合も、指定値での決済や損失上限が保証されるとは考えない。

説明できない条件が残るなら、実際の資金を入れる前に確認を済ませたい。操作を試す方法は暗号資産のデモトレード・練習方法で確認できる。練習と実取引では約定や心理的な負担が異なり、練習の利益が実取引の結果を保証するわけではない。

レバレッジは、必ず上限まで使うものではない。まず数量から損益額を計算し、その建玉を支える資金と契約条件を確認する。この順なら、倍率の小ささだけで損失を軽く見積もることを防ぎやすい。

この記事の確認方法

国内制度は金融庁の資料と現行の公式取引条件、個社の仕様は本文の公式リンクを照合した。仕様の共通確認時点は本ページの最終更新日。数値例は日本円建ての単純な教材で、実際の取引履歴や各社のロスカットシミュレーターではない。割合は小数第2位に丸めて表示している。

本記事はAIを用いて調査・構成・原稿作成と公式情報の照合を行い、異なる観点で内容と計算を確認している。実在の人物の取引体験や個別の監修を示すものではない。運営と編集方針は運営者情報に掲載している。

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