複利とは?単利との違い・計算例と元利継続の注意点


編集:金融ナンバーワンサイト

複利とは、利息を元本に加え、その合計に対して次の利息を計算する仕組みです。最初の元本だけで利息を計算する「単利」と違い、利息にも次の利息がつきます。

100万円を年1%・年1回の複利で2年間預けると、税引前の元利合計は102万100円。単利の102万円との差100円は、1年目の利息1万円から生まれます。

実際の預金を選ぶときは、預入中の計算方法と、満期後の元利継続・元金継続を別々に確認しましょう。以下の金利は仕組みを説明するための仮定です。

単利と複利の違いは、2年目に利息を計算する金額

元本は、最初に預けるお金のことです。まずは税金を考えず、100万円を年1%で預ける例を見てみましょう。追加でお金は預けず、単利で受け取る利息は別に保管し、その利息からは収益が生じないものとします。

  1. 1年目は、どちらも100万円で計算100万円 × 1% = 利息1万円
    この時点では、年1回の複利と単利に差はありません。
  2. 2年目の単利は、引き続き100万円で計算100万円 × 1% = 利息1万円
    2年分の利息を足すと2万円です。
  3. 2年目の複利は、利息を足した101万円で計算101万円 × 1% = 利息1万100円
    前年の利息1万円にも1%がつき、2年分の利息は2万100円になります。

表は左右にスクロールできます。元本100万円、年1%が一定、税・手数料なし。複利は年1回の計算です。

同じ100万円を預けたときの元利合計
期間単利年1回複利差
1年1,010,000円1,010,000円0円
2年1,020,000円1,020,100円100円
3年1,030,000円1,030,301円301円
10年1,100,000円約1,104,622円約4,622円

同じプラスの金利で利息を再び預け続けるなら、期間が長いほど差が積み重なります。ただし、実際の受取額は金利や税金、利息を元本へ加える時期でも変わります。上の10年の例も、途中で金利が変わらないという計算上の比較です。

定義の確認:J-FLEC「複利」・「単利」

複利の計算方法と、半年複利の考え方

年1回の複利は、前年までの合計に「1+年利率」を掛ける計算の繰り返しです。式に入れるときは、年1%を「0.01」に直します。

年1回複利の元利合計
元本 ×(1 + 年利率)の年数乗

単利の元利合計
元本 ×(1 + 年利率 × 年数)

元本100万円・年1%・2年なら、複利は1,000,000 × 1.01 × 1.01 = 1,020,100円。利息だけを知りたいときは、ここから元本100万円を引きます。

半年複利は、半年ごとに利息を次の計算へ加える

同じ名目年率1%を半年ごとに分ける理論例では、1回分を0.5%として計算します。半年ごとに1%を丸ごと掛けるわけではありません。

100万円 × 1.005 × 1.005 = 1,010,025円。税金を除いた1年後の合計は、年1回複利の1,010,000円より25円多くなります。

半年複利の元利合計=元本 ×(1+年利率÷2)の「年数×2」乗。これは計算周期を比べるための理論値です。実際の商品は日数や端数処理などの条件を確認してください。

「半年複利」と「半年ごとに利息を受け取れる」は別です。たとえば、あおぞら銀行のBANK The 定期の2年・3年・5年は、半年ごとの複利計算でも利息の支払は満期一括です。現金を使える時期は、商品の利払条件で確認します。公式の商品FAQ

また、「毎日の残高で利息を計算する」だけでは、毎日複利とはいえません。利息をいつ元本へ加えるかが別に決まるためです。日割り計算や利払日の見方は、銀行預金の金利・利息の仕組みで説明しています。

定期預金では「預入中」と「満期後」を分けて読む

「複利で預けたつもりなのに、元金継続になっていた」。この場合も、預入期間中の複利計算がなくなるとは限りません。単利・複利は利息の計算方法、元利継続・元金継続は満期後のお金の行き先を表すからです。

商品説明書・預入画面で確認する4つの欄
見る欄確認すること
利息の計算方法預入中は単利か複利か。複利なら、何か月ごとに計算するのか。
利息の支払時期満期にまとめて受け取るのか、途中の利払日があるのか。受取先はどの口座か。
満期の取扱い元利継続、元金継続、払戻しのどれか。自動継続しない場合の扱いと、満期金の受取先はどこか。
継続後の金利初回の金利が続くのか、継続時点の金利に変わるのか。キャンペーン終了後の条件はどうなるか。

元利継続

元本に利息を加え、新しい定期預金へ回します。課税される個人の預金では、次の元本へ加えるのは税引後の利息です。

利息も当面使わず、預金に残したい場合の選択肢になります。

元金継続

元本を新しい定期預金へ回し、利息は指定の口座で受け取ります。次の定期の元本は、利息の分だけ増えるわけではありません。

利息を生活費などに使いたい場合に選びやすい方法です。受取先の預金に利息がつくかは、その口座の条件によります。

実例:ゆうちょ銀行の3年定期貯金なら

ゆうちょ銀行の定期貯金は、預入期間が3年未満なら単利、3年以上なら半年複利です。満期時には、元金と利子を次へ回す「元利金継続」と、元金だけを次へ回す「元金継続」を選べます。

つまり、3年定期を元金継続にしても、その3年間の計算は半年複利です。満期に利息を受け取る設定と、期間内の計算方式は両立します。

この商品の継続後の金利は、自動継続時点の店頭表示金利です。10年定期は自動継続できません。ゆうちょ銀行の商品例であり、他行へ一律には当てはまりません。定期貯金の公式説明

自動継続しないことと、満期金が普段の口座へ自動で戻ることも別です。ゆうちょ銀行では通常貯金へ移す「満期振替預入」を別に設けており、それらを利用せず預入期間を過ぎた場合は、通常貯金の金利を目安とした金利が適用されます。満期金を使う予定があるなら、継続の有無だけでなく、受取先と必要な手続きを確認してください。

元利継続と元金継続で、税引後の合計はいくら変わる?

今度は、1年ものの預金を満期ごとにもう1年継続する例です。元本100万円、最初の1年は年1%とし、各年末に利息を受け取って課税されるものとします。先ほどの3年定期の受取額を計算したものではありません。

国内の個人の預金利息には、原則20.315%の税金がかかります。税率を掛けるのは元本ではなく利息です。非課税制度などの例外は、預金利息の税金で確認できます。国税庁「利息を受け取ったとき」

1年目の税引後利息は、概算で約7,969円
100万円 × 1% ×(1 − 20.315%)= 7,968.5円

元利継続なら、これを加えた約1,007,969円を次の定期へ。元金継続なら、定期には100万円を預け、約7,969円は別に受け取ります。

比較のため、税・利息の円未満処理は省略し、途中は小数のまま計算しています。表示するときだけ円単位に四捨五入します。銀行の実際の入金額を示すものではありません。

次の1年も年1%なら、元利継続の2年後の合計は約1,016,000円。元金継続でも、別に受け取った2年分の利息を含めれば1,015,937円です。この条件での差は約63円になります。

表は左右にスクロールできます。元金継続の受取利息は使わずに保管し、その受取口座には利息がつかない仮定です。全体の合計を比べるため、別口座で受け取った利息も含めています。

最初の年1%を固定し、次の1年の金利だけを変える
次の1年の金利元利継続:2年後の合計元金継続:受取利息を含む2年後の合計
年1%のまま約1,016,000円1,015,937円
年0.5%に下がる約1,011,984円約1,011,953円

この例のように金利が半分になると、元利継続で元本が増えても、次の利息は減ります。2年目の税引後利息は、金利1%なら約8,032円、0.5%なら約4,016円です。初回の高い金利を使い、そのまま何年も増えると見積もらないようにしましょう。

この比較の計算式と省略した条件

1年目の税引後利息は7,968.5円、次の元利継続の元本は1,007,968.5円です。各年の税率を20.315%で一定とし、追加預入・途中引出し・手数料・日数の差を考慮していません。

元利継続の2年後合計:1,007,968.5 ×{1+次の年利率 × 0.79685}。元金継続の2年後合計:1,000,000+7,968.5+1,000,000 × 次の年利率 × 0.79685。

「毎年の利息から税を引いて再預入する」モデルです。数年間の利息を税引前で複利計算し、満期にまとめて課税する場合とは結果が異なります。実際の受取額には商品規定の利払日、日数計算、税・利息の端数処理を使います。

満期にまとめて課税されるなら、計算の順番が変わる

預入中に利息を受け取らず、税引前で複利計算を続け、満期の支払時にまとめて税を引く場合は、上の「毎年課税して再預入」と式が異なります。税を引いた金利で毎年増やすのか、税引前で増えた利息から最後に税を引くのかを、利払条件に合わせます。

次の2行は、元本100万円・年1%固定・年1回複利・2年間、税率20.315%で計算順だけを比べた仮定例です。あおぞら銀行やゆうちょ銀行の実商品の受取額ではありません。追加預入・引出し・手数料・日数の差と途中の円未満処理を省略し、表示額だけを円単位に四捨五入しています。

利息の支払い・課税時点に合わせた2年後の合計
条件計算の順番と元利合計
各年末に課税し、税引後利息を再預入1,000,000 ×(1+0.01 × 0.79685)の2乗
約1,016,000円
途中課税なしで複利計算し、2年後の満期に一括課税1,000,000+(1,000,000 × 1.01の2乗 − 1,000,000)× 0.79685
約1,016,017円

金額の違いは、この仮定で税を引く時期が異なるためです。実際の商品は計算周期や金利も違うので、この2行だけで有利な商品は選べません。商品説明の「計算方法」「支払時期」を先に確認してください。

利息を使う予定があるなら、受取方法を先に決める

元金継続の試算で、別に受け取った利息を使えば、手元に残る合計はその分少なくなります。それは複利の計算で損をしたのではなく、お金を使った結果です。逆に、受取利息を別の預金へ移すなら、その預金の利息も加えて比べる必要があります。

利息も残すなら元利継続、利息を使うなら受取先を指定する方法を確認し、元本も使う予定なら満期の払戻しを検討します。次に商品説明の4つの欄へ戻り、継続後の金利と受取日が予定に合うかを確かめてください。商品の金利を比べる段階では、定期預金の比較も参照し、預入前に各行公式の適用金利・期間・継続条件を確認してください。

倍になる年数や投資の「複利効果」は、どう考える?

「72の法則」は、倍になる年数の目安

72を年利率のパーセント表示で割ると、複利で元本が2倍になる年数をおおよそ求められます。ただし近似なので、金利によって正確な計算との差が出ます。必要な年数や利回りの逆算は、72の法則・資産倍増シミュレーターで確認できます。

投資信託は、毎年決まった利息がつく預金とは違う

得られた収益を次の運用に回す考え方は共通します。ただし、投資信託は値下がりすることもあり、一定の利回りが続くわけではありません。分配金を再投資する場合だけでなく、収益を分配せず運用に残す場合もあります。

たとえば、100万円が1年目に10%増えて110万円になり、2年目に10%減ると99万円です。増減率を単純に足してゼロにはできません。これは税・費用・分配のない仮想例ですが、毎年の増減率を単純平均した数字だけでは、最終的な金額は分かりません。毎月お金を追加する試算は、積立シミュレーターで条件を分けて確認してください。

預金を比べるときも、複利かどうかだけで決めず、お金を使う時期と商品の条件を合わせて確認しましょう。金融機関が破綻した場合の保護は預金の種類などで異なります。預金保険の対象と保護範囲も整理しています。

出典と計算例について

制度・商品仕様は、下記の公式情報を本ページの最終更新日時点で確認しました。計算例の年1%・0.5%は説明上の仮定で、現在の預金金利や将来の運用成果を示していません。商品条件が変わった場合は、預入時・継続時の公式説明を確認してください。

このページの金額は、仕組みを比べるための計算例です。実際の明細と照合する場合は、税引前・税引後、利息の支払時期、適用金利、日数と端数処理をそろえてください。

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