Visa・Mastercard・JCBはどれがいい?
国際ブランドの違いと選び方
最終更新日:
海外でも使う1枚目ならVisaかMastercard、国内中心で優待重視ならJCB。この結論の理由と例外を、シェアの一次データとともに解説します。
ヒナコ
カードを申し込もうとしたら「ブランドを選んでください」って画面が出てきて、手が止まっちゃいました。VisaとJCB、何が違うんですか?
トシ
カードの機能そのものより「どこで使えるか」が変わる、と考えると分かりやすい。海外まで含めた加盟店網の広さならVisa・Mastercard、国内の優待ならJCBに分がある。まずは仕組みから順に押さえるのが近道だ。
第1章 【結論】国際ブランドはこう選ぶ
- 海外でも使う・迷ったら → VisaかMastercard(世界の取引件数シェアで首位級)
- 国内中心・優待や国内サポート重視 → JCB
- 2枚目を作るなら → 1枚目と別のブランドに分散
図1:国際ブランド診断チャート(当サイト作成)
結論はシンプルです。初めての1枚、あるいは海外でも使う予定がある1枚なら、VisaかMastercardを選んでおくと困る場面が少なくなります。世界の購入取引件数に占めるVisaのシェアは38.47%(2025年上半期・Nilson Report公表値)。加盟店網の広さは頭ひとつ抜けています。一方、生活圏が国内中心で、優待やサポートの手厚さを重視するならJCBが有力です。
このページでは、国際ブランドの仕組み、5大ブランドそれぞれの違い、シーン別の逆引きまでを一次情報ベースで整理します。読み終える頃には、自分に合うブランドを迷わず選べるはずです。
第2章 国際ブランドとは?カード発行会社との違い
国際ブランドとは、世界中の加盟店で決済できる「決済ネットワーク」を提供する事業者のことです。Visa・Mastercard・JCB・American Express(アメックス)・Diners Clubの5つが「5大国際ブランド」と呼ばれ、これに中国発の銀聯(UnionPay)と米国のDiscoverを加えて7大ブランドと数えることもあります。
多くの人がつまずくのが、「国際ブランド」と「カード発行会社」の混同です。たとえば「楽天カードのVisa」は、楽天カード株式会社が発行するカードに、Visaの決済ネットワークが載っているという関係です。Visa自身はカードを発行していません。Visa日本公式FAQにも「Visaでは、直接カード発行をおこなっておりません。」と明記されており(2026年7月30日閲覧・Visa公式FAQ)、カードの発行や会員サービスは提携金融機関=発行会社の仕事です。
| 役割 | 担当 | 具体例 |
|---|---|---|
| 決済ネットワークの提供 | 国際ブランド | Visa・Mastercard・JCBなど |
| カードの発行・審査・ポイント | 発行会社(イシュア) | 楽天カード・三井住友カードなど |
つまり、年会費・ポイント還元率・付帯保険は発行会社が決め、「どこの店で使えるか」を国際ブランドが決める、という分担です。カード選びで迷ったら、この2つを分けて考えるところから始まります。カード自体の選び方はクレジットカード総合ランキングで詳しく解説しています。
決済カード型とT&E型の2分類
国際ブランドは、成り立ちの違いから大きく2つの型に分けられます。
- 決済カード型(Visa・Mastercard):自社ではカードを発行せず、決済ネットワークのライセンスを金融機関に提供するスタイル。加盟店網の広さが持ち味です。
- T&E型(JCB・Amex・Diners):Travel & Entertainment(旅行・娯楽)の名のとおり、自社でもカードを発行し、旅行サポートや優待などの付帯サービスに力を入れるスタイルです。
「世界中で幅広く使いたい」なら決済カード型、「サービスの手厚さ」ならT&E型。この大まかな軸をまず押さえておくと、後の比較がぐっと楽になります。
第3章 5大ブランドの違い一覧【比較表】
5大ブランドに銀聯・Discoverを加えた主要7ブランドを一覧で比較します。
| ブランド | 世界シェア | 強い地域 | 向く人 |
|---|---|---|---|
| Visa | 件数38.47%(2025年上半期) | 世界全域・米国 | 迷ったらこれ。海外利用派 |
| Mastercard | 購入額20%(2022年) | 世界全域・欧州 | 海外利用派・コストコ利用者 |
| JCB | 数%程度(2022年購入額・他社合算) | 日本・ハワイ・アジア | 国内中心・優待重視 |
| Amex | 数%程度(同上) | 米国・日本(JCB網) | ステータス・旅行重視 |
| Diners | 数%程度(同上) | 米国・日本(JCB網) | ステータス・グルメ優待 |
| 銀聯 | 購入額40%(2022年) | 中国 | 中国渡航・出張が多い人 |
| Discover | 数%程度(同上) | 米国 | 日本では新規発行の選択肢が乏しい |
※シェアはNilson Report公表値(件数=購入取引件数ベース、購入額=金額ベース)。タッチ決済はいずれのブランドも展開していますが、利用可否は発行カード(券面)により異なります。
シェアは「何を数えるか」で順位が変わる
この表で注意したいのがシェアの基準です。世界シェアは、集計基準によって首位が入れ替わります。
・購入額(金額)ベース:銀聯40%・Visa35%・Mastercard20%で銀聯が首位(2022年通年・Nilson Report #1241公式リリース)
件数ではVisa、金額では銀聯が1位。銀聯は中国国内の巨大な決済量で金額シェアを押し上げている構図です。「Visaが世界一」「銀聯が世界一」という一見矛盾する情報がネット上に並存するのは、この基準の違いが原因です。なお、Amex・JCB・Diners・Discoverの個別シェアはNilson Reportの公開情報では確認できず、2022年購入額ベースの残余から「合計で数%程度」とわかるのみです。
日本国内に目を向けると、クレジットカードの発行枚数は3億2057万枚、20歳以上の1人あたり平均3.1枚(2025年3月末・日本クレジット協会統計)。年間のショッピング信用供与額は134兆5861億円(2025年・日本クレジット協会統計)に達し、カードは生活インフラとして定着しています。だからこそ、最初のブランド選びを丁寧にしておく価値があります。
第4章 Visa・Mastercard・JCBの強みと向く人
日本で選ばれることが多い主要3ブランドを、それぞれ詳しく見ていきます。
Visa:迷ったらこれ。世界シェア首位級の安心感
世界の購入取引件数シェア38.47%(2025年上半期・Nilson Report公表値)を誇る、加盟店網の広さが武器のブランドです。海外旅行・海外通販・国内の日常使いまで、「使えなくて困った」が起きにくいのが強みです。タッチ決済の普及も進んでおり、日本国内のVisaの対面決済に占めるタッチ決済の割合は約6割(2025年12月末時点・Visa公式発表)。コンビニやスーパーでかざすだけの決済が標準になりつつあります。
Mastercard:Visaと並ぶ世界網。コストコ派はこれ
購入額ベースで世界シェア20%(2022年通年・Nilson Report公式リリース)を持ち、Visaと並んで世界中で使いやすいブランドです。実用面の使い勝手はVisaと大きな差がなく、「VisaかMastercardか」は多くの場面でどちらでも困りません。決め手になるのは利用シーンです。代表例がコストコで、公式提携カード「コストコグローバルカード」(オリコ発行)の国際ブランドはMastercardです(2026年7月30日閲覧・オリコ公式)。コストコをよく使う人はMastercardを軸に考えると話が早くなります。
JCB:日本発の国際ブランド。国内優待と海外サポートが手厚い
JCBは日本発唯一の国際ブランドで、T&E型らしくサービスの手厚さが持ち味です。海外では「JCBプラザ ラウンジ」を主要都市7カ所に設置しており(2024年3月・JCB公式リリース)、ホノルル・グアム・ソウル・台北などで日本語サポートや荷物の一時預かりが受けられます。また、JCBは東京ディズニーリゾートのオフィシャルスポンサーで(2026年7月30日閲覧・東京ディズニーリゾート公式)、パーク関連のキャンペーンが定期的に行われるのも特徴です。
一方で、加盟店網は日本・ハワイ・アジアの一部に強く、欧州などでは使えない店に出会う場面が相対的に増えます。海外中心の人は、VisaかMastercardとの2枚持ちで補うのが現実的です。旅行保険やマイルまわりの比較はマイルと保険の教科書にまとめています。
第5章 Amex・Diners・銀聯・Discoverはどんな人向け?
残りの4ブランドは、明確な目的がある人向けの「指名買い」ブランドです。
Amex(アメリカン・エキスプレス):ステータスと旅行系サービス
T&E型の代表格で、空港ラウンジや旅行系の付帯サービス、ステータス性を重視する人に選ばれています。「海外ブランドだから日本では使いにくいのでは」と心配されがちですが、後述の相互開放により、日本国内ではJCB加盟店の多くで使えます。
Diners Club:歴史あるT&E型。グルメ優待に強み
日本で最初のクレジットカードを発行した歴史あるT&E型ブランドで(2026年7月30日閲覧・ダイナースクラブ公式)、レストラン優待などグルメ系サービスに強みがあります。こちらも日本国内ではJCBの加盟店網で使える店が多く、国内利用のハードルは見た目の印象より低めです。
銀聯(UnionPay):中国渡航のパートナー
購入額ベースの世界シェア40%(2022年通年・Nilson Report公式リリース)を持つ、金額では世界最大級の決済ネットワークです。ただし決済量の中心は中国国内で、日本在住者にとっては「中国出張・渡航が多い人が追加で持つブランド」という位置づけになります。
Discover:米国ブランド。日本では新規発行の選択肢が乏しい
米国発のブランドで、日本ではDiscoverブランドのカードを新規に作る選択肢がほとんどありません。ただし、Discoverカード保有者が日本のJCB加盟店で使えるという相互開放があり、訪日利用の文脈で名前を目にすることがあります。
【重要】JCB=Amex=Diners=Discoverの加盟店相互開放
ここが本章の核心です。JCBは他ブランドと加盟店網を相互に開放しており、Amex日本公式サイトには「アメリカン・エキスプレスのカードは、JCBとのパートナーシップにより日本全国で使えます。」と明記されています(2026年7月30日閲覧・Amex日本公式)。JCBとDiscoverも2006年に加盟店相互開放の提携を開始しており、Discover会員は日本のJCB加盟店網で、JCB会員は米国のDiscover Network加盟店で利用できます(2026年5月・JCB公式リリース、提携20周年)。Dinersも同様で、ダイナースクラブ日本公式サイトに「ダイナースクラブは、JCBとの提携により、国内で利用できる加盟店が拡大しています。」と明記されています(2026年7月30日閲覧・ダイナースクラブ公式)。
図2:日本国内におけるJCB加盟店網の相互開放(当サイト作成)
ヒナコ
えっ、じゃあアメックスを作っても、JCBが使えるお店ならだいたい使えるってことですか? 海外ブランドだから国内では不便なのかと思ってました。
トシ
その誤解は多い。日本国内に限れば、Amex・Diners・DiscoverはJCBの加盟店網に相乗りしている。国内の使い勝手を理由にAmexを避ける必要は薄い。ただし相互開放は国・地域単位の話で、世界中どこでも同じ扱いになるわけではない点に注意が必要だ。
第6章 シーンで逆引き:使う場所から決める
「どのブランドが優れているか」より「自分がどこで使うか」から逆算するほうが、選択はぶれません。代表的なシーンで整理します。
| 使う場所・シーン | 相性のよいブランド | 理由 |
|---|---|---|
| コストコ | Mastercard | 公式提携カード「コストコグローバルカード」(オリコ発行)がMastercardブランド(2026年7月確認・オリコ公式) |
| ハワイ・グアム・台湾・ソウル | JCB(またはVisa/Mastercard) | JCBプラザ ラウンジが主要都市7カ所(2024年・JCB公式)。日本人渡航先ではJCBが通用しやすい |
| 米国出張・欧州旅行 | Visa・Mastercard | 加盟店網の広さで困りにくい。JCB単独では使えない店が増える |
| 東京ディズニーリゾート好き | JCB | オフィシャルスポンサーとしてキャンペーン多数(2026年7月確認・TDR公式) |
| 中国渡航が多い | 銀聯 | 購入額シェア40%(2022年・Nilson)の中心は中国国内 |
海外事務手数料は「ブランド」ではなく「発行会社」で決まる
海外利用のコストで見落とされがちなのが、海外利用時の事務手数料です。「Visaは手数料が安い」といった比較をよく見かけますが、この手数料率を決めているのは国際ブランドではなく発行会社です。実際、楽天カードはVisa・Mastercard・JCB・Amexの全ブランド共通で3.63%(税込・2025年3月利用分より・楽天カード公式)、三井住友カードはVisa・Mastercardで3.63%(税込・2024年11月到着売上より・三井住友カード公式)。同じ発行会社なら、ブランドが違っても同率です。一方、JCB自身が発行するカードは基準レートに1.60%を上乗せする方式(2026年7月30日閲覧・JCB公式FAQ)で、表記体系自体が異なります。
つまり「ブランドで手数料を選ぶ」のではなく「発行会社の料率を確認する」のが正しい順序です。レートの仕組みを含めた詳細は海外利用ガイドで解説しています。
第7章 2枚目は別ブランドが安心
すでに1枚持っている人が2枚目を作るなら、1枚目と別の国際ブランドを選ぶのが基本です。理由は2つあります。
- 使えない店対策:店舗によって対応ブランドが異なるため、Visa系とJCB系のように分散しておくと決済できない場面が減ります。相互開放の関係を踏まえると、「Visa/Mastercardのどちらか」+「JCB/Amexのどちらか」という組み合わせで、国内外の主要な加盟店網をほぼカバーできます。
- 障害・トラブル対策:一方のブランドや発行会社側で決済障害が起きても、もう一方で支払いを続けられます。
なお、同じ発行会社で2枚目として別ブランドを追加できる場合もあります。たとえば楽天カードは、ブランド変更はできない一方で、2枚目カードとして別ブランドの追加発行に対応しています(2026年7月30日閲覧・楽天カード公式FAQ)。ブランド変更には解約と新規申込が必要になるため、切り替えを考えている人は解約時の注意点も先に確認しておきたいところです。組み合わせの考え方や年会費・管理の注意点は2枚持ち戦略の教科書で詳しく整理しています。
国際ブランドに関するよくある質問(FAQ)
Q. 国際ブランドは後から変更できますか?
同じカードのままブランドだけを変更することは、原則できません。楽天カードは解約のうえ新規申込が必要と案内しており(2026年7月30日閲覧・楽天カード公式FAQ)、三井住友カードも異なる国際ブランドへの切替手続きはできず、希望するカードを新規に申し込む形になります(2026年7月30日閲覧・三井住友カード公式)。解約と新規申込ではカード番号が変わり、公共料金などの登録変更が必要になるうえ、入会特典の対象外となる場合もあります。最初のブランド選びを丁寧にしておきたい理由がここにあります。
Q. コストコではMastercardしか使えないのですか?
コストコの公式提携カード「コストコグローバルカード」(オリコ発行)の国際ブランドはMastercardです(2026年7月30日閲覧・オリコ公式)。店頭で利用できるクレジットカードのブランドは限られるため、コストコを日常的に利用する人は、Mastercardブランドのカードを1枚持っておくと安心です。最新の対応状況はコストコ公式サイトでご確認ください。
Q. AmexはJCB加盟店で使えるって本当ですか?
本当です。Amex日本公式サイトに「アメリカン・エキスプレスのカードは、JCBとのパートナーシップにより日本全国で使えます。」と明記されています(2026年7月30日閲覧・Amex日本公式)。日本国内では、JCBに対応している店舗の多くでAmexも利用できます。ただし店舗側の端末や契約状況により例外はあるため、高額の買い物などでは事前に店舗へ確認しておきましょう。
Q. デビットカードやプリペイドカードも同じ国際ブランドですか?
同じです。国際ブランドは決済ネットワークの提供者なので、クレジットカードだけでなくデビットカード・プリペイドカードにも同じブランドが載ります。Visaを例にとると、Visa Credit・Visa Debit・Visa Prepaidの3形態に共通の決済ネットワークを提供しています(2026年7月30日閲覧・Visa公式FAQ)。クレジットカードはまだ早いという場合でも、Visaデビットなどで同じ加盟店網を使えるということです。
第8章 まとめ:あなたに合う国際ブランドはこれ
最後に、このページの結論をもう一度整理します。
- 海外でも使う・迷ったら:VisaかMastercard。世界の購入取引件数シェアはVisaが38.47%(2025年上半期・Nilson Report公表値)で、加盟店網の広さが安心材料になります。
- 国内中心・優待重視:JCB。日本発ブランドならではの国内優待に加え、主要都市7カ所のJCBプラザ ラウンジ(2024年・JCB公式)など海外サポートも意外に手厚い選択肢です。
- ステータスや旅行サービス重視:AmexやDiners。日本国内ではJCB加盟店網との相互開放があるため、使える店の心配は見た目の印象より小さくて済みます。
- 2枚目:1枚目と別ブランドに分散。Visa/Mastercard系+JCB系の組み合わせで主要な加盟店網を広くカバーできます。
国際ブランドは後から変更できないからこそ、「自分がどこで使うか」から逆算して選ぶことが大切です。ブランドが決まったら、次は年会費・ポイント還元・付帯サービスで具体的なカードを絞り込む段階です。カード本体の選び方はクレジットカード総合ランキングで、条件別にじっくり解説しています。あなたの生活に合う1枚を、落ち着いて選んでいきましょう。
当記事の情報源・公的機関リンク
・一般社団法人 日本クレジット協会「クレジット関連統計」: https://www.j-credit.or.jp/information/statistics/
・金融庁: https://www.fsa.go.jp/
・消費者庁: https://www.caa.go.jp/
・世界シェア=Nilson Report公表値(購入取引件数2025年上半期・購入額2022年通年)、各社情報=Visa・JCB・Amex・ダイナースクラブ・オリコ・楽天カード・三井住友カードの公式サイト(いずれも2026年7月30日確認)
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