ネット銀行用語解説

複利とは?単利との違い・72の法則・元利継続と元金継続の複利効果差を図解で解説

ヒナコ

ヒナコ

定期預金の説明で「元利継続だと複利効果がある」と書いてありましたが、複利って何ですか?利息が増えやすいということですか?

トシ

トシ

複利とは「利息に利息がつく」計算方法だ。一方、単利は「元本だけに利息がつく」。同じ金利・同じ期間でも、複利と単利では最終的な受取額が変わる。長期になるほど差は大きくなる

ヒナコ

ヒナコ

利息に利息がつく…というのは具体的にどういう意味ですか?イメージがわかないです

トシ

トシ

100万円を年利1%で預けるとしよう。単利なら毎年1万円の利息が出る。10年後は元利合計110万円だ。複利なら1年目の利息1万円が元本に加わり、2年目は101万円に対して利息がつく。この「利息が利息を生む」雪だるま式の仕組みが複利だ。10年後の元利合計は約110万4,622円になる。たった4,622円の差に見えるが、金利が高いほど・期間が長いほどこの差は加速度的に広がる

複利と単利の違い──利息の計算方法が根本的に異なる

預金やローンの利息計算には「単利」と「複利」の2つの方法がある。名前は似ているが、利息の積み上がり方がまったく異なる。この違いを理解することが、預金・投資におけるリターンを正確に見積もるための第一歩だ。

単利(Simple Interest)とは、元本だけに利息がつく計算方法だ。100万円を年利1%で預けた場合、毎年の利息は1万円で一定。10年間預けても、利息は毎年1万円×10年=10万円。元利合計は110万円になる。計算式は以下の通り。

単利の元利合計 = 元本 ×(1 + 金利 × 年数)

※利息は毎期同額で変わらない

複利(Compound Interest)とは、元本+利息の合計額に対して利息がつく計算方法だ。1年目の利息が元本に加算され、2年目は「元本+1年目の利息」に対して利息が計算される。3年目は「元本+1年目の利息+2年目の利息」に対して利息がつく。年を重ねるごとに利息の計算対象が大きくなるため、利息額も年々増加していく。

複利の元利合計 = 元本 ×(1 + 金利)年数

※利息が元本に組み込まれるため、毎期の利息額が増加する

単利と複利の違いは「利息の再投資があるかどうか」に帰着する。複利では利息が自動的に元本に加算される(=再投資される)のに対し、単利では利息は元本とは別に管理される。定期預金で「元利継続」を選ぶと複利効果が得られ、「元金継続」を選ぶと利息が普通預金に振り込まれるため実質的に単利運用に近くなる(詳細は§5で解説)。

複利効果は「時間」が最大の味方だ。短期間(1〜3年)では単利との差はわずかだが、10年・20年・30年と期間が長くなるほど差は加速度的に拡大する。逆に言えば、複利の恩恵を受けるには「早く始めて長く続ける」ことが何より重要になる。

単利と複利の比較(100万円・年利1%・10年間・税引前) 単利(Simple Interest) 元本 100万円 1年目:+1万円 2年目:+1万円 3年目:+1万円 4年目:+1万円 5年目:+1万円 6年目:+1万円 7年目:+1万円 8年目:+1万円 9年目:+1万円 10年目:+1万円 合計 110万円 VS 複利(Compound Interest) 元本 100万円 1年目:+10,000円 2年目:+10,100円 3年目:+10,201円 4年目:+10,303円 5年目:+10,406円 6年目:+10,510円 7年目:+10,615円 8年目:+10,721円 9年目:+10,829円 10年目:+10,937円 合計 約110.46万円 10年間の差額:約4,622円

上図の通り、単利では毎年の利息額が1万円で一定だが、複利では1年目10,000円→10年目10,937円と年々増加する。年利1%・10年間では差額4,622円だが、この差は金利が高いほど・期間が長いほど加速度的に拡大する。

複利効果の計算式と具体例

複利の計算式

複利の元利合計を求める計算式を改めて示す。

元利合計 = 元本 ×(1 + 年利)年数

例として、100万円を年利0.5%で5年間複利運用した場合を計算する(税引前)。

【計算例】100万円・年利0.5%・5年間(1年複利・税引前)

複利:100万円 ×(1 + 0.005)5 = 100万円 × 1.02525 = 約1,025,251円

単利:100万円 ×(1 + 0.005 × 5)= 1,025,000円

差額:251円(5年間・年利0.5%ではまだ小さい)

5年・年利0.5%では差額はわずか251円。これだけ見ると「複利効果は大したことない」と感じるかもしれない。しかし金利と期間を変えると、複利効果の大きさは劇的に変わる。

金利と期間で複利効果はどう変わるか

以下の表は、元本100万円を各金利で運用した場合の「単利との差額(=複利で上乗せされた金額)」を示したものだ(税引前・概算値)。

金利×期間別の複利効果(元本100万円・税引前・単利との差額) 年利 10年後の差額 20年後の差額 30年後の差額 用途イメージ 0.5% +1,254円 +5,077円 +11,614円 定期預金 1.0% +4,622円 +20,190円 +47,674円 高金利預金 3.0% +43,916円 +206,112円 +527,262円 投資信託 5.0% +128,895円 +653,298円 +1,821,942円 株式投資 ▼ 金利が高く・期間が長いほど複利効果は加速度的に拡大する 30年後の複利効果(単利との差額)をバーで可視化 0.5% 1.0% 3.0% 約52.7万円 5.0% 約182万円

この表から明確に読み取れるのは、現在のネット銀行の定期預金金利(年0.1%〜1.0%程度)では複利効果は限定的だという事実だ。年利0.5%で10年間の複利上乗せ分は1,254円。年利1.0%でも4,622円にとどまる。

一方、投資信託等で年利3〜5%の運用が実現すれば、複利効果は劇的に大きくなる。年利5%・30年間なら単利との差額は約182万円に達する。ただし投資信託は元本保証がなく、リターンは確定しない。預金の複利は利息が確定している安全な仕組みであり、投資の複利効果とは性質が異なることを理解しておく必要がある。

なお、預金利息には20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の源泉分離課税が自動的に差し引かれる。税引後の実質利回りは表面金利より低くなるため、正確な受取額を把握するには税引後金利で計算する必要がある。

72の法則──元本が2倍になる年数を3秒で計算する

72の法則とは

72の法則とは、複利運用で元本が2倍になるまでのおおよその年数を暗算で求める方法だ。計算式は極めてシンプルで、以下の通り。

元本が2倍になる年数 ≒ 72 ÷ 金利(%)

※金利1〜10%の範囲で概ね正確な近似値が得られる概算式

例を挙げると、年利1%の場合は72÷1=約72年、年利3%なら72÷3=約24年、年利5%なら72÷5=約14.4年、年利8%なら72÷8=約9年で元本が2倍になる計算だ。これは概算式であり厳密な値とは若干異なるが、金融商品の利回りを直感的に把握するのに非常に有用なツールだ。

72の法則 早見表(元本が2倍になるまでの年数) 元本が2倍になる年数 ≒ 72 ÷ 金利(%) 年利 0.5% 約144年 年利 1.0% 約72年 年利 3.0% 約24年 年利 5.0% 約14年 年利 8.0% 約9年 ← 預金の金利帯(0.1〜1.0%) ← 投資の利回り帯(3〜8%)

72の法則が教えてくれること

この早見表から明確に読み取れる事実がある。ネット銀行の定期預金(年利0.5%程度)で元本を2倍にするには約144年かかる。一方、年利5%の投資信託であれば約14年で2倍だ。10倍の速度差がある。

これは「預金だけで資産を増やす」ことの限界を数値で示している。預金は「資産を守る」ための手段であり、「資産を増やす」には投資も視野に入れるべきだ。ネット銀行と証券口座を連携させることで預金金利の優遇を受けつつ投資も始められる。その具体的な方法は銀証連携で解説している。

ただし72の法則はあくまで概算ツールだ。金利が非常に低い(0.1%以下)場合や非常に高い(15%以上)場合は誤差が大きくなる。正確な計算が必要な場合は複利計算式を使うべきだ。また、投資の利回りは保証されたものではなく、元本割れリスクがあることも付記しておく。

半年複利と1年複利の違い

複利の計算頻度による差

複利効果は「利息が元本に組み込まれる頻度」によっても変わる。1年に1回利息を元本に加算する「1年複利」と、半年(6ヶ月)ごとに加算する「半年複利」では、同じ年利でも最終的な受取額が異なる。

1年複利:元利合計 = 元本 ×(1 + 年利)年数

半年複利:元利合計 = 元本 ×(1 + 年利÷2)年数×2

※利息が元本に加算される頻度が高いほど、複利効果は大きくなる

利息が元本に加算される頻度が高いほど、「利息に利息がつく」タイミングが増えるため複利効果は大きくなる。理論上は「毎日複利」が最も有利だが、現実の預金商品では1年複利か半年複利が一般的だ。

具体例で比較

100万円を年利1%で3年間預けた場合(税引前)の比較を示す。

1年複利と半年複利の比較(100万円・年利1%・3年間・税引前) 1年複利(年1回加算) 開始 +10,000 1年後 +10,100 2年後 +10,201 3年後 1,030,301円 半年複利(年2回加算) 開始 +5,000 6ヶ月 +5,025 1年 +5,050 1.5年 +5,075 2年 +5,101 2.5年 +5,126 3年 1,030,378円 差額:77円(3年間・年利1%)

1年複利では3年後に1,030,301円、半年複利では1,030,378円。差額は77円だ。現在の金利水準では1年複利と半年複利の差はごくわずかだ。

ただし金利が高い時代や長期運用の場合はこの差が拡大する。ネット銀行の定期預金は銀行によって複利の計算頻度が異なるため、商品選択時に確認すべきポイントの一つだ。重要度としては「金利の高さ」「預入期間」のほうが複利の計算頻度よりもはるかに大きいため、過度に気にする必要はない。

ヒナコ

ヒナコ

複利の仕組みは分かりました!でも定期預金で「元利継続」と「元金継続」の2つがありますよね。どちらを選べば複利効果が得られるんですか?

トシ

トシ

元利継続を選べば複利効果が働く。元金継続を選ぶと利息は普通預金に振り込まれるから、実質的に単利運用と同じだ。ただし「利息を生活費に回したい」なら元金継続のほうが合っている。正解は一つではない

ヒナコ

ヒナコ

では長期間預けるなら、元利継続を選んだほうがいいということですか?

トシ

トシ

長期運用前提なら元利継続が有利だ。ただし勘違いしてはいけないのが、現在のネット銀行の定期預金金利(年0.1〜1.0%程度)では、元利継続と元金継続の差は年間数十円〜数百円レベルに留まるということだ。複利効果が真価を発揮するのは「高金利×長期間」の組み合わせ。預金で複利効果を過大評価するよりも、まずは金利自体が高い預け先を選ぶことが先決だ

元利継続と元金継続──定期預金の複利効果を決める選択

元利継続とは

元利継続とは、定期預金の満期時に「元本+利息」をまとめて新しい定期預金として再預入する方式だ。利息が元本に組み込まれるため、次の期間は「元本+前回の利息」に対して利息がつく。これが定期預金における複利効果の正体だ。

元利継続は「利息を引き出す予定がなく、長期間預ける」場合に適している。満期のたびに元本が少しずつ大きくなるため、時間が経つほど利息額も増加していく。自動継続を設定しておけば、満期時に手続き不要で再預入される。

元金継続とは

元金継続とは、定期預金の満期時に利息は普通預金口座に入金され、元本のみが新しい定期預金として再預入される方式だ。利息が元本に組み込まれないため、毎回同じ元本に対して利息が計算される。これは実質的に単利と同じ動きになる。

元金継続は「利息を定期的に受け取って使いたい」場合に適している。満期ごとに利息が普通預金に振り込まれるため、その利息を生活費や他の用途に回すことができる。

具体的な差額シミュレーション

100万円を各金利で10年間預けた場合の元利継続(複利)と元金継続(単利)の差額を以下に示す(税引前・1年複利)。

【シミュレーション①】100万円・年利0.5%・10年間

元利継続(複利):100万円 ×(1.005)101,051,140円(利息合計 51,140円)

元金継続(単利):100万円 +(100万円 × 0.005 × 10)= 1,050,000円(利息合計 50,000円)

差額:1,140円(10年間の累計)

【シミュレーション②】100万円・年利1.0%・10年間

元利継続(複利):100万円 ×(1.01)101,104,622円(利息合計 104,622円)

元金継続(単利):100万円 +(100万円 × 0.01 × 10)= 1,100,000円(利息合計 100,000円)

差額:4,622円(10年間の累計)

税引後(20.315%課税)を考慮すると差額はさらに小さくなる。年利0.5%・10年間の場合、税引後の差額は約908円だ。年間に換算すると約91円。この数字を見て「複利効果は無意味だ」と感じるか「少しでも有利な方を選ぶのが合理的だ」と感じるかは、個人の価値観による。

重要なのは、「元利継続か元金継続か」よりも「金利自体が高い預け先を選ぶ」ほうが受取額への影響ははるかに大きいという事実だ。金利0.5%と1.0%の差(元金継続同士で比較)は10年間で5万円。元利継続と元金継続の差(同じ金利での比較)は数千円。優先順位は明白だ。

元利継続 vs 元金継続(100万円・年利1%・10年間・税引前) 111万 108万 105万 102万 100万 0年 1年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 9年 10年 元利継続(複利) 元金継続(単利) 10年目の差額 +4,622円 ※税引前・概算値。実際の受取額は税金(20.315%)により異なる

【プロの視点】「複利は万能」ではない

「複利は人類最大の発明」という言葉がある。アインシュタインが語ったとされるが、実際の出典は定かではない。しかし複利の威力自体は疑いようがない。問題は「複利効果の恩恵を受けるための条件」を見落としている人が多いことだ。

複利効果が実感できるのは「高金利×長期間」の組み合わせが揃った場合に限られる。ネット銀行の定期預金金利が年0.5%の場合、100万円を10年間元利継続しても複利による上乗せ分はたった1,140円だ。税引後なら約908円。年間100円にも満たない。

これは複利が無意味だという話ではない。複利効果が小さいのは金利が低いからであり、金利が高い環境では複利の恩恵は劇的に大きくなる。年利5%の投資信託で複利運用(分配金再投資)すれば、100万円は約14年で2倍になる。ただし投資信託は元本保証がなく、運用成績によっては元本割れのリスクがある。

つまり「複利の仕組みを理解した上で、複利効果が最大化される預け先を選ぶ」ことが重要だ。預金は元本保証の安全資産として一定額を確保し、複利効果を活かすなら投資も併用する。この組み合わせが資産形成の基本戦略だ。ネット銀行の証券口座との連携については銀証連携で解説している。

複利を「魔法の杖」だと過大評価してはいけない。複利は「時間と金利を味方につけた者だけが恩恵を受けられる仕組み」だ。早く始めること、長く続けること、そして金利の高い場所にお金を置くこと──この3つが揃って初めて、複利効果は真価を発揮する。

次に読むべきページ

複利の仕組みと限界を理解したら、次は預金金利をさらに引き上げる方法や預金の安全性について理解を深めていく。

まとめ

複利は「利息に利息がつく」計算方法だ。単利(元本のみに利息がつく)と比べて、金利が高いほど・期間が長いほど元利合計の差は加速度的に広がる。複利の計算式は「元利合計 = 元本 ×(1 + 金利)年数」。

72の法則(元本が2倍になる年数 ≒ 72 ÷ 金利%)を使えば、複利効果の大きさを直感的に把握できる。ネット銀行の定期預金(年0.5%)なら約144年、年5%の運用なら約14年で2倍になる計算だ。

定期預金で複利効果を得るには「元利継続」を選択する。ただし現在の預金金利では元利継続と元金継続の差は年間数十円〜数百円レベルに留まる。複利効果を最大化するには「金利自体が高い預け先」を選ぶことが先決だ。

よくある質問

複利と単利の違いは何?

単利は元本だけに利息がつく計算方法で、毎期の利息額が同じ。複利は元本+利息の合計に利息がつく計算方法で、毎期の利息額が増加していく。同じ金利・期間で比較すると複利のほうが最終的な受取額が大きくなる。長期間になるほど差は拡大する。

72の法則の精度はどのくらい?

金利が1〜10%の範囲では概ね正確な近似値を得られる。金利が非常に低い(0.1%以下)場合や非常に高い(15%以上)場合は誤差が大きくなる。あくまで概算ツールであり、正確な計算が必要な場合は複利計算式を使うべきだ。

ネット銀行の定期預金は複利で計算される?

銀行や預金商品によって異なる。1年複利・半年複利の定期預金もあれば、利払い型(単利)の定期預金もある。商品選択時に「利息の計算方法」を必ず確認すること。また、満期時に「元利継続」を選ぶことで複利効果を得られる。

投資信託の「複利効果」と預金の「複利」は同じ?

仕組みは異なる。預金の複利は「利息が元本に加算されて再計算される」確定的な仕組みだ。投資信託の複利効果は「分配金を再投資する」ことで元本が増え、次の運用益が大きくなるという意味で使われるが、元本が変動するため利益は確定しない。預金の複利は元本保証があるが、投資信託にはない。

複利効果を最大化するにはどうすればいい?

3つの条件がある。①金利が高い預け先を選ぶ、②できるだけ長期間運用する、③利息を引き出さず元本に再投資する(定期預金なら「元利継続」を選択)。現在の預金金利では複利効果は限定的なため、資産形成の観点では預金と投資の併用が合理的だ。

出典・参考情報

リスクに関する重要事項:預金金利は金融機関により異なり、金利情勢により変動する。最新の金利は各金融機関の公式サイトを確認すること。預金保険制度により1金融機関につき元本1,000万円とその利息が保護されるが、外貨預金等の一部商品は対象外となる。本記事の計算例は税引前・概算値であり、実際の受取額は税金(利子所得20.315%)やその他条件により異なる。投資信託等の運用成績は保証されたものではなく、元本割れの可能性がある。

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