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ステーブルコインとは?仕組み・種類・日本での利用とリスク

最終更新日: 編集・運営:金融ナンバーワンサイト

ステーブルコインは、円や米ドルなど、基準となる通貨・資産の価値に連動することを目指すデジタル資産です。決済や送付、ブロックチェーン上の取引などに使われます。

「ステーブル」は安定という意味ですが、1枚が1ドル前後でも、日本円で同じ金額を保てるとは限りません。何に連動するか、何が裏付けか、自分はどう円に戻せるか。この3点から見ると、違いが分かりやすくなります。

日本の制度では「電子決済手段」に当たるものなどがあり、すべてを暗号資産と一括りにはできません。価格の安定を目指す仕組みと、損失が出ない保証も別です。

ステーブルコインの仕組み:何が価格を支えているのか

基準の価格に連動させることをペッグ、そこから離れることをデペッグと呼びます。ドル型なら「1枚≒1米ドル」、円型なら「1枚≒1円」が設計の目安です。市場で常にその価格で売買できるという約束ではありません。

  1. 1. 連動対象米ドルか、日本円か。それ以外の資産か
  2. 2. 裏付け・維持方法準備資産、担保、交換のルールは何か
  3. 3. 自分の換金経路発行者に戻すか、市場で売るか

準備資産と償還が、価格を戻す力になる

法定通貨の価値を基準に発行するタイプでは、発行者が準備資産を保有し、条件を満たした利用者からトークンを受け取って法定通貨を払い戻す仕組みがあります。この払い戻しが償還です。準備資産は現金だけとは限らず、国債などを含む場合があります。

仮に市場で1枚0.99ドル、発行者への償還が1ドルなら、その差を狙う取引が価格を戻す方向に働きます。ただし、これは償還資格があり、費用や所要時間を踏まえて取引できる参加者がいることが前提です。償還の停止、準備資産への不安、売買の薄さがあれば、ずれが続くこともあります。

担保とプログラムを使う方式や、別のトークンとの交換・発行量の調整で価格維持を試みる方式もあります。分類名だけで安全性を決めず、実際の裏付けと資金の戻し方を確認します。

何に使う?保有することと、運用することを分ける

  • 支払い・送付:相手が対応していれば、ブロックチェーン上で価値を移せます。相手の受入資産・ネットワーク・換金条件と、費用の確認が必要です。
  • 取引の決済:対応する取引所やDEXで、別の資産と交換する際に使われます。交換した後も、基準通貨の為替やトークン自体のリスクは残ります。
  • 貸付などの運用:別のサービスへ資産を供給して収益を得ようとする使い方です。保有だけの場合と比べて、借り手・運営者・プログラムなどのリスクが加わります。

「ドル型だから利息が付く」とは限りません。たとえばSkyは、USDS自体の保有と、利回りを得るためのsUSDS等を分けて説明しています。貸付や流動性提供の収益と終了条件は、DeFiの仕組み・利回りとリスクで確認できます。

USDT・USDC・JPYC・DAI/USDSはどう違う?

よく見かける例を、連動対象・裏付け・換金時の条件で比べます。国内での取扱一覧や、安全性の順位を示す表ではありません。DAI/USDSのように、複数の仕組みや資産を組み合わせるものもあります。

表は横にスクロールできます。内容は本ページの最終更新日に公式情報を確認しています。

名前より、裏付けと自分の出口を比べる
名称・基準裏付け・維持方法の要点換金前に確認したいこと
USDT
米ドル
Tetherが準備資産による裏付けを公表。すべてが銀行の米ドル現金という意味ではない発行者への直接償還には本人確認・最低額・費用等の条件がある。自分が使う売却先と分ける
USDC
米ドル
Circleが流動性の高い準備資産による裏付けと、その開示資料を公表通常のCircle Mintは企業・機関向け。個人が販売所で売る場合は、その提示価格と条件を確認
JPYC
日本円
JPYC社が発行する円建ての電子決済手段。JPYC EXで発行・償還を扱う本人確認、対象トークン、対応ネットワーク、最低額を確認。旧JPYC Prepaidとは別トークン
DAI/USDS
米ドル
Skyの仕組み。暗号資産だけでなく、ステーブルコインや現実資産への配分も関わるDAIからUSDSへのアップグレードと、銀行へのドル償還は別。利用中のトークン・交換先を確認

確認先:Tetherの準備資産情報、Circleの準備資産情報、JPYC公式の仕組み・FAQ、SkyのUSDS解説。

準備資産の公表を「何があっても安全」と読まない

資料を見るときは、対象日、資産の内訳、負債との関係、第三者が確認した範囲を読みます。たとえばCircleは準備資産の情報と月次の第三者証明を公表していますが、準備資産についての証明と、会社の活動全体を対象とする監査は同じものではありません。

また、担保型の仕組みで行われる清算は、通常、担保の価値や借入との比率に基づく処理です。「DAIが1ドルを割ると、自動的に担保が清算されて必ず1ドルへ戻る」という説明では、別の仕組みが混ざってしまいます。

1ドルのままでも円で減る?円高とデペッグを分けて計算する

ドル型の円換算額は、枚数 × 1枚のドル価格 × ドル円レートで考えられます。ドル価格が変わらなくても、円高になれば円換算額は下がります。実際に戻る金額には、換金の費用も影響します。

15万円で1,000枚を持った場合の4つの例

架空のドル型トークンを、1枚1ドル・1ドル150円で1,000枚取得したとします。購入額は15万円。売却時の総費用を各ケース500円と仮定し、取得時の費用・税・利息は含めません。枚数は一定です。実際の銘柄の価格、手数料、将来予測ではありません。

表は横にスクロールできます。「円の手取り」は下記の仮定で費用を差し引いた金額です。

1,000枚・購入額15万円・換金総費用500円を固定
売却時の条件1枚の価格1ドル円の手取り15万円との差
価格も為替も同じ1.00ドル150円149,500円−500円
ペッグ維持・円高1.00ドル135円134,500円−15,500円
デペッグ・為替は同じ0.97ドル150円145,000円−5,000円
デペッグと円高0.97ドル135円130,450円−19,550円

両方が変わった例:1,000枚 × 0.97ドル × 135円 − 500円 = 130,450円

「ドル価格は同じなのに円で減った」なら為替を、「為替は同じなのに減った」ならトークンの価格や売却条件を確認します。両方が同時に変わることもあります。

実際の売却画面では、円建ての見積りを使う

売却先が1枚当たりの円価格を提示しているなら、枚数 × その円価格 − 見積りに含まれていない費用が出発点です。円価格に為替やスプレッドが反映されている場合、さらに為替を掛けたり、同じ価格差を二重に引いたりしません。実際の損益は、取得時の費用を含めた支払総額とも比べます。

円型なら、この例のドル円変動は直接の要因になりません。それでも市場価格のずれ、換金費用、払戻しの停止などは別に確認が必要です。「円に連動する」と「いつでも費用なく円へ戻る」は同じではありません。

日本で買う・円に戻す方法:発行者への償還と市場での売却

日本では円建ての発行・償還サービスや、登録業者による外国通貨型の売買サービスが提供されています。利用先については、金融庁の暗号資産・電子決済手段関係の案内と登録一覧で、サービスに対応した登録を確認できます。登録の確認と、個別商品の損失リスクの確認は両方必要です。

発行者へ直接償還する

発行者等の窓口で、トークンを法定通貨へ払い戻してもらう経路です。

対象者・本人確認・最低額・受取通貨・手数料・処理時間を確認します。誰でも同じ条件で使えるとは限りません。

販売所・市場で売却する

利用先が提示する価格や市場の注文で、トークンを売る経路です。

売却価格・価格差・流動性・入出庫の可否・上限を確認します。発行者の額面での償還とは取引相手も条件も異なります。

USDCの通常のCircle Mintは企業・機関向けで、個人向け口座ではありません。直接償還の権利や条件は法域によっても異なるため、適用される規約の確認が必要です。Tetherにも直接取引の最低額と償還手数料があります。「1枚を発行者へ送れば、自分にも必ず1ドルが戻る」とは考えないでください。

今の残高から、円に戻す経路を選ぶ

同じUSDCでも、販売所の口座内にあるか、外部ウォレットにあるかで最初の手順が変わります。次の表は、下の2例へ進むための整理です。利用できる口座と受付条件がそろうことを前提にしています。

表は横にスクロールできます。条件が合わない場合は、送付前に公式の受付条件へ戻って確認します。

残高の場所・種類で変わる最初の確認
今持っているもの進む経路送付・換金前の確認
SBI VCトレード口座内のUSDC提示価格で売却 → 円残高 → 銀行へ出金売却価格と出金可能額を確認。外部へ出してから戻す手順は不要
外部ウォレットのUSDC受入条件を確認 → 入庫反映 → 売却 → 円出金SBI VCトレードを使う例ではEthereum対応。別の網・別版を同じ名前だけで送らない。受付停止・上限等も確認
現在の円償還に対応するJPYCJPYC EXで予約 → 指定条件で送付 → 銀行で円を受取本人確認・登録口座・最低額に加え、予約数量と実際の送付を一致させる
旧JPYC Prepaid/JPYCの版や網が不明種類を特定し、該当する公式案内へ現在のJPYC EX償還先へ見切りで送らない。網の不一致を未確認のブリッジ操作で解消しようとしない

例1:国内のSBI VCトレードでUSDCを売買する

SBI VCトレードでは、USDCを販売所の提示価格で売買できます。円へ戻す場合は、売却価格を確認して売り、日本円の出金手続きへ進む経路です。同社は発行者ではなく、通常の販売所売買と発行者の償還は別です。

売却が成立して口座の円残高が増えた段階と、銀行へ出金できた段階を分けて確認します。公式の日本円出金手順は、出金申請・予約までの案内です。出金可能額と処理状況を確認し、最後に受取銀行の入金明細で金額を確かめます。

外部ウォレットと移す場合、同社のUSDC入出庫はEthereumネットワークへの対応です。別のネットワークのUSDCをそのまま送らず、入出庫画面と対応ネットワークの公式FAQを確認します。クイック入金に伴う出金・出庫制限などもあるため、買った直後に必ず外へ送れるとは限りません。

価格差、取引・預託制限、出金条件は電子決済手段取引説明書(PDF)が確認先です。同書には、同社へ預託した外国電子決済手段について、発行者の償還が困難になった場合等の買取措置も記載されています。対象・条件・費用を伴う制度で、ウォレット内の全資産への一律保証ではありません。

例2:JPYC EXでJPYCを発行・償還する

JPYC社は2025年10月27日に、円建てJPYCの発行・償還を開始しました。発行は予約後に銀行振込を行い、登録したウォレットで受け取る流れ。償還は予約後に指定先へJPYCを送り、登録した銀行口座で円を受け取る流れです。公式のサービス開始の案内で確認できます。

本ページの確認時点では、発行・償還の最低額は3,000円相当です。発行・償還手数料が無料でも、銀行振込の手数料や、ウォレットから送る際のガス代は利用者負担です。本人確認や利用資格、対応ネットワーク、処理時間はJPYC公式FAQで確認してください。即時に銀行へ着金するという前提で予定を組まないことも大切です。

JPYCの償還予約では、少額の確認送付を分けて考える

JPYC EXから直接償還する場合は、出金先の銀行口座と送付元ウォレットの登録を済ませ、予約した数量・ネットワーク・送付元・指定先・期限を送る前に照合します。アカウント連携に対応したウォレットアプリから進む場合も、必要な登録と操作を使う入口の公式償還手順で確認します。

たとえば3,000 JPYCを償還予約し、確認のため100 JPYCだけを送ると、予約数量と一致しません。通常のウォレット間送付で行う少額確認を、そのまま償還先へ適用しないでください。同じJPYCでも予約と異なるネットワークから送るなど、条件が一致しない場合は償還に応じない旨がJPYC EX利用規約(PDF)第19条にあります。

送付後はJPYC EXの取引履歴や案内メールを確認し、最後に登録した銀行口座への円入金を確かめます。チェーン上の送付成功だけで銀行受取完了とは扱いません。不一致や確認待ちになった場合は、自己判断で不足分を追送せず、届いた案内と公式窓口で確認します。

旧JPYC Prepaidは別トークンです。名前が似ていても、現在のJPYC EXの円償還をそのまま使えるとは扱わず、旧版についての公式案内と、自分の残高の種類を確認します。

ここでは売却と直接償還の違いが分かる2例を取り上げました。国内の選択肢を網羅したものではありません。たとえばSBI VCトレードの現行説明書にはRLUSDやJPYSCも掲載されており、銘柄ごとの条件は別に確認する必要があります。

送る前に、トークン・ネットワーク・戻し先をそろえる

購入画面に名前があることと、自分のウォレットからそこへ送れることは別です。買う前や送る前に、次の順で確認すると、途中で換金経路が途切れるのを防ぎやすくなります。

  1. 何のために使い、最後にどこで円に戻すかを決める。
    支払い先、発行者の窓口、販売所などの候補で、自分が利用条件を満たすか確認します。直接償還を使えないなら、利用できる売却先の条件へ戻ります。
  2. 同じトークン・同じネットワークか照合する。
    発行者公式の情報と受入先の案内で、名称だけでなくネットワークや必要な場合はコントラクトアドレスを確認します。ブリッジを経由したトークンや旧版は、元の銘柄と同じように扱えない場合があります。
  3. 受取額・最低額・費用・待ち時間を確認する。
    売却や償還に必要な数量、送付費用、ガス代、銀行への出金条件を確認。少額の確認送付をする場合も、受入先の最低入庫額を先に確かめます。JPYCの償還予約のように数量一致が条件の送付は、予約と違う少額を試送しません。
  4. 利用後に残高と取引記録を確かめる。
    数量、日時、円換算額、費用、取引履歴を残します。反映されなければ、取引の状態と受入先の稼働情報を確認し、追加送金を急がず公式窓口へ問い合わせます。

ウォレットの扱いはウォレットの管理方法、費用はガス代の仕組みで確認できます。DEXで交換する場合はDEXの価格・流動性・費用の確認点へ。これらの操作を加えるほど、確認する条件も増えます。

価格以外にも、資金が戻らない理由がある

準備資産・発行者・償還のリスク
裏付けの不足、資産の値下がり、発行者や関係先の問題で、償還が遅れたり価格が崩れたりするおそれがあります。最新の資産開示と、停止時の取扱いを確認します。
売却先・送付・管理権限のリスク
価格差の拡大や入出庫停止、不具合、送付先の誤りが換金を妨げることがあります。トークンによっては発行者等に凍結権限もあるため、発行者規約と利用先の条件を読みます。
自己管理・運用先のリスク
秘密鍵の漏洩や不正な署名で資産を失うことがあります。DeFiへ入れれば、プログラムや借入時の清算などのリスクも別に加わります。秘密鍵や復元フレーズの問題は漏洩・紛失時の確認方法へ進んでください。

ステーブルコインを持つだけで、銀行預金と同じ契約や保護を得られるわけではありません。外貨を保有する方法として比較するなら、外貨預金の条件も別の仕組みとして確認します。

「安定しているから記録はいらない」「円に戻さなければ税の確認は不要」とは考えず、取引の記録を残してください。税務上の取扱いは銘柄の法的区分や取引内容によって確認が必要です。個別の判断は税務署や税理士に相談します。

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制度は金融庁、裏付けと償還は発行者、国内の売買・送付条件は提供事業者の公式資料で確認しています。共通の確認時点は本ページの最終更新日です。円換算の表は条件を固定した説明用の計算で、取引実績や予測ではありません。

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