提出を求められたら、まず使い道を確認
銀行口座とマイナンバー|提出は義務?付番・公金受取口座の違い
銀行の預金口座にマイナンバーを届け出る「預貯金口座付番」は任意です。すべての口座を紐付ける義務はありません。ただし、投資信託・NISAや外国送金など、番号の届出が法令上必要な取引もあります。
また、マイナンバーカードで本人確認をすること、銀行に番号を届け出ること、公金受取口座を登録することは別の手続きです。「マイナンバーをお願いします」と言われたら、どの手続きのためかを確かめると判断しやすくなります。
任意の範囲と例外は、国税庁「番号制度概要に関するFAQ」Q3-14-2、三菱UFJ銀行の届出対象取引で確認できます。
提出は必要?依頼の目的を4つに分ける
普通預金を開くときの案内と、投資信託を申し込むときの案内では、番号が必要になる理由が違います。申込画面や書類の見出しを見て、次のどれに当たるかを確認してください。
本人確認と番号利用の違いはデジタル庁「公的個人認証サービス」を参照。カードを使う開設方法があることと、口座への付番が必須かどうかは別に考えます。
普通預金だけか、投資信託や外国送金も使うかで変わる
| 利用する取引 | 番号の届出 | 確認すること |
|---|---|---|
| 普通預金口座のみの開設 | 付番のための届出は任意 | 本人確認書類は別に必要。使える書類・申込方法を銀行の案内で確認する |
| 投資信託・債券、NISA口座の開設など | 届出が必要 | 銀行や証券会社へ提出済みか、今回の取引先への届出が済んでいるか |
| 外国送金(海外へ送る・海外から受け取る) | 届出が必要な取引 | 銀行が案内する対象手続きと確認書類。付番の意向確認とは区別する |
| マル優・マル特、財形住宅・財形年金の申込みなど | 届出が必要 | 利用する非課税制度の申込・変更手続き |
主な例であり、すべての取引を列挙した表ではありません。三井住友銀行の任意・必須の案内と三菱UFJ銀行の公式案内をもとに整理しています。提出方法や再提出の要否は取引先の銀行・証券会社で確認してください。
銀行に尋ねるなら:「今回の番号提出は、普通預金への任意の付番ですか。それとも、申し込む取引で必要な届出ですか」と確認すると、話がかみ合いやすくなります。
マイナンバーカードが手元にない場合も、番号の届出が不要になるわけではありません。番号を確認できる書類と本人確認書類の組合せを、利用する銀行の公式窓口で確認してください。口座を開く準備全体はネット銀行の口座開設ガイドで説明しています。
付番と公金受取口座は「誰に・何を登録するか」が違う
どちらも口座とマイナンバーに関係するため、ひとまとめに「紐付け」と呼ばれがちです。ただ、選べる範囲も、後からやめられるかどうかも同じではありません。
| 比べる点 | 預貯金口座付番 | 公金受取口座 |
|---|---|---|
| 届出・登録先 | 金融機関へ番号を届け出る | 国(デジタル庁)へ受取口座を登録する |
| 主な用途 | 相続時・災害時に付番済み口座の所在を確認する | 給付金等の受取に使う口座情報の記入や添付書類を省く |
| 選べる範囲 | 金融機関を選ぶ。同行内の口座は個別に選べない | 本人名義の口座を1人1口座 |
| 後から取り消す・変える | 付番完了後の取消は原則できない | 登録口座の変更・抹消ができる |
| もう一方も済む? | 付番だけでは公金受取口座の登録にならない | 登録だけでは銀行への付番にならない |
出典:デジタル庁「預貯金口座付番制度」FAQ、公金受取口座登録制度の概要、公金受取口座に関する手続き。金融機関の口座管理状況によっては、休眠口座など付番されない口座もあります。
「もう済ませたはず」で迷いやすい4つのケース
次は、制度の違いを確かめるための説明例です。ご自身の申込画面や、受け取った通知の名前と照らし合わせてください。
カードを使って口座を開設した
カードを読んだだけで、付番済みとは判断しない
本人確認としてカードを使っただけなら、銀行への番号届出が済んでいるとは限りません。申込内容に「マイナンバーの届出」「預貯金口座付番」が含まれていたかを確認し、分からなければ銀行へ照会します。
普通預金の後に、同じ銀行で投資信託も始める
普通預金では任意でも、投資信託では届出が必要
口座を開いたときに提出しなかったからといって、投資信託でも不要にはなりません。届出済みかどうかと、投資信託の申込案内を確認します。三菱UFJ銀行の公式案内も、預金と投資信託等を分けています。
A銀行に2口座あり、1つだけ番号を付けたい
付番は口座ごとに選べない
A銀行を付番先として選ぶことはできますが、A銀行の中の1口座だけを指定することはできません。給付金の受取先を1口座だけ登録したいのであれば、確認するのは公金受取口座の手続きです。
公金受取口座は登録済み。相続の備えも済んだ?
付番の状況は別に確認する
公金受取口座を登録しただけでは、銀行側の付番は行われません。相続に備えて口座の所在照会を使えるようにしたいなら、付番を申し込んだか、完了したかを確認します。
手続きの区別・選択単位はデジタル庁付番FAQ Q9-2・8・9を参照。カードによる本人確認の詳しい仕組みはeKYCのガイドへ。
付番するなら、銀行を選ぶ前に3点確認する
- 番号を届け出る金融機関と、取消の扱いを確認する
付番は任意です。金融機関を選べますが、口座を個別には選べず、完了後は原則取り消せません。どの銀行を選ぶか決めてから申し込みます。
- 銀行に登録した氏名・住所を今の情報にそろえる
引っ越しや改姓の後で銀行への変更届を出していないと、付番できないことがあります。先に各銀行の登録情報を更新し、申請内容との不一致をなくします。
- 申込先を選び、結果まで確認する
金融機関またはマイナポータルから申し込めます。一部を除き、一度に複数の金融機関への届出も可能です。マイナポータル経由なら結果は「お知らせ」に届きます。銀行から複数行へ一括で申し込んだ場合は、預金保険機構から届く結果通知書を確認します。
デジタル庁の付番FAQ Q9-3〜5・11〜14に、申込方法・必要書類・結果確認・付番できなかったときの対応があります。マイナポータルからの申請にはマイナンバーカードと対応端末が必要です。銀行での持ち物や受付方法は、その銀行の案内を確認してください。
相続・災害時に役立つのは、付番済み口座の「所在」の確認
相続時の照会は、亡くなった方が生前に付番していた口座を探す仕組みです。番号さえ分かれば未付番の口座まで全部見つかる、というものではありません。災害時の照会も、被災前に付番していたことが前提です。
また、口座が見つかることと、残高を確認して払い戻しを受けることは別の手続きです。相続で口座を探している場合は、銀行口座の相続手続き・口座の探し方へ進んでください。必要書類や、付番していなかった場合の探し方も整理しています。
公金受取口座は、登録状況を確認してから変更する
公金受取口座は、給付金などの受取に使う本人名義の口座を、国に1人1口座登録する制度です。登録は任意で、登録していないことだけを理由に給付金を受け取れなくなるわけではありません。子どもの口座として親名義の口座を登録することもできません。
- すでに登録されているか見る
最新の登録口座を確認できるのはマイナポータルです。確定申告や年金の手続きなどで登録した場合も、まず現在の情報を確認します。
- 登録・変更・抹消の方法を選ぶ
マイナポータルまたは対応する金融機関で手続きできます。金融機関で受け付ける手続きは銀行ごとに異なるため、窓口へ行く前に確認してください。金融機関の窓口で別の銀行の口座へ変更する場合は、変更先の銀行で手続きします。
- 受付完了の後に、登録結果を確認する
受付完了の画面だけで登録済みと判断せず、結果通知を確認します。マイナポータルから申請した場合は「お知らせ」を開いてください。金融機関・確定申告・年金などを通じて申請した場合の通知先は、デジタル庁の手続きFAQ Q2で確認できます。通知の結果を読み、現在登録されている口座はマイナポータルで再確認します。付番も同時に申し込んだ場合は、付番の結果と公金受取口座の登録結果をそれぞれ確認してください。
- 受給中・申請中の給付金の振込先も確認する
公金受取口座を変更しても、年金や手当の振込先がすべて自動で切り替わるわけではありません。申請の時期や給付ごとの扱いによるため、年金事務所や給付元の自治体などに確認します。
公式案内:登録・確認・変更・抹消の手続き、登録できる口座、口座変更後の給付金の扱い。
年金の「意向確認書」が届いた方へ
対象の年金受給者には、日本年金機構から公金受取口座の登録に関する意向確認書が簡易書留で順次送られています。受け取ってから45日以内に不同意申出書を返送しない場合は、登録に同意したものとして扱われます。希望しない方は、書類の内容と返送期限を確認してください。簡易書留を受け取っていない場合は、この意向確認による登録は行われません。
45日が過ぎた時点で、登録完了・利用可能になるわけではありません。登録完了通知を確認してください。期限を過ぎてからの不同意申出は受理されないため、その後に登録を希望しなくなった場合は、完了通知が届いてからマイナポータルまたは対応する金融機関で抹消の手続きをします。
意向確認書や期限についての問い合わせ先は、書類に記載された専用フリーダイヤルです。一般の年金事務所や市区町村の窓口とは異なります。期限後の対応などはデジタル庁の意向確認FAQ Q19・20で確認できます。
これは全口座への付番の義務化ではありません。対象者・送付予定・見本は日本年金機構の特設ページで確認できます。登録後の変更・抹消も可能です。
なお、公金受取口座を登録した後に給付の申請が必要か、自動で振り込まれるかは、給付金ごとに運用が異なります。登録だけですべての給付が受けられると考えず、公式FAQ Q3の案内に沿って、給付元の手続きを確認してください。
紐付けると、残高や取引履歴まで国に伝わる?
付番の届出をきっかけに、銀行が国へ預貯金残高を知らせることはありません。公金受取口座についても、登録によって残高や取引履歴を国が把握する仕組みではありません。
ただし、税務調査や社会保障の資力調査など、法令に基づいて口座情報を確認する仕組みは従来からあります。「番号を届けなければ、どんな調査でも口座を調べられない」という意味ではありません。
出典:デジタル庁の付番FAQ Q9-6、公金受取口座の概要FAQ Q7〜9。公金受取口座の登録を理由に税金が引き落とされることもありません。
番号やカードだけで預金を引き出せるわけではない
マイナンバーやマイナンバーカードだけで、公金受取口座の預金を引き出すことはできません。一方で、カードの紛失や、銀行のパスワードを入力させる偽サイトは放置しないでください。
国に登録する公金受取口座の情報に、銀行の暗証番号やネットバンキングのパスワードは含まれません。行政などを名乗る電話・SMS・メールに、暗証番号を返信・回答しないでください。登録する情報はデジタル庁の概要FAQ Q5で確認できます。
一方、銀行の正規サービス内で行う本人認証は別です。例えば、三菱UFJ銀行の「スマートマイナンバー」アプリは公金受取口座の登録にも対応し、本人確認に口座情報とキャッシュカードの暗証番号を使います。ただし、同行へマイナンバーを届出済みの方は、このアプリでの申請はできず窓口手続きになります。利用条件と手順は同行公式のアプリ案内を確認してください。
暗証番号を求めるかどうかだけで正規の手続きと判断せず、銀行公式サイトを自分で開き、そこから案内される手続きへ進みます。不審な連絡のリンクから入力しないでください。マイナポータルで使うマイナンバーカードの暗証番号と、銀行のキャッシュカードの暗証番号も別のものです。
カードをなくした場合はデジタル庁FAQ Q9の一時利用停止・再交付の案内へ。偽サイトに銀行のログイン情報を入力してしまった場合は、不正送金の被害を防ぐための初動と銀行への連絡を確認してください。
- 口座を開く準備をする → 本人確認書類と口座開設の流れ
- カード読取で困っている → eKYC・オンライン本人確認
- 亡くなった家族の口座を探す → 銀行口座の相続手続き