住宅ローンの金利タイプ

住宅ローンは変動金利と固定金利どっち?違い・返済額で考える選び方

最終更新日: 運営・制作:金融ナンバーワンサイト

変動金利は、金利が上がった後の返済にも余裕を残せるか。全期間固定金利は、提示された返済額で暮らしと貯蓄を続けられるか。この2つを確かめると、選ぶ方向が見えてきます。

変動は借入後に金利が見直され、全期間固定は完済までの金利が決まります。「10年固定」などの固定期間選択型は、期間終了後に条件を見直すタイプです。将来の損得は金利の動き次第ですが、今の家計で引き受けられる負担は試算できます。

どっちを選ぶ?「毎月の余力」と「支出が増える時期」で考える

金利が低いときの返済額だけで決めると、教育費が増える時期や収入が減る時期に負担が重なることがあります。まず、生活費・住宅の維持費・必要な貯蓄を引いた後にも残せる額を見ます。

変動を検討しやすい家計

金利上昇時の増額を払っても、必要な貯蓄を続けられる。繰上返済をする場合も、生活防衛資金や近い将来の支出を別に残せる。

借入後も金利・返済予定表・家計を定期的に見直すことが前提です。

全期間固定を優先したい家計

将来の支出や収入変化を見越して、ローンの返済予定を先に確定させたい。固定の返済額でも、生活と貯蓄に無理がない。

「上昇が心配だから固定」だけで終えず、提示額を払えるかまで確認します。

一定期間だけ固定したい家計

特に返済額を安定させたい期間がはっきりしている。その期間が終わる時点の残高と、条件変更後の返済にも備えられる。

10年固定なら、11年目以降の家計も一緒に点検します。

固定の返済額も、変動の上昇後の返済額も厳しい場合は、借入額や住宅予算へ戻ります。低い当初金利で借入額を広げると、金利タイプを変えるだけでは負担を解消できないことがあります。

変動・全期間固定・固定期間選択型の違い

「いつまで金利が決まるか」と「次に何を確認するか」
金利タイプ金利・返済の特徴選ぶ前の確認点
変動金利契約に定めた時期に金利を見直す。金利の変更日と返済額の変更日は同じとは限らない。上昇後の負担、見直し頻度、5年・125%ルールの有無。
全期間固定金利完済までの金利が決まる。市場金利が上がっても、その影響で借入金利は変わらない。当初の返済額と総返済額。金利引下げ期間がある場合は、その終了後の予定額も確認。
固定期間選択型
(3年・5年・10年など)
選んだ期間の金利を固定。終了後は、その時点の金利と契約条件で再選択・移行する。固定終了後の引下げ幅、自動移行先、再選択期限、返済額の上限の扱い。

全期間固定でも、元金均等返済では返済額が徐々に減ります。当初だけ金利を引き下げる商品では、引下げ終了後に予定どおり返済額が増えることもあります。「金利変動の影響を受けない」と「毎月ずっと同じ額」は分けて考えましょう。

変動の方が当初金利を低く設定されることはありますが、金利タイプだけで高低の順番が決まるわけではありません。比較は同じ借入額・期間・返済方法で行い、団信や手数料もそろえます。具体的な比較票は住宅ローンの選び方・比較ポイントで確認できます。

金利タイプの基本:全国銀行協会「住宅ローンの金利タイプ」

3,000万円を借りたら?返済額から家計に残る額まで試算

金利が年1%から2%になると、返済額も2倍になるわけではありません。毎月の支払いには元金も含まれるからです。ここでは、借入3,000万円・35年・元利均等返済・ボーナス返済なしで比べます。

金利は説明用の仮定で、現在の募集金利や将来予測ではありません。当初5年間は年1%、60回返済後の残高約2,633万円を、残り30年で払い切る額へ再計算します。5年・125%ルールによる返済額の据置・上限は適用していません。実際の引落額を再現する表ではなく、金利上昇による負担を比べるための試算です。

金利が5年後に変わり、その後は一定とした比較
金利の仮定当初5年の月額6年目以降の月額35年の元利返済総額
年1%が続く約84,700円約84,700円約3,557万円
年1%→年2%約84,700円約97,300円
当初比+約12,600円
約4,012万円
年1%→年3%約84,700円約111,000円
当初比+約26,300円
約4,504万円
最初から年2%固定約99,400円約99,400円約4,174万円

月額は100円単位、総額は万円単位に四捨五入。団信の上乗せ金利、事務手数料、保証料、登記費用、税控除、繰上返済は含めません。総額は丸める前の月額で計算しています。

この条件では「5年後に2%」の総返済額は最初から2%固定より少なく、「5年後に3%」では多くなります。上昇する時期や残高が変われば結果も変わるため、何%になったら固定の方が得かを、金利1つだけで決めることはできません。

毎月3万円の余力が、教育費の増加で1万円になるなら

ここでいう余力は、今のローン返済・生活費・住宅維持費・必要な貯蓄を引いた後に残る額です。上の試算の増額分を引いてみます。

同じローンでも、将来の家計によって判断は変わる
増額前に残せる余力年2%へ上昇後年3%へ上昇後
毎月30,000円約17,400円残る約3,700円残る
毎月10,000円約2,600円不足約16,300円不足

3万円の余力でも、年3%のケースでは残りは約3,700円。突発的な支出まで受け止められるかは、預貯金と合わせて考えます。将来の余力が1万円なら、同じ借入額のまま変動を選ぶ前提を見直したいところです。

最初から年2%固定にする場合も、年1%の月額より約14,700円多く支払います。固定にすれば家計が楽になるとは限りません。借入額を下げる、住宅予算を調整するなど、比較前の借入条件へ戻って考えます。

返済中の人は、当初借入額ではなく現在の残高・残期間・適用金利を使いましょう。年1・2・3%は安全ラインを示す数字ではなく、条件を変えて考えるための例です。

試算の計算方法を見る

毎月返済額=借入額×月利÷{1−(1+月利)−返済回数}。月利は年利÷12。年0%なら借入額÷返済回数です。60回返済後の残高を求め、その残高と残り360回で金利変更後の月額を計算しました。期間中の金利は各シナリオの設定どおり一定とし、日割りや金融機関固有の端数処理は再現していません。

5年・125%ルールは、利息ではなく返済額の増え方を調整する

この2つは、採用している商品の変動金利・元利均等返済に設けられる返済額のルールです。全ての住宅ローンに付くものではありません。金利の見直し頻度も、半年ごとなど商品によって異なります。

5年ルール
金利が変わっても、所定の返済額見直しまで原則5年間は返済額を据え置く仕組み。その間も、返済額に含まれる利息と元金の内訳は変わります。
125%ルール
返済額の見直し時に、増額後の返済額を従前の1.25倍までに抑える仕組み。月10万円なら、見直し後の上限は月12万5,000円です。借入期間全体の返済額・利息に上限を付ける制度ではありません。

元金の減りが遅くなることと、未払利息が生じることは別です。利息が毎月返済額の範囲内なら、利息は払えていても元金への充当が減ります。利息が返済額を超え、払い切れない部分が生じると未払利息になります。

残高2,400万円・月の返済額8万円を同じにした、1か月分の例
年利その月の利息元金へ充当払い切れない利息
年1%2万円6万円なし
年3%6万円2万円なし
年5%10万円0円2万円

利息=残高×年利÷12の簡易計算。各行は同じ残高で比べた独立した例で、連続する月の返済経過ではありません。

抑えられた返済額だけを見ていると、想定より元金が残ることがあります。未払利息の繰越し方や最終回に残る元金・利息の精算は、契約書と返済予定表で確認します。

例えばSBI新生銀行「パワースマート住宅ローン お客様ご説明資料」(PDF)では、5年・125%ルールを採用せず、適用利率の変更ごとに返済額を見直すとしています。元金均等返済や固定期間終了時の扱いも商品ごとに確かめましょう。

10年固定は「10年後の金利」と「引下げ幅」をセットで確認する

固定期間選択型は、その期間が終わっても残りの返済が続きます。終了時点の基準金利だけでなく、当初期間と終了後で金利の引下げ幅が変わるかが大切です。

基準金利が同じでも、適用金利が上がる例

当初:基準金利 年3% − 引下げ幅 年2ポイント = 適用金利 年1%

終了後:基準金利 年3% − 引下げ幅 年1ポイント = 適用金利 年2%

仕組みを示す仮の数字です。実際の適用金利・引下げ幅・上乗せ条件は契約によります。

固定期間が終わると、残高・残期間と新たな金利をもとに返済額が決まります。そのときに従前の返済額の1.25倍以内に収まると考えず、終了時のルールを確認してください。自動的に変動へ移る商品でも、再び固定を選ぶには期限内の手続きが必要な場合があります。

教育費の増加や退職が固定期間の終了と重なるなら、その時点の収入・支出で家計に残る額を計算し直します。終了後に変動を選んだ場合と、選べる固定期間を選んだ場合の両方について、銀行に返済予定額を出してもらうと比べやすくなります。

固定期間終了後と資金計画:住宅金融支援機構「住宅ローン選びのポイント」(PDF)

変動から固定に変更できる?契約内の切替と借り換えを分ける

今の契約のまま選べる金利タイプは、金融機関と商品によって決まります。変動から固定期間選択型へ切り替えられる商品でも、完済までの全期間固定を選べるとは限りません。

  • 契約内の切替:選べる固定期間、申込期限、適用開始日、切替時点の金利、手数料を確認する。
  • 固定期間中:期間途中の金利タイプ変更が制限されることがある。変更可能な時期を契約で確認する。
  • 借り換え:別のローンで今のローンを完済する方法。新たな審査、団信加入条件、手数料などを含めて比較する。

「変動金利が上がってから、その前の低い固定金利へ変更する」という選び方はできません。固定金利と変動金利の動く時期はそろうとは限らず、切替時に選べる条件で判断する必要があります。

切替や借り換えを考え始めたら、現在の銀行の条件を確認したうえで、住宅ローンの比較票へ金利・費用・団信を記録します。借り換えでは健康状態などで団信の選択肢が変わる場合もあるため、団信の保障と加入条件も合わせて確認してください。

銀行に確認すること:借りる前・返済中・固定終了前

金利予想を尋ねるより、自分の契約で次に変わる項目を具体的に確認すると、家計に反映できます。商品説明書だけで分からない箇所は、契約番号と返済予定表を手元に置いて照会しましょう。

これから借りる人

  1. 正式に適用される金利と、金利が決まる日。申込日・契約日・融資実行日のどれが基準か。
  2. 金利の見直し日と返済額の見直し日。5年・125%ルールの有無、対象の返済方式。
  3. 固定期間がある場合は終了後の引下げ幅と手続き。変動金利が上がった場合と、固定期間が終わった後の試算。

変動金利で返済中の人

  1. 現在の適用金利・残高・残期間と、次の返済額見直し日。
  2. 返済額のうち元金と利息はいくらか。未払利息や最終回の追加精算の扱い。
  3. 今選べる固定期間と金利、切替期限・費用。家計の余力を超える場合は早めに返済の相談。

固定期間が終わる人

  1. 何もしなかった場合の金利タイプと、終了後に使う引下げ幅。
  2. 再び固定を選ぶ期限・方法・費用と、各選択肢の返済予定額。
  3. 終了時の返済額に上限規定があるか。終了後の見直しは、いつからどの規定に従うか。

返済額の見直しやリスクの確認項目:全国銀行協会「住宅ローン利用者に対する金利変動リスク等に関する説明について」(PDF)

金利タイプを絞ったら、次は正式な借入条件を比べる

上昇後の返済額だけでなく、支払った後に生活費と貯蓄を残せるかまで確認します。余力が足りなければ借入額へ戻る。余力を残せるなら、金利の変動を引き受ける範囲と、固定しておきたい期間を決める。この順番なら、将来の金利を言い当てなくても比較を進められます。

この記事の確認範囲・制作方法

運営・制作主体は金融ナンバーワンサイトです。Codexを使って調査・構成・執筆を行い、公式資料との照合と別のAI視点による内容確認を実施しました。個人の借入体験や、人間による個別監修を示す記事ではありません。編集方針もご覧ください。

制度・商品条件は上部の最終更新日時点で確認しています。試算は当サイトの仮定に基づく概算です。個々の契約の適用条件・返済額・切替可否は、金融機関の正式な案内で確認してください。

あわせて読みたい