クレジットカードの法律と消費者保護

割賦販売法とは?クレジットカードの対象と支払停止の条件

最終更新日: 編集:金融ナンバーワンサイト

割賦販売法(かっぷはんばいほう)は、商品やサービスを後払い・分割払いなどで買う取引のルールを定め、購入者を保護する法律です。クレジットカードでは、支払い能力を超える利用を防ぐ調査、契約条件の説明、購入トラブル時の支払停止、カード情報の安全管理などに関わります。

ただし、どの支払い方にも同じルールが適用されるわけではありません。翌月1回払いと、2か月を超えて支払う分割・ボーナス払いでは、確認する規定が違います。まずは支払い方と、知りたい保護を分けて見ていきましょう。

目次を開く

割賦販売法の対象は、分割払いだけではない

割賦販売法には、販売店への分割払い、カード会社などを通じた後払い、前払いの積立方式など、複数の取引類型があります。このページでは、日本の個人利用者がクレジットカードで商品・サービスを買う場面を中心に扱います。

カードを使って代金を立て替えてもらい、2か月を超える期間で支払う取引やリボ払いは、「包括信用購入あっせん」という枠組みで説明されます。「分割は3回から」という回数だけで、法律全体の対象を決めることはできません。

表が画面に収まらない場合は、表の中を横に動かせます。

カードの支払い方と、確認するルール
支払い方与信・支払停止などの確認読み違えやすい点
翌月1回払い
(マンスリークリア)
通常、包括信用購入あっせんの支払停止の抗弁の対象にはなりません。カード情報の安全管理に関する規定は別に適用されます。「法律と無関係」という意味ではありません。
2回払い・分割払い2か月を超える支払期間かを確認します。支払停止には金額・取引内容などの条件もあります。「2回だから対象外」「3回ならどんな契約も対象」と回数だけで決めません。
ボーナス一括払い支払期間が2か月を超える場合、対象となり得ます。1回で払っても、翌月1回払いとは扱いが異なります。
リボ払い包括信用購入あっせんの規定を確認します。支払停止の金額基準は現金販売価格で見ます。月々の請求額や、手数料を足した将来の支払額で金額基準を判定しません。
キャッシング現金の借入れには貸金業法などのルールが関わります。同じカードでも、ショッピングの立替払いと金銭の借入れは別です。

「対象となり得る」は支払停止の成立を確定する表現ではありません。利用日・支払期日・契約方式を、明細や契約書とカード会社の窓口で確認してください。根拠:経済産業省「割賦販売法(後払分野)の概要・FAQ」。

カード会社と販売店が別でも、購入トラブルを相談できる

カードショッピングでは、利用者が販売店から買い、カード会社側が代金の決済に関わり、利用者は後からカード会社へ支払います。買い物の契約と、カード代金の支払いが別の関係になっているのが特徴です。

そのため、商品が届かない場合は販売店への連絡だけでなく、カード会社への相談も必要になります。一定の条件を満たせば、販売店との問題を理由にカード会社への支払いを一時的に拒める仕組みが「支払停止の抗弁」です。

包括信用購入あっせん

カードなどを使い、あらかじめ定めた利用枠の中で買い物をする方式。カードの分割・リボなどが関係します。

個別信用購入あっせん

商品・サービスを買う契約ごとに、信販会社などと支払いの契約を結ぶ方式。販売店で申し込むショッピングクレジットなどが該当します。

販売店が自ら代金を分割で受け取る「割賦販売」や、購入資金の借入れを保証する「ローン提携販売」も別の類型です。「ローン」という名前だけでは、適用される法律や契約方式までは分かりません。

支払可能見込額は、生活費などを差し引いた支払い能力の目安

カード会社は、対象となるカードの発行や増枠などにあたり、年収だけでなく、生活の維持に必要な費用やクレジット債務なども調べます。生活費を使い切るほどの支払いを抱え込まないようにするためです。

支払可能見込額の基本的な考え方
年収等 − 生活維持費 − クレジット債務の年間支払予定額

生活維持費には、世帯人数や住居の状況などに応じた基準額や、FinTech等のサービスで把握した実費を用います。一般の包括信用購入あっせんでは、原則として、調査した支払可能見込額の90%を超える利用限度額を設定できません。預貯金等を勘案できる場合もあり、単純に年収へ90%を掛ける計算ではありません。

一方、限度額30万円以下のカード発行等には一定条件で調査方法の例外があり、認定を受けた事業者や少額包括信用購入あっせんの制度では別の審査方法も認められています。90%の式だけで、自分の発行可否や利用枠を確定することはできません。

根拠:経済産業省「割賦販売法(後払信用)の概要」、同省FAQ。実際に残っている利用可能額や、支払い後の枠の回復は利用限度額・利用可能額の確認方法で説明しています。

契約書や明細では「総額」と「支払期日」を見る

割賦販売法は、対象取引の契約条件を通知するルールも定めています。紙だけでなく、要件に応じた電子的な提供もあるため、会員サイトの明細・契約内容も確認先になります。

  • 商品代金と手数料を合わせて、いくら支払う契約か
  • 何回で、いつまで支払うか。リボなら支払額の決まり方と手数料の条件
  • 購入先、利用日、支払い方式が実際の申込みと合っているか

費用や回数を選びたい場合は、分割払いの手数料・回数・あとから変更の注意点へ進んでください。

支払停止の抗弁は、購入トラブルが解決するまでの支払いを止める仕組み

商品が届かない、契約したサービスが提供されない、届いた商品に契約内容と異なる不具合がある。こうした販売店との問題を理由に、一定の条件の下でカード会社への支払いを一時的に拒めるのが「支払停止の抗弁」です。「抗弁権の接続」と呼ばれることもあります。

支払停止の抗弁だけで契約が解除されたり、申出前に払った代金の返金が決まったりするわけではありません。商品が届くなど問題が解決すれば、支払いが再開されます。解約・返金の話と、調査中の請求の扱いを分けて相談してください。申出後、停止が間に合わず引き落とされた場合は、受付日と引落日の順序を確認します。

先に見るのは「問題の内容・支払い方式・契約の金額」

  1. 販売店との問題があるか。単に支払いが苦しいことを理由とする制度ではありません。
  2. 対象となる信用購入あっせん等の取引か。翌月1回払いと分割・リボ・ボーナス払いを分け、支払期間も確認します。
  3. 契約1件の金額が基準に届くか。カードの利用枠や今月の請求合計で比べません。
  4. 適用除外に当たらないか。営業のために、または営業として結ぶ取引などには除外があります。連鎖販売個人契約等の例外もあるため、仕事に関係する購入は窓口へ事情を伝えてください。
カードの分割払い・対象となるボーナス払い等

支払総額 4万円以上

その購入契約の手数料を含む支払総額で確認します。今月支払う額や、支払い途中の残額ではありません。

カードのリボ払い

現金販売価格 3万8千円以上

商品・サービス等の現金販売価格で確認します。リボ手数料を足して基準額に届かせる計算はしません。

金額基準を満たすだけでは、支払停止の可否は決まりません。権利の種類などによる適用除外もあります。制度と主な除外条件は日本クレジット協会「商品が届かないときの相談」、法令は割賦販売法で確認できます。

商品代金が4万円未満でも、分割とリボでは確認する額が違う

次は、国内で自分用に買った商品が届かず、販売店との問題が解決していない場合の説明用の例です。手数料は仮定の値で、特定のカードの料金ではありません。まず金額の見方を比べ、その後で期間や契約条件を確認します。

表の右側が見えない場合は、表の中を横に動かせます。

同じ39,000円の商品でも、見る欄が変わる
支払いの条件比べる金額ここから確認すること
3回の分割払い
支払期間は2か月超
手数料1,200円
39,000円+1,200円=40,200円支払総額4万円以上という金額条件に届きます。商品代金だけを見て、対象外と決めないことがポイントです。
リボ払い現金販売価格の39,000円3万8千円以上という金額条件に届きます。手数料や毎月の支払額は、この比較には使いません。
翌月1回払い39,000円金額の比較だけでは進めません。通常は法定の支払停止の対象外ですが、カード会社への購入トラブルの相談はできます。
ボーナス一括払い
支払期日は2か月超先
手数料なし
支払総額の39,000円期間だけでは決まらず、支払総額4万円以上の金額条件には届きません。契約内容と別の対応を窓口で確認します。

境目の見方:分割等の支払総額が39,999円なら4万円未満、40,000円なら「4万円未満」という除外には当たりません。リボも現金販売価格37,999円と38,000円で金額条件の扱いが変わります。いずれも、ほかの条件を満たすかは別に確認します。

たとえば現金販売価格37,900円の商品をリボで買い、手数料を足すと38,000円を超える場合でも、比べるのは37,900円です。反対に、分割の今月の請求が15,000円でも、購入契約の支払総額が60,000円なら、金額条件は60,000円で確認します。

商品が届かないときは、販売店とカード会社へ順に連絡する

支払停止の相談では、購入した事実と、販売店との間で何が解決していないかを伝えます。カードの紛失や覚えのない請求なら、この手順を待たずにカード会社の不正利用窓口へ連絡してください。

  1. 販売店へ、商品提供や問題の解決を求める注文番号・約束の納期・現在の状況を伝えます。問い合わせの日時、相手の回答、メールや画面を保存します。店が閉鎖している、連絡がつかない場合は、その事実を記録します。
  2. 未解決・連絡不能なら、カード発行会社へ相談するカード裏面や公式アプリの窓口へ、支払停止の抗弁を申し出たいこと、購入日、支払い方式、問題の内容を伝えます。提出先・受付方法・必要書類は会社ごとに確認し、申出日と伝えた内容、受付についての回答を残します。
  3. 契約書・明細・販売店とのやり取りをそろえる注文確認、契約書、納期の説明、支払予定、問い合わせ記録などを用意します。日本クレジット協会の手続案内・申出書の記入例(PDF)も参照できます。様式は見本なので、会社所定の書式や提出先・方法を確かめ、契約したカード会社へ申し出ます。協会に送っても支払停止の手続きは受け付けられません。分からない欄は確認事項として伝え、資料が全部そろうまで相談を待つ必要はありません。
  4. 今回の引落しと、調査中の支払いを確認する申出の時期によっては、口座振替の停止が間に合わない場合があります。どの利用分をどう扱うか、引落し済みならどうなるか、いつ結果を確認できるかを聞き、回答を残します。

口座残高を減らして、請求全体を自己判断で止めることは避けてください。問題のない買い物や別の請求まで未払いになるおそれがあります。カード会社に対象利用と支払いの扱いを確認してから対応します。

申出後に引き落とされたら、受付日と対象の利用分を確認する

同じ購入トラブルでも、申出前に払った代金と、申出後に口座振替された代金では、相談する内容が変わります。銀行口座の引落記録だけでなく、カード明細の対象利用分と、発行会社への申出・受付の記録を照合します。

表が画面に収まらない場合は、表の中を横に動かせます。

支払った時点を分けてカード会社へ相談する
支払いの状況確認すること
申出前に、一部または全部を支払い済み支払停止の申出だけで、既払い分の返金は決まりません。解約・返金の希望と、未払い分があれば今後の請求の扱いを分けて相談します。
申し出た後、口座振替が止まらず引き落とされた申出の受付日等により、停止の事務が間に合わないことがあります。日本クレジット協会の案内では、後日、支払停止事由に該当する申出と認められた場合は、申出時から請求を停止したものとして精算するとされています。受付日・引落日・対象利用分を伝え、調査結果と精算の方法・時期を発行会社へ確認します。

根拠:日本クレジット協会「支払停止等の抗弁に関する手続き」(PDF)1ページ末の口座振替に関する注意と、2ページの申出方法。申し出た事実だけで支払停止や返金が確定するわけではありません。別の買い物も同じ日に引き落とされる場合は、請求全体と対象利用分を分けて確認してください。

金額や支払方法が条件に合わないとき

法定の支払停止に当てはまらなくても、販売店への履行・返金の申出や、カード会社への調査相談までできなくなるわけではありません。対応内容や必要資料は契約・事実関係で変わります。チャージバックの仕組みとカード会社への相談手順も確認してください。

販売店やカード会社との話が進まない、契約方式が分からない場合は、消費者ホットライン188から消費生活相談窓口につながります。個別の権利行使や契約解除は、相談員や弁護士などに事情を伝えて確認してください。

カード情報の安全管理は、翌月1回払いにも関わる

割賦販売法は、カード番号等の適切な管理や不正利用の防止についても定めています。翌月1回払いが支払停止の抗弁の対象に通常含まれないことと、カード情報を守る義務があることは、別の話です。

加盟店等への安全管理・不正利用対策の義務化は、2018年6月1日施行の改正で行われました。2021年4月施行の改正では、安全管理義務を負う事業者の範囲の拡大や、一定の条件での新しい与信審査の仕組み、書面の電子化などが進められています。

不正利用対策の法律があるからといって、すべての被害で自動的に返金されるわけではありません。覚えのない利用に気づいたら、カード会社へ早く連絡し、利用停止・調査・補償の条件を確認します。具体策は不正利用に気づいたときの初動と対策へ、ネット決済の本人認証は3Dセキュアの登録・設定へ進めます。

根拠:日本クレジット協会「クレジットカードを取り扱うお店の皆様へ」、経済産業省の改正法FAQ。加盟店向けの具体的な安全対策と、利用者の補償条件を混同しないように確認しています。

貸金業法・チャージバック・クーリングオフとは役割が違う

何を解決するルールかで区別する
制度・仕組み主に関わること次の確認先
割賦販売法対象となる後払い取引等の利用者保護。支払可能見込額、支払停止の抗弁、カード情報管理など。契約したカード・信販会社、消費生活相談窓口
貸金業法貸金業者による金銭の貸付け。カードのキャッシングも関係します。年収の3分の1という原則は、対象となる個人向け貸付けの総量規制です。総量規制の対象と残高の数え方
チャージバックカード決済の調査・返金に関わる仕組み。割賦販売法の支払停止の抗弁と同じ権利ではなく、申出だけで成立するものでもありません。チャージバックの相談手順
クーリングオフ一定の取引で、期間内に申込みの撤回や契約解除ができる制度。割賦販売法にも訪問販売等に伴う個別信用購入あっせんの規定があります。契約内容と受領書面を用意し、188等へ。カードで払ったという理由だけで、すべての買い物に適用されるわけではありません。

カードのショッピングは貸金業法の総量規制の対象外ですが、利用できる金額が無制限になるわけではありません。割賦販売法の規制やカード会社の審査・利用枠を、それぞれ確認する必要があります。根拠:金融庁「貸金業法のキホン」。

遅延損害金も「法律上一律6%」とは考えない

支払いが遅れたときの扱いは、支払方法、契約内容、適用される規定で変わります。割賦販売法には遅延損害金等を制限する規定がありますが、カードのショッピング全体に一律の年6%を当てはめる説明は適切ではありません。遅延損害金の利率・日数と計算方法で、自分の契約の確認箇所を見てください。

法律の名前より、契約の「支払い方・金額・困っていること」をそろえる

割賦販売法を調べるときは、まずカードショッピングなのか借入れなのかを分け、次に支払い方式と期間を確かめると整理できます。購入トラブルがあるなら、分割等の支払総額とリボの現金販売価格を混同せず、販売店とのやり取りを残してカード会社へ相談しましょう。

条件が合うか分からない段階でも、相談に必要な資料は用意できます。注文の控え、契約書、明細、問い合わせ記録。この4つを手元に置くと、窓口へ伝える内容がまとまります。

本ページは、経済産業省・法令・日本クレジット協会等の公表資料を、ページ上部の最終更新日時点で照合して編集しています。AIを調査・構成の補助に使い、公式資料との照合と独立したAIレビューを行いました。特定の取引に法律が適用されるか、契約解除や返金を請求できるかという個別の判断を代行するものではありません。制作方法と訂正の案内は編集方針をご覧ください。

あわせて読みたい